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3.帝政エリクシア偵察録
8.キルニア城砦…その後
しおりを挟む その日は良く晴れた一日であった。三方を窓に囲まれた、東都ダキヤの執務室にて、エリクシア四侯爵家のうちの一家、ウェスパシア公爵は部下からの報告を聞いて苦虫を噛み潰していた。ここ1年で東方属領からキルニア城砦を経由した物流が激減していたので、原因を調査させていたのだが、その結果報告を聞いた為である。
キルニア城砦は、帝政エリクシアとその東部属領をつなぐ重要な交易ルート上にあり、天然の要害でもあった。古くから、ウァレリウス伯爵家が治めてきたのだが、西方諸国の征服が終ってから後の動きに問題が出ていたのである。
ウァレリウス伯爵は、50代の恰幅の良い御仁であったが、少々信仰にのめり込み易い短所もあった。伯爵がルキウス教東方教会の東区大司教ディオニクスと面識を得たのが3年前。それ以後彼はルキウス神の聖なる御手とならんとして、東方領ゾムニにてサナトリウムに放火し、異教徒を病人毎皆殺しにする事件を引き起こしたのである。
征服後40年を経て、安定しはじめた東方属領でのこの騒乱は、40年にわたる帝政エリクシアの浸透政策を踏みにじる行為となり、反逆の芽を産みかねない。只でさえ、西方諸国の征服が完了し、次はアレキサンドリア共和国という小国を狙おうという直前であり、この騒乱は軍が前線に出た場合の後方補給路の安全確保の妨げとなるのである。
東区大司教ディオニクスは東都へと呼び戻し、聖殿建立という名目で縛りつけ、ウァレリウス伯爵に対しては軍の越境を禁止したのが2年前。その後落ち着き始めた筈の東部属領から送られる、物流の大幅な減少は帝政エリクシア内でも、小麦やリネン製品の高騰などで影響が出始めていたのであった。
「どうもウァレリウス伯爵は、キルニア城砦を通行する商人や冒険者などの異教徒に、害を加えており、その噂が広がった事により通行する商人や人々が減ったのが原因のようです。」
内偵を命じた軍の報告も歯切れが悪い。キルニア城砦の付近では、帝国領内でも異教徒の商人が襲われる盗賊被害がでており、被害者は皆殺しになっている為、キルニア城砦が原因なのか盗賊が原因なのかも掴めなくなっていた。
ウェスパシア公爵は東方のキルニア城砦のある方角を見て、書記官に命じる。
「至急ウァレリウス伯爵を東都に召還せよ。此度の事情を説明するように。」
侯爵がそう命じた途端、キルニア城砦のある方角に、突然光の柱が現われたのである。一瞬執務室内を眩く照らした光の柱は、徐々にその幅を減じてやがて消滅したが、東都内だけではなく東方属領や周辺地域でも騒ぎになるのは間違いがない。公爵は慌てて軍に調査を命じたのであった。
*****
3日後の軍による報告は、公爵を更に不機嫌にした。軍からの報告は次のようなものであった。
・キルニア城砦及びその城下町は消失し、街道は通行不能。
・キルニア城砦のあった場所は、現在は河川の水が流れ込み直径2kmあまりの湖となっている。
・湖のほとりで、生存者大人数名と4歳以下の幼児が数十名を発見。
・生存者からの事情聴取によると、キルニア城砦では町ぐるみで異教徒狩りが行われていた。
・生存者は子供が小さいなどの理由をつけて、異教徒狩りに一度も参加したことがなかった。
・ウァレリウス伯爵以下複数の子爵や男爵等の下位貴族含めて10名が消息不明。
・キルニア城砦下に配置された二等臣民1万数千名の消息不明。
・光柱は原因不明なれど、直前に異端者狩りが行われいた事は判明しているが関連は不明。
公爵は傍らに控える老魔術師に尋ねた。
「……魔法によりこの現象を引き起こすのは可能か?」
傍らに控える魔術師は、軍の調査に伴って現地を訪れており、その光景を思い出して震えながら答えた。
「可能だとすれば光魔法でしょうが、町ひとつを消し飛ばし、恐らく無垢な者のみを残すなどという力は、人には扱えますまい。いや、可能性があるとすれば1人だけ。アレクサンドリアの魔女『アレクシア』殿だけでしょう。しかし、彼の者はアレキサンドリアを出ますまい。」
ウェスパシア公爵としても納得するしかない発言である。そういえばと、書記官にふと尋ねた。
「東区大司教ディオニクス殿は、今回の件どう言っておった。ウァレリウス伯爵は、敬虔な信者であると散々申しておったが、神はお救いにならなかったようじゃが。」
教会に原因を尋ねに訪れた書記官は、苦笑いして公爵に伝える。
「恐れながら申し上げます。『ウァレリウス伯爵以下、キルニア城砦の人々は、神の御心に沿い、善行をなしたので、神の国に召し上げられたのでしょう。』との事です。」
その言葉を聞いて、一瞬ポカンと間の抜けた表情を部下にさらした公爵は、顔を真っ赤にして怒鳴ったのである。
「馬鹿が! 神の御心とやらに沿ったら国が全滅するといってるんだぞ。何処の王がそんな神に従うというのだ。」
書記官としても最もだと思いつつも、伝え聞いた事をそのまま話すしかないのである。怒鳴った後で思考の海に沈んだかのように見える公爵の邪魔をせぬように、書記官は自席へともどった。
王家は国土を広くする事しか考えず、広げた後の平定は四公爵に丸投げしているのが現状だ。もっと効率的に運用し、内国化を進めなければならない。しかし下位の貴族や兵士達は戦乱の収束を、武勲を上げる機会の減少と捉えており、平和を望む者は多くない。
国土を支える四公爵は、差はあれど現在の膨張政策に対し批判的である。先代の王から2代連続で続いた膨張政策によって、帝政エリクシアは王都ガラティヤを中心として半径1000kmの領土を得て、人口も属領を含めれば4000万を超える。大陸西部を丸々と領有し、対岸の南方大陸の半数を領有しているとはいえ、実質王都から半径500kmに12都市を作り機能させているに過ぎず、その外側は旧領主や従順な者達へ任せているのが現状だ。
今しばらくは内政を充実させ、属領となった地域の属国から国内の県なり州へ移行するための占領政策は、未だに進んでおらず、とり合えず4割の租税を帝国内に納めさせているだけである。当然それだけでは属領自体の運営は回らないから、属領は属領で別に租税を取り立てており、住人は高い税に喘いでいる。
しかしここに来て問題が発生している。西部属領を攻略するのに役立ったとはいえ、ルキウス教を国教としようとしているのは、四公爵達が憂いを覚えている最大のものだ。
「あれは劇薬だ。効果は高いかもしれないが、副作用が大きい。」
それが四公爵の統一した意見ではあるが、王家は何を考えているのであろうか。
ウェスパシア公爵は頭を振って思考に落ちかけた気分を切り替えた。何れにしても早急に国都への報告を纏めねばなるまい。二等臣民1万数千名の命は別として、爵位をもった貴族が10名失われたのである。代替わりにしろ、取り潰すにしろ王家の判断を仰がねばならないのである。
また、東方への陸路での最大の交易路が事実上使用不可能となってしまったことも大きく、早急に代替ルートを作成する必要がある。ああ、ウァレリウス伯爵が東方属領に出していたという、異端者捕縛のギルドへの依頼も取り下げねばならない。全く、余計な仕事ばかり増える一方だ。そう考える公爵には、頭のいかれた似非宗教家に構っている時間は欠片もなかったのである。
*****
「うぅ?」
うめき声を上げて僕が目を覚ましたのは、フライングキャンパー1のベットの上でした。そして最初に思ったのが、今回はアリアの居場所じゃなかったんだなという事ですね。
正直、自分がどうやって帰ってきたのかも判りませんが、外套やスカートに空いた穴に、ニーソが血まみれだったりと言う点で、夢ではなかった事が判ります。広場に追い詰められてからの記憶が、かなり曖昧になっている気がします。
あれ? そういえば脚の怪我がありませんね? しげしげと眺めて見ますが、傷一つないのは謎ですね。とりあえず、元居た場所のままだとヤバイ気もしますので、移動する事にします。
FC1を浮上させて目に入ったのは、丸い湖……ですよね? アレは僕がやったんでしょうね……
背中を冷たいものが流れます。これはさすがにアレキサンドリアにも伝わるでしょうね~、帰る頃には皆忘れていてくれる事を期待しましょう。
街道の途切れた辺りは人だかりが凄いですね。対岸との距離が一気に2000m近くあいてしまったので、この街道は使用不可かもしれません。これだけ騒ぎが大きくなってると、このまま、帝国領内に入るのも危険な気がしますので、一度東部属領の方に方角を変えて、北東に進路をとった僕でした。
キルニア城砦は、帝政エリクシアとその東部属領をつなぐ重要な交易ルート上にあり、天然の要害でもあった。古くから、ウァレリウス伯爵家が治めてきたのだが、西方諸国の征服が終ってから後の動きに問題が出ていたのである。
ウァレリウス伯爵は、50代の恰幅の良い御仁であったが、少々信仰にのめり込み易い短所もあった。伯爵がルキウス教東方教会の東区大司教ディオニクスと面識を得たのが3年前。それ以後彼はルキウス神の聖なる御手とならんとして、東方領ゾムニにてサナトリウムに放火し、異教徒を病人毎皆殺しにする事件を引き起こしたのである。
征服後40年を経て、安定しはじめた東方属領でのこの騒乱は、40年にわたる帝政エリクシアの浸透政策を踏みにじる行為となり、反逆の芽を産みかねない。只でさえ、西方諸国の征服が完了し、次はアレキサンドリア共和国という小国を狙おうという直前であり、この騒乱は軍が前線に出た場合の後方補給路の安全確保の妨げとなるのである。
東区大司教ディオニクスは東都へと呼び戻し、聖殿建立という名目で縛りつけ、ウァレリウス伯爵に対しては軍の越境を禁止したのが2年前。その後落ち着き始めた筈の東部属領から送られる、物流の大幅な減少は帝政エリクシア内でも、小麦やリネン製品の高騰などで影響が出始めていたのであった。
「どうもウァレリウス伯爵は、キルニア城砦を通行する商人や冒険者などの異教徒に、害を加えており、その噂が広がった事により通行する商人や人々が減ったのが原因のようです。」
内偵を命じた軍の報告も歯切れが悪い。キルニア城砦の付近では、帝国領内でも異教徒の商人が襲われる盗賊被害がでており、被害者は皆殺しになっている為、キルニア城砦が原因なのか盗賊が原因なのかも掴めなくなっていた。
ウェスパシア公爵は東方のキルニア城砦のある方角を見て、書記官に命じる。
「至急ウァレリウス伯爵を東都に召還せよ。此度の事情を説明するように。」
侯爵がそう命じた途端、キルニア城砦のある方角に、突然光の柱が現われたのである。一瞬執務室内を眩く照らした光の柱は、徐々にその幅を減じてやがて消滅したが、東都内だけではなく東方属領や周辺地域でも騒ぎになるのは間違いがない。公爵は慌てて軍に調査を命じたのであった。
*****
3日後の軍による報告は、公爵を更に不機嫌にした。軍からの報告は次のようなものであった。
・キルニア城砦及びその城下町は消失し、街道は通行不能。
・キルニア城砦のあった場所は、現在は河川の水が流れ込み直径2kmあまりの湖となっている。
・湖のほとりで、生存者大人数名と4歳以下の幼児が数十名を発見。
・生存者からの事情聴取によると、キルニア城砦では町ぐるみで異教徒狩りが行われていた。
・生存者は子供が小さいなどの理由をつけて、異教徒狩りに一度も参加したことがなかった。
・ウァレリウス伯爵以下複数の子爵や男爵等の下位貴族含めて10名が消息不明。
・キルニア城砦下に配置された二等臣民1万数千名の消息不明。
・光柱は原因不明なれど、直前に異端者狩りが行われいた事は判明しているが関連は不明。
公爵は傍らに控える老魔術師に尋ねた。
「……魔法によりこの現象を引き起こすのは可能か?」
傍らに控える魔術師は、軍の調査に伴って現地を訪れており、その光景を思い出して震えながら答えた。
「可能だとすれば光魔法でしょうが、町ひとつを消し飛ばし、恐らく無垢な者のみを残すなどという力は、人には扱えますまい。いや、可能性があるとすれば1人だけ。アレクサンドリアの魔女『アレクシア』殿だけでしょう。しかし、彼の者はアレキサンドリアを出ますまい。」
ウェスパシア公爵としても納得するしかない発言である。そういえばと、書記官にふと尋ねた。
「東区大司教ディオニクス殿は、今回の件どう言っておった。ウァレリウス伯爵は、敬虔な信者であると散々申しておったが、神はお救いにならなかったようじゃが。」
教会に原因を尋ねに訪れた書記官は、苦笑いして公爵に伝える。
「恐れながら申し上げます。『ウァレリウス伯爵以下、キルニア城砦の人々は、神の御心に沿い、善行をなしたので、神の国に召し上げられたのでしょう。』との事です。」
その言葉を聞いて、一瞬ポカンと間の抜けた表情を部下にさらした公爵は、顔を真っ赤にして怒鳴ったのである。
「馬鹿が! 神の御心とやらに沿ったら国が全滅するといってるんだぞ。何処の王がそんな神に従うというのだ。」
書記官としても最もだと思いつつも、伝え聞いた事をそのまま話すしかないのである。怒鳴った後で思考の海に沈んだかのように見える公爵の邪魔をせぬように、書記官は自席へともどった。
王家は国土を広くする事しか考えず、広げた後の平定は四公爵に丸投げしているのが現状だ。もっと効率的に運用し、内国化を進めなければならない。しかし下位の貴族や兵士達は戦乱の収束を、武勲を上げる機会の減少と捉えており、平和を望む者は多くない。
国土を支える四公爵は、差はあれど現在の膨張政策に対し批判的である。先代の王から2代連続で続いた膨張政策によって、帝政エリクシアは王都ガラティヤを中心として半径1000kmの領土を得て、人口も属領を含めれば4000万を超える。大陸西部を丸々と領有し、対岸の南方大陸の半数を領有しているとはいえ、実質王都から半径500kmに12都市を作り機能させているに過ぎず、その外側は旧領主や従順な者達へ任せているのが現状だ。
今しばらくは内政を充実させ、属領となった地域の属国から国内の県なり州へ移行するための占領政策は、未だに進んでおらず、とり合えず4割の租税を帝国内に納めさせているだけである。当然それだけでは属領自体の運営は回らないから、属領は属領で別に租税を取り立てており、住人は高い税に喘いでいる。
しかしここに来て問題が発生している。西部属領を攻略するのに役立ったとはいえ、ルキウス教を国教としようとしているのは、四公爵達が憂いを覚えている最大のものだ。
「あれは劇薬だ。効果は高いかもしれないが、副作用が大きい。」
それが四公爵の統一した意見ではあるが、王家は何を考えているのであろうか。
ウェスパシア公爵は頭を振って思考に落ちかけた気分を切り替えた。何れにしても早急に国都への報告を纏めねばなるまい。二等臣民1万数千名の命は別として、爵位をもった貴族が10名失われたのである。代替わりにしろ、取り潰すにしろ王家の判断を仰がねばならないのである。
また、東方への陸路での最大の交易路が事実上使用不可能となってしまったことも大きく、早急に代替ルートを作成する必要がある。ああ、ウァレリウス伯爵が東方属領に出していたという、異端者捕縛のギルドへの依頼も取り下げねばならない。全く、余計な仕事ばかり増える一方だ。そう考える公爵には、頭のいかれた似非宗教家に構っている時間は欠片もなかったのである。
*****
「うぅ?」
うめき声を上げて僕が目を覚ましたのは、フライングキャンパー1のベットの上でした。そして最初に思ったのが、今回はアリアの居場所じゃなかったんだなという事ですね。
正直、自分がどうやって帰ってきたのかも判りませんが、外套やスカートに空いた穴に、ニーソが血まみれだったりと言う点で、夢ではなかった事が判ります。広場に追い詰められてからの記憶が、かなり曖昧になっている気がします。
あれ? そういえば脚の怪我がありませんね? しげしげと眺めて見ますが、傷一つないのは謎ですね。とりあえず、元居た場所のままだとヤバイ気もしますので、移動する事にします。
FC1を浮上させて目に入ったのは、丸い湖……ですよね? アレは僕がやったんでしょうね……
背中を冷たいものが流れます。これはさすがにアレキサンドリアにも伝わるでしょうね~、帰る頃には皆忘れていてくれる事を期待しましょう。
街道の途切れた辺りは人だかりが凄いですね。対岸との距離が一気に2000m近くあいてしまったので、この街道は使用不可かもしれません。これだけ騒ぎが大きくなってると、このまま、帝国領内に入るのも危険な気がしますので、一度東部属領の方に方角を変えて、北東に進路をとった僕でした。
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