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終章
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夢を見ていた。
夢の中には、顔さえ覚えていないと思っていたお父さんがいた。お母さんも笑っている。私は二人と手を繋ぎ、公園を散歩しているのだ。
その夢が私の妄想なのか、現実にあったことなのかはわからなかった。
ただ、お母さんに愛されていた時期が私にもあったのかもしれないと思うと、涙がこぼれた。
病院の個室ベッドから、外を眺める。
季節は変わって秋になっているけれど、外は相変わらず暑そうだ。中庭の並木道を行く婦人が日傘を差しているのが見えた。
しゃりしゃりと林檎を剥く音が途切れた。振り返ると、伸二さんが「しまった」という顔をしていて、思わず笑ってしまう。
「ふふ、残念。自信満々だったくせに」
「最後までいけると思ったんだけどなぁ」
途切れた箇所から再び林檎の皮をむきはじめ、綺麗に向き終えると食べやすい大きさに切り分けていく。
その一つを手に取って、私はじっと見つめた。
「もしかしてウサギ型がよかったかい? 僕アレ作れないんだよ」
「じゃあ今度私がつくってあげる」
「それは楽しみだ。僕林檎好きなんだよね」
「知ってる」
私が一欠けらを食べているあいだに、伸二さんはお皿に乗せた林檎の半分以上を食べてしまった。もともと私は食欲がなかったので、微笑んでその様子を眺めた。
「もりもり食べる男の人って素敵」
「元彼や奈良先生もそうなのかい?」
美津子さんに刺されたことがきっかけで、伸二さんにはすべての事情を知られてしまった。お姉ちゃんがレズビアンであること、偽装結婚をしたこと、そして私が奈良先生と付き合っていること。
病床にある私を慮ってか、伸二さんは渋い顔一つせず、私の前ではそれらの事実を受け止めてくれた。
優しい義父だ。夢のなかに出てきた父よりも、私にとっては大切な人。
私は伸二さんを見つめたあと、そっと視線を落とした。
「……誰も何も言ってくれないの」
私が手術して、目が覚めてから多くの人がお見舞に来てくれた。担任の先生、琴音、孤児院でお世話になったお義母さん、お姉ちゃん、雅さん、伸二さん。
皆が皆、口をそろえてこういう。
――『ゆっくり傷を治して、待ってるから』
とても暖かい言葉だと思う。暖かさしかなくて、笑ってしまいそうだ。
私は刺された傷が原因で、子宮を摘出しなければならかった。
交通外傷などが原因で子宮を摘出するケースはあるらしいが、つまり、私は子どもを産めなくなったということだ。
ほとんど痛みもなくなった下腹部を、寝間着のうえから抑えた。
子どもが産めなくなったと聞いたときは現実感がなくて、ただ命が助かったよかったとしか思わなかったけれど、日を追うごとに事実が重くのしかかってくる。
「……誰も、私が子どもを産めなくなったことには触れてくれない。気を使ってくれてるのかな」
「きみが無事だったことに比べれば、小さなことなんじゃないかな。でも、きみにとってはとても大きなことなんだね」
「うん、そう。まるで神様から、お前は母親に相応しくないって言われたみたいで辛いの」
子どもが産めなくなったと聞いてから、夢でみたお母さんの姿ばかりを思い出すようになった。酷い人だった。よくぶたれた。けれど、私を産んでくれた「お母さん」なのだ。
私はもう、母親になることすら出来なくなってしまったのに。
母親になる覚悟などなかったけれど、いつか母親になれるかもしれないと漠然と思っていた自分がいたことを思い知らされた。
「神様はそんなこと言わないさ」
「どうしてそんなことがわかるの」
「神様なんていないから」
その言葉に、私は顔をあげる。
伸二さんの真摯な視線が私を捕らえていた。
「子どもが出来ないことは、辛い。その気持ちはよくわかる」
「……わかる、って」
「僕も子どもが出来ない身体なんだ」
大きく目を見張る。
初耳だった。
「だから、孤児院に来てたの?」
「そう。そして愛花、きみに出会えた。……僕が子どもを産める身体で、世間一般でいう普通のような結婚をして家庭を持っていたら、きみに出会えていなかったと思うよ」
伸二さんが目を眇めた。
「この身体でよかったとは思わない。でも、僕は愛花に出会えてよかった。僕の生涯のなかで、一番素晴らしい出来事だと思っている」
息をつめる。
涙がこぼれた。
私は何度も頷いて、膝のうえで布団を握りしめる。
伸二さんの手が伸びてきて、私の頭を優しく撫でてくれた。
物音がして、深夜に目が覚めた。
辺りは暗いが、ぼんやりとした月明かりが部屋に満ちている。
巡回の看護師さんかな、とうっすら目を空けて確認すると、白衣姿の雅さんがドアから入ってくるのが見えた。
私は驚いて身体を起こした。
「こんな時間にどうしたの」
「今仕事が終わった。毎日来るって言っただろうが」
「嬉しいけど、疲れてるでしょ。無理しなくていいよ」
「お前の傍が一番癒されるんだよ」
雅さんは私のベッドに横座りする――と思いきや、靴を脱いで上り込んできた。私の隣に座り、腰を引き寄せられるようにして抱きしめられた。
「……看護師さんに見つかったらまずくない?」
そもそも時間外であるし、私はあくまで雅さんの義理の妹なのだ。付き合っていることは、世間に隠さなければならない。
私の心配をよそに、雅さんは「気にするな」と言って顔を近づけてきた。
触れるだけの優しいキスを受ける。
ぬるり、と舌が侵入してきて、角度を変えての激しい口づけに変わっていく。お互いの口内を犯し合い、顔を離したときには二人で荒い息をついていた。
「やべぇ、興奮してきた。帰ったらすぐにオナる」
「もう、なに宣言してるの」
「お前がエロいのが悪い」
よくわからない理由で責められて、私はむっとする。だがすぐに考えなおす。エロいというのはむしろ褒め言葉ではないか?
少し戸惑ったすえに、私は口をひらいた。
「もうすぐ退院なの。退院したら、またエロっちいことしてくれる?」
「当たり前だろ。めちゃくちゃ抱くぞ」
ふと、雅さんが思案顔になった。
「……そうだ。五木と相談して決めたんだが、離婚することにした」
「えっ、どうして」
お姉ちゃんが、私と雅さんが結婚できるように気を使ってくれたのか、と思ったが、次に雅さんが言った言葉に、私は飛び上がらんばかりに驚いた。
「五木の彼女、自殺しただろ。あのことが堪えてるらしい」
自殺?
だれが。
美津子さんが?
「……うそ」
「嘘じゃねぇよ。どっかの屋上から飛び降りたんだと」
息を呑んだ。
私が病院で目を覚ましてから、美津子さんの姿を見ないのはもちろん、誰も美津子さんの話題を出さなかった。
正直、子宮摘出しなければならなくなった私は、美津子さんに刺されたことを恨んでいた。退院しても、二度と美津子さんの顔を見たくないと思うほどに。
だがまさか、死んでいただなんて。
憎んでいたはずなのに、もう彼女がいないと思うと心がざわめいた。
「お、お姉ちゃんは、大丈夫なの」
「相当参ってるみたいだ。……お前が無事だったことが、せめてもの救いだろう」
抱き寄せられて、私は雅さんの肩に頭をすり寄せた。
無性に泣きたくなったけれど、我慢して唇を噛みしめる。胸の奥がぐちゃぐちゃで、ヘドロが溜まってしまったかのように重苦しい。
しばらく雅さんは、黙って私を抱きしめてくれた。
「……結婚するか」
ぽつり、と呟くように、雅さんが言う。
顔をあげた私に、雅さんは軽いキスをした。柔らかい感触が退いたあと、私は目を瞬いて雅さんに問う。
「結婚?」
「ああ。お前と、俺と」
「私、高校生だよ。それに……子ども、産めないよ」
「卒業くらい待ってやる。子どもは、別にいらねぇ」
それは私が望んでいた言葉そのものだった。
私はずっと、自分が子どもを産めなくなったことにショックを受けたのだと思っていた。けれど、違うのだ。私は、子どもを産めなくなったことを理由に雅さんから嫌われてしまうのではないかと、恐れていたのだ。
雅さんは、私を受け入れてくれる。
「子どもが出来なくても、結婚が出来なくても、一緒にいられるだけでいい。そう言ったのはお前だろうが」
「うん。……うん」
愛を育める人に出会おう。
いつだったか、そう誓ったことがあった。
これでいいのだ。愛する人と共にある――それは、私が望んだこと。それだけが、私の望み。
雅さんにしがみつき、すんすんと鼻を鳴らしながら泣いてしまった私を、雅さんは優しく抱きしめてくれた。
このままでいいのだ。
私の望みは、叶ったのだから。
END
夢の中には、顔さえ覚えていないと思っていたお父さんがいた。お母さんも笑っている。私は二人と手を繋ぎ、公園を散歩しているのだ。
その夢が私の妄想なのか、現実にあったことなのかはわからなかった。
ただ、お母さんに愛されていた時期が私にもあったのかもしれないと思うと、涙がこぼれた。
病院の個室ベッドから、外を眺める。
季節は変わって秋になっているけれど、外は相変わらず暑そうだ。中庭の並木道を行く婦人が日傘を差しているのが見えた。
しゃりしゃりと林檎を剥く音が途切れた。振り返ると、伸二さんが「しまった」という顔をしていて、思わず笑ってしまう。
「ふふ、残念。自信満々だったくせに」
「最後までいけると思ったんだけどなぁ」
途切れた箇所から再び林檎の皮をむきはじめ、綺麗に向き終えると食べやすい大きさに切り分けていく。
その一つを手に取って、私はじっと見つめた。
「もしかしてウサギ型がよかったかい? 僕アレ作れないんだよ」
「じゃあ今度私がつくってあげる」
「それは楽しみだ。僕林檎好きなんだよね」
「知ってる」
私が一欠けらを食べているあいだに、伸二さんはお皿に乗せた林檎の半分以上を食べてしまった。もともと私は食欲がなかったので、微笑んでその様子を眺めた。
「もりもり食べる男の人って素敵」
「元彼や奈良先生もそうなのかい?」
美津子さんに刺されたことがきっかけで、伸二さんにはすべての事情を知られてしまった。お姉ちゃんがレズビアンであること、偽装結婚をしたこと、そして私が奈良先生と付き合っていること。
病床にある私を慮ってか、伸二さんは渋い顔一つせず、私の前ではそれらの事実を受け止めてくれた。
優しい義父だ。夢のなかに出てきた父よりも、私にとっては大切な人。
私は伸二さんを見つめたあと、そっと視線を落とした。
「……誰も何も言ってくれないの」
私が手術して、目が覚めてから多くの人がお見舞に来てくれた。担任の先生、琴音、孤児院でお世話になったお義母さん、お姉ちゃん、雅さん、伸二さん。
皆が皆、口をそろえてこういう。
――『ゆっくり傷を治して、待ってるから』
とても暖かい言葉だと思う。暖かさしかなくて、笑ってしまいそうだ。
私は刺された傷が原因で、子宮を摘出しなければならかった。
交通外傷などが原因で子宮を摘出するケースはあるらしいが、つまり、私は子どもを産めなくなったということだ。
ほとんど痛みもなくなった下腹部を、寝間着のうえから抑えた。
子どもが産めなくなったと聞いたときは現実感がなくて、ただ命が助かったよかったとしか思わなかったけれど、日を追うごとに事実が重くのしかかってくる。
「……誰も、私が子どもを産めなくなったことには触れてくれない。気を使ってくれてるのかな」
「きみが無事だったことに比べれば、小さなことなんじゃないかな。でも、きみにとってはとても大きなことなんだね」
「うん、そう。まるで神様から、お前は母親に相応しくないって言われたみたいで辛いの」
子どもが産めなくなったと聞いてから、夢でみたお母さんの姿ばかりを思い出すようになった。酷い人だった。よくぶたれた。けれど、私を産んでくれた「お母さん」なのだ。
私はもう、母親になることすら出来なくなってしまったのに。
母親になる覚悟などなかったけれど、いつか母親になれるかもしれないと漠然と思っていた自分がいたことを思い知らされた。
「神様はそんなこと言わないさ」
「どうしてそんなことがわかるの」
「神様なんていないから」
その言葉に、私は顔をあげる。
伸二さんの真摯な視線が私を捕らえていた。
「子どもが出来ないことは、辛い。その気持ちはよくわかる」
「……わかる、って」
「僕も子どもが出来ない身体なんだ」
大きく目を見張る。
初耳だった。
「だから、孤児院に来てたの?」
「そう。そして愛花、きみに出会えた。……僕が子どもを産める身体で、世間一般でいう普通のような結婚をして家庭を持っていたら、きみに出会えていなかったと思うよ」
伸二さんが目を眇めた。
「この身体でよかったとは思わない。でも、僕は愛花に出会えてよかった。僕の生涯のなかで、一番素晴らしい出来事だと思っている」
息をつめる。
涙がこぼれた。
私は何度も頷いて、膝のうえで布団を握りしめる。
伸二さんの手が伸びてきて、私の頭を優しく撫でてくれた。
物音がして、深夜に目が覚めた。
辺りは暗いが、ぼんやりとした月明かりが部屋に満ちている。
巡回の看護師さんかな、とうっすら目を空けて確認すると、白衣姿の雅さんがドアから入ってくるのが見えた。
私は驚いて身体を起こした。
「こんな時間にどうしたの」
「今仕事が終わった。毎日来るって言っただろうが」
「嬉しいけど、疲れてるでしょ。無理しなくていいよ」
「お前の傍が一番癒されるんだよ」
雅さんは私のベッドに横座りする――と思いきや、靴を脱いで上り込んできた。私の隣に座り、腰を引き寄せられるようにして抱きしめられた。
「……看護師さんに見つかったらまずくない?」
そもそも時間外であるし、私はあくまで雅さんの義理の妹なのだ。付き合っていることは、世間に隠さなければならない。
私の心配をよそに、雅さんは「気にするな」と言って顔を近づけてきた。
触れるだけの優しいキスを受ける。
ぬるり、と舌が侵入してきて、角度を変えての激しい口づけに変わっていく。お互いの口内を犯し合い、顔を離したときには二人で荒い息をついていた。
「やべぇ、興奮してきた。帰ったらすぐにオナる」
「もう、なに宣言してるの」
「お前がエロいのが悪い」
よくわからない理由で責められて、私はむっとする。だがすぐに考えなおす。エロいというのはむしろ褒め言葉ではないか?
少し戸惑ったすえに、私は口をひらいた。
「もうすぐ退院なの。退院したら、またエロっちいことしてくれる?」
「当たり前だろ。めちゃくちゃ抱くぞ」
ふと、雅さんが思案顔になった。
「……そうだ。五木と相談して決めたんだが、離婚することにした」
「えっ、どうして」
お姉ちゃんが、私と雅さんが結婚できるように気を使ってくれたのか、と思ったが、次に雅さんが言った言葉に、私は飛び上がらんばかりに驚いた。
「五木の彼女、自殺しただろ。あのことが堪えてるらしい」
自殺?
だれが。
美津子さんが?
「……うそ」
「嘘じゃねぇよ。どっかの屋上から飛び降りたんだと」
息を呑んだ。
私が病院で目を覚ましてから、美津子さんの姿を見ないのはもちろん、誰も美津子さんの話題を出さなかった。
正直、子宮摘出しなければならなくなった私は、美津子さんに刺されたことを恨んでいた。退院しても、二度と美津子さんの顔を見たくないと思うほどに。
だがまさか、死んでいただなんて。
憎んでいたはずなのに、もう彼女がいないと思うと心がざわめいた。
「お、お姉ちゃんは、大丈夫なの」
「相当参ってるみたいだ。……お前が無事だったことが、せめてもの救いだろう」
抱き寄せられて、私は雅さんの肩に頭をすり寄せた。
無性に泣きたくなったけれど、我慢して唇を噛みしめる。胸の奥がぐちゃぐちゃで、ヘドロが溜まってしまったかのように重苦しい。
しばらく雅さんは、黙って私を抱きしめてくれた。
「……結婚するか」
ぽつり、と呟くように、雅さんが言う。
顔をあげた私に、雅さんは軽いキスをした。柔らかい感触が退いたあと、私は目を瞬いて雅さんに問う。
「結婚?」
「ああ。お前と、俺と」
「私、高校生だよ。それに……子ども、産めないよ」
「卒業くらい待ってやる。子どもは、別にいらねぇ」
それは私が望んでいた言葉そのものだった。
私はずっと、自分が子どもを産めなくなったことにショックを受けたのだと思っていた。けれど、違うのだ。私は、子どもを産めなくなったことを理由に雅さんから嫌われてしまうのではないかと、恐れていたのだ。
雅さんは、私を受け入れてくれる。
「子どもが出来なくても、結婚が出来なくても、一緒にいられるだけでいい。そう言ったのはお前だろうが」
「うん。……うん」
愛を育める人に出会おう。
いつだったか、そう誓ったことがあった。
これでいいのだ。愛する人と共にある――それは、私が望んだこと。それだけが、私の望み。
雅さんにしがみつき、すんすんと鼻を鳴らしながら泣いてしまった私を、雅さんは優しく抱きしめてくれた。
このままでいいのだ。
私の望みは、叶ったのだから。
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