14 / 17
第五章 幸せマリアージュ
3、
しおりを挟む
棚から、ゲオルグがデザインしたという夜着を見つけ出し、ゲオルグに背中を向けて、夜着に着替える。ドレスを脱いだ瞬間、背後で息を呑む音がしたので、このような場所で着替える破廉恥さに、嫌悪されてしまったのかもしれない。
不安になってきて、メリアは夜着に着替えるとすぐに、ベッドで胡坐をかいて座っているゲオルグの胸に飛び込んだ。
ゲオルグは呆然としていたが、ハッと我に返るとメリアに口づけながら、ベッドに押し倒し、逃げられないよう自らの身体を押しつける。
窓から明るい陽光が差し込むなか、堪えていたものが溢れるように激しく口づけを交わした。お互いの舌が絡んで響く唾液の音や、興奮滾る呼吸、夜着越しに触れ合う熱い肌が、勢いよく情欲を煽り、メリアはゲオルグの首筋にしがみついた。
本番こそ不慣れだが、口づけは何度も受けてきたため、メリアも要領がわかりつつある。口をひらいてゲオルグの舌を受け入れ、自らも積極的にゲオルグの舌や唾液を吸う。
(あっ、んぅ)
けれど、今日はこれまでの口づけよりも、なぜか頭がぼうっとしてくる。夜着越しに触れるゲオルグの肌が微かに動くたび、身じろぎしてしまうほど、感覚が研ぎ澄まされていた。
(なんか、へんっ、気持ちいい)
ちゅく、と音をたてて唇が離れ、大きく息を吸う。つつ、と伸びた銀のような糸がお互いの唾液が、ぷつりと切れた。
ゲオルグが、ほんのりと上気した頬でメリアを見下ろし、嬉しそうに微笑む。
「いやらしい顔をしている、可愛い」
「……だ、旦那様は、えっちな顔をされてます」
「ああ、これからすることを思うだけで、ここが、凄まじいことになっている」
ぐり、と下半身を太ももに押しつけられて、硬くなった部分の熱さに目を見張る。先ほどからそこが反応してくれているのだ、と嬉しく思っていたけれど、あまりにも硬く大きくなっていることに驚いた。
もどかしそうに軍服を脱ぐゲオルグに、メリアはそっと問う。
「痛い、ですか?」
「ああ」
ゲオルグはあっさり頷き、メリアはごくりと喉をならす。
私が頑張らないと。
メリアは自分に言い聞かせると同時に、自らが望んでいたことでもあると理解もしていた。
ずっと、激しく求められたかった。
触れられない寂しさが、メリアの鬱屈とした思考に拍車をかけていたのだ。
メリアは、夜着の前につているボタンを、外し始めた。
二度目だというのに、緊張から指先が震えて、なかなかボタンをはずせない。ゲオルグが、驚いたような興奮を堪えるような、そんな目でじっと見降ろしていることもあって、いっそう、指先が縺れた。
頬が熱くて心臓が大きく脈打ち、無意識に両膝を摺り寄せてしまう。
なんとか最後のボタンを――お腹あたりにあるボタンを――外し終えると、震える指先で夜着の前開き部分をつまみ、ゆっくりと左右にひらいた。
大きな胸がぷるんっとこぼれた。
すでに尖端が主張し、赤く色づいているのが見えて、羞恥からメリアはこれ以上ないほどに頬を朱色に染めてしまう。
そんな仕草が、ゲオルグの興奮を煽るだけとも知らずに。
「こ、このように、するものだと、聞きました」
「あぁ」
ゲオルグから、熱い吐息が漏れた。
「綺麗だ、メリア。……私のメリア」
ゲオルグは、壊れ物のように優しい手つきでメリアの胸をそっと撫でる。
弾力や大きさ、肌の触り心地を確かめるように、ごつごつとした手に愛撫されるたび、メリアは首をそらして、小さく震えた。
「美味しそうだな」
「え? あっ!」
突起を吸われて、突然の快感に大きく身体が跳ねた。これまでの優しい手つきからは想像もつかない強引な愛撫に、嬌声が漏れる。
咄嗟にゲオルグに頭を抱きしめるように掻き抱くと、メリアの求めに応えるようにゲオルグの愛撫はさらに激しいものとなる。
空いている突起を指先だけでくにくにと強く摘ままれて、甘い疼痛に何度も身体を震わせた。気持ちよさにドロワーズが濡れるのを感じて、早く触れてほしいと、メリア自らゲオルグの昂りに身体を擦りつける。
それは無意識の、本能の行動だった。
「っ、ふっ、本当に、きみはたまらなく可愛らしいっ」
名残惜しく、ちゅうと吸いつきながら突起から顔を離したゲオルグは、先ほどよりも赤く色づいた先端を見て満足そうに笑う。
情欲に滾る瞳に、メリアの身体が期待から震え、秘部から蜜が溢れた。
メリアが望んだように、ゲオルグの武骨な手がドレスの裾をたくし上げて、ドロワーズの隙間から侵入してくる。
ぬちゃ、と水音を響かせながら、ゲオルグの指が秘裂をなぞった。すでに充分溢れた蜜を指に絡ませながら膨らんだ花芽をいじられて、嬌声を漏らす。
「ん、あっ、そこぉ」
「ここがいいのか?」
「きもち、いい。指っ」
メリアが望むまま、ゲオルグは花芽を強く刺激して快感を導いていく。
「あっ、あんっ、やぁ!」
突如、ぱっと視界が白くなり、背筋が弓なりにしなる。
身体が硬直したあと身体が弛緩して、愛液が溢れるのがわかった。
「ごめんなさい、私」
一人で気持ちよくなってしまった、と落ち込むメリアの頬に、優しい口づけが降りてくる。
「きみは、すごく魅力的だ。次は、私を受け入れてくれるか?」
熱い吐息とともに言われて、メリアは微笑んだ。
「勿論です、旦那様」
ゲオルグは「ありがとう」とかすれた声で呟くと、再び秘裂を撫で、充分に濡れた蜜窟へ指を挿入した。
驚くほどすんなりと入り、指の数が、二本、三本と増えていく。
「痛みはないか?」
「はいっ、でも、もどかしいです」
「そうか」
くっ、とゲオルグが喉の奥で笑う。
「ならば、早くやらねばならんな」
(あっ、私から頑張らないと)
ドロワーズを脱ごうと身体を捻った瞬間、ゲオルグは驚くほどの手早さでドロワーズを脱がしてしまう。
戸惑っているうちに、大きく足を開かされて硬く熱い塊が押しつけられた。ゲオルグは秘肉を怒張の先端で撫でたあと、ゆっくりと腰を沈めた。
圧迫感に背中がのけぞり、シーツをぎゅっと握り締める。
「っ、力を抜けるか」
「ん、は、いっ」
初めてのときのような痛みはない。
けれど、熱杭が侵入してくる違和感と苦しさに、息をつめてしまう。力を緩めようにも、どうしたらいいのかわからない
瞳に涙が溢れて、首を横に振る。
「メリア……?」
戸惑ったゲオルグの声音に、メリアは慌てて首をさらに横に振った。
「ちがっ、私、どうしたら……うまく、できなっ」
頬に温かく硬い男の大きな手のひらが触れる。優しい手つきで繰り返し撫でられるうちに、ゲオルグが優しい瞳でメリアを見下ろしていることに気づく。
「旦那様……んふぅ」
口づけが降りてきて促されるまま口をひらくと、口内を激しく舌で愛撫される。快感が齎されるたびに蜜が溢れ、ずぶずぶと怒張が押し進んでくるのを感じた。
「っ、は、入ったぞ」
「よ、よかっ、たぁ」
ゲオルグはゆっくりと腰を引き、やや勢いをつけて奥へと突き入れる。入らないと思っていた怒張が、メリアの蜜窟のなかを何度も何度も行き来する。
メリアは、怒張のひと際大きな先っぽで擦られ、さらに血管がどくどくと脈打つ部分で愛撫されて、与えられる快感を貪った。
(このままじゃ、私だけ、気持ちよくなっちゃうっ)
ゲオルグにも気持ちよくなってほしいのに、メリアは何も出来ないままだ。
「だ、旦那様っ」
いつの間にか閉じてしまっていた目を開くと、メリアを足の間に身体を割り込ませたゲオルグを見た。
額に汗をびっしりと浮かばせて、恍惚とした瞳でメリアを見つめながら歯を食いしばっている。
「……気持ちいい、ですか」
「ああ、良過ぎて持ちそうにない」
熱い吐息とともに言われた刹那、胸の奥が切なく疼いた。
もっと、もっと気持ちよくしてあげたい。
もっと、もっと――これから、何度でも。
次第に、肌と肌がぶつかる音が部屋に響くほどに、ゲオルグが激しく腰を打ちつけ始めた。メリアのなかを擦りつける火傷しそうなほど熱い肉棒が、メリアへ更なる快感を齎す。
(ん、だめっ、おかしくなっちゃ、んっ、んんっ!)
背筋を疼痛が駆けのぼって全身に広がり、身体が硬直した。
濁流のように押し寄せる快感の波に飲み込まれ、メリアは促されるがままに、その快感に身を委ねた。
「あっ、ああっ!」
ふわっ、と意識が舞うような錯覚を覚えた瞬間、蜜窟のなかの怒張が膨らんだ。熱杭から放たれる白濁を蜜壺のなかで感じて、メリアは小さく身体を震わせる。
「はぁ、あ、んっ」
小さな快感にも敏感に反応しながら、身体が弛緩していく。少しずつ意識がしっかりとしてくると、二度目の情事にメリアの心が弾んだ。
また一つになれたことが嬉しくて、気持ちを伝えようと口を開いた瞬間、覆いかぶさってきたゲオルグから口づけを受ける。胸の突起を摘ままれて、敏感になっている身体は電気が走ったように大きく跳ねた。
「綺麗だ、メリア。もっと欲しい。もっとだ」
微笑んで頷いたところで、メリアの意識はぼんやりと溶け始めた。
繰り返し与えられる快感に飲み込まれ、いつの間にか、深い眠りに落ちていた。
不安になってきて、メリアは夜着に着替えるとすぐに、ベッドで胡坐をかいて座っているゲオルグの胸に飛び込んだ。
ゲオルグは呆然としていたが、ハッと我に返るとメリアに口づけながら、ベッドに押し倒し、逃げられないよう自らの身体を押しつける。
窓から明るい陽光が差し込むなか、堪えていたものが溢れるように激しく口づけを交わした。お互いの舌が絡んで響く唾液の音や、興奮滾る呼吸、夜着越しに触れ合う熱い肌が、勢いよく情欲を煽り、メリアはゲオルグの首筋にしがみついた。
本番こそ不慣れだが、口づけは何度も受けてきたため、メリアも要領がわかりつつある。口をひらいてゲオルグの舌を受け入れ、自らも積極的にゲオルグの舌や唾液を吸う。
(あっ、んぅ)
けれど、今日はこれまでの口づけよりも、なぜか頭がぼうっとしてくる。夜着越しに触れるゲオルグの肌が微かに動くたび、身じろぎしてしまうほど、感覚が研ぎ澄まされていた。
(なんか、へんっ、気持ちいい)
ちゅく、と音をたてて唇が離れ、大きく息を吸う。つつ、と伸びた銀のような糸がお互いの唾液が、ぷつりと切れた。
ゲオルグが、ほんのりと上気した頬でメリアを見下ろし、嬉しそうに微笑む。
「いやらしい顔をしている、可愛い」
「……だ、旦那様は、えっちな顔をされてます」
「ああ、これからすることを思うだけで、ここが、凄まじいことになっている」
ぐり、と下半身を太ももに押しつけられて、硬くなった部分の熱さに目を見張る。先ほどからそこが反応してくれているのだ、と嬉しく思っていたけれど、あまりにも硬く大きくなっていることに驚いた。
もどかしそうに軍服を脱ぐゲオルグに、メリアはそっと問う。
「痛い、ですか?」
「ああ」
ゲオルグはあっさり頷き、メリアはごくりと喉をならす。
私が頑張らないと。
メリアは自分に言い聞かせると同時に、自らが望んでいたことでもあると理解もしていた。
ずっと、激しく求められたかった。
触れられない寂しさが、メリアの鬱屈とした思考に拍車をかけていたのだ。
メリアは、夜着の前につているボタンを、外し始めた。
二度目だというのに、緊張から指先が震えて、なかなかボタンをはずせない。ゲオルグが、驚いたような興奮を堪えるような、そんな目でじっと見降ろしていることもあって、いっそう、指先が縺れた。
頬が熱くて心臓が大きく脈打ち、無意識に両膝を摺り寄せてしまう。
なんとか最後のボタンを――お腹あたりにあるボタンを――外し終えると、震える指先で夜着の前開き部分をつまみ、ゆっくりと左右にひらいた。
大きな胸がぷるんっとこぼれた。
すでに尖端が主張し、赤く色づいているのが見えて、羞恥からメリアはこれ以上ないほどに頬を朱色に染めてしまう。
そんな仕草が、ゲオルグの興奮を煽るだけとも知らずに。
「こ、このように、するものだと、聞きました」
「あぁ」
ゲオルグから、熱い吐息が漏れた。
「綺麗だ、メリア。……私のメリア」
ゲオルグは、壊れ物のように優しい手つきでメリアの胸をそっと撫でる。
弾力や大きさ、肌の触り心地を確かめるように、ごつごつとした手に愛撫されるたび、メリアは首をそらして、小さく震えた。
「美味しそうだな」
「え? あっ!」
突起を吸われて、突然の快感に大きく身体が跳ねた。これまでの優しい手つきからは想像もつかない強引な愛撫に、嬌声が漏れる。
咄嗟にゲオルグに頭を抱きしめるように掻き抱くと、メリアの求めに応えるようにゲオルグの愛撫はさらに激しいものとなる。
空いている突起を指先だけでくにくにと強く摘ままれて、甘い疼痛に何度も身体を震わせた。気持ちよさにドロワーズが濡れるのを感じて、早く触れてほしいと、メリア自らゲオルグの昂りに身体を擦りつける。
それは無意識の、本能の行動だった。
「っ、ふっ、本当に、きみはたまらなく可愛らしいっ」
名残惜しく、ちゅうと吸いつきながら突起から顔を離したゲオルグは、先ほどよりも赤く色づいた先端を見て満足そうに笑う。
情欲に滾る瞳に、メリアの身体が期待から震え、秘部から蜜が溢れた。
メリアが望んだように、ゲオルグの武骨な手がドレスの裾をたくし上げて、ドロワーズの隙間から侵入してくる。
ぬちゃ、と水音を響かせながら、ゲオルグの指が秘裂をなぞった。すでに充分溢れた蜜を指に絡ませながら膨らんだ花芽をいじられて、嬌声を漏らす。
「ん、あっ、そこぉ」
「ここがいいのか?」
「きもち、いい。指っ」
メリアが望むまま、ゲオルグは花芽を強く刺激して快感を導いていく。
「あっ、あんっ、やぁ!」
突如、ぱっと視界が白くなり、背筋が弓なりにしなる。
身体が硬直したあと身体が弛緩して、愛液が溢れるのがわかった。
「ごめんなさい、私」
一人で気持ちよくなってしまった、と落ち込むメリアの頬に、優しい口づけが降りてくる。
「きみは、すごく魅力的だ。次は、私を受け入れてくれるか?」
熱い吐息とともに言われて、メリアは微笑んだ。
「勿論です、旦那様」
ゲオルグは「ありがとう」とかすれた声で呟くと、再び秘裂を撫で、充分に濡れた蜜窟へ指を挿入した。
驚くほどすんなりと入り、指の数が、二本、三本と増えていく。
「痛みはないか?」
「はいっ、でも、もどかしいです」
「そうか」
くっ、とゲオルグが喉の奥で笑う。
「ならば、早くやらねばならんな」
(あっ、私から頑張らないと)
ドロワーズを脱ごうと身体を捻った瞬間、ゲオルグは驚くほどの手早さでドロワーズを脱がしてしまう。
戸惑っているうちに、大きく足を開かされて硬く熱い塊が押しつけられた。ゲオルグは秘肉を怒張の先端で撫でたあと、ゆっくりと腰を沈めた。
圧迫感に背中がのけぞり、シーツをぎゅっと握り締める。
「っ、力を抜けるか」
「ん、は、いっ」
初めてのときのような痛みはない。
けれど、熱杭が侵入してくる違和感と苦しさに、息をつめてしまう。力を緩めようにも、どうしたらいいのかわからない
瞳に涙が溢れて、首を横に振る。
「メリア……?」
戸惑ったゲオルグの声音に、メリアは慌てて首をさらに横に振った。
「ちがっ、私、どうしたら……うまく、できなっ」
頬に温かく硬い男の大きな手のひらが触れる。優しい手つきで繰り返し撫でられるうちに、ゲオルグが優しい瞳でメリアを見下ろしていることに気づく。
「旦那様……んふぅ」
口づけが降りてきて促されるまま口をひらくと、口内を激しく舌で愛撫される。快感が齎されるたびに蜜が溢れ、ずぶずぶと怒張が押し進んでくるのを感じた。
「っ、は、入ったぞ」
「よ、よかっ、たぁ」
ゲオルグはゆっくりと腰を引き、やや勢いをつけて奥へと突き入れる。入らないと思っていた怒張が、メリアの蜜窟のなかを何度も何度も行き来する。
メリアは、怒張のひと際大きな先っぽで擦られ、さらに血管がどくどくと脈打つ部分で愛撫されて、与えられる快感を貪った。
(このままじゃ、私だけ、気持ちよくなっちゃうっ)
ゲオルグにも気持ちよくなってほしいのに、メリアは何も出来ないままだ。
「だ、旦那様っ」
いつの間にか閉じてしまっていた目を開くと、メリアを足の間に身体を割り込ませたゲオルグを見た。
額に汗をびっしりと浮かばせて、恍惚とした瞳でメリアを見つめながら歯を食いしばっている。
「……気持ちいい、ですか」
「ああ、良過ぎて持ちそうにない」
熱い吐息とともに言われた刹那、胸の奥が切なく疼いた。
もっと、もっと気持ちよくしてあげたい。
もっと、もっと――これから、何度でも。
次第に、肌と肌がぶつかる音が部屋に響くほどに、ゲオルグが激しく腰を打ちつけ始めた。メリアのなかを擦りつける火傷しそうなほど熱い肉棒が、メリアへ更なる快感を齎す。
(ん、だめっ、おかしくなっちゃ、んっ、んんっ!)
背筋を疼痛が駆けのぼって全身に広がり、身体が硬直した。
濁流のように押し寄せる快感の波に飲み込まれ、メリアは促されるがままに、その快感に身を委ねた。
「あっ、ああっ!」
ふわっ、と意識が舞うような錯覚を覚えた瞬間、蜜窟のなかの怒張が膨らんだ。熱杭から放たれる白濁を蜜壺のなかで感じて、メリアは小さく身体を震わせる。
「はぁ、あ、んっ」
小さな快感にも敏感に反応しながら、身体が弛緩していく。少しずつ意識がしっかりとしてくると、二度目の情事にメリアの心が弾んだ。
また一つになれたことが嬉しくて、気持ちを伝えようと口を開いた瞬間、覆いかぶさってきたゲオルグから口づけを受ける。胸の突起を摘ままれて、敏感になっている身体は電気が走ったように大きく跳ねた。
「綺麗だ、メリア。もっと欲しい。もっとだ」
微笑んで頷いたところで、メリアの意識はぼんやりと溶け始めた。
繰り返し与えられる快感に飲み込まれ、いつの間にか、深い眠りに落ちていた。
1
お気に入りに追加
1,896
あなたにおすすめの小説
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。

隣国に嫁いだちょいぽちゃ王女は帰りたい
鍋
恋愛
パンデルム帝国の皇帝の末娘のシンシアはユリカ王国の王太子に政略結婚で嫁ぐことになった。食べることが大好きなシンシアはちょいぽちゃ王女。
しかし王太子であるアルベートにはライラールという恋人がいた。
アルベートは彼女に夢中。
父である皇帝陛下には2年間で嫌になったら帰ってもいいと言われていたので、2年間耐えることにした。
内容はありがちで設定もゆるゆるです。
ラブラブは後半。
よく悪役として出てくる隣国の王女を主役にしてみました。

このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる