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(……素敵)

 加虐的な趣味はないが、自分の手で快楽に蕩ける姿を見るのはとても嬉しい。
 呼吸を整えようとしているカルロの頬にキスを落とそうとしたユルティナは、カルロがドアを見つめたまま青くなっていることに気づいて振り返った。

 そこには、かつての婚約者であるグレゴールが立ち尽くしていた。
 暗い室内でもわかるほど顔を真っ赤にして。

「殿下、覗きですか?」

 そういう趣味があるのかもしれないと思ったゆえに、出た言葉だった。冗談でもからかっている訳でもない。
 しかし、グレゴールはハッとすると大股でユルティナの元に歩み寄ってくると、手首を引っ張った。

「何をしている、気が狂ったのか!」
「それは私のセリフです。ここで何をしてるんですか? 見ての通り取り込み中なので、用なら後にしてくださりませんか?」

 一国の王太子に対する言葉ではない。
 王子が相手なら、どんな用事でも後回しにして彼を優先するのが当然なのだ。
 いつものユルティナならばそうしただろう。

 しかし今、カルロと共にしていることは、王太子などどうでもよくなるほど重要だった。
 そもそもユルティナは今日を心待ちにしていたし、カルロには伝えていないがこの瞬間を迎えるために多大な下準備を要したのである。
 だから、邪魔されたことに対してユルティナは静かに怒っていた。

「こんな場面を見て、見て見ぬふりなどできん! ユルティナ、私はお前を迎えにきたのだ」
「はい?」
「ルーン侯爵は捕え、すでにそなたの父も名誉を回復している。悪夢はすべて終わったのだ。ともに王都に戻ろう。私の婚約者は、お前だけなのだから」
「…………え?」

 時間が止まった気がした。
 部屋に静寂が降りる。

(いやこいつ、何言ってんの……?)

 ユルティナは、心底呆れ果てた。
 つい王太子に対して「こいつ」と言ってしまいそうになるくらい、呆然とした。

「……何を仰っているのか、意味がわかりません」
「お前を迎えにきたのだ」
(いやだから、なんで?)

 問い詰めたい衝動に駆られつつも、ユルティナは静かに掴まれた手首を振り払った。

「結構です。話があるのなら、あとでお願いいたします。大切な用事の途中なので」
「正気に戻れユルティナ! 何が大切な用事だ。男を攻めて、気晴らしをしていたのか!? いいか、ユルティナ。こういったことは、女性は受け身になるものだ。男に跨るなど破廉恥も過ぎるぞ! そやつも男のくせに、なんという恥知らずなッ!」

 この世界では、性に対する固定観念がある。
 そこから逸脱する嗜好はすべて特殊性癖であり、人々から白い目を向けられる対象となるのだ。

 男女の睦ごとは、男が女をリードする。
 ベッドの上で正常位で致す。
 それが基本で、やや外れても問題ないが、それ以外は所謂《変態》に当たるのだ。

 ユルティナにとっては信じられないことだ。
 前世の記憶が戻る前から、人様の趣味に対して周囲がとやかくいう方が下世話で失礼だと思っていたから、記憶が戻った今は尚更である。

「……殿下、私の夫を侮辱しましたね」
「夫だと!? 何を馬鹿なうわっ!」

 再び掴まれそうになった腕を先に掴む。
 前世で習った護身術の応用で、グレゴールの身体を斜めに捻るように引いてバランスを崩し、足で軽く腰を蹴る。

 簡単に床に倒れ込んだグレゴールの肩に優しく手を置く振りをして、カルロを縛るための縄《足用》でグレゴールを後ろ手で縛った。

 まさか自分まで縛られると思っていなかったらしいグレゴールは、気づいた時には身動きができず青くなっている。

 ユルティナはグレゴールをそのままに、カルロの元に戻った。
 彼もまた青い顔をしているが、瞳はうるうると涙を貯めており、ぎゅっと唇を噛んでいる。

 胸が締め付けられると同時に、その愛らしさにキュンとした。

「どこにも行かないわ」
「……公爵家に戻れると……公爵令嬢として、また」
「戻れないって言ったでしょう?」

 どうやらカルロは誤解しているようだ。
 戻れない、というのは立場として不可能だから、という意味では無い。
 ユルティナが前世を思い出したことによって、窮屈な公爵令嬢としての生活よりも、平民としての生活に魅力を感じたからである。

 この国は平和だ。
 国民たちからすればまだまだ治安に不安はあるだろうが、前世で暮らした日本と同等かそれ以上に安全なのである。

 それらはすべてギルドが大陸すべての国々に拠点を置き、就労や商人による売買、貿易に関して一手に纏めているためだ。
 緻密な情報収集によって各国の物価や需要供給に沿った仕事を提供するため、人々は満足な暮らしをできるだけの仕事を得ることができる。
 災害時には、ギルドはすぐに他国の商人に品物の優先的売買を求めるため、急激に物価が高騰することもない。

 そこに、さらに国家が定めた救済措置や給付制度もあるため、人々の暮らしはとても安定しているのである。

(確かに貴族は贅沢できるし、公爵家は食事ひとつ取っても豪華だったわ。でも、それを補いあまるほど面倒臭い立場なのよ)

 相応しい態度をとることは勿論、【公爵家】は王家を守るために存在している。

 そのための地位、そのための爵位、そのための富なのだ。
 ベレスレント公爵家は建国当初より、王家や国家の剣となり盾となり、王族や国家に敵意ある者を排除するために存在しているのである――。

 今回も、ルーン侯爵家が策略を巡らせているという情報が入ったため、ベレスレント公爵家は没落したふりをして徹底的にルーン侯爵家の罪を暴いたし、ユルティナも公爵令嬢として『王都を追放されて辺鄙な町で落ちぶれて暮らす令嬢』になりきって調査をすすめていた。

 すでに、ユルティナは自分のやるべきことは終えている。
 ユルティナの役目は、ルーン侯爵が王太子に飲ませた【傀儡薬】の出処を調べ確固たる証拠を掴むことだったのだ。

 容疑者は、王都にいたときに既に目星をつけていた。
 以前から別件でも怪しい動きがあった人物で、すでにユルティナ自ら客を装って接触を計っていたのである。

 王太子の婚約者という肩書きは、相手を油断させるのにちょうど良かった。そのくらいの身分や立場でないと、関わることすら出来ない者だからである。
 そうしているうちにルーン侯爵が今回のことを起こした。
  
 ユルティナが接触していた人物――ギルド長レティシアが【傀儡薬】をルーン侯爵に渡したらしいとのことだったので、引き続きユルティナが調査を行うことになったのである。

 そうしてレティシアが町に転勤するタイミングで、ユルティナもまた、王都を追放されたかのようにこの町に移り住んだのだった。

 ギルドは世界中の国の治安を守っていると言ってもよい、どの国にも属さない大規模組織だ。
 そのため、王侯貴族でさえ手出しできないのである。

 やっとのこと容疑者だったギルド長レティシアが、傀儡薬を持ち込みルーン侯爵に渡した証拠を掴んだのはつい先日だ。
 すでに証拠は国家機密として国王の手に渡り、ギルド本部と連携してレティシアに罪を償わせることになったと――そう、国王からの手紙にあった。

 この知らせが届いたのが昨日である。
 しかも、此度の功績として『平民のように穏やかに暮らす』というユルティナの願いが認められ、なんの問題もなくカルロと結婚できるようになったのだ。

(ここまでくるのに、どれだけ大変だったか!)

 結局、イケオジであるルーン侯爵に惚れたレティシアがツテを辿って【傀儡薬】を渡したということだった。

 ――ユルティナは、公爵令嬢である。
 王族と国のために、生涯尽くし続けなければならない。
 面倒なしきたりと命懸けの仕事、したくもない社交に牽制し合う貴族同士の関係についての把握その他諸々――。

 そんな当たり前の日々は、前世の記憶が戻った瞬間に捨てたくなった。
 贅沢な暮らしや、貴族としての誇りなどいらない。
 穏やかなスローライフを堪能してしまえば、もう公爵令嬢になど戻れなかった。

 と、いうのが、ユルティナ側の公爵令嬢に戻れない理由である。
 責任放棄だと言われればそれまでだが、自分が幸せになりたいと願って何が悪いのか。 

 ユルティナは、すりすりとカルロの頬を撫でた。
 不安そうな視線を受けて、ユルティナはベッド傍の机に手を伸ばした。
 引き出しから、昨日届いた手紙を引っ張り出す。

「実は、陛下やお父様には、カルロと夫婦になるって伝えてあるの」

 カルロに見えるように、国王とベレスレント公爵、それぞれから受け取った手紙を見せた。
 父は快く、国王はやや渋りながらも、結婚に対しておめでとうという旨が記載されている。

「あ、本物よ。殿下でしたら、これが本物だとお分かりになるはず」

 唖然とするカルロの様子から、彼には本物だと判別できないのではと思い至った。
 だから、すぐ近くで縛られたまま座り込んでいるグレゴールにも手紙を見せる。
 グレゴールは青い顔をさらに青くした。

「馬鹿な! こんな……父上は、誤解なさってらっしゃるのだ。お前は何も、悪くなどないのに」
「私から陛下にお願いしたのです、ここでカルロと暮らしていきたいと。今の境遇が罰のようにお考えなのかもしれませんが、私が望んだことですから」
「……なぜだ。私は、お前だけを」

 ユルティナはグレゴールの言葉を無視して、ベッドに戻る。
 哀れかもしれないが、どれだけグレゴールがユルティナを愛そうと『王妃』となったユルティナが生涯やるべきことは決まっているのだ――責任を背負いながら命を懸けた生き方など、ユルティナは望んでいない。

 それに、箱入り息子として育ったグレゴールは、現在の公爵家がどういった役割を担っているか正しく知らない。
 国王は、公爵家が担う負担を自分の代で終わらせるつもりで引き継ぎを遅らせているというが、ルーン侯爵の件で貴族勢力が二分した際、敵対する者たちが浮き彫りとなった。
 まだまだ公爵家は、王族と国家のために秘密裏に動かなければならないだろう。

(公爵家は暗躍集団じゃないのよ、まったく!)

 しかし、それを言ったところでグレゴールは信じるかわからないし、ユルティナから漏らしてよい内容ではない。
 彼はきっとその他大勢の人々同様に、ユルティナを王都を追放されたに等しい哀れな公爵令嬢、と考えて迎えにきたのだ。

(元はと言えば、危機感がなさすぎてあっさり【傀儡薬】を飲まされたあなたが……もうっ、腹たってきた!)

「お嬢様、あの、殿下がお呼びですが」
「叫んでるわね、無視しましょう」

 ユルティナは、そっとカルロの頬にキスをする。
 火照っていた肌は冷えて、ユルティナは申し訳のない気持ちになってしまう。

「私だけを見て」

 頬から首に唇をずらす。
 ちゅう、と肌を吸いながら、鎖骨へ移動し、ヘソまで辿る。腰を両手で愛撫しながら、胸筋に強く吸い付いた。

 カルロの肌が熱を持ちはじめ、愛しさが込み上げてくる。

「腕、痛くない?」

 ちゅ、と胸の突起の近くを集中して舌で刺激する。ぷっくりと綺麗なピンク色の乳首が触れてほしそうに膨らむところを見てしまい、ユルティナがばっちり見たことにカルロも気づいたらしい。

 真っ赤になった顔が、なんとも扇情的だ。

「この前ね、木苺のジャムを作ったの」
「な、なんで、今、その話を」
「木苺みたいだなぁって……食べていい?」

 腰を撫でていた手を下方に下ろし、男らしい鍛え抜かれた太ももを撫でる。

「あっ」

 びくんと身体を揺らしたカルロは、膨らんだ局部を隠すこともできずに恥ずかしそうに下肢を揺すり始めた。
 ぷるぷると震えて泣きそうな顔をしている。
 愛撫を止めてカルロの胸に跨ると、身をかがめてカルロの頭を優しく抱きしめた。

 いいこ、とあやすように頭を撫でる。

「嫌なら言っていいからね。私、こういう経験がなくて……」
「お、お、お嬢様、当たっ、当たって」

 胸を押し付けてしまったようで、先程より顔が赤い。
 安心してもらうためだったが、抱きしめる必要はなかったかもしれない。難しいわ、とユルティナが呟いたとき。

「あの、俺は、決して嫌ではありません。お嬢様に触れて頂けるだけで、嬉しいので」
(健気!)

 新しい世界の扉を開いてしまいそうだ。
 ユルティナは微笑むと、カルロに軽いキスをした。

「それじゃ、遠慮なく触れるから」

 そっと身体をずらして、誘うように膨らんだ胸の突起を吸い上げた。
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