あなたの傍に置いて下さい ~医者と奴隷~

如月あこ

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第一章

3、

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「ここで泊まりましょうか」

 アイナは、森林に沿って伸びる穏やかな道からそれると、森林の奥に馬を向かわせた。その先にあった川辺で馬を止めて辺りを見回し、先ほどの言葉を言ったのだ。
 セディルは目を見張る。アイナは今日中には隣の領地につくと言っていたはずだが、予定が押しているらしい。太陽は傾き、夕暮れの蜂蜜色が馬の鬣を黄金色に輝かせていた。
 セディルは馬から降りようとして、腰に鈍い痛みを感じた。同じ姿勢でいたためだろう。臀部も痛む。なのに、今朝から主張しはじめた股間はそのままだから、なんというか、たちが悪い。
 アイナに促されて馬から降りると、アイナはてきぱきと動いた。 馬を繋ぎ、地面を探って野営地を決めると、薪を集め始める。
 自分からは動かない――それは奴隷にとって当たり前のことだ。むしろ、なにもせずにいられるということは、命じられていないということであり、喜ぶべきことだろう。
 なのに、セディルは昨日からどうも落ち着かない。命じられないことが居た堪れないのだ。しかし、宿代や馬代を払えと言われてもできない。

(だが、薪を拾うことはできる)

 セディルはアイナがしているように、辺りから薪を集めようと身を屈めた――が。アイナは抱えていた薪を下ろすと、「火をつけるわよ」と言う。どうやら薪集めは終えたらしい。
 アイナは薪に火をつけると、焚火の向こう側に座った。

「セディルも座って、夕食にしましょう。簡単なものだけど」

 名前を呼ばれるたびに心のなかが満たされる、こそばゆい感覚がする。それと同時に、自分が何の役にもたてていないことに酷く落胆した。こうして世話をやかれるのに慣れていないので、居心地が悪いのだろうか。いや、違う。セディルがなんの役にも立たないことを、アイナに知らしめることになるのが怖いのだ。
 奴隷ではない、と言われたのは初めてだった。そもそも奴隷ではない己など考えられないし、考えたことさえなかった。だから、アイナに言われるまで、奴隷ではないと言われた時にどう感じるかなんて、知らなかった。最初はただ戸惑った。昨夜はアイナの言葉ばかり考えてなかなか寝付けず、瞼を閉じても彼女の笑みが脳裏に居座っていた。
 奴隷ではない自分、という姿を思い描くことはひどく難しい作業だったが、アイナは「練習しましょう」と言ってくれた。彼女が、セディルを養ってくれるとも言っていた。何より、これまで無くて当たり前だと思っていた名前をくれた。
 与えられたものの素晴らしさに、じわじわと実感が伴ってきたのは今朝になってからだ。アイナはセディルを置いて旅立つことはせず、わざわざセディルとともに旅ができるように良い馬まで購入したのだ。
 アイナ。
 その名前を呟くだけで、ふわりと心身が軽くなる気がするのはなぜだろう。同時に、これまで覚えたことのない恐怖も腹の底に現れた。あるじは、奴隷に飽きたり、満足を得なくなると、奴隷を売る。セディルのあるじは何度か変わった。それはセディルが役立たずだったからであり、セディル自身、捨てられようが売られようが――殺されようが、構わないと考えていた。
 アイナと出会うまでは。
 アイナは、違う。これまでに会ったことのない、特別なヒト。

(……特別)

 胸の奥が、ざわめいた。


 *


 夕食は干し肉だ。
 目的地への到着が日をまたぐ場合に備えて、今朝方買っておいたものだった。アイナもセディルも夕食に干し肉を、おやつに乾燥無花果を食べた。
 陽も暮れて、辺りは夜のとばりが降りている。さやさやと流れる川の音を振り返れば、月光に照らされてきらきらと川の表面が光ってみえた。
 アイナはその美しさに微笑んだが、すぐに笑みを消して焚火を振り返る。焚火の向こう側にはセディルがおり、何をするわけでもなくそこにいる。
 これから、明日に備えて眠ることになるのだが、野営となると壁の仕切りがない。今の季節、雑魚寝でも問題はないのだが、セディルは昨日「女に興味がない」というような物言いをしていた。あれはもしかしたら「女に興味がない」=「女が嫌い」という意味だったのだろうか。 もしそうならば、馬上で密着させるという拷問に近い行動をとらせてしまった。実際彼の身体はこわばっていたし、そのせいか、呼吸もやや乱れていた。
 セディルが初めての乗馬だということもあって、アイナは予定より速度を落とし、ここで野営をすることにしたのだ。
 もし彼が女嫌いで、女に触れることも嫌悪する体質だったのなら、今後大変困ったことになる。

(でも、我慢してもらうしかないわ。私が女であることは変えられないのだし)

 もしかしたら、こうして向かい合うだけでも彼は不快感を覚えているかもしれないのだ。 例え嫌悪している相手であっても、奴隷として生まれ育った彼の生い立ちが、アイナの傍に居続ける道を選ばせる。 それは酷く残酷なことだ。
 アイナは、鞄を枕にして横になった。

「ここで寝るから、好きなところで寝るといいわ。場所を決めたら教えて。焚火を消すから」

 セディルははっとしたように頷くと、もぞもぞとその場に横になった。自分の体勢とアイナを見比べて、アイナを真似るかのように同じ体勢をとる。

「決まった」
「じゃ、消すからね」

 焚火を消すと、辺りは一瞬、漆黒に包まれる。
 けれど空に広がるたくさんの星々に目を奪われると、空がぱっとひらけて、闇のなかにひっそりカタチの残る木々まで見ることが出来た。

(綺麗だわ。こうして夜空を見るのは、久しぶり)

 綺麗といえば、セディルもそうだ。 初めてセディルを断頭台で見たとき、整った顔をしていると思ったことを思い出した。 領主にカネを払って彼の身を得たあと、気を失っていた彼を宿まで連れていった。もちろんアイナ一人では体格のよいセディルを運ぶことは不可能なので、馬車の御者に、心づけをはずんだのだ。
 衣類をはぎとり、怪我の治療をした。それから全身を清めて泥や垢を落とすと、想像よりはるかに整った顔が現れたのだ。男らしい精悍さは勿論のこと、長いまつ毛や凛々しい眉まで、物語から現れた騎士のように理想的な容姿をしていた。体格も大きくて、守ってくれそうな安堵がある。
 正直なところ、彼に売春をさせようとした商人や、誘惑した領主の娘の気持ちもまた、察することができた。セディルは男らしく素敵な美男子で、一晩だけでもよいから抱かれたいと思う女は多いだろう。

(……一晩だけでも抱かれたい、か)

 まだ十代のころ、アイナは初めて愛する人に抱かれた。ただただ幸福で、その幸福が続くのだと思っていた。いや、これから始まるのだと。
 見上げていた夜空がぼやけはじめて、アイナは体を起こした。
 そっと目元を拭って立ち上がり、川辺まで歩み寄る。
 冷たい水で、繰り返し顔を洗った。
 あれから十年が過ぎるのに、傷は癒えていないのだろうか。とっくに消化して前に進んでいるものだと思っていたが、アイナは結局、あの絶望を完全に消し去ることはできないのだろう。
 繰り返し顔を洗ったが、冷たい川の水が頭を冷やしてくれるのは一瞬だけだった。忘れたい記憶を消してくれるほどの衝撃はない。アイナは唇を噛んでドレスを脱ぐと、全裸で川に入った。太ももまでつかり、顔を川のなかへ突っ込む。
 息が苦しくなるまで顔を沈め、息を吸うために顔をあげては、また顔を水のなかに突っ込む。何度目かわからない息継ぎのとき、視界の端に人影がちらついた。
 セディルが川岸に立っている。 無表情の彼の視線は、アイナの胸元へ向いていた。

(……ああ、これ)

 アイナは自らの胸元へ視線を向ける。 豊満な胸の間に、親指ほどの長さをした傷があった。深い傷にも関わらず縫合されずに治療した怪我のため、くっきりとした傷跡として、アイナの胸に残ってしまったのだ。
 これは、ナイフで刺された傷だ。
 刺されたあと、アイナは意識を失い、意識が戻ったときは見知らぬ家にいた。見知らぬ年配女性が、アイナを助けてくれたのだ。人の好さそうなその女性に、アイナは心から感謝した。
 けれど。
 その年配女性はアイナの存在を理由に、アイナの実家からカネを脅し取ろうとした。
 数日後、その女が湖に浮いているのが発見されて「事故死」で処理されたという。
 思い出したくもない過去を、アイナは強引に記憶の底へ沈めた。

「気持ち悪いものを見せて、ごめんなさいね」

 アイナは自嘲気味に笑って、岸へと向かう。
 セディルの隣を通り過ぎて、脱ぎ捨てたドレスを拾おうとしたとき、唐突に腕を掴まれた。強すぎる力に顔をしかめて振り返ると、セディルはまだアイナの胸を見ている。
 傍で見られて、はたと気づいた。
 彼が見ているのは生々しい過去の痕跡ではなく、乳房そのものだ。曲線を描く肌のカタチから赤く色づく突起まで、食い入るように見つめている。珍しいのだろうか。それよりも、気持ち悪くないのだろうか。

「……綺麗だ」

 ぽつり、とセディルが呟いた。

「肌の手入れもしていないのに?」

 とっさに苦笑した。短い付き合いだが、セディルが嘘を言う男ではないと知っている。だからこれは彼の本心だろう。女嫌い、というわけではないようだ。いずれセディルも妻を娶る日がくるだろう。
 アイナは、掴まれたセディルの腕を離してから、隣を通り過ぎた。ドレスを拾ってから、体が濡れていることに気づく。
 鞄に布が入っていたはず、と一歩踏み出そうとしたところで、大きな手に後ろから抱きしめられた。昼間、馬上でそうだったように、セディルがアイナの身体に手を回している。似たような体勢だったが、露骨に違うところが二か所あった。
 一つは、アイナが全裸であること。 もう一つは、硬いものが臀部に押しつけられているということだ。
 驚きに目を見張って、肩越しに振り返った。すぐそこにセディルの綺麗な瞳があって、セディルがアイナを上から覗き込んでいるのだと知る。抱きしめられた状態で上から見下ろされれば、胸は丸見えだろう。
 今更恥ずかしいというわけではない。処女ではないし、何人かの男とも関係をもってきた。年齢的にもいい年だ。同年代の女は、子どもの二人か三人はいるだろう。

「……女に興味ないんじゃないの?」
「ない」

 セディルの声はかすれていた。絞り出したような声には、微かだが、熱情が含まれている。

「女は、気持ち悪い」
「なら、離して?」

 アイナはそっと頼む。やんわりと言ったつもりだったが、声音の響きはそれなりに厳しいものだっただろう。セディルはすぐにアイナを解放した――などという予想は、見事に覆された。セディルは困った顔をしただけで、アイナを離さなかったのだ。
 アイナは首を傾げる。

「セディルは、いくつだっけ。何歳?」
「二十四……おそらく」

 ということは、三つ下だ。
 しん、と辺りに沈黙が降りて、アイナはどうしたものかと考えた。
 そうしているうちに、セディルはさらに身体を密着させてくる。
 もっと、と乞うように。
 そして、甘えるように。

「したいの?」

 アイナは問う。
 いくらセディルが女嫌いで、先ほどアイナが錯乱していたとはいえ、男の前で裸になるべきではなかったのだろう。だが、どうしても過去を記憶を消し去りたかった。忌まわしく愚かな自分など存在していなかったのだと、思いたかった。
 そのとき、確かにアイナはセディルの存在を失念しており、自分のことしか考えていなかったのだ。
 そのことがアイナに罪悪感を覚えさせた。

「何を」

 セディルの返事に、少しだけ胸を痛めた。
 彼の生い立ちを思い出したからだ。
 アイナは自分が哀れだとか可哀そうとは思わない。ただ愚かだとは思っていた。
 しかし、セディルに関しては、彼の話によると、彼に非はない。生まれながらの不運としか言えない状況だったのだ。

「男女の営みよ」

 微かな罪悪感を覚えながら、アイナは言う。同時に手を動かして、彼の硬くなった部分に触れた。衣類を押し上げて主張するそこは衣類越しでもわかるほどに熱く、硬く、そして大きかった。触れた瞬間、セディルの口から洩れたうめき声はとても情熱的で、快感を堪えるような響きがある。
 ぞくり、とアイナの身に心地よい震えが走った。

「ここ、こんなふうにしてるから。……したくない?」

 きっと、セディルが嫌う「女の色香」を、アイナは今まとっているだろう。気持ち悪い女らしさで誘惑しているのだから。
 美しい娘や年若い女性に誘われたなら、世の中の男は狂喜乱舞するだろうが、あいにくアイナはそのどちらでもない。 婚期はとっくに過ぎているし、見た目も特別に美しいわけではなかった。
 かつては美しいと誉めそやされて育ったゆえに、己が美しいのだと勘違いをしていたが、庶民の暮らしに混ざると己が十人並みであることを知った。
 本当に愚かな娘だったのだ、アイナは。
 アイナは、セディルに嫌悪されて突き飛ばされるところを想像したけれど、セディルは益々強くアイナを抱きしめた。それは予想外のことだったが、アイナの身体は益々心地よく震える。

「……したい」

 ささやくような小声だったが、確かにセディルは、そう言った。
 アイナは戸惑わなかった。右手を彼のスラックスに突っ込んで、硬くなったものを取り出すと、やわやわとしごいた。素直に喘ぐ彼の声が、アイナの身体に情欲を灯す。

「痛くない?」

 問いかけに、セディルは口をひらいて、すぐに閉じた。大柄な体躯を硬直させたので、しごく手を止める。
 ん、と呟いたセディルは、アイナの瞳を覗き込んできた。

「嫌か」
「嫌じゃないわ。このまま触れてもいい?」

 セディルは、頬をかすかに染めて頷く。純粋な彼を汚すような罪悪感を覚えたが、それは一瞬だった。彼はもうよい歳だし、本来ならばこれまでに知るべき行為だったのだ。
 アイナは、腰に回してあったセディルの手がもぞもぞと動いていることに気づいていた。アイナの腹を撫でては止まり、を繰り返している。彼の大きな手にアイナは己の左手を重ねて、己の乳房に導いた。
 包まれる感触に思わず吐息をもらしたのをきっかけに、セディルの手が乳房を揉みはじめる。その力があまりに強く痛かったので、アイナは彼の硬くなったそこを強く握りしめた。
 セディルが、身体を硬直させる。
 強弱をつけて刺激を与え続けているそこは、すでに先走りでぬめぬめと濡れており、手を上下させるとスムーズに刺激を与えることができた。
 このまま一度、果ててもらおうかと思ったとき。
 アイナが故意に導くまでもなくセディルの身体が強張り、充分大きな彼自身がさらに膨らんで、アイナの腰に生暖かい白濁がびゅくびゅくとかかった。
 長い時間をかけて吐き出したセディルは、まるで激しい情事のあとのように荒い呼吸を整えながら、アイナを強く抱きしめる。
 それは、男が自らの矜持や包容力を見せつけるような抱擁ではなく、気を許した者へ甘えるような可愛らしさを伴っていた。

「アイナ」

 耳元で、セディルの色っぽい声が囁く。
 つい今したが感じた可愛さとは違う魅力的な声音に、ぞくりと身体の熱が増した。
 ふいに、セディルの大きな手が再びアイナの胸に触れた。今度は、優しく撫でるように。
 一般女性のなかでは豊かな部類に入る胸だが、セディルの手に触れられると小さく感じる。

「好きなように触って」

 アイナを抱きしめたまま、セディルは乳房を揉む手に力を込めた。柔らかさを楽しんでいた動きは、やがて先端の突起にたどり着く。すでにピンと尖って主張しているそこを指でつまんだ。

「あっ」

 アイナはたまらずに声をあげる。セディルが息を呑んだ気配がしたが、次の瞬間、彼は一層強く乳首を指で刺激した。こりこりと硬さを堪能するようにいじられて、アイナは身をよじって快感に耐える。
 先ほど果てたはずの昂りがアイナの背中に押し当てられて、再び硬くなっているのだとアイナに伝えてくる。 背中に押し付けられた熱く硬い肉棒が、もっとすさまじい快楽をくれることをアイナは知ってた。これが欲しい、もっと奥まで。

「セディル、座って」

 アイナの呟きは、セディルには届いていないようだ。 彼は夢中になって乳房をいじっている。

「セディル」

 やや強く言うと、セディルは手を止めた。アイナは彼の手に自らの手を重ねて、自らの口に導いた。ぺろりと指を口に含んで舐めながら、彼のほうを向く。

「続きをしましょう。そのために、座って」

 セディルは頷いて、地面に座る。見せつけるように天を仰ぐ濡れた肉棒は、月光の淡い明かりにぬらぬらと光ってみえた。 アイナは彼の膝に跨ると、彼の立派な肉棒を指先で撫でてから、己の秘部に押し当てる。
 セディルの表情を伺うと、期待を込めた瞳と視線が合った。
 微笑んでから、アイナは一気に己のなかに沈めた。

「くっ、あ、ああ、あっ」

 絶え間なくセディルの嬌声が発せられ、アイナもまた、知らずのうちにうめき声をもらす。本能のままにアイナが腰を揺らすと、すぐにセディルの手に腰を掴まれて、アイナの知らない奥深くまで貫かれた。最奥に当たる彼の熱い塊に身体を震わせた瞬間、セディルの力強い手に身体を持ち上げられ、すぐにまた貫かれる。
 彼の本能のままの動きに、アイナは我を忘れて快感をむさぼった。身体を弓なりにそらせたときに乳房の先端を強く吸われると、早くも波がくるのを感じたが、それはセディルも同じだったようだ。

「アイ、ナっ」

 名を呼びながら、セディルは一層強く奥へ突き立てた。
 弾けたぬくもりをナカで受け止めながら、アイナはセディルの首筋に回した手に力を込める。
 アイナ、と繰り返し囁く彼の声は、とても心地よくアイナの胸をぬくもりで満たした。


 隣で眠るセディルは、アイナを抱きしめたまま離さない。
 何度も射精して疲れたのだろう、泥のように眠ってる。彼の頭を撫でて、パサついているがそれでも充分柔らかな髪の感触を堪能した。
 素敵な時間だった。愛されているのだと勘違いしてしまうほどに、情熱的な営みだった。
 きっと、彼の妻になる女は幸せだろう。夢中に愛してくれるのだから。
 これまで、彼は悲運のなかにいた。彼は充分に幸せになる権利がある。アイナは、決意を新たにする。よい職場を見つけてあげよう、と。アイナが師である医師に教えられたように、生きるすべを、余すことなく。
 セディルはまだ、社会人としてひよこであり、無垢な存在なのだから。

(私が守ってあげる)

 彼が自立できるようになる、その日まで。
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