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第101話 獲物への食い付き1
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ゼダンおっさんは親指で倉庫を指し示して付いて来る様に促す。
付いて行くと、行くとそこには解体用に使用すると思われる畳2畳分ほどのデカい机が6台設置されていた。
隣の机には、先程まで解体中と思われる見た事もない毛むくじゃらのモンスターが横たわっていた。
ラッパを鳴らした時、こいつの解体中だったんだな。
「おし。この机に出してくれ……って、何でおまえまで付いて来るんだよ。もう帰っていいぞ。」
ミリィさんもまだ俺達の付き添って一緒に付いて来ていた。
「いいじゃないですかぁ。またゼダンさんがパンツさんをイジめるかもしれないでしょ?それにどんなモンスターを狩って来たのか興味ありますし!」
「イジめてなんていないだろ!?」
「ではパンツさん。こちらの台に討伐した魔獣を出して頂けますか?」
「分かりました。」
俺はミリィさんに促され、収納魔法を発動し、昨日討伐したてホヤホヤのモンスターを出していく。
まずは角兎さんからっと。
「案の定、角兎か。しかし……綺麗に討伐してるな。アイルもソフィも腕、あげたんじゃねぇか?これ1頭か?」
「いえ、まだありますよ。」
ゼダンちゃんはモンスターの外傷が少ない事に驚いている様子だ。
俺は残りの角兎を取り出し机に出していく。
数は丁度10頭だった。
兎だから10羽?かな?
「パンツさん……こんなに……ランクFとは言え、よくこれだけ一気に倒しましたね‥…。」
「俺が倒した訳じゃないですけどね。アイルとソフィちゃん2人で狩ったんで。」
「たった2人でこれだけの数を!?」
「えへへへぇ~」
ミリィさんが驚いていると、ソフィちゃんも自慢気にエッヘンと腰に手を当て踏ん反り返っている。
いかん。これはアイルの影響を受けいてるな。
「ほう……アイルもソフィも白銀級の実力なのは間違いねぇみてぇだな‥…。これだけか?」
「あ、まだあります。残りは……これですね。」
俺は残りの虎に似た猫?1頭と、ダチョウみたいな鳥を4頭取り出す。
「ちょちょ……おめぇ!これ、ランクD魔獣の『クリープタイガー』じゃねぇか!!」
ゼダンちゃんは虎?を見るなり更に驚いた表情をする。
※クリープタイガー
ランクD魔獣。全身、緑色の体毛に覆われており、草原や密林でのカモフラージュし獲物に気付かれずに忍び寄る事が出来る。
体高3m~5m程度。体重2.0t~4.0t程度
上顎の左右から鋭い牙が伸びており、この牙で噛みつき失血死や首元の骨を砕き得物を狩る。また鋭い爪も強力な武器。
ブラッド・ボアが好物でブラッド・ボアの天敵とされる魔獣。
極稀にユニーク種も確認されており、主に土属性の魔法を使う個体も確認されている。
「しかもこんなに綺麗な状態で……どうやって倒したんだ!?」
「えっとねぇ~、お兄ちゃんが『属性付与』してくれたこれ(杖)で簡単に倒せたよぉ~!」
「な!?なにぃいい!!『属性付与』だとぉ!?おい!優男!!おまえそんな事まで出来るのか!?」
「え、えぇ……まぁ。」
あちゃー。ゼダンちゃん。ソフィちゃんの一言、『属性付与』に食いついちゃった……。
「そ、それで、そのソフィちゃんの杖にはどんな属性付与を!?クリープタイガーを簡単に討伐出来る程の属性付与なんて聞いた事ないですよ!」
ミリィさんまで食いついて来た。
また面倒な事になりそうだ……。
「あー、え~と……『泥沼魔法』ですよ。」
「……え?お兄ちゃん、違うよぉ!底無……むっぐぐぐぐ……」
俺はソフィちゃんの口を咄嗟に塞ぎ、ゼダンおっさんとミリィさんに背を向けて耳元で囁くとエルフ特有の耳がピクピクと動く。
「ソフィちゃん!本当の事を言っちゃダメだよ。」
「え~?何でぇ?」
「第5位階の魔法を付与したなんてギルドに知れたら絶対、めんどくさい事になる……筈!」
「う~ん……でもぉ……。」
「今度王都につれて言ってあげるからさ!ね!?俺の事はなるべく言わない様にして?お願い!!」
「……お兄ちゃんのお願いなら……。うん。わかったぁ。」
ソフィちゃんは本当の事を言えずに少し不満気だが、聞き分けてくれた様だ。
ゴメンねソフィちゃん。今度かわいいコスプレ衣装もプレゼントするからね!
「パンツさん?どうかしたんですか?」
俺がソフィちゃんを口止めする様子を見てミリィさんが問いかけて来る。
「え!?何でもないですよ!!オホホホ!!」
「それにしても属性付与する事さえ珍しい事なのに……『泥沼魔法』ですか。パンツさん、既に第2位階魔法を付与するまでの力を……。」
「属性付与したのはいいが、それにしちゃぁどれも外傷が少ねぇな?俺は魔法が使えねぇから詳しくねぇが、『泥沼魔法』てのは地面を泥状にして足止めする魔法じゃねぇのか?」
ドキッ
そりゃそうだ。底無沼で溺れさせてるし……。
外傷が少ない事に気付くゼダンおっさん。
流石、解体専門職ってだけの事はあるな。
恐ろしい子(おっさん)………。
付いて行くと、行くとそこには解体用に使用すると思われる畳2畳分ほどのデカい机が6台設置されていた。
隣の机には、先程まで解体中と思われる見た事もない毛むくじゃらのモンスターが横たわっていた。
ラッパを鳴らした時、こいつの解体中だったんだな。
「おし。この机に出してくれ……って、何でおまえまで付いて来るんだよ。もう帰っていいぞ。」
ミリィさんもまだ俺達の付き添って一緒に付いて来ていた。
「いいじゃないですかぁ。またゼダンさんがパンツさんをイジめるかもしれないでしょ?それにどんなモンスターを狩って来たのか興味ありますし!」
「イジめてなんていないだろ!?」
「ではパンツさん。こちらの台に討伐した魔獣を出して頂けますか?」
「分かりました。」
俺はミリィさんに促され、収納魔法を発動し、昨日討伐したてホヤホヤのモンスターを出していく。
まずは角兎さんからっと。
「案の定、角兎か。しかし……綺麗に討伐してるな。アイルもソフィも腕、あげたんじゃねぇか?これ1頭か?」
「いえ、まだありますよ。」
ゼダンちゃんはモンスターの外傷が少ない事に驚いている様子だ。
俺は残りの角兎を取り出し机に出していく。
数は丁度10頭だった。
兎だから10羽?かな?
「パンツさん……こんなに……ランクFとは言え、よくこれだけ一気に倒しましたね‥…。」
「俺が倒した訳じゃないですけどね。アイルとソフィちゃん2人で狩ったんで。」
「たった2人でこれだけの数を!?」
「えへへへぇ~」
ミリィさんが驚いていると、ソフィちゃんも自慢気にエッヘンと腰に手を当て踏ん反り返っている。
いかん。これはアイルの影響を受けいてるな。
「ほう……アイルもソフィも白銀級の実力なのは間違いねぇみてぇだな‥…。これだけか?」
「あ、まだあります。残りは……これですね。」
俺は残りの虎に似た猫?1頭と、ダチョウみたいな鳥を4頭取り出す。
「ちょちょ……おめぇ!これ、ランクD魔獣の『クリープタイガー』じゃねぇか!!」
ゼダンちゃんは虎?を見るなり更に驚いた表情をする。
※クリープタイガー
ランクD魔獣。全身、緑色の体毛に覆われており、草原や密林でのカモフラージュし獲物に気付かれずに忍び寄る事が出来る。
体高3m~5m程度。体重2.0t~4.0t程度
上顎の左右から鋭い牙が伸びており、この牙で噛みつき失血死や首元の骨を砕き得物を狩る。また鋭い爪も強力な武器。
ブラッド・ボアが好物でブラッド・ボアの天敵とされる魔獣。
極稀にユニーク種も確認されており、主に土属性の魔法を使う個体も確認されている。
「しかもこんなに綺麗な状態で……どうやって倒したんだ!?」
「えっとねぇ~、お兄ちゃんが『属性付与』してくれたこれ(杖)で簡単に倒せたよぉ~!」
「な!?なにぃいい!!『属性付与』だとぉ!?おい!優男!!おまえそんな事まで出来るのか!?」
「え、えぇ……まぁ。」
あちゃー。ゼダンちゃん。ソフィちゃんの一言、『属性付与』に食いついちゃった……。
「そ、それで、そのソフィちゃんの杖にはどんな属性付与を!?クリープタイガーを簡単に討伐出来る程の属性付与なんて聞いた事ないですよ!」
ミリィさんまで食いついて来た。
また面倒な事になりそうだ……。
「あー、え~と……『泥沼魔法』ですよ。」
「……え?お兄ちゃん、違うよぉ!底無……むっぐぐぐぐ……」
俺はソフィちゃんの口を咄嗟に塞ぎ、ゼダンおっさんとミリィさんに背を向けて耳元で囁くとエルフ特有の耳がピクピクと動く。
「ソフィちゃん!本当の事を言っちゃダメだよ。」
「え~?何でぇ?」
「第5位階の魔法を付与したなんてギルドに知れたら絶対、めんどくさい事になる……筈!」
「う~ん……でもぉ……。」
「今度王都につれて言ってあげるからさ!ね!?俺の事はなるべく言わない様にして?お願い!!」
「……お兄ちゃんのお願いなら……。うん。わかったぁ。」
ソフィちゃんは本当の事を言えずに少し不満気だが、聞き分けてくれた様だ。
ゴメンねソフィちゃん。今度かわいいコスプレ衣装もプレゼントするからね!
「パンツさん?どうかしたんですか?」
俺がソフィちゃんを口止めする様子を見てミリィさんが問いかけて来る。
「え!?何でもないですよ!!オホホホ!!」
「それにしても属性付与する事さえ珍しい事なのに……『泥沼魔法』ですか。パンツさん、既に第2位階魔法を付与するまでの力を……。」
「属性付与したのはいいが、それにしちゃぁどれも外傷が少ねぇな?俺は魔法が使えねぇから詳しくねぇが、『泥沼魔法』てのは地面を泥状にして足止めする魔法じゃねぇのか?」
ドキッ
そりゃそうだ。底無沼で溺れさせてるし……。
外傷が少ない事に気付くゼダンおっさん。
流石、解体専門職ってだけの事はあるな。
恐ろしい子(おっさん)………。
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