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第89話 やっちゃいました?2
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俺が属性付与した杖を使い魔獣を底なし沼に溺れさせて討伐した筈のソフィちゃんの顔をすぐれない。
「…………あれぇ?私、『泥沼魔法』を発動させた筈……なんだけど……。」
「上手く行ったんじゃないの?ソフィちゃん?もしかして失敗?」
「失敗と言うか……あれ、土魔法の第5位階魔法の『底無沼魔法』だよ…。きっと。」
……。
…………。
うん。知ってた。
だって俺が属性付与した時にステータスで杖の鑑定をしてたから。
って、それ第5位階魔法だったの!?
確か第3位階で一流で第5位階は国に狙われるとか言ってたヤバいレベルの魔法だった筈。
「お兄ちゃん!!!」
「はいッ!!!」
「凄いよぉぉぉおお!これぇ!!ありがとう~!!!」
先程までどうやら自分の魔法のイメージと異なる魔法が発動した為に困惑して優れなかった表情だったが、今は満面の笑みで俺に抱き着いて来た。
「凄い凄いぃい!もうこれだけでモンスター倒せちゃうよぉ!!やったぁぁあ!!それにねぇ!これを持ってると凄い力が増した気がするんだよぉ!!」
「パンツ……相変わらずとんでもない事するわね‥…。」
アイルはジト目を俺に向けて来る。
だって第5位階魔法って知らないし……。
しかし魔法の名称が違っても発動するんだな。
魔力さえ流してしまえば発動するから何でもいいのかな?
「ソフィちゃん。ちなみになんだけど、『泥沼魔法』ってどんな魔法なの?」
「『泥沼魔法』はねぇ、足元を泥状にして立ってられないぐらいのぐっちゃぐちゃの、ぐちゃぐちゃにする魔法だよ!」
情報が『ぐちゃぐちゃ』しかない……。
俺はかつての世界で見た、芸人たちがローション相撲で倒れる様を想像する。
多分、あんな感じかな。しらんけど。
しかし、知らんけどとは言ってられないな。
魔法効果と魔法の威力(位階)を覚えないとまた同じ事を繰り返してしまう。
弱い魔法付与をしたつもりが、アホみたいに強い魔法を付与したりすると、今回の様に疑問を持たれてしまう。
その逆も然り。
それよりもガガンさんからドラゴンの剣を貰った際に聞いていた様に、強い魔法は当然、その対価としてそれなりの魔力を要する。
もし、魔力量が少ない使い手が使用した場合、魔力をごっそり持っていかれて動けなくなってしまう可能性もあるのだ。
もし、製造者として活動するのなら魔法の知識や威力(位階)については頭にいれて属性付与をしないと、製造者としての信用が得られないかもしれない。
「ソフィちゃん。大丈夫?」
「え?何ぃ?」
「いや、さっき使った杖の魔法で魔力が枯渇したりしてない?」
「うん!全然大丈夫だよ!!何かねぇ!凄い魔力が漲って来る感じだよぉ!!」
「そっか。それならいいけど。気を付けてね。第5位階魔法って魔力使いそうだから。」
「うん!!心配してくれて有難う!お兄ちゃん!!」
ソフィちゃんはそう言うと、無邪気に俺にまた抱き着いてくる。
ふふ。無邪気だなぁ。
その内、成長したら『キモい!!おっさん!!臭い!!』とか言われるのかなぁ。
記憶の世界で、独身だった俺は子供がいた事はないけど、世の中のお父さんは、娘から反抗期で煙たがれる事もあるらしいし……。
ソフィちゃんにそんな事されたら俺…………泣いちゃうかも……。
俺が妄想に耽って涙目で俯いていると、アイルが怪訝な表情で俺を覗き込んでくる。
しかし先ほどソフィちゃんが『魔力が漲って来る』ってのはあれか。
やはり、杖に付与されていた『魔力効果+250』が影響しているのか?
俺は、抱き着いているソフィちゃんを鑑定してみる。
============================================
【 名 前 】ソフィ・エリーゼ
【 種 族 】エルフ族
【 職 種 】魔法使い:炎・水・風 魔法適正
【 ギルドランク 】金級
【 体 力 】71
【 魔 力 】202(+250)魔導石付の魔法杖効果
【 攻撃力 】61(+100)魔導石付の魔法杖効果
【 防御力 】38
【 俊敏性 】39
============================================
あー……やっぱり。
魔導石付の魔法杖を装備してるから魔力と攻撃力が上がっている。
魔力量が……素の状態の魔力(202)だけで既にルク・スエルの副ギルマスのリッターさんの魔力(217)に匹敵するレベルになっている。
凄いなソフィちゃん。
エルフは魔力が上がりやすい種族なのか?
これに杖の効果がプラス(+250)されるから……魔力は452か。
魔力量だけならリッターさん(金緑石級)を余裕で超えてるな……。
しかし、魔力量だけじゃなく、その他の項目も以前に鑑定した時より少し上昇している。
ソフィちゃんも日々成長していってるって事なんだろうな。
どこまで強くなるんだろう……。
今でも十分強いのに……末恐ろしいな
「…………あれぇ?私、『泥沼魔法』を発動させた筈……なんだけど……。」
「上手く行ったんじゃないの?ソフィちゃん?もしかして失敗?」
「失敗と言うか……あれ、土魔法の第5位階魔法の『底無沼魔法』だよ…。きっと。」
……。
…………。
うん。知ってた。
だって俺が属性付与した時にステータスで杖の鑑定をしてたから。
って、それ第5位階魔法だったの!?
確か第3位階で一流で第5位階は国に狙われるとか言ってたヤバいレベルの魔法だった筈。
「お兄ちゃん!!!」
「はいッ!!!」
「凄いよぉぉぉおお!これぇ!!ありがとう~!!!」
先程までどうやら自分の魔法のイメージと異なる魔法が発動した為に困惑して優れなかった表情だったが、今は満面の笑みで俺に抱き着いて来た。
「凄い凄いぃい!もうこれだけでモンスター倒せちゃうよぉ!!やったぁぁあ!!それにねぇ!これを持ってると凄い力が増した気がするんだよぉ!!」
「パンツ……相変わらずとんでもない事するわね‥…。」
アイルはジト目を俺に向けて来る。
だって第5位階魔法って知らないし……。
しかし魔法の名称が違っても発動するんだな。
魔力さえ流してしまえば発動するから何でもいいのかな?
「ソフィちゃん。ちなみになんだけど、『泥沼魔法』ってどんな魔法なの?」
「『泥沼魔法』はねぇ、足元を泥状にして立ってられないぐらいのぐっちゃぐちゃの、ぐちゃぐちゃにする魔法だよ!」
情報が『ぐちゃぐちゃ』しかない……。
俺はかつての世界で見た、芸人たちがローション相撲で倒れる様を想像する。
多分、あんな感じかな。しらんけど。
しかし、知らんけどとは言ってられないな。
魔法効果と魔法の威力(位階)を覚えないとまた同じ事を繰り返してしまう。
弱い魔法付与をしたつもりが、アホみたいに強い魔法を付与したりすると、今回の様に疑問を持たれてしまう。
その逆も然り。
それよりもガガンさんからドラゴンの剣を貰った際に聞いていた様に、強い魔法は当然、その対価としてそれなりの魔力を要する。
もし、魔力量が少ない使い手が使用した場合、魔力をごっそり持っていかれて動けなくなってしまう可能性もあるのだ。
もし、製造者として活動するのなら魔法の知識や威力(位階)については頭にいれて属性付与をしないと、製造者としての信用が得られないかもしれない。
「ソフィちゃん。大丈夫?」
「え?何ぃ?」
「いや、さっき使った杖の魔法で魔力が枯渇したりしてない?」
「うん!全然大丈夫だよ!!何かねぇ!凄い魔力が漲って来る感じだよぉ!!」
「そっか。それならいいけど。気を付けてね。第5位階魔法って魔力使いそうだから。」
「うん!!心配してくれて有難う!お兄ちゃん!!」
ソフィちゃんはそう言うと、無邪気に俺にまた抱き着いてくる。
ふふ。無邪気だなぁ。
その内、成長したら『キモい!!おっさん!!臭い!!』とか言われるのかなぁ。
記憶の世界で、独身だった俺は子供がいた事はないけど、世の中のお父さんは、娘から反抗期で煙たがれる事もあるらしいし……。
ソフィちゃんにそんな事されたら俺…………泣いちゃうかも……。
俺が妄想に耽って涙目で俯いていると、アイルが怪訝な表情で俺を覗き込んでくる。
しかし先ほどソフィちゃんが『魔力が漲って来る』ってのはあれか。
やはり、杖に付与されていた『魔力効果+250』が影響しているのか?
俺は、抱き着いているソフィちゃんを鑑定してみる。
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【 名 前 】ソフィ・エリーゼ
【 種 族 】エルフ族
【 職 種 】魔法使い:炎・水・風 魔法適正
【 ギルドランク 】金級
【 体 力 】71
【 魔 力 】202(+250)魔導石付の魔法杖効果
【 攻撃力 】61(+100)魔導石付の魔法杖効果
【 防御力 】38
【 俊敏性 】39
============================================
あー……やっぱり。
魔導石付の魔法杖を装備してるから魔力と攻撃力が上がっている。
魔力量が……素の状態の魔力(202)だけで既にルク・スエルの副ギルマスのリッターさんの魔力(217)に匹敵するレベルになっている。
凄いなソフィちゃん。
エルフは魔力が上がりやすい種族なのか?
これに杖の効果がプラス(+250)されるから……魔力は452か。
魔力量だけならリッターさん(金緑石級)を余裕で超えてるな……。
しかし、魔力量だけじゃなく、その他の項目も以前に鑑定した時より少し上昇している。
ソフィちゃんも日々成長していってるって事なんだろうな。
どこまで強くなるんだろう……。
今でも十分強いのに……末恐ろしいな
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