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第75話 再訪1
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ガガンの家
アイルにボコられた後、俺が空間転移を使い、ルク・スエルから戻ってきた際にコフィさんを驚かせてしまった事を詳細に白状させられた。
ガガンさん、コフィさん、アイルは呆れ気味の表情だが、一人、目輝かせて俺を見つめる1人の人物。
そう。魔法少女のソフィちゃんだ。
「お兄ちゃん!凄い!!ね!空間転移ってどんな感じなの!!ねね?ねーね!ねーねー!!ねーねーねーねー!!!」
ソフィちゃんが、空間転移について尋ねようと必死に俺の周囲をグルグル周る様は、まるで遊んで貰おうと必死にアピールする犬みたいだ。
「これ、ソフィ。空間転移の魔法は魔力をかなり消耗する魔法の筈じゃ。休ませてやらんか。」
ガガンさんに諫められてシュンとなってエルフ特有のとんがり耳まで下に垂れ下がる。
カワイイ。
「いえ、大丈夫ですよ。ガガンさんもご存じの様に、魔力はたんまりあるのか疲労感は全くありませんから。別の意味での疲労感はありますけど……。」
「別の意味?」
「あ、いや、何でもないです。」
偶々、フリオセラ王国のお姫様アレクサ姫と女騎士ファムさんを助けた事は黙っておこう。
もう会う事もないし、説明するのも面倒だし。
「ソフィちゃん。朝食の後に空間転移の事、教えてあげるよ。」
「やったぁぁぁああ!!!」
朝食を終えた後、アイルとソフィちゃん3人で馬の世話をする事になった。
「パンツったら、空間転移が使えるなら早く言ってよ!!」
「そんな事言ったって、俺も出来るか分からなかったから昨夜1人で試しただけだろ?コフィさんを驚かせてしまったのは悪いと思ってるよ。」
空間転移から顔を出した直後にコフィさんとチュー寸前だった事を告げるとガガンさんのこめかみに怒マークが浮いていたので非常に気まずかった。
当のコフィさんは顔を赤くして「こんなおばさんで良ければいつでもチューしてあげるわよ!」と俺に抱き着こうとして来る所をアイルとガガンさんに止められたりして非常にめんどくさかった。
「そうだ!パンツ!その空間転移って私達も一緒に移動で来たりするの!?」
「え?まだ試した事ないから分からないなぁ。」
ラノベの世界では複数の人間も移動出来たけど……どうなんだろう?
「お兄ちゃん!!試してみよう!!ね!ね!ね!!」
「試すって……今から?」
「「うん!!」」
アイルとソフィちゃんが同時に頷く。
大丈夫なんだろうか。
失敗して異空間を永遠に彷徨う事になったりしないよな?
ネガティブで最悪な展開を想像してしまう元おっさん。
それに引き替え、目の前の2人といったら、失敗する事を考えていないかの様に目を輝かせている。
「パンツ!!早く早く!!」
「お兄ちゃーん!早くぅ早くぅう!!!」
アイルとソフィちゃんが左右に分かれて俺に迫る。
両側から美女と美少女におねだりされるなんてとてもイイですね。グフフ。
「でも、二人とも、俺は余り目立ちたくないから、この事は絶対に秘密だよ!?」
「「うんうん!分かった、分かった!!分かったから早く!!」」
二人とも適当な相槌をうつ。心配だ。
俺は目の前に手を翳し、空間転移を発動させる。
「「「「おおおおおおおぉぉおお~!!」」」」
ん?何だ?声が増えた気がする。
後ろを振り向くとそこにはガガンさんとコフィさんが増えていた。
「ヨシ!!パンツ君!!行くぞい!!」
「いや、『行くぞい!!』じゃなくて、ガガンさん、仕事はどうしたんですか!?」
「何をいっとるんじゃ。完全週休二日制じゃぞ!しかも土日・祝日も休みなんじゃあああ!!!!」
あ、そう。
完全週休二日制……ホワイトなんだね。村長職って。
と言うか、この世界も1週間て7日間、俺の世界の記憶と変わらないんだね。
勘違いしやすいけど、『週休二日制』と『完全週休二日制』では意味が違うんだよね。
俺も学生時代のバイトした時には騙されたからなぁ。
まぁ俺が無知だっただけなんだけど。
週休2日制と完全週休2日制……。
・週休2日制
1ヶ月の間に週2日の休みがある週が1度以上ある事。
必ず週2回の休みがあるという訳ではなく、残りの週の休みは週1回の場合も。
・完全週休2日制
毎週2日間の休みがある制度。
しかし土日2日間が休みとは限らない。
「パンツ、何してるの?」
「あぁ、ちょっと週休二日制の説明を……」
「誰に説明してんの?早く行こうよ!!」
「で、どこに行くんだ?」
「「「「やっぱり、ルク・スエルでしょ!」」」」
4人同時にそう答える。
意思統一が出来ていて、いい家族ですね。
「コフィさん、大丈夫なんですか?」
「大丈夫って、どういう事だい?」
「えっと、さっき気絶されたばかりなので体調が万全じゃないかもと思ったので……」
「うぐぐぐ……あーまた苦しくなって気絶しそーだー。私だけ置いてルク・スエルで楽しんで来るなんてー。あー帰って来たら私死んでるかもー。」
コフィさん、思い切り棒読みなんですが。
「わ、分かりましたよ!では行きますよ?みんな手を繋いでください。」
「ううぅ!楽しみぃ!!」
ソフィちゃんは俺の手を握りながらぴょんぴょん跳ねてワクワク顔だ。
俺達は空間転移を潜りルク・スエルへ移動した。
アイルにボコられた後、俺が空間転移を使い、ルク・スエルから戻ってきた際にコフィさんを驚かせてしまった事を詳細に白状させられた。
ガガンさん、コフィさん、アイルは呆れ気味の表情だが、一人、目輝かせて俺を見つめる1人の人物。
そう。魔法少女のソフィちゃんだ。
「お兄ちゃん!凄い!!ね!空間転移ってどんな感じなの!!ねね?ねーね!ねーねー!!ねーねーねーねー!!!」
ソフィちゃんが、空間転移について尋ねようと必死に俺の周囲をグルグル周る様は、まるで遊んで貰おうと必死にアピールする犬みたいだ。
「これ、ソフィ。空間転移の魔法は魔力をかなり消耗する魔法の筈じゃ。休ませてやらんか。」
ガガンさんに諫められてシュンとなってエルフ特有のとんがり耳まで下に垂れ下がる。
カワイイ。
「いえ、大丈夫ですよ。ガガンさんもご存じの様に、魔力はたんまりあるのか疲労感は全くありませんから。別の意味での疲労感はありますけど……。」
「別の意味?」
「あ、いや、何でもないです。」
偶々、フリオセラ王国のお姫様アレクサ姫と女騎士ファムさんを助けた事は黙っておこう。
もう会う事もないし、説明するのも面倒だし。
「ソフィちゃん。朝食の後に空間転移の事、教えてあげるよ。」
「やったぁぁぁああ!!!」
朝食を終えた後、アイルとソフィちゃん3人で馬の世話をする事になった。
「パンツったら、空間転移が使えるなら早く言ってよ!!」
「そんな事言ったって、俺も出来るか分からなかったから昨夜1人で試しただけだろ?コフィさんを驚かせてしまったのは悪いと思ってるよ。」
空間転移から顔を出した直後にコフィさんとチュー寸前だった事を告げるとガガンさんのこめかみに怒マークが浮いていたので非常に気まずかった。
当のコフィさんは顔を赤くして「こんなおばさんで良ければいつでもチューしてあげるわよ!」と俺に抱き着こうとして来る所をアイルとガガンさんに止められたりして非常にめんどくさかった。
「そうだ!パンツ!その空間転移って私達も一緒に移動で来たりするの!?」
「え?まだ試した事ないから分からないなぁ。」
ラノベの世界では複数の人間も移動出来たけど……どうなんだろう?
「お兄ちゃん!!試してみよう!!ね!ね!ね!!」
「試すって……今から?」
「「うん!!」」
アイルとソフィちゃんが同時に頷く。
大丈夫なんだろうか。
失敗して異空間を永遠に彷徨う事になったりしないよな?
ネガティブで最悪な展開を想像してしまう元おっさん。
それに引き替え、目の前の2人といったら、失敗する事を考えていないかの様に目を輝かせている。
「パンツ!!早く早く!!」
「お兄ちゃーん!早くぅ早くぅう!!!」
アイルとソフィちゃんが左右に分かれて俺に迫る。
両側から美女と美少女におねだりされるなんてとてもイイですね。グフフ。
「でも、二人とも、俺は余り目立ちたくないから、この事は絶対に秘密だよ!?」
「「うんうん!分かった、分かった!!分かったから早く!!」」
二人とも適当な相槌をうつ。心配だ。
俺は目の前に手を翳し、空間転移を発動させる。
「「「「おおおおおおおぉぉおお~!!」」」」
ん?何だ?声が増えた気がする。
後ろを振り向くとそこにはガガンさんとコフィさんが増えていた。
「ヨシ!!パンツ君!!行くぞい!!」
「いや、『行くぞい!!』じゃなくて、ガガンさん、仕事はどうしたんですか!?」
「何をいっとるんじゃ。完全週休二日制じゃぞ!しかも土日・祝日も休みなんじゃあああ!!!!」
あ、そう。
完全週休二日制……ホワイトなんだね。村長職って。
と言うか、この世界も1週間て7日間、俺の世界の記憶と変わらないんだね。
勘違いしやすいけど、『週休二日制』と『完全週休二日制』では意味が違うんだよね。
俺も学生時代のバイトした時には騙されたからなぁ。
まぁ俺が無知だっただけなんだけど。
週休2日制と完全週休2日制……。
・週休2日制
1ヶ月の間に週2日の休みがある週が1度以上ある事。
必ず週2回の休みがあるという訳ではなく、残りの週の休みは週1回の場合も。
・完全週休2日制
毎週2日間の休みがある制度。
しかし土日2日間が休みとは限らない。
「パンツ、何してるの?」
「あぁ、ちょっと週休二日制の説明を……」
「誰に説明してんの?早く行こうよ!!」
「で、どこに行くんだ?」
「「「「やっぱり、ルク・スエルでしょ!」」」」
4人同時にそう答える。
意思統一が出来ていて、いい家族ですね。
「コフィさん、大丈夫なんですか?」
「大丈夫って、どういう事だい?」
「えっと、さっき気絶されたばかりなので体調が万全じゃないかもと思ったので……」
「うぐぐぐ……あーまた苦しくなって気絶しそーだー。私だけ置いてルク・スエルで楽しんで来るなんてー。あー帰って来たら私死んでるかもー。」
コフィさん、思い切り棒読みなんですが。
「わ、分かりましたよ!では行きますよ?みんな手を繋いでください。」
「ううぅ!楽しみぃ!!」
ソフィちゃんは俺の手を握りながらぴょんぴょん跳ねてワクワク顔だ。
俺達は空間転移を潜りルク・スエルへ移動した。
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