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第63話 襲撃5
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「ファム!!ここはどこなのだ!?」
馬車の中から少女の声で呼びかけられる。
どうやらお姫様が目を覚ました様だ。
「お嬢様。しばしお待ち下さい!また野盗どもと戦闘になりそうなので中に居て下さい!!」
「え!?」
するとお嬢様は馬車の窓から外に顔を出して後ろを振り返ると同時に目の前を弓矢が通り過ぎる。
「ヒッ!!…………う~ん……。」バタッ。
あらら、また気絶しちゃったよ。お姫様は白目を剥いて馬車の中で仰向けに倒れてしまった。
「どうします?ボス?(キリッ)」
「どうしますって、私は御者なのだからお主が相手する他ないだろう!?そもそも護衛として雇ったんだぞ!?」
ですよね。知ってた。
でも言ってみたかったんだ。
『どうします?ボス?』って。出来る部下っぽいじゃん?
「さて、お仕事の時間か。」
俺は御者台から馬車の上部へ移動する。
すると馬に乗った野盗どもが弓を射かけながらこちらに近づいてくるのが視えた。
遠距離攻撃か……。
俺は腕組み少し思案する。
その間にも弓矢が馬車に降り注ぐ。
アブねッ!!
「パンツ殿!!どうするのだ!!止まって相手するのか!?」
「いえ!止まらないで下さい!少し試したい事があるので!」
試したい事。
先日、太陽の風のエチルさんに教えて貰った土魔法だ。
エチルさんは補助的な役割で土魔法を使っていたが、これを攻撃魔法として使えないかと思っていた。
しかも、昨日、俺のイメージする土魔法をガガンさんに伝えるとそれに近いイメージに合う土魔法を教えて貰ったのだ。
勿論、ガガンさんは土魔法を使えないのでイメージと魔法名を教えて貰っただけだが、恐らく俺の想像する通りになる筈!
「イメージ通りいけよぉ!!……成形土槍!!!!」
俺は野盗どもに向けて手を翳すと目前に黄色の魔法陣が浮かび上がり野盗が走り込むタイミングを見計らい魔法を発動させる。
すると『ドン!』と言う音が辺りに響き渡る。
「な、何だぁこりゃぁ!!地面がぁぁぁあぎゃ!!」
野盗の一味は絶叫する。
俺の魔法により地面の真下から夥(おびただ)しい剣山状に変化した土の槍が突出し、先頭付近を走っていた野盗ども十数人を馬ごと串刺しにした。
どうやら上手くいった様だ。
この魔法を時間差で発動させて罠にしてもいいかもな。
ちなみにこの土魔法、第5位階魔法。
「な!?ぱ、パンツ殿!!何をしたのだ!」
「え?ちょっと魔法でちょちょいと。」
「ちょ、ちょちょいと?お主!魔法も使えるのか!?武闘家では無かったのか!?」
「あ~、少しだけ魔法を使えるだけですよ。」
「……少し……だと!?……ん……今は何も言うまい。」
困惑の表情で俺を見るファムさんはそう呟くと直ぐに前方に視線を移し、ピシリと手に握る馬の手綱を振るい馬車を更に加速させる。
流石騎士様。
今は自分の感情よりも自分の出来る役割を優先するとは。
状況判断優秀ですな。
さて、残りの野盗はっと……。
再び後続を確認すると、魔法で築かれた土の槍の脇を抜けて野盗どもは尚も追撃して来ている。
残りは8人程度か……。
さてもう一つ試してみるか。
俺は追って来る野盗へ両手を翳すと、右手赤い魔法陣、左手に白い魔法陣が浮かび上がる。
「威力を抑えて抑えて……魔力を抑えて……イメージイメージ……。またファイアソール(か○はめ波)みたいな事になったら面倒だ。」
そして俺は魔法を放つ。
右手からは炎、左手からは氷塊を含んだ冷気が飛び出し絡み合うように野盗の集団の目掛けて向かって行く。
「「「「ぎゃぁぁぁぁあああぁあ!!」」」」
威力を抑えて放った魔法だが、野盗達は一部の者は落馬し火達磨で地面を転げまわり、またある者は馬ごと全身凍り付いたりしていた。
試したかった事。
それは複数の魔法を並行で使用出来るかと言う事だ。
取りあえずは2属性同時での使用は問題無いみたいだな。
今後は6属性全てでの魔法発動もやってみたいな。
空間転移(ワープ)しながら他の攻撃魔法を3つ4つ同時に発動とか。
ま、それはおいおい試して行こう。
「くそがぁぁぁあぁ!!!」
「え?」
炎と冷気の魔法を放った先から一騎抜けてこちらに猛然と駆けてくる野盗がいる。
確かあいつ……野盗のリーダーだった奴か。
名前しらんけど。
鑑定してみるか?
===================================
【 名 前 】ハッナン・ゲーヴォルグ
【 種 族 】人族
【 職 種 】斥候 :風 適正
【 体 力 】217
【 魔 力 】57
【 攻撃力 】216
【 防御力 】259
【 俊敏性 】254
===================================
ステータス的にはファムさんといい勝負って所だな。
名前は……ハッナン・ゲーヴォルグ……鼻毛さんか。
馬車の中から少女の声で呼びかけられる。
どうやらお姫様が目を覚ました様だ。
「お嬢様。しばしお待ち下さい!また野盗どもと戦闘になりそうなので中に居て下さい!!」
「え!?」
するとお嬢様は馬車の窓から外に顔を出して後ろを振り返ると同時に目の前を弓矢が通り過ぎる。
「ヒッ!!…………う~ん……。」バタッ。
あらら、また気絶しちゃったよ。お姫様は白目を剥いて馬車の中で仰向けに倒れてしまった。
「どうします?ボス?(キリッ)」
「どうしますって、私は御者なのだからお主が相手する他ないだろう!?そもそも護衛として雇ったんだぞ!?」
ですよね。知ってた。
でも言ってみたかったんだ。
『どうします?ボス?』って。出来る部下っぽいじゃん?
「さて、お仕事の時間か。」
俺は御者台から馬車の上部へ移動する。
すると馬に乗った野盗どもが弓を射かけながらこちらに近づいてくるのが視えた。
遠距離攻撃か……。
俺は腕組み少し思案する。
その間にも弓矢が馬車に降り注ぐ。
アブねッ!!
「パンツ殿!!どうするのだ!!止まって相手するのか!?」
「いえ!止まらないで下さい!少し試したい事があるので!」
試したい事。
先日、太陽の風のエチルさんに教えて貰った土魔法だ。
エチルさんは補助的な役割で土魔法を使っていたが、これを攻撃魔法として使えないかと思っていた。
しかも、昨日、俺のイメージする土魔法をガガンさんに伝えるとそれに近いイメージに合う土魔法を教えて貰ったのだ。
勿論、ガガンさんは土魔法を使えないのでイメージと魔法名を教えて貰っただけだが、恐らく俺の想像する通りになる筈!
「イメージ通りいけよぉ!!……成形土槍!!!!」
俺は野盗どもに向けて手を翳すと目前に黄色の魔法陣が浮かび上がり野盗が走り込むタイミングを見計らい魔法を発動させる。
すると『ドン!』と言う音が辺りに響き渡る。
「な、何だぁこりゃぁ!!地面がぁぁぁあぎゃ!!」
野盗の一味は絶叫する。
俺の魔法により地面の真下から夥(おびただ)しい剣山状に変化した土の槍が突出し、先頭付近を走っていた野盗ども十数人を馬ごと串刺しにした。
どうやら上手くいった様だ。
この魔法を時間差で発動させて罠にしてもいいかもな。
ちなみにこの土魔法、第5位階魔法。
「な!?ぱ、パンツ殿!!何をしたのだ!」
「え?ちょっと魔法でちょちょいと。」
「ちょ、ちょちょいと?お主!魔法も使えるのか!?武闘家では無かったのか!?」
「あ~、少しだけ魔法を使えるだけですよ。」
「……少し……だと!?……ん……今は何も言うまい。」
困惑の表情で俺を見るファムさんはそう呟くと直ぐに前方に視線を移し、ピシリと手に握る馬の手綱を振るい馬車を更に加速させる。
流石騎士様。
今は自分の感情よりも自分の出来る役割を優先するとは。
状況判断優秀ですな。
さて、残りの野盗はっと……。
再び後続を確認すると、魔法で築かれた土の槍の脇を抜けて野盗どもは尚も追撃して来ている。
残りは8人程度か……。
さてもう一つ試してみるか。
俺は追って来る野盗へ両手を翳すと、右手赤い魔法陣、左手に白い魔法陣が浮かび上がる。
「威力を抑えて抑えて……魔力を抑えて……イメージイメージ……。またファイアソール(か○はめ波)みたいな事になったら面倒だ。」
そして俺は魔法を放つ。
右手からは炎、左手からは氷塊を含んだ冷気が飛び出し絡み合うように野盗の集団の目掛けて向かって行く。
「「「「ぎゃぁぁぁぁあああぁあ!!」」」」
威力を抑えて放った魔法だが、野盗達は一部の者は落馬し火達磨で地面を転げまわり、またある者は馬ごと全身凍り付いたりしていた。
試したかった事。
それは複数の魔法を並行で使用出来るかと言う事だ。
取りあえずは2属性同時での使用は問題無いみたいだな。
今後は6属性全てでの魔法発動もやってみたいな。
空間転移(ワープ)しながら他の攻撃魔法を3つ4つ同時に発動とか。
ま、それはおいおい試して行こう。
「くそがぁぁぁあぁ!!!」
「え?」
炎と冷気の魔法を放った先から一騎抜けてこちらに猛然と駆けてくる野盗がいる。
確かあいつ……野盗のリーダーだった奴か。
名前しらんけど。
鑑定してみるか?
===================================
【 名 前 】ハッナン・ゲーヴォルグ
【 種 族 】人族
【 職 種 】斥候 :風 適正
【 体 力 】217
【 魔 力 】57
【 攻撃力 】216
【 防御力 】259
【 俊敏性 】254
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ステータス的にはファムさんといい勝負って所だな。
名前は……ハッナン・ゲーヴォルグ……鼻毛さんか。
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