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第51話 帰路5
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「カバールさん。『製造者』って何ですか?」
「『製造者』と言うのは、武器や防具、アイテムに魔法属性を付与する事を生業としている一部の光魔法使いと鍛冶士の方々を指します。」」
「光魔法も物に魔法付与する事が出来るんですか?以前、エチルさんには、水革袋は冥魔法で付与すると伺ったのですが。」
「武器や防具類に魔法属性を付与する魔法は『光魔法』を使用するんですよ。」
「はぁ~。そんな切り分けがされていたんですか……。
そうなると光魔法で武器に魔法属性を付与し捲れば無敵ですね!」
「そうもいかないんですよ。武器、防具、アイテム類に魔法属性を付与する場合、付与する魔石や魔導石が必要です。
その魔石類を用意するのも一苦労ですが、製造者、この場合は光魔法使いの事を指すのですが、一番重要な要素が製造者の魔力なのです。」
「製造者の魔力?」
「魔法属性を付与する為に必要な3つの要素があります。それが先の2つ、
『魔石』と『武器、防具、アイテム』類です。
そして最後の3つ目の要素が『製造者』です。
このどれがかけても良い魔法属性の武器や防具にはなりません。」
「どういう事ですか?」
「簡単な話、同じ魔石と武器を用意して魔力が異なる製造者に魔法属性付与を行っても完成品に優劣が出てしまうのです。
魔力量が大きい製造者であれば強力な武器、防具の作成が出来ますが、魔力量が小さければ当然、その逆ですね。
それにそこら辺の武器屋で買った剣に魔法属性を付与しようとしても、魔石の力に耐え切れずに剣自体が破壊されてしまいます。その逆も然り。
得物が良いモノであれば、強力な魔石を付ける事が出来ます。
安い剣に安いクズ魔石を付与する事も出来ますが、製造者へ依頼料は最低、金貨10枚(100万円)前後が相場ですから、安物の剣にクズ魔石を付与するなんて割に合わないですから。安い物はすぐに壊れやすいですしお薦めしないですよ。」
確かにコスパが悪すぎる。高い金を払って魔法属性付与したとしても、直ぐに壊れて使い物にならなくなっては本末転倒だ。
「ですから魔法属性が付与されている武器、防具類は高いですが、先ほども言った様に製造者の腕によっても値段が上下します。
例えば王国お抱えの宮廷魔法使いの『アラミラ様』が製造した一品はとんでもない値が付いてますよ。
それにその魔力が込められた魔石・魔導石に耐えられる武器、防具でないと直ぐに壊れてしまいますから腕のいい『鍛冶士』が制作した得物でないといけません。」
……武器、防具、アイテムに魔法の属性を付与するのも一苦労みたいだな。
纏めると、
==========================================
・武器、防具、アイテムに魔法属性を付与する魔法は『光魔法』。
・制作するには『魔石・魔導石』が必要。
・『製造者(ビルダー)』の魔力量が重要。
・最低、属性付与するには最低金貨10枚前後からが相場。
==========================================
と言う事らしい。
冥魔法と違って随分制限が厳しいな。
俺も属性付与する事が出来る様になれば……依頼する必要がないから余計な出費を抑えれるし、むしろ!俺が属性付与する事で楽して稼げそうだ!
まぁその前に光魔法使いに属性付与を見せて貰えたらいいんだけどな……。
どっかにいないかな?
「話は戻りますけど、その『収納袋』にはどれぐらい入るんですか?」
「そうですねぇ……。大体、4人分の予備の装備品全てと保存食、簡易テント一式プラスαと言った所ですね。」
「制限はあるんですか?」
「経験上、恐らくこのブラッド・ボアの残り3体入れたらあの大物は入らないでしょう。」
そう言いながら、カバールさんは収納袋(ストレージバッグ)から予備の武器や保存食類などを出しながら答えてくれる。
「なので、あの大物と3体のブラッド・ボアどちらか選ぶ事になるでしょうが、その判断はリーダー(仮)さんの判断ですね。」
収納袋は大体4人パーティが活動出来る程度の物品を収納する事が出来るらしくプラスα、ブラッド・ボア通常サイズ3体程度って事か。
結構、入るんだな。
「もし討伐したモンスターを持ち帰れない場合はどうするんですか?」
「その場合は、普段通りにモンスターの一部を切り取りギルドへ報告をすれば討伐報奨金は頂けます。肉や皮は持っていけなくなるので、その分、換金が出来ないので多少痛手ではありますが仕方ないですね。
冥魔法が使えればこのバッグすら必要ないのですが……ない物ねだりをしてもしょうがないです。」
「?冥魔法使いは収納袋も必要ないんですか?」
「そうですよ。収納出来る容量はその冥魔法使いの魔力量に比例するみたいですが、袋なしで収納する事が出来るみたいです。便利な魔法ですよね。」
この収納袋だけでも便利過ぎるアイテムだろ……。
こんなアイテムが俺の記憶の世界にあれば流通革命どころの騒ぎではない。
更に大規模に物を運ぶ事が出来るのだ。
当然、民間だけじゃなく、軍事的にも同様に。
そんな事を思っていると、大物のブラッド・ボアを解体していたジンとシェールの歓喜の声が聞こえてきた。
「やったぁ!!やっぱりあったぞぉ!!」
「よっしゃぁぁぁぁあ!!」
ん?ジンがシェールと手を繋ぎ合って喜び叫んでいる。
なんだかんだで仲いいな。あの二人。
「魔導石!Getだぜ!!」
………。
どこかで聞いたセリフだがシェールがこちらを見ながらニコニコ満面の笑みを浮かべてサムズアップしている。
普通の感嘆詞だからどこかの法務部最強と言われている○天堂さんとは関係ない筈だ。そう。関係ない。関係ないのだ。きっと。
「『製造者』と言うのは、武器や防具、アイテムに魔法属性を付与する事を生業としている一部の光魔法使いと鍛冶士の方々を指します。」」
「光魔法も物に魔法付与する事が出来るんですか?以前、エチルさんには、水革袋は冥魔法で付与すると伺ったのですが。」
「武器や防具類に魔法属性を付与する魔法は『光魔法』を使用するんですよ。」
「はぁ~。そんな切り分けがされていたんですか……。
そうなると光魔法で武器に魔法属性を付与し捲れば無敵ですね!」
「そうもいかないんですよ。武器、防具、アイテム類に魔法属性を付与する場合、付与する魔石や魔導石が必要です。
その魔石類を用意するのも一苦労ですが、製造者、この場合は光魔法使いの事を指すのですが、一番重要な要素が製造者の魔力なのです。」
「製造者の魔力?」
「魔法属性を付与する為に必要な3つの要素があります。それが先の2つ、
『魔石』と『武器、防具、アイテム』類です。
そして最後の3つ目の要素が『製造者』です。
このどれがかけても良い魔法属性の武器や防具にはなりません。」
「どういう事ですか?」
「簡単な話、同じ魔石と武器を用意して魔力が異なる製造者に魔法属性付与を行っても完成品に優劣が出てしまうのです。
魔力量が大きい製造者であれば強力な武器、防具の作成が出来ますが、魔力量が小さければ当然、その逆ですね。
それにそこら辺の武器屋で買った剣に魔法属性を付与しようとしても、魔石の力に耐え切れずに剣自体が破壊されてしまいます。その逆も然り。
得物が良いモノであれば、強力な魔石を付ける事が出来ます。
安い剣に安いクズ魔石を付与する事も出来ますが、製造者へ依頼料は最低、金貨10枚(100万円)前後が相場ですから、安物の剣にクズ魔石を付与するなんて割に合わないですから。安い物はすぐに壊れやすいですしお薦めしないですよ。」
確かにコスパが悪すぎる。高い金を払って魔法属性付与したとしても、直ぐに壊れて使い物にならなくなっては本末転倒だ。
「ですから魔法属性が付与されている武器、防具類は高いですが、先ほども言った様に製造者の腕によっても値段が上下します。
例えば王国お抱えの宮廷魔法使いの『アラミラ様』が製造した一品はとんでもない値が付いてますよ。
それにその魔力が込められた魔石・魔導石に耐えられる武器、防具でないと直ぐに壊れてしまいますから腕のいい『鍛冶士』が制作した得物でないといけません。」
……武器、防具、アイテムに魔法の属性を付与するのも一苦労みたいだな。
纏めると、
==========================================
・武器、防具、アイテムに魔法属性を付与する魔法は『光魔法』。
・制作するには『魔石・魔導石』が必要。
・『製造者(ビルダー)』の魔力量が重要。
・最低、属性付与するには最低金貨10枚前後からが相場。
==========================================
と言う事らしい。
冥魔法と違って随分制限が厳しいな。
俺も属性付与する事が出来る様になれば……依頼する必要がないから余計な出費を抑えれるし、むしろ!俺が属性付与する事で楽して稼げそうだ!
まぁその前に光魔法使いに属性付与を見せて貰えたらいいんだけどな……。
どっかにいないかな?
「話は戻りますけど、その『収納袋』にはどれぐらい入るんですか?」
「そうですねぇ……。大体、4人分の予備の装備品全てと保存食、簡易テント一式プラスαと言った所ですね。」
「制限はあるんですか?」
「経験上、恐らくこのブラッド・ボアの残り3体入れたらあの大物は入らないでしょう。」
そう言いながら、カバールさんは収納袋(ストレージバッグ)から予備の武器や保存食類などを出しながら答えてくれる。
「なので、あの大物と3体のブラッド・ボアどちらか選ぶ事になるでしょうが、その判断はリーダー(仮)さんの判断ですね。」
収納袋は大体4人パーティが活動出来る程度の物品を収納する事が出来るらしくプラスα、ブラッド・ボア通常サイズ3体程度って事か。
結構、入るんだな。
「もし討伐したモンスターを持ち帰れない場合はどうするんですか?」
「その場合は、普段通りにモンスターの一部を切り取りギルドへ報告をすれば討伐報奨金は頂けます。肉や皮は持っていけなくなるので、その分、換金が出来ないので多少痛手ではありますが仕方ないですね。
冥魔法が使えればこのバッグすら必要ないのですが……ない物ねだりをしてもしょうがないです。」
「?冥魔法使いは収納袋も必要ないんですか?」
「そうですよ。収納出来る容量はその冥魔法使いの魔力量に比例するみたいですが、袋なしで収納する事が出来るみたいです。便利な魔法ですよね。」
この収納袋だけでも便利過ぎるアイテムだろ……。
こんなアイテムが俺の記憶の世界にあれば流通革命どころの騒ぎではない。
更に大規模に物を運ぶ事が出来るのだ。
当然、民間だけじゃなく、軍事的にも同様に。
そんな事を思っていると、大物のブラッド・ボアを解体していたジンとシェールの歓喜の声が聞こえてきた。
「やったぁ!!やっぱりあったぞぉ!!」
「よっしゃぁぁぁぁあ!!」
ん?ジンがシェールと手を繋ぎ合って喜び叫んでいる。
なんだかんだで仲いいな。あの二人。
「魔導石!Getだぜ!!」
………。
どこかで聞いたセリフだがシェールがこちらを見ながらニコニコ満面の笑みを浮かべてサムズアップしている。
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