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第44話 グリフォン便2
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俺達はグリフォン便の情報を聞いてみようと事務所の扉を開けて顔だけ覗き込む。
「こんにち……はぁ……。」
…………。
するとそこには、こちらを眉間に皺を寄せて足を組みタバコをくゆらせている『ライオン』の顔がこちらを睨みつけていた。
Why?
…………。
俺は静かに扉を閉める。
「あれ?ここって『グリフォン便』の発着場だよな?」
「そうよ。どうしたの?」
「……え?あれ?グリフォンて鳥の頭だったよな?」
「そうね。」
俺は再び扉を少し開けて恐る恐る顔を入れて覗き込む。
「ギロッ」
………バタン
………………。
俺は静かに扉を閉める。
うん。やっぱり先ほどと同じ体勢でこちらを睨みつける『ライオン』の顔があった。
俺の記憶で言うならば、イタリアの観光地にある『真実の口』みたいなライオン顔がそこにある。
「やっぱり場所を間違えたかもしれない。」
「ええ?そんな筈ないでしょ?だって看板にも『グリフォン便』て書いてるし!」
そう。
確かに看板にも『グリフォン便!親切!早いがモットーのグリフォン便!!お気軽にお声かけください!!』
なんて謳い文句が書いてある。
あのライオン顔………親切そうには見えなかったけど……。
と言うか、何でライオンが放し飼いされてんの!?
「もう!どうしたの?パンツ!」
「え?あ、ちょっ……危ないかも!?」
アイルが俺を押しのけて扉を開くと直ぐに閉じてこちらに振り返る。
「!?…………なに!?……あれ!?」
「………。だから間違ったかもしれないって言っただろ?」
「ええ!?何でライオンがいるの?魔獣が街に入り込んでる!!早くギルドに伝えなきゃ!!」
アイルはそう言うと走り出す。
「アイル。ギルドは逆方向だぞ。」
アイルは走り出す体制で止まってしまった。
「///……。もう~じゃぁ早く行きましょうよぉぉお!!ヤバいわよ!!」
アイルは俺の外套を掴みグイグイ引っ張る。
「く……ぐるじぃ……死……死ぬぅて……アイル……ぢょっ……首…締まってるから……はなし……て」
「ウチになんか御用かしらぁ~ん?」
後ろから声を掛けられた先を見やると、そこには扉を少し開けた隙間からライオン顔がこちらを睨み付けていた。
「「「ひぃっ!!モンスターが出てきたぁぁぁ!!」」」
「ッきゃあぁぁぁぁぁぁ!!どこ?どこにモンスター!?どこぉぉおん!?」
俺とアイル、ソフィちゃんは同時にそう叫んでいた。
するとそのライオン顔も悲鳴を上げて俺に抱き着いてくる。
抱き着かれて思ったが、このライオン、毛並はフサフサで所謂、モフりがいがありそうで中々、抱き心地がよさそうだ。
俺に抱き着いているライオン顔はまだ周囲をキョロキョロして警戒の目を漂わせている。
上半身と下半身にはちゃんと?衣服を纏っており、人間で言うならば白ノースリーブに黒ホットパンツのへそ出しルックと刺激的な衣服の筈なのだがライオンなので全く扇情的な事にはならない。
それに……
モンスター、いないし。
モンスター、おめぇだし。
「あの~……ライオンさん?離してくれませんか?」
「………!?えっ!でもモンスターがいるんでしょう!?どこ?どこにいるのぉぉお?」
ライオン顔はブルブルと怯えながらそう捲くし立てて一層、俺を抱きしめる力を強める。
……ライオンてこんなんだっけ?
…………ちょっとカワイイな。
アイルとソフィちゃんもそんな俺達を見て冷静になったのか少し離れた所からこちらの様子を伺っていた。
ボコーン!!
ええ~!?何で!?
アイル様のストレートが俺の顔面を打ち抜いた。
そのお蔭?で俺はライオン顔から解放される。
「あ、アイル!な、何するんだよ!!」
「またニヤけてたわよ!!あれはパンツが変な事を考えてる時の顔だわ!」
「きゃぁぁぁあ!!モンスターってこの子でしょぉぉん!?怖いィぃ!!」
「誰がモンスターよ!!あんたの方がどちらかと言えばモンスターでしょうが!!」
「何言ってくれちゃってんの!?この小娘ぇ!!失礼しちゃうわねぇ~!!」
アイルとライオン顔が顔を突き合わせて文句を言い合っている。
何だ?これ?
と言うかライオン顔が普通に喋ってる。違和感ありまくりんぐだ。
「何よ!ここは『グリフォン便』の事務所の筈でしょ!!何でライオンの魔獣がいるのよ!!」
「んまぁぁぁ!魔獣ですってぇ~!?失礼しちゃうわね~!私もれっきとしたグリフォンよ!!この翼が見えないのぉぉおお!?」
「「「あ……。」」」
そのライオン顔がバサリと翼を大きく広げて見せる。
確かにそのオカマ口調のライオン顔の背中には見事な翼が生えていた。
俺達3人は呆気にとられているとそのライオン顔が続けて話す。
「あんた達、そのプレートを見た所、冒険者なんでしょ~?ユニーク種(突然変異)のグリフォンがいるって知らないのぉ~!?勉強不足ねぇ~ん!!」
ライオン顔が頬を膨らませてクネクネしながらオカマ口調で怒っている。
色々情報が多すぎて処理できない。
そう言えば、『太陽の風』リーダー(仮)のシェールが言ってたな。
キラーアントからの救出後、野営した時の事を俺は思い出す。
『稀にライオンの身体にライオンの頭のグリフォンもいる。』
……いや、それ、ただのライオンじゃね?
『簡単に言うと翼が生えてるライオンと思ってくれればいいな。』
そんな事を言っていた。
「アイル!この人?もグリフォンだよ!シェールもユニーク種のグリフォンがいるって言ってただろ?」
「え?……えぇ。確かに言ってた……けど、ユニーク種のグリフォンなんて早々会えないと思ってた……。」
「ほんっとに失礼しちゃうわねぇ~!!」
俺もまさか普通のグリフォンを目にする前にいきなりユニーク種、ライオン型のグリフォンと出会ってしまうとは運がいいのか悪いのか……。
どちらかと言うと『キマイラ』寄りなんじゃ……。
「アイル……グリフォンて喋れるんだな。」
「喋れるに決まってるじゃな~い!!むしろあんた達、人族や亜人なんかよりよ~っぽど賢いわよ~ん!!失礼しちゃう!!」
『失礼しちゃう!』ってのは口癖なのか?
俺がアイルに尋ねた事が聞こえたらしくそのライオン顔はそう答える。
「すご~い!!初めてみたよぉおお~!グリフォ~ン!フサフサしてて気持ちいいぃぃ!!」
そう言うとソフィちゃんはそのライオン顔に抱き着く。
「あら~んカワイイらしいお嬢ちゃんねぇ~。……食べちゃいたいぐらい。」
「……!?!?」
アイルは咄嗟にソフィを抱き抱えてライオン顔から距離を取る。
「ふ~ん。動きは悪くないわね~ん。食べたりしないわよぉん。ウフフ。」
オカマライオン顔は不敵にニヤリと笑うと翼を閉じる。
「それで、あんた達、当然ウチに用があって来たんでしょう?中に入って話しましょ?」
ライオン顔はそう言うと、事務所に入る様に促す。
未だにライオンが普通に喋る事に違和感を覚えながらも俺達は事務所の中へと入っていった。
オカマ口調のライオン顔のグリフォンて……キャラ立ち過ぎだろ……大丈夫かな?
「こんにち……はぁ……。」
…………。
するとそこには、こちらを眉間に皺を寄せて足を組みタバコをくゆらせている『ライオン』の顔がこちらを睨みつけていた。
Why?
…………。
俺は静かに扉を閉める。
「あれ?ここって『グリフォン便』の発着場だよな?」
「そうよ。どうしたの?」
「……え?あれ?グリフォンて鳥の頭だったよな?」
「そうね。」
俺は再び扉を少し開けて恐る恐る顔を入れて覗き込む。
「ギロッ」
………バタン
………………。
俺は静かに扉を閉める。
うん。やっぱり先ほどと同じ体勢でこちらを睨みつける『ライオン』の顔があった。
俺の記憶で言うならば、イタリアの観光地にある『真実の口』みたいなライオン顔がそこにある。
「やっぱり場所を間違えたかもしれない。」
「ええ?そんな筈ないでしょ?だって看板にも『グリフォン便』て書いてるし!」
そう。
確かに看板にも『グリフォン便!親切!早いがモットーのグリフォン便!!お気軽にお声かけください!!』
なんて謳い文句が書いてある。
あのライオン顔………親切そうには見えなかったけど……。
と言うか、何でライオンが放し飼いされてんの!?
「もう!どうしたの?パンツ!」
「え?あ、ちょっ……危ないかも!?」
アイルが俺を押しのけて扉を開くと直ぐに閉じてこちらに振り返る。
「!?…………なに!?……あれ!?」
「………。だから間違ったかもしれないって言っただろ?」
「ええ!?何でライオンがいるの?魔獣が街に入り込んでる!!早くギルドに伝えなきゃ!!」
アイルはそう言うと走り出す。
「アイル。ギルドは逆方向だぞ。」
アイルは走り出す体制で止まってしまった。
「///……。もう~じゃぁ早く行きましょうよぉぉお!!ヤバいわよ!!」
アイルは俺の外套を掴みグイグイ引っ張る。
「く……ぐるじぃ……死……死ぬぅて……アイル……ぢょっ……首…締まってるから……はなし……て」
「ウチになんか御用かしらぁ~ん?」
後ろから声を掛けられた先を見やると、そこには扉を少し開けた隙間からライオン顔がこちらを睨み付けていた。
「「「ひぃっ!!モンスターが出てきたぁぁぁ!!」」」
「ッきゃあぁぁぁぁぁぁ!!どこ?どこにモンスター!?どこぉぉおん!?」
俺とアイル、ソフィちゃんは同時にそう叫んでいた。
するとそのライオン顔も悲鳴を上げて俺に抱き着いてくる。
抱き着かれて思ったが、このライオン、毛並はフサフサで所謂、モフりがいがありそうで中々、抱き心地がよさそうだ。
俺に抱き着いているライオン顔はまだ周囲をキョロキョロして警戒の目を漂わせている。
上半身と下半身にはちゃんと?衣服を纏っており、人間で言うならば白ノースリーブに黒ホットパンツのへそ出しルックと刺激的な衣服の筈なのだがライオンなので全く扇情的な事にはならない。
それに……
モンスター、いないし。
モンスター、おめぇだし。
「あの~……ライオンさん?離してくれませんか?」
「………!?えっ!でもモンスターがいるんでしょう!?どこ?どこにいるのぉぉお?」
ライオン顔はブルブルと怯えながらそう捲くし立てて一層、俺を抱きしめる力を強める。
……ライオンてこんなんだっけ?
…………ちょっとカワイイな。
アイルとソフィちゃんもそんな俺達を見て冷静になったのか少し離れた所からこちらの様子を伺っていた。
ボコーン!!
ええ~!?何で!?
アイル様のストレートが俺の顔面を打ち抜いた。
そのお蔭?で俺はライオン顔から解放される。
「あ、アイル!な、何するんだよ!!」
「またニヤけてたわよ!!あれはパンツが変な事を考えてる時の顔だわ!」
「きゃぁぁぁあ!!モンスターってこの子でしょぉぉん!?怖いィぃ!!」
「誰がモンスターよ!!あんたの方がどちらかと言えばモンスターでしょうが!!」
「何言ってくれちゃってんの!?この小娘ぇ!!失礼しちゃうわねぇ~!!」
アイルとライオン顔が顔を突き合わせて文句を言い合っている。
何だ?これ?
と言うかライオン顔が普通に喋ってる。違和感ありまくりんぐだ。
「何よ!ここは『グリフォン便』の事務所の筈でしょ!!何でライオンの魔獣がいるのよ!!」
「んまぁぁぁ!魔獣ですってぇ~!?失礼しちゃうわね~!私もれっきとしたグリフォンよ!!この翼が見えないのぉぉおお!?」
「「「あ……。」」」
そのライオン顔がバサリと翼を大きく広げて見せる。
確かにそのオカマ口調のライオン顔の背中には見事な翼が生えていた。
俺達3人は呆気にとられているとそのライオン顔が続けて話す。
「あんた達、そのプレートを見た所、冒険者なんでしょ~?ユニーク種(突然変異)のグリフォンがいるって知らないのぉ~!?勉強不足ねぇ~ん!!」
ライオン顔が頬を膨らませてクネクネしながらオカマ口調で怒っている。
色々情報が多すぎて処理できない。
そう言えば、『太陽の風』リーダー(仮)のシェールが言ってたな。
キラーアントからの救出後、野営した時の事を俺は思い出す。
『稀にライオンの身体にライオンの頭のグリフォンもいる。』
……いや、それ、ただのライオンじゃね?
『簡単に言うと翼が生えてるライオンと思ってくれればいいな。』
そんな事を言っていた。
「アイル!この人?もグリフォンだよ!シェールもユニーク種のグリフォンがいるって言ってただろ?」
「え?……えぇ。確かに言ってた……けど、ユニーク種のグリフォンなんて早々会えないと思ってた……。」
「ほんっとに失礼しちゃうわねぇ~!!」
俺もまさか普通のグリフォンを目にする前にいきなりユニーク種、ライオン型のグリフォンと出会ってしまうとは運がいいのか悪いのか……。
どちらかと言うと『キマイラ』寄りなんじゃ……。
「アイル……グリフォンて喋れるんだな。」
「喋れるに決まってるじゃな~い!!むしろあんた達、人族や亜人なんかよりよ~っぽど賢いわよ~ん!!失礼しちゃう!!」
『失礼しちゃう!』ってのは口癖なのか?
俺がアイルに尋ねた事が聞こえたらしくそのライオン顔はそう答える。
「すご~い!!初めてみたよぉおお~!グリフォ~ン!フサフサしてて気持ちいいぃぃ!!」
そう言うとソフィちゃんはそのライオン顔に抱き着く。
「あら~んカワイイらしいお嬢ちゃんねぇ~。……食べちゃいたいぐらい。」
「……!?!?」
アイルは咄嗟にソフィを抱き抱えてライオン顔から距離を取る。
「ふ~ん。動きは悪くないわね~ん。食べたりしないわよぉん。ウフフ。」
オカマライオン顔は不敵にニヤリと笑うと翼を閉じる。
「それで、あんた達、当然ウチに用があって来たんでしょう?中に入って話しましょ?」
ライオン顔はそう言うと、事務所に入る様に促す。
未だにライオンが普通に喋る事に違和感を覚えながらも俺達は事務所の中へと入っていった。
オカマ口調のライオン顔のグリフォンて……キャラ立ち過ぎだろ……大丈夫かな?
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