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第33話 騎士団の調査1

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俺達はシェール達と野営した場所に向けてひたすら歩いている。
森の中なので馬は入って来れないのでただ歩く。

1列の隊列で前後に騎士1名、先頭の騎士の後方にシェール達4人、真ん中に騎士団長様と御付騎士1名、ギルマス達その後ろにペーペーの俺がいる
計13名で向かっていた。


騎士1名、シェール、エチル、ジン、カバール、騎士団長、騎士1名、レト、リッター、ソフィ、アイル、元おっさん、騎士1名

結構歩いてるなぁ。こんなに遠かったっけ?
もう陽が丁度中天を指し始めておりそろそろ昼になろうかとしている。
俺はマップを度々開きながら周辺に注意を向けているが、
モンスター1匹いやしない。

キラーアントは先日ソフィちゃんが薙ぎ払っちゃったし、ドラゴンさんいないし
ギガパイさんも死んじゃったしこの周辺、もう何もいないんじゃ?

アイルも頭に両手を組みながら暇そうに隊列を歩きソフィちゃんは相変わらず珍しい野草がないか地面をキョロキョロしながら歩いている。
俺も暇だ。

しかし俺達『のほほん3人組』以外は周囲に『ドラゴン』がいるかもしれないと言う緊張感から少しの気配の変化も見逃すまいと周囲に神経をピリピリ張り巡らせているのが分かる。
俺達との温度差がゴイスー。
俺達は所々、出来てる水溜りを避けながら歩を進める。

俺はマップ画面を見ながら最適な暇潰しを思いつく。
其々の装備品の鑑定でもしてみようと。

野営した時に気付いた事だが、このステータス画面は地図機能だけでなく、装備品の鑑定も出来たのだ。
シェールの装備品は確か炎の魔法属性が付与されている剣を装備していた筈だ。

今、一番の興味があるのはやはり騎士団長とギルマス達の装備品だろう。
俺は後ろから身体を傾けて前方を歩くギルマス達の装備品を鑑定しよう……
と思ったのだが、予想外の情報が表示された。

「お?………え?」

そこに表示されたのは人物のステータス情報がそこには表示されていた。


【 名 前 】レト・ホーム
【 種 族 】人族
【 職 種 】聖騎士 :風 魔法適正
【 体 力 】511
【 魔 力 】 96
【 攻撃力 】493
【 防御力 】386
【 俊敏性 】387

============================================

【 名 前 】リッター・ワット
【 種 族 】クォル族
【 職 種 】魔法剣士 :水 魔法適正
【 体 力 】301
【 魔 力 】217
【 攻撃力 】281
【 防御力 】174
【 俊敏性 】547

============================================

あらやだ!奥様!!これは便利ですわよ!!
人の能力がここまで詳細に分かるのか……。戦う前に丸裸じゃないの……。

と言っても、普通の人間がどれぐらいのモノなのか比較対象がないからイマイチ強さの基準が分からん……。
アイルとソフィちゃんはどうなんだろう?

チラッ


【 名 前 】アイル・エリーゼ
【 種 族 】亜人(猫)族
【 職 種 】剣士:水 魔法適正
【 体 力 】123
【 魔 力 】 21
【 攻撃力 】 69
【 防御力 】 41
【 俊敏性 】 97

============================================

【 名 前 】ソフィ・エリーゼ
【 種 族 】エルフ族
【 職 種 】魔法使いマジックッキャスター:炎・水・風 魔法適正
【 体 力 】 31
【 魔 力 】107
【 攻撃力 】 37
【 防御力 】 20
【 俊敏性 】 33

アイル達と比較するとギルマスとリッターさんてやっぱり化け物だ。
しかしソフィちゃんの魔力……ギルマスのレトを超えてるじゃねーか。恐ろしい子。

それでステキ団長のオジサマは……っと
と素敵オジサマ騎士団長を鑑定しようとすると俺の足元に何か引っかかりコケそうになる。

「おっとと……。ん?何だ?こりゃ?」

足元に視線を移すとそこには液体のゼリー状の透明な物体がウネウネと足にまとわりついていた。

「……………。」

俺は前にいるアイルの肩を叩き尋ねる。


「………ねぇねぇ、アイルさん?」

「何?」

「これ何?」

「何って何よ………………うわぁぁぁぁぁあああ!!スライムじゃない!!」


よく見るとスライムに消化されているのか俺の靴から煙がシュウシュウと立ち昇っている。


「ちょちょちょ、ちょっと!パンツ!!大丈夫なの!?それ!!??」

「え?え??大丈夫なの!?これ!?え?」


スライムの生態について知らない俺はアイルの問い掛けについて逆に問いかける。
スライムは俺がオタオタしてる間にも下半身を覆い尽くそうと上へ上へとヌルヌル移動を始める。


「煙出てるし大丈夫じゃないよね!?これ確実に溶けてるよね!?これ!?」

「わわっわわあっわぁぁぁあぁぁ!!」

「これどうすんの!!?これどうすんのぉぉおおお!?」


シュッ!!


「おほひぇッ!!」


俺とアイルがオタオタしていると副ギルマスのリッターさんが剣をスライムに突き刺すとスライムが力なくボトリと落ちて動かなくなった。

スライムが俺の下半身を覆い尽くそうとしていた為、リッターさんが突き刺した場所が俺のマイサン(股間)の直ぐ股下だったから変な声でた……。


「大丈夫?」

「あ、ありがとうございました。リッターさん。」


俺は頭を下げリッターさんに礼を言う。
しかし油断した。
スライムの接近に全く気づかなかった。


「スライムは自ら動いて狩りをする事もあるけど、気配を完全に消して待ち伏せする事もあるから気づかずに襲われるケースも多いの。」


リッターさんは俺の疑問に対して親切に教えてくれた。
気配を完全に消すって……マップにもモンスター表示されてなかったしな。
このマップに頼りすぎるのも危険だな……。
只の水溜りかと思ったらスライムさんと初遭遇とは……。


「しかしリッターさん、凄いですね。スライムを一撃で仕留めるなんて……。」


アイルが驚嘆している。


「スライムは一般的には打撃を吸収するから倒しにくいモンスターだけど、核コアを一突きすれば一撃で倒せるのよ。」

「え!そうなんですか?でも外観を見る限りじゃその核コアを見分けられない気がするんですけど。」

「普通じゃ見えないわよ。私にはこれがあるからね。」


リッターさんはそう言うと目にかけている眼鏡を人差し指でチョンチョンと触れながらウィンクする。
ふぅぉおおおぅうぉおおう!!いろっぺぇぇぇええ!!

ボコッ!!


「その眼鏡、何なんですか?マジックアイテム?」


もう俺を殴る事に対してのリアクションもないのね‥…。


「そ!マジックアイテム『魔眼鏡マジカルミラー』って言うアイテムで周囲の魔素の流れやモンスターの魔力が集中している場所が分かるアイテムなの。」

「魔力の流れが分かると便利なんですか?」

「はぁ~。パンツちゃんは相変わらず何も知らないんでちゅねぇ~?」


俺が疑問を口にするとアイルが赤ちゃん言葉で俺をディスる。
いいぞ。もっとやれ。萌えるぜ。
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