Switch jobs ~転移先で自由気ままな転職生活~

天秤兎

文字の大きさ
上 下
34 / 109

第33話 騎士団の調査1

しおりを挟む
俺達はシェール達と野営した場所に向けてひたすら歩いている。
森の中なので馬は入って来れないのでただ歩く。

1列の隊列で前後に騎士1名、先頭の騎士の後方にシェール達4人、真ん中に騎士団長様と御付騎士1名、ギルマス達その後ろにペーペーの俺がいる
計13名で向かっていた。


騎士1名、シェール、エチル、ジン、カバール、騎士団長、騎士1名、レト、リッター、ソフィ、アイル、元おっさん、騎士1名

結構歩いてるなぁ。こんなに遠かったっけ?
もう陽が丁度中天を指し始めておりそろそろ昼になろうかとしている。
俺はマップを度々開きながら周辺に注意を向けているが、
モンスター1匹いやしない。

キラーアントは先日ソフィちゃんが薙ぎ払っちゃったし、ドラゴンさんいないし
ギガパイさんも死んじゃったしこの周辺、もう何もいないんじゃ?

アイルも頭に両手を組みながら暇そうに隊列を歩きソフィちゃんは相変わらず珍しい野草がないか地面をキョロキョロしながら歩いている。
俺も暇だ。

しかし俺達『のほほん3人組』以外は周囲に『ドラゴン』がいるかもしれないと言う緊張感から少しの気配の変化も見逃すまいと周囲に神経をピリピリ張り巡らせているのが分かる。
俺達との温度差がゴイスー。
俺達は所々、出来てる水溜りを避けながら歩を進める。

俺はマップ画面を見ながら最適な暇潰しを思いつく。
其々の装備品の鑑定でもしてみようと。

野営した時に気付いた事だが、このステータス画面は地図機能だけでなく、装備品の鑑定も出来たのだ。
シェールの装備品は確か炎の魔法属性が付与されている剣を装備していた筈だ。

今、一番の興味があるのはやはり騎士団長とギルマス達の装備品だろう。
俺は後ろから身体を傾けて前方を歩くギルマス達の装備品を鑑定しよう……
と思ったのだが、予想外の情報が表示された。

「お?………え?」

そこに表示されたのは人物のステータス情報がそこには表示されていた。


【 名 前 】レト・ホーム
【 種 族 】人族
【 職 種 】聖騎士 :風 魔法適正
【 体 力 】511
【 魔 力 】 96
【 攻撃力 】493
【 防御力 】386
【 俊敏性 】387

============================================

【 名 前 】リッター・ワット
【 種 族 】クォル族
【 職 種 】魔法剣士 :水 魔法適正
【 体 力 】301
【 魔 力 】217
【 攻撃力 】281
【 防御力 】174
【 俊敏性 】547

============================================

あらやだ!奥様!!これは便利ですわよ!!
人の能力がここまで詳細に分かるのか……。戦う前に丸裸じゃないの……。

と言っても、普通の人間がどれぐらいのモノなのか比較対象がないからイマイチ強さの基準が分からん……。
アイルとソフィちゃんはどうなんだろう?

チラッ


【 名 前 】アイル・エリーゼ
【 種 族 】亜人(猫)族
【 職 種 】剣士:水 魔法適正
【 体 力 】123
【 魔 力 】 21
【 攻撃力 】 69
【 防御力 】 41
【 俊敏性 】 97

============================================

【 名 前 】ソフィ・エリーゼ
【 種 族 】エルフ族
【 職 種 】魔法使いマジックッキャスター:炎・水・風 魔法適正
【 体 力 】 31
【 魔 力 】107
【 攻撃力 】 37
【 防御力 】 20
【 俊敏性 】 33

アイル達と比較するとギルマスとリッターさんてやっぱり化け物だ。
しかしソフィちゃんの魔力……ギルマスのレトを超えてるじゃねーか。恐ろしい子。

それでステキ団長のオジサマは……っと
と素敵オジサマ騎士団長を鑑定しようとすると俺の足元に何か引っかかりコケそうになる。

「おっとと……。ん?何だ?こりゃ?」

足元に視線を移すとそこには液体のゼリー状の透明な物体がウネウネと足にまとわりついていた。

「……………。」

俺は前にいるアイルの肩を叩き尋ねる。


「………ねぇねぇ、アイルさん?」

「何?」

「これ何?」

「何って何よ………………うわぁぁぁぁぁあああ!!スライムじゃない!!」


よく見るとスライムに消化されているのか俺の靴から煙がシュウシュウと立ち昇っている。


「ちょちょちょ、ちょっと!パンツ!!大丈夫なの!?それ!!??」

「え?え??大丈夫なの!?これ!?え?」


スライムの生態について知らない俺はアイルの問い掛けについて逆に問いかける。
スライムは俺がオタオタしてる間にも下半身を覆い尽くそうと上へ上へとヌルヌル移動を始める。


「煙出てるし大丈夫じゃないよね!?これ確実に溶けてるよね!?これ!?」

「わわっわわあっわぁぁぁあぁぁ!!」

「これどうすんの!!?これどうすんのぉぉおおお!?」


シュッ!!


「おほひぇッ!!」


俺とアイルがオタオタしていると副ギルマスのリッターさんが剣をスライムに突き刺すとスライムが力なくボトリと落ちて動かなくなった。

スライムが俺の下半身を覆い尽くそうとしていた為、リッターさんが突き刺した場所が俺のマイサン(股間)の直ぐ股下だったから変な声でた……。


「大丈夫?」

「あ、ありがとうございました。リッターさん。」


俺は頭を下げリッターさんに礼を言う。
しかし油断した。
スライムの接近に全く気づかなかった。


「スライムは自ら動いて狩りをする事もあるけど、気配を完全に消して待ち伏せする事もあるから気づかずに襲われるケースも多いの。」


リッターさんは俺の疑問に対して親切に教えてくれた。
気配を完全に消すって……マップにもモンスター表示されてなかったしな。
このマップに頼りすぎるのも危険だな……。
只の水溜りかと思ったらスライムさんと初遭遇とは……。


「しかしリッターさん、凄いですね。スライムを一撃で仕留めるなんて……。」


アイルが驚嘆している。


「スライムは一般的には打撃を吸収するから倒しにくいモンスターだけど、核コアを一突きすれば一撃で倒せるのよ。」

「え!そうなんですか?でも外観を見る限りじゃその核コアを見分けられない気がするんですけど。」

「普通じゃ見えないわよ。私にはこれがあるからね。」


リッターさんはそう言うと目にかけている眼鏡を人差し指でチョンチョンと触れながらウィンクする。
ふぅぉおおおぅうぉおおう!!いろっぺぇぇぇええ!!

ボコッ!!


「その眼鏡、何なんですか?マジックアイテム?」


もう俺を殴る事に対してのリアクションもないのね‥…。


「そ!マジックアイテム『魔眼鏡マジカルミラー』って言うアイテムで周囲の魔素の流れやモンスターの魔力が集中している場所が分かるアイテムなの。」

「魔力の流れが分かると便利なんですか?」

「はぁ~。パンツちゃんは相変わらず何も知らないんでちゅねぇ~?」


俺が疑問を口にするとアイルが赤ちゃん言葉で俺をディスる。
いいぞ。もっとやれ。萌えるぜ。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!

秋田ノ介
ファンタジー
 主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。  『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。  ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!! 小説家になろうにも掲載しています。  

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...