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第10話 ギルド登録
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「あぁぁん?誰だ?おめぇは?」
え?宿に着くなり俺はゴリゴリにイカツイおっさんに絡まれた…。
まだ何もしてないのに…。
俺が宿の入口でゴリイカツイおっさんに絡まれているとアイルとソフィちゃんが厩からこちらに近づいてく来る。
「おー!誰が来たかと思って出てみれば、アイルじゃねーか!!久しぶりだな!それにソフィ!!また大きくなったなぁ!」
そういうとソフィを抱き上げる。
そしておっさんはアイル達の傍にいる俺に訝しげな眼を投げながらアイルに尋ねる。
「こいつは誰だ?知らねぇ顔だな?」
そう言いながら俺の顔を覗き込む…おいおい、まるで俺が恐喝されてるみたいじゃないか…。そんな強面の顔を近づけないでくれよ…。
俺は目を合わさない様に目線を外すがおっさんは顔を上下に動かし、俺の周囲をぐるぐる周り舐める様に値踏みする。
完全にカツアゲされてる図だろ…これ…。
何?これ?俺、もしかして騙されたの?このままどこかに売られちゃうの?
こんな所でゆっくりなんかしていけるか!!
そんな心境でおっさんに威圧されていると、この状況を面白がっていたアイルが助け舟を出す。
「あっはははは!おかしい!パンツったらおどおどしちゃって!(笑)」
「…?アイル達の知り合いなのか?こいつ?」
知り合いだから傍にいるんだろ!!このハゲじじい!!……っと心の中で呟く。
「そうだよ。この人はパンツって言う武道家で、あたし達の命の恩人なの!」
「パンツ?パンツで闘うのか?何だそれ?」
「違う違う、パンツって言うのはこの子の名前!(笑)」
「名前がパンツ…がーはっははははは!おもしれー名前だな!パンツでも持ちながら生まれでもしたのか?(笑)」
めっちゃディスられてる…。しかも「この子」て…38のおっさんに対して使う言葉じゃないだろ…。
「でもパンツさん、物凄く強いんだよー!ウェアウルフをあっと言う間に倒したんだから!!」
ソフィちゃんが抱きかかえられた状態でおっさんにそういった。
「何?ウェアウルフを?本当か?」
「あたしもその現場を見てたしソフィの言う事に間違いないよ。」
そう俺に目をやりながらアイルはニコリと笑う。
もっと早く助けて欲しかったんだが…。
俺はこのおっさんに威圧感に押されて脇と背中は汗でびっしょりになっちまったぞ…。
「そうなのか。アイルとソフィの命の恩人だったのか。それは失礼した。パンツ殿。」
おっさんはそう言うと仰々しく頭を下げた。
「い、いえ、気にしてませんから、頭を上げて下さい。
こうやってアイルさん達と知り合ったのも偶々ですし僕のほうこそ助かりました。」
「しかし命を救ってくれた事に代わりない。感謝するよ。」とまた頭を下げる。
このおっさん、結構、いい人かも…な。と思っていたらおっさんの体が小刻みに震えている。
「しかしパンツって!パンツはねーだろ!!がっっはっはははは!!」
前言撤回だな…。
「は―ッ、あぁすまないな!俺はここの宿の主人をしているステファニーって言うもんだ。ステフって呼んでくれ!」
ステファニー!?まるでどこかのお嬢様みたいな名前じゃねーか。
その也でステファニーとか…おっさんの方がおもしれーよ!!と内心ほくそ笑む。
………
宿への宿泊の手続きも終わり1階の受付カウンター前に据え付けてある1組のテーブルに俺達とステフのおっさんが向かいあう形で座っている。
「ところで今回はどうしたんだ?まだギルドの依頼は受けてなかっただろう?」
「うん、今回、突発的ではあったけど、ウェアウルフを討伐したからギルドに報告と討伐報酬を受け取りに来たの。」
「それは災難だったな。どこでそんな厄介な連中とやりう事になったんだ?」
アイルがあの日、ウェアウルフに襲撃された顛末をステフに話す。
「そうか、あいつら、死んじまったのか…。俺より先に逝くなんて…な。」
亡くなったパーティ仲間ともステフは当然、顔馴染みだったらしくその声のトーンは悲痛な程、暗い。
「今度、墓参りでもしに行くか。その時は、アイル、案内をよろしくな。」
「ええ。勿論よ。ステフおじさんがお墓に来てくれたら父さんも、亡くなった皆もきっと喜ぶわ。」
「しかし、そのウェアウルフを討伐したのがこの兄ちゃんって事か?」
俺は傍らで白湯を啜っている所にいきなり話を振られてドキッとする。
「そう!もうウェアウルフをいとも簡単に倒しちゃったの!しかも素手で!こうやってこうやってバーンっと!凄いでしょ!!だからあたし達は助かったの!」
アイルが興奮してそう身振り手振りを駆使して話すが、ステフおっさんとの温度差がゴイスー(すごい)。
と言うか、俺がアイル様に一方的にボコボコにされてた様な気がする…。
「まぁ疑う訳じゃねーんだけどよ。あのウェアウルフを…しかも素手で討伐なんて俄かには信じられないな…。ウェアウルフは単体でCランクの魔物だ。それは白銀級の冒険者とほぼ同等。それが10体以上を一人で討伐なんてそれはもう白銀級の上、クリソベリル級だぞ。そのクリソベリル級だって装備を整えて…だ。」
「でも実際、討伐したのは事実なんだし、ギルドにもそのまま報告するつもりよ。」
「…そうか。まぁ、兄ちゃん、余り派手に暴れると面倒事に巻き込まれるから程ほどにしときなよ。」
「え?は、はぁ…。」
面倒事?ステフからの警告の意味が分からない俺は曖昧な返事を返した。
そうして一通りステフと話終えると俺達はギルドに向かう事にした。
冒険者ギルド…。一体どんな所なのだろうか?不安と期待が交錯する。
ルク・スエル都市ギルド
ここ地域一体の冒険者ギルドを統括している組織だ。
その建物は綺麗に石積みされた4階建の城とも言える様な建築物だ。
流石、冒険者達を管理している組織の居城だけあり荘厳な佇まいをしている。
アイルが言うには、この外壁もただの石壁ではなく、魔法防御の魔法が付与されているらしく、万が一攻撃されてもある程度の魔法攻撃を無効化する事が出来るとの事だ。
いやはや…こんな素晴らしい建築物を間近で見られるとは思っても見なかった。
俺の記憶にあるヨーロッパの城やら古い町並みそのものに見える。
ヨーロッパに行った事がない俺はテレビやネットでの情報しかないのだが。
そのギルドの入り口は開けっ放しになっており、そのままエントランスを抜けると、冒険者達が1階のロビーで思い思いにたむろっている。
ロビーは広く床は白の大理石の模様をしている。本物の大理石なのかもしれない。
天井も高く、4階まで吹き抜けの作りになっている。
1階ロビーは俺の記憶に近い作りなら大手銀行の待合室を更に広く大きくした感じだ。
所々にテーブルとイスやソファが置かれ、冒険者が寛げる様になっており、待合室と仕切る様に奥にはギルドの職員と思われる受付数名が忙しなく冒険者とやり取りをしている。
あるパーティは壁に貼り付けてある依頼内容を確認しながら仲間達と依頼達成可否を相談したり、ある冒険者の一人は新たなパーティを組もうとパーティ募集の掲示板を見ながら仲間になってくれそうな冒険者を見つける為、キョロキョロと周囲を見回していたり、ある一団は違うパーティとモンスター退治方法の情報交換をしていたりと本当に様々だ。
ここが冒険者ギルド…。俺は建物に入り冒険者達が行き交う姿を見て圧倒される。
俺の記憶の中…映画、ゲームの世界がいま、眼前に広がっているのだ。
俺が立ち止まっているといつの間にかアイルが受付からこちらに向けて歩いてくるのが見えた。
「パンツ。私はギルドマスターにウェアウルフ襲撃の件を報告してくるから、その間にギルドの登録と魔法属性検査を済ませておいてね?受付には話は通してあるから。」
「何から何まですまないねぇ…。ヨボヨボ」
「何おじいちゃんみたいな事してるのよ(笑)」
「本当にありがとう。そう言えばソフィちゃんは?宿から出て直ぐに俺達と逆方向に走って行ったけど、大丈夫なの?」
「ソフィは大丈夫よ。ここ(ルク・スエル)に来るといつもの事だから。時間になったら宿には戻ってくるわ。」
「そっか。分かった。」
そう話終えると、アイルはギルド職員の女性に案内されて階段を上がって行った。
さて、俺もギルドの登録と魔法の適正検査をしないとな!
俺は近くの受付嬢へ話しかける。
「あの、アイルから紹介して貰ったパンツと言う者ですけど、冒険者ギルドに登録したいのですが…。」
「はい。アイル様より承っております。…パン…パンツぷっ…パンツ様ですね‥。(笑いを堪えてるな。)」
「ギルドの登録依頼書もアイル様より頂いていますので、魔法属性の適正を検めさせて頂きますので、こちらの部屋へどうぞ。」
俺はその受付嬢に案内されるまま一つの部屋に通された。
通された部屋の中央には一つの玉…。胡散臭い占い師が持っている様な水晶と思われる玉が台座の上に鎮座しておりその玉の台座の下方にはそれを中央にして魔法陣と思われるものが描かれている。
「では、こちらのオーブになるべくリラックスした状態でお手を触れて下さい。」
この玉に触れればいいのか…ソッ……。
これに触れて何が起きるのか見当も付かないが、俺は恐る恐るその玉に手を置いた。
すると玉の中に赤みがかった赤い揺らめきが輝き出す…。
「火の属性ですね。」
受付嬢はそう言うと、手元のボードに何やら書き込もうとしていた。
恐らく属性についての情報を残しておく為だろう。
しかし火の属性?ソフィちゃんが得意としている属性か。
ほほう、俺にも魔法の適正があったのか!!これは楽しみだ!
かめは○波紛いの魔法が出来るかもしれない!!
そう思っていると受付嬢の様子がおかしい事に気付く。
手を置いている玉の色が赤、青、黄、緑、黒、白の色が揺らめいている。
「!?え?そ、そんな…!?嘘…でしょ?」
受付嬢は一人そんな事を呟いている。
…?何?炎の適正を示すのがこの玉の現象じゃないの?
俺がキョトンとしていると受付嬢は俺に近づきいきなり肩を掴まれた。
「暫くお待ち下さい。そこから一歩たりとも動かないでくださいね!!絶対ですよ!!そのままです!!絶対ですよ!!絶対ですからね!!」
受付嬢は再三俺に注意を促しそう言い残すと扉から走って出て行ってしまった…。
何?…俺、また何かやらかしてるのか?今日は全裸じゃないしマイサンも出してないから大丈夫だよな?
俺は頼もしくも猛々しいマイサンがある筈の下半身を見つめる。
「まだ何もやってないよな?マイサン?」
え?宿に着くなり俺はゴリゴリにイカツイおっさんに絡まれた…。
まだ何もしてないのに…。
俺が宿の入口でゴリイカツイおっさんに絡まれているとアイルとソフィちゃんが厩からこちらに近づいてく来る。
「おー!誰が来たかと思って出てみれば、アイルじゃねーか!!久しぶりだな!それにソフィ!!また大きくなったなぁ!」
そういうとソフィを抱き上げる。
そしておっさんはアイル達の傍にいる俺に訝しげな眼を投げながらアイルに尋ねる。
「こいつは誰だ?知らねぇ顔だな?」
そう言いながら俺の顔を覗き込む…おいおい、まるで俺が恐喝されてるみたいじゃないか…。そんな強面の顔を近づけないでくれよ…。
俺は目を合わさない様に目線を外すがおっさんは顔を上下に動かし、俺の周囲をぐるぐる周り舐める様に値踏みする。
完全にカツアゲされてる図だろ…これ…。
何?これ?俺、もしかして騙されたの?このままどこかに売られちゃうの?
こんな所でゆっくりなんかしていけるか!!
そんな心境でおっさんに威圧されていると、この状況を面白がっていたアイルが助け舟を出す。
「あっはははは!おかしい!パンツったらおどおどしちゃって!(笑)」
「…?アイル達の知り合いなのか?こいつ?」
知り合いだから傍にいるんだろ!!このハゲじじい!!……っと心の中で呟く。
「そうだよ。この人はパンツって言う武道家で、あたし達の命の恩人なの!」
「パンツ?パンツで闘うのか?何だそれ?」
「違う違う、パンツって言うのはこの子の名前!(笑)」
「名前がパンツ…がーはっははははは!おもしれー名前だな!パンツでも持ちながら生まれでもしたのか?(笑)」
めっちゃディスられてる…。しかも「この子」て…38のおっさんに対して使う言葉じゃないだろ…。
「でもパンツさん、物凄く強いんだよー!ウェアウルフをあっと言う間に倒したんだから!!」
ソフィちゃんが抱きかかえられた状態でおっさんにそういった。
「何?ウェアウルフを?本当か?」
「あたしもその現場を見てたしソフィの言う事に間違いないよ。」
そう俺に目をやりながらアイルはニコリと笑う。
もっと早く助けて欲しかったんだが…。
俺はこのおっさんに威圧感に押されて脇と背中は汗でびっしょりになっちまったぞ…。
「そうなのか。アイルとソフィの命の恩人だったのか。それは失礼した。パンツ殿。」
おっさんはそう言うと仰々しく頭を下げた。
「い、いえ、気にしてませんから、頭を上げて下さい。
こうやってアイルさん達と知り合ったのも偶々ですし僕のほうこそ助かりました。」
「しかし命を救ってくれた事に代わりない。感謝するよ。」とまた頭を下げる。
このおっさん、結構、いい人かも…な。と思っていたらおっさんの体が小刻みに震えている。
「しかしパンツって!パンツはねーだろ!!がっっはっはははは!!」
前言撤回だな…。
「は―ッ、あぁすまないな!俺はここの宿の主人をしているステファニーって言うもんだ。ステフって呼んでくれ!」
ステファニー!?まるでどこかのお嬢様みたいな名前じゃねーか。
その也でステファニーとか…おっさんの方がおもしれーよ!!と内心ほくそ笑む。
………
宿への宿泊の手続きも終わり1階の受付カウンター前に据え付けてある1組のテーブルに俺達とステフのおっさんが向かいあう形で座っている。
「ところで今回はどうしたんだ?まだギルドの依頼は受けてなかっただろう?」
「うん、今回、突発的ではあったけど、ウェアウルフを討伐したからギルドに報告と討伐報酬を受け取りに来たの。」
「それは災難だったな。どこでそんな厄介な連中とやりう事になったんだ?」
アイルがあの日、ウェアウルフに襲撃された顛末をステフに話す。
「そうか、あいつら、死んじまったのか…。俺より先に逝くなんて…な。」
亡くなったパーティ仲間ともステフは当然、顔馴染みだったらしくその声のトーンは悲痛な程、暗い。
「今度、墓参りでもしに行くか。その時は、アイル、案内をよろしくな。」
「ええ。勿論よ。ステフおじさんがお墓に来てくれたら父さんも、亡くなった皆もきっと喜ぶわ。」
「しかし、そのウェアウルフを討伐したのがこの兄ちゃんって事か?」
俺は傍らで白湯を啜っている所にいきなり話を振られてドキッとする。
「そう!もうウェアウルフをいとも簡単に倒しちゃったの!しかも素手で!こうやってこうやってバーンっと!凄いでしょ!!だからあたし達は助かったの!」
アイルが興奮してそう身振り手振りを駆使して話すが、ステフおっさんとの温度差がゴイスー(すごい)。
と言うか、俺がアイル様に一方的にボコボコにされてた様な気がする…。
「まぁ疑う訳じゃねーんだけどよ。あのウェアウルフを…しかも素手で討伐なんて俄かには信じられないな…。ウェアウルフは単体でCランクの魔物だ。それは白銀級の冒険者とほぼ同等。それが10体以上を一人で討伐なんてそれはもう白銀級の上、クリソベリル級だぞ。そのクリソベリル級だって装備を整えて…だ。」
「でも実際、討伐したのは事実なんだし、ギルドにもそのまま報告するつもりよ。」
「…そうか。まぁ、兄ちゃん、余り派手に暴れると面倒事に巻き込まれるから程ほどにしときなよ。」
「え?は、はぁ…。」
面倒事?ステフからの警告の意味が分からない俺は曖昧な返事を返した。
そうして一通りステフと話終えると俺達はギルドに向かう事にした。
冒険者ギルド…。一体どんな所なのだろうか?不安と期待が交錯する。
ルク・スエル都市ギルド
ここ地域一体の冒険者ギルドを統括している組織だ。
その建物は綺麗に石積みされた4階建の城とも言える様な建築物だ。
流石、冒険者達を管理している組織の居城だけあり荘厳な佇まいをしている。
アイルが言うには、この外壁もただの石壁ではなく、魔法防御の魔法が付与されているらしく、万が一攻撃されてもある程度の魔法攻撃を無効化する事が出来るとの事だ。
いやはや…こんな素晴らしい建築物を間近で見られるとは思っても見なかった。
俺の記憶にあるヨーロッパの城やら古い町並みそのものに見える。
ヨーロッパに行った事がない俺はテレビやネットでの情報しかないのだが。
そのギルドの入り口は開けっ放しになっており、そのままエントランスを抜けると、冒険者達が1階のロビーで思い思いにたむろっている。
ロビーは広く床は白の大理石の模様をしている。本物の大理石なのかもしれない。
天井も高く、4階まで吹き抜けの作りになっている。
1階ロビーは俺の記憶に近い作りなら大手銀行の待合室を更に広く大きくした感じだ。
所々にテーブルとイスやソファが置かれ、冒険者が寛げる様になっており、待合室と仕切る様に奥にはギルドの職員と思われる受付数名が忙しなく冒険者とやり取りをしている。
あるパーティは壁に貼り付けてある依頼内容を確認しながら仲間達と依頼達成可否を相談したり、ある冒険者の一人は新たなパーティを組もうとパーティ募集の掲示板を見ながら仲間になってくれそうな冒険者を見つける為、キョロキョロと周囲を見回していたり、ある一団は違うパーティとモンスター退治方法の情報交換をしていたりと本当に様々だ。
ここが冒険者ギルド…。俺は建物に入り冒険者達が行き交う姿を見て圧倒される。
俺の記憶の中…映画、ゲームの世界がいま、眼前に広がっているのだ。
俺が立ち止まっているといつの間にかアイルが受付からこちらに向けて歩いてくるのが見えた。
「パンツ。私はギルドマスターにウェアウルフ襲撃の件を報告してくるから、その間にギルドの登録と魔法属性検査を済ませておいてね?受付には話は通してあるから。」
「何から何まですまないねぇ…。ヨボヨボ」
「何おじいちゃんみたいな事してるのよ(笑)」
「本当にありがとう。そう言えばソフィちゃんは?宿から出て直ぐに俺達と逆方向に走って行ったけど、大丈夫なの?」
「ソフィは大丈夫よ。ここ(ルク・スエル)に来るといつもの事だから。時間になったら宿には戻ってくるわ。」
「そっか。分かった。」
そう話終えると、アイルはギルド職員の女性に案内されて階段を上がって行った。
さて、俺もギルドの登録と魔法の適正検査をしないとな!
俺は近くの受付嬢へ話しかける。
「あの、アイルから紹介して貰ったパンツと言う者ですけど、冒険者ギルドに登録したいのですが…。」
「はい。アイル様より承っております。…パン…パンツぷっ…パンツ様ですね‥。(笑いを堪えてるな。)」
「ギルドの登録依頼書もアイル様より頂いていますので、魔法属性の適正を検めさせて頂きますので、こちらの部屋へどうぞ。」
俺はその受付嬢に案内されるまま一つの部屋に通された。
通された部屋の中央には一つの玉…。胡散臭い占い師が持っている様な水晶と思われる玉が台座の上に鎮座しておりその玉の台座の下方にはそれを中央にして魔法陣と思われるものが描かれている。
「では、こちらのオーブになるべくリラックスした状態でお手を触れて下さい。」
この玉に触れればいいのか…ソッ……。
これに触れて何が起きるのか見当も付かないが、俺は恐る恐るその玉に手を置いた。
すると玉の中に赤みがかった赤い揺らめきが輝き出す…。
「火の属性ですね。」
受付嬢はそう言うと、手元のボードに何やら書き込もうとしていた。
恐らく属性についての情報を残しておく為だろう。
しかし火の属性?ソフィちゃんが得意としている属性か。
ほほう、俺にも魔法の適正があったのか!!これは楽しみだ!
かめは○波紛いの魔法が出来るかもしれない!!
そう思っていると受付嬢の様子がおかしい事に気付く。
手を置いている玉の色が赤、青、黄、緑、黒、白の色が揺らめいている。
「!?え?そ、そんな…!?嘘…でしょ?」
受付嬢は一人そんな事を呟いている。
…?何?炎の適正を示すのがこの玉の現象じゃないの?
俺がキョトンとしていると受付嬢は俺に近づきいきなり肩を掴まれた。
「暫くお待ち下さい。そこから一歩たりとも動かないでくださいね!!絶対ですよ!!そのままです!!絶対ですよ!!絶対ですからね!!」
受付嬢は再三俺に注意を促しそう言い残すと扉から走って出て行ってしまった…。
何?…俺、また何かやらかしてるのか?今日は全裸じゃないしマイサンも出してないから大丈夫だよな?
俺は頼もしくも猛々しいマイサンがある筈の下半身を見つめる。
「まだ何もやってないよな?マイサン?」
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