學徒戰争(学徒戦争)〜学生は革命に動きます〜

萬榮亭松山(ばんえいてい しょうざん)

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第2章

嵐の予感

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あのスターバックスでの打ち合わせの次の週の月曜日の放課後。
晴人と吉彦は2人揃って新聞部に呼ばれた。新聞部の部室の扉をノックして開けると今学年から同級になった斉木が出迎えてくれた。
「あっ、2人ともいらっしゃい。今日は新聞の見本を見て欲しいんだ」
そう言いながらも斉木は数人の部員に指示を出して忙しそうに動き回っている。
「ちょっと悪いけど今手が離せないからこの前の机の上に見本を置いてあるから見てくれる」
「わかった」
そう吉彦が応えた。確かにそこに2枚フルカラーの新聞があった。壁新聞のようなのが1枚と配る用のものが1枚あった。見出しは『皇国再建部』と、だけあった。3枚ほど、この前撮った晴人と吉彦の写真があった。そして左下の隅には木曜の昼から校内放送で説明があるという宣伝まであった。中身もよく出来ていて、申し分無かった。
「どう?完璧でしょ」
いつの間にか机の反対側に立っていた斉木がニコニコ笑いながら言った。
「うん。よく出来ているよ、完璧だ。」
そう言って吉彦と晴人は頷きあった。
「けど、どうしたんだ、えらく忙しそうじゃないか?」
吉彦が聞いた。
「印刷しているに決まってるじゃないか」
それを言う斉木はどこか嬉しそうだった。
素直に晴人は疑問を聞いてみる。
「嬉しそうだね斉木君」
「そりゃそうだよ、こんな大量印刷は久しぶりだよ。中等部、高等部併せて126クラスの教室掲示、及び教職員用だけで400枚。廊下掲示は100枚。玄関前配布用で800枚だよ。計1150枚。これからも機械が大忙しだよ」
そう言って斉木は大きく笑った。その時、奥の機械室から渡部が出て来た。
「おっ、丁度よかった安藤君、安倍君。いま優から連絡があって新聞部が終わったら放送部にも来て欲しいって。打ち合わせ使たいんだって。」
「分かりました」
そう言って吉彦を促して新聞部を出て放送部に向かった。放送部の部室に入ると今日は4人ほどがいた。その中にこの前もいた同学年の立脇もいる。
「あっ、安藤君。安倍君いらっしゃい」
そう言って伊岡は余っている2つの椅子を薦めてきた。
「まあ、リラックスして、今日は打ち合わせに呼んだの」
素直に2人で頷く。
「オーケー。じゃあまず放送について。いつもより大幅に延長して昼休みが始まって20分後の12時55分から昼休み終了の5分前の13時20分まで」
「25分ですか、随分長いですね」
吉彦が言った。
「大丈夫。内分けは君達の自由な時間が10分。質問コーナーが15分ね」
と、伊岡は何かの資料を見ながら言う。
「そもそも放送部の質問制度って知ってる?」
横から立脇が聞いて来た。晴人と吉彦は2人揃って首を横に振る。
「放送部の質問コーナーは毎回、リアルタイムです質問を受け付けるの。学校のホームページの放送部のページからね」
「あっ、それからね安藤君、安倍君。君達がどんな風に話すか決めたら明日にでも教えて」
そう言うと伊岡は、
「お先ー」
と言って部室を出て行った。もう特にやることもないので晴人と吉彦も寮に帰ることにした。
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