27 / 42
27.支援役ロベル 3聖女のステータスアップを支援する
しおりを挟む『レインボー・タワー』の外に出て。
「よし! これから、みんなのステータスアップを支援するぞ!」
あらためて、俺は宣言した。
「けど、お兄様? あたしたちのレベル、お兄様のおかげでマックスだよ?」
「レベルが限界にたどりついた以上、能力値も今の状態が限界では?」
「何か抜け道がある?」
「ああ! 『ステータスアップ・アイテム』を使うんだ! 力をアップする『パワー・ナッツ』とか、素早さをアップする『スピード・ナッツ』とか!」
いわゆる、永続性のあるドーピング・アイテムってヤツだな。
「あ、そっか! レベルが最大でも、アイテム使えば能力値は上がるんだ! さっすがお兄様!」
「なるほど、その手がありますね! もしやあなた様は、ステータスアップ・アイテムの稼ぎ場所も知っているのですか?」
「主様専用の狩場とか?」
「いいや。稼ぎ場所の心当たりはないよ。でも、大量ゲットの方法ならわかるさ」
「大量ゲットのやり方って……あ! わかった! あたしわかったよ!」
サミーがニッコリ笑うと。
「わたしもわかりました! モンスターのレア・ドロップを狙うんですね?」
「例のスキルで実現可能」
アンリとトウナも、ピンと来たみたいだ。
「そう! ここでも『エンカウント操作・インスタント』の出番ってわけだ! いくらレア・ドロップでも、まとめて呼び出して瞬殺しまくればオッケーだからな!」
「なるほどー! お兄様って頭イイ! アイデア豊富でビックリしちゃうー!」
「あなた様はわたしたちのために、そこまで考えてくださるのですね! 感激です!」
「感謝のことばもない」
「俺はみんなの『支援役』だからな! やれることは全部やるさ!」
というわけで。
「まずは――」
ぎゅっ! ぎゅむっ! ぎゅう!
「えっ」
なぜか3人は、レベル上げのときと同じく。
俺の両腕と背中に、ぎゅうっ! としがみついてくる。
「あの……今回は俺に触れなくて大丈夫だから」
「えーーーーーー? どうしてーーーーーー!」
「前回の経験値共有は、あなた様とのさわりっこが必要でしたよね?」
「主様エネルギー補給のチャンス」
「い、いや、だってさ。経験値と違って、ドロップ・アイテムは渡せばいい話じゃん?」
「でもでもお兄様! 触っちゃいけない、っていう決まりもないでしょ?」
「この状態でもまったく問題ないと思います!」
「心配無用」
……まあ、そこまで言うなら。
「みんながイヤじゃなければ、俺は別にいいけどさ」
「お許しがもらえましたー! ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
「それでは遠慮なく! ぎゅうううううううううううううっっ」
「るんるん、ぎゅうぎゅう」
……ともかく、プランを進めよう。
「まずは、ドロップするモンスターの確認だな。スキル『モンスター・ライブラリ』発動! コンプリート・モンスター図鑑を表示!」
表示されたモンスター・データを眺め、ドロップ・アイテム一覧を眺めていくと。
『レッド・ワイヴァーン:ライフ・ナッツ(HPを7アップ:ドロップ率 1/100)』
『ブルー・ワイヴァーン:マジック・ナッツ(MPを7アップ:ドロップ率 1/100)』
『イエロー・ワイヴァーン:パワー・ナッツ(力を4アップ:ドロップ率 1/100)』
『アース・ワイヴァーン:アーマー・ナッツ(物理防御を4アップ:ドロップ率 1/100)』
『スカル・ワイヴァーン:マジックアーマー・ナッツ(魔法防御を4アップ:ドロップ率 1/100)』
『ストーム・ワイヴァーン:スピード・ナッツ(素早さを4アップ:ドロップ率 1/100)』
『フリーズ・ワイヴァーン:ワイズ・ナッツ(知力を4アップ:ドロップ率 1/100)』
「ドロップするのはワイヴァーン系みたいだな」
ドロップ率が1/100、ってことは。
「1パーセントか! 思ったより高いな!」
「いやいやいやいやお兄様! 低いから! すっごく低いから!」
「あなた様にとって、1パーセントはカンタンかもしれませんけど」
「一般冒険者には超貴重品」
「……確かにそうかもしれない」
うーむ。
『エンカウント操作・インスタント』を使ってると、感覚がフツーからどんどんズれてく気がするなぁ。
「まあ気にしてもしょうがない! 使えるものは使う! それだけだ!」
よし!
これで準備オッケーだな!
「一気にいくぞ! 『エンカウント操作・インスタント』使用! 種類はレッド・ワイヴァーン + ブルー・ワイヴァーン + イエロー・ワイヴァーン + アース・ワイヴァーン + スカル・ワイヴァーン + ストーム・ワイヴァーン + フリーズ・ワイヴァーン! 数はとりあえず15,000体ずつ! 瞬殺するか? はイエスで!」
ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン!
色とりどりのワイヴァーンが大量に現れると。
バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ!
次から次へと消し飛んでいく。
「合計100,000体オーバーでも関係なしか。反則だよな……ホント」
『450,000,000の経験値を手に入れました』
『450,000,000のスキルポイントを手に入れました』
『ライフ・ナッツ155コ手に入れました』
『マジック・ナッツ142コ手に入れました』
『パワー・ナッツ158コ手に入れました』
『アーマー・ナッツ151コ手に入れました』
『マジックアーマー・ナッツ147コ手に入れました』
『スピード・ナッツ154コ手に入れました』
『ワイズ・ナッツ146コ手に入れました』
『レベルアップ! ロベル・モリスのレベルが1,934になりました』
「よーし! ざっと1人あたり50コ! いい数だ!」
「お兄様すごーーーーーい! こーんなにたくさんもらえちゃうんだね! ホントにすごいよーーー!」
「さすがはあなた様です! これだけあれば、ステータスはグッと上昇しますね!」
「主様に敬礼。ありがたく使わせて――」
「おっと、使うのはちょっと待ってくれ。もうひと手間あるからな」
そう。
俺の支援スキル1,000個の中には、こんなヤツもある。
『テトラ・エフェクト(消費アイテムの使用効果を4倍に増幅:スキル持続時間はレベル依存)』
「というわけで! まずは『オーバー・ロール』で、支援スキルの効果をパーティー全体へ!」
からの。
「アイテム効果増幅スキル『テトラ・エフェクト』発動! これでナッツの効果は、通常の4倍になるはずだ!」
「すごいすごいすごーーーーーーーい! お兄様って、アイテムの威力まで上げられちゃうんだ! ほーんとに何でもできるからビックリしちゃうーーー!」
「しかも4倍とは! あなた様の支援力は、どこまでも天井知らずなのですね!」
「オーバー・レベルの万能選手」
「スキルがすごいだけだよ。さあみんな! どんどんナッツを使ってくれ!」
それからナッツを使いまくった結果。
3人のステータスは。
『レベル:99』
『HP:999』
『MP:999』
『攻撃力:999』
『物理防御力:999』
『魔法防御力:999』
『素早さ:999』
『知性:999』
「やったーーーーー! お兄様見て見て! 全部999! 最大値になったよー!」
「あなた様のおかげでカンペキなステータスになりました! これでもう、誰にも負ける気がしません!」
「主様もいるから天下無双」
みんな、ほくほく顔になってるけど。
「う、うーーーーーーむ? おかしいなぁ。999が最大値?」
俺は納得いかなかった。
だって。
「今の俺のステータス、こんなだぞ?」
『レベル:1,934』
『HP:18,772』
『MP:132,413』
『攻撃力:8,749』
『物理防御力:9,178』
『魔法防御力:18,265』
『素早さ:8,892』
『知性:20,033』
「どうして俺、レベルもステータスも最大限界をぶっち切ってるんだろう……?」
5
お気に入りに追加
1,108
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる