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第2章
34話
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アレッシオが後退しながら光弾の魔術を撃つ、セレスタはそれを魔術で捌きながら間合いを一定に保つように前進する。そのやり取りがしばらく続いていた。
「このまま消耗し合えば魔力量で勝てると思っているなら甘い」
アレッシオが天に捧げるかのように杖を高く挙げる。そしてセレスタに向けた。
「集約!」
床や壁から魔力が矢の形となってセレスタを襲う。
「炎の糸」
鞭のような炎を振るって矢を叩き落とすが、左腕と背中に刺さる。
「痛っ……」
「これで左手は今までの速さで術式構築できないだろう」
「今のはそれまでに放った魔力の残滓を一点に集めるもの?」
会話で気を逸らしながら矢を抜こうとしたが、右手は光弾を捌くのに使わされた。
「そうだ。元々は自らの杖に魔力を戻して再利用を図るものだった。魔力を再利用するために魔力を消費して魔術を使う。一笑に付された古い技だ」
「豊富な知識と応用力、魔術師の大先輩として尊敬します」
「純粋に誉め言葉と受け取ろう」
「しかし人間としては軽蔑します」
セレスタは身体強化の効力が切れるのを感じた。その瞬間を狙っていたかのようにアレッシオが杖を振るう。
「二倍強化」
アレッシオは一瞬で距離を縮め、怪我した左腕を蹴りで狙う。直撃は避けたが刺さった矢を掠めて痛みが広がった。そこからほほとんどノーモーションで正拳が繰り出される。わざと左手を出して受ける。衝撃で壁際まで飛ばされるが、右手でトゥール・ラスカを再度発動させる。壁にもたれ掛かり座ったままのセレスタに、アレッシオは追撃を加えようと距離を縮める。そのまま蹴りに移行しようとしたところを左に倒れるようにして避ける。
「いつまでも逃げ切れると思うな。変化」
杖をロングソードに変化させる。心臓までの最短距離を狙う突きが放たれる。
「二倍強化!」
セレスタも身体能力の強化を図る。最小の動作で地面を蹴る。ロングソードは壁にぶつかり金属音を響かせた。アレッシオは瞬時に杖に戻して魔術を放とうとするが、セレスタの方が僅かに速かった。
「光の咆哮!」
広範囲かつ強力な魔術が城の展望室を照らす。大きな音を立てて壁が壊れる。手ごたえはあった。しかしセレスタは緊張を解かない。十分な魔力が感じられたからだ。
煙が引くと左手が焦げたようになったアレッシオが姿を見せた。攻撃の魔術を咄嗟に中断し、小規模な壁の魔術を三重に張っていたのだ。
「殺し損ねたな」
「けれど手は潰した」
「五分と言いたいようだが、より魔力を消費したのは君ではないか」
セレスタの魔力量を持ってしても、大幅な身体能力向上からの大魔術は消耗が大きかった。最早ツイ・ラスカも切れかけていた。しかし、アレッシオも息が荒くなっている。強気な言い回しだったが、体力、魔力ともに限界は近いのだろう。
セレスタがゆっくり右手を動かす。アレッシオは瞬時に杖を構える。あからさまなカウンター狙いだがセレスタにとって苦しい手だった。大技が使えず小技の連発も難しいため、一手目を防がれれば次の手に移るまでの時間が必要になる。それが分かっているから術式の構築はまだ行わない。
左腕の感覚が鈍くなっている。もうこちらで魔術を放つのは難しい。一見、アレッシオも同じ条件に思えるが単純にそう考えるのは油断が過ぎる。先程の移動魔術のように、この部屋にも何かが仕掛けられているかもしれない。そして、自分はここに誘導されたのだ。
「膠着状態ということはおおよそ同じ事を考えているのだろう。こんなに苦戦するとは思っていなかった。しかし、そろそろ決着だな」
「……そうね」
アレッシオが杖をセレスタに向ける。セレスタは身構える。しかし、ボロボロになった左手は床に向けていた。
「地点移動」
玉座の間の時と同じように一瞬にして消えた。
「やられた!」
展望室に一人残されたセレスタは階段を駆け下りた。玉座の間へ戻る。まずは教皇の安否確認だ。重たそうな扉は開け放たれていたままだった。
「陛下!」
マルツィアの声が聞こえる。彼女は壁際で片膝をついていた。長い階段の上でアレッシオが教皇ベアトリーナの首に杖を突きつけていた。
「"光"が吸血鬼どもとの交渉材料だ。セレスタ君でも教皇陛下でも構わない。都合よく余所者が現れて、そちらにしようと欲張ったら手痛い目反撃を受けてしまった。やはり陛下、いやベアトリーナ、君にしよう」
「私をここまで育てたのも計画の内だったのか?」
「そうだ。頃合いを見て先代を殺して、御しやすそうな子どもにトップを変えた。誰も気がつかなかったのでリカルドの時も同じ手を使わせてもらった。彼らとはこの国の抱える問題に対する解答が根本から違っていたのだ」
言いながらアレッシオはゆっくりと階段を下り始める。
「もうシェム・ヴートはないが、この状況では手出しできまい。騒ぎに乗じて脱出させてもらおう」
セレスタは動けずにいた。当然ながらアレッシオの凶行を止めるよりも教皇の命の方が大切である。
アレッシオは玉座の間から出ようとする際に振り返る。
「私が背中を見せたと思い油断しないことだ。たとえ、私を殺してもこの首くらい飛ばすことができる」
そう言って前方に向き直ったとき、マルツィアが立ち上がろうとする。アレッシオはまた振り返る。瞬間、ベアトリーナが彼の腕に噛みついた。怯んで思わず手を離してしまう。ベアトリーナが逃げるがアレッシオの魔術は彼女の足を的確に撃ち抜く。セレスタも動こうとしたが既に遅かった。杖はマルツィアに向けられる。マルツィアも魔術を放とうとしているが、アレッシオの方が僅かに初動が速い。
「マルツィアさん!」
しかし、アレッシオの魔術は弱々しく、マルツィアは手で振り払って自分の術を当てる。
「な、何故だ……?」
「貴様の"光"を強制的に返してもらった。切り札としては些細なものだが隠し続けたことは役に立ったようだ」
マルツィアがアレッシオに近づく。セレスタはベアトリーナを介抱する。
「セレスタさん、陛下を頼むわね。私はこの男を捕らえる」
「ここまでか……」
「殺しはしません。貴方には全て話してもらいます」
「好きにしたまえ」
魔術でアレッシオの手足を縛る。セレスタに支えられ、片足を引きずりながらベアトリーナが近寄る。
「国民の話を聞き、良い方向へこの国を変えていくのが私の仕事だ。そう教えてくれたのはお主だろう。何を憂いていたのか聞かせろ」
アレッシオは返事をしなかった。セレスタは思わず口を挟む。
「待って。本当に国を憂いていたなら何故国内に吸血鬼に侵攻を許したの? そこまでする必要があった?」
「…………」
「答えなさい!」
セレスタより先にマルツィアが怒る。穏やかかつ冷静な人物だと思っていたので意外な行動にびくりとする。
「……日が沈むまでに"光"をジェスガーに引き渡さなければ、この国は吸血鬼の手に落ちる。そういう契約なのだ」
「ふざけるな!」
「マルツィア、落ち着け。ここはいいからお主も加勢に行ってくれ」
「お見苦しい所をお見せしました」
ベアトリーナはメイドを呼びアレッシオを牢へ連行させた。彼女らは一瞬驚きはしたものの淡々と裏切り者を連れていった。それを見届けてからセレスタは外へ出ようとする。
「私は行きますね。待たせている友人も心配なので」
リュシールが心配だった。安否というよりは余計なことに首を突っ込んでいないかということについてだ。
「その傷で大丈夫か?」
「お気遣いありがとうございます。身体は丈夫な方なので」
「マルツィア、同行してやれ」
「はい。さ、行きましょう」
今回ばかりは彼女らの厚意を素直に受けることにした。強がってみても体力も魔力も消費しすぎていた。
「このまま消耗し合えば魔力量で勝てると思っているなら甘い」
アレッシオが天に捧げるかのように杖を高く挙げる。そしてセレスタに向けた。
「集約!」
床や壁から魔力が矢の形となってセレスタを襲う。
「炎の糸」
鞭のような炎を振るって矢を叩き落とすが、左腕と背中に刺さる。
「痛っ……」
「これで左手は今までの速さで術式構築できないだろう」
「今のはそれまでに放った魔力の残滓を一点に集めるもの?」
会話で気を逸らしながら矢を抜こうとしたが、右手は光弾を捌くのに使わされた。
「そうだ。元々は自らの杖に魔力を戻して再利用を図るものだった。魔力を再利用するために魔力を消費して魔術を使う。一笑に付された古い技だ」
「豊富な知識と応用力、魔術師の大先輩として尊敬します」
「純粋に誉め言葉と受け取ろう」
「しかし人間としては軽蔑します」
セレスタは身体強化の効力が切れるのを感じた。その瞬間を狙っていたかのようにアレッシオが杖を振るう。
「二倍強化」
アレッシオは一瞬で距離を縮め、怪我した左腕を蹴りで狙う。直撃は避けたが刺さった矢を掠めて痛みが広がった。そこからほほとんどノーモーションで正拳が繰り出される。わざと左手を出して受ける。衝撃で壁際まで飛ばされるが、右手でトゥール・ラスカを再度発動させる。壁にもたれ掛かり座ったままのセレスタに、アレッシオは追撃を加えようと距離を縮める。そのまま蹴りに移行しようとしたところを左に倒れるようにして避ける。
「いつまでも逃げ切れると思うな。変化」
杖をロングソードに変化させる。心臓までの最短距離を狙う突きが放たれる。
「二倍強化!」
セレスタも身体能力の強化を図る。最小の動作で地面を蹴る。ロングソードは壁にぶつかり金属音を響かせた。アレッシオは瞬時に杖に戻して魔術を放とうとするが、セレスタの方が僅かに速かった。
「光の咆哮!」
広範囲かつ強力な魔術が城の展望室を照らす。大きな音を立てて壁が壊れる。手ごたえはあった。しかしセレスタは緊張を解かない。十分な魔力が感じられたからだ。
煙が引くと左手が焦げたようになったアレッシオが姿を見せた。攻撃の魔術を咄嗟に中断し、小規模な壁の魔術を三重に張っていたのだ。
「殺し損ねたな」
「けれど手は潰した」
「五分と言いたいようだが、より魔力を消費したのは君ではないか」
セレスタの魔力量を持ってしても、大幅な身体能力向上からの大魔術は消耗が大きかった。最早ツイ・ラスカも切れかけていた。しかし、アレッシオも息が荒くなっている。強気な言い回しだったが、体力、魔力ともに限界は近いのだろう。
セレスタがゆっくり右手を動かす。アレッシオは瞬時に杖を構える。あからさまなカウンター狙いだがセレスタにとって苦しい手だった。大技が使えず小技の連発も難しいため、一手目を防がれれば次の手に移るまでの時間が必要になる。それが分かっているから術式の構築はまだ行わない。
左腕の感覚が鈍くなっている。もうこちらで魔術を放つのは難しい。一見、アレッシオも同じ条件に思えるが単純にそう考えるのは油断が過ぎる。先程の移動魔術のように、この部屋にも何かが仕掛けられているかもしれない。そして、自分はここに誘導されたのだ。
「膠着状態ということはおおよそ同じ事を考えているのだろう。こんなに苦戦するとは思っていなかった。しかし、そろそろ決着だな」
「……そうね」
アレッシオが杖をセレスタに向ける。セレスタは身構える。しかし、ボロボロになった左手は床に向けていた。
「地点移動」
玉座の間の時と同じように一瞬にして消えた。
「やられた!」
展望室に一人残されたセレスタは階段を駆け下りた。玉座の間へ戻る。まずは教皇の安否確認だ。重たそうな扉は開け放たれていたままだった。
「陛下!」
マルツィアの声が聞こえる。彼女は壁際で片膝をついていた。長い階段の上でアレッシオが教皇ベアトリーナの首に杖を突きつけていた。
「"光"が吸血鬼どもとの交渉材料だ。セレスタ君でも教皇陛下でも構わない。都合よく余所者が現れて、そちらにしようと欲張ったら手痛い目反撃を受けてしまった。やはり陛下、いやベアトリーナ、君にしよう」
「私をここまで育てたのも計画の内だったのか?」
「そうだ。頃合いを見て先代を殺して、御しやすそうな子どもにトップを変えた。誰も気がつかなかったのでリカルドの時も同じ手を使わせてもらった。彼らとはこの国の抱える問題に対する解答が根本から違っていたのだ」
言いながらアレッシオはゆっくりと階段を下り始める。
「もうシェム・ヴートはないが、この状況では手出しできまい。騒ぎに乗じて脱出させてもらおう」
セレスタは動けずにいた。当然ながらアレッシオの凶行を止めるよりも教皇の命の方が大切である。
アレッシオは玉座の間から出ようとする際に振り返る。
「私が背中を見せたと思い油断しないことだ。たとえ、私を殺してもこの首くらい飛ばすことができる」
そう言って前方に向き直ったとき、マルツィアが立ち上がろうとする。アレッシオはまた振り返る。瞬間、ベアトリーナが彼の腕に噛みついた。怯んで思わず手を離してしまう。ベアトリーナが逃げるがアレッシオの魔術は彼女の足を的確に撃ち抜く。セレスタも動こうとしたが既に遅かった。杖はマルツィアに向けられる。マルツィアも魔術を放とうとしているが、アレッシオの方が僅かに初動が速い。
「マルツィアさん!」
しかし、アレッシオの魔術は弱々しく、マルツィアは手で振り払って自分の術を当てる。
「な、何故だ……?」
「貴様の"光"を強制的に返してもらった。切り札としては些細なものだが隠し続けたことは役に立ったようだ」
マルツィアがアレッシオに近づく。セレスタはベアトリーナを介抱する。
「セレスタさん、陛下を頼むわね。私はこの男を捕らえる」
「ここまでか……」
「殺しはしません。貴方には全て話してもらいます」
「好きにしたまえ」
魔術でアレッシオの手足を縛る。セレスタに支えられ、片足を引きずりながらベアトリーナが近寄る。
「国民の話を聞き、良い方向へこの国を変えていくのが私の仕事だ。そう教えてくれたのはお主だろう。何を憂いていたのか聞かせろ」
アレッシオは返事をしなかった。セレスタは思わず口を挟む。
「待って。本当に国を憂いていたなら何故国内に吸血鬼に侵攻を許したの? そこまでする必要があった?」
「…………」
「答えなさい!」
セレスタより先にマルツィアが怒る。穏やかかつ冷静な人物だと思っていたので意外な行動にびくりとする。
「……日が沈むまでに"光"をジェスガーに引き渡さなければ、この国は吸血鬼の手に落ちる。そういう契約なのだ」
「ふざけるな!」
「マルツィア、落ち着け。ここはいいからお主も加勢に行ってくれ」
「お見苦しい所をお見せしました」
ベアトリーナはメイドを呼びアレッシオを牢へ連行させた。彼女らは一瞬驚きはしたものの淡々と裏切り者を連れていった。それを見届けてからセレスタは外へ出ようとする。
「私は行きますね。待たせている友人も心配なので」
リュシールが心配だった。安否というよりは余計なことに首を突っ込んでいないかということについてだ。
「その傷で大丈夫か?」
「お気遣いありがとうございます。身体は丈夫な方なので」
「マルツィア、同行してやれ」
「はい。さ、行きましょう」
今回ばかりは彼女らの厚意を素直に受けることにした。強がってみても体力も魔力も消費しすぎていた。
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