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かくて勇者は旅立つ
来たら帰るぜ
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あれよあれよという間に、オレ達はどこだか分からないが、ともかくすっげー豪華な部屋というか間に通された。あれだ、なんとかの間、みたいな超豪華な感じの、部屋というには広すぎる空間。
床にはふかふかの絨毯、天井には煌びやかなシャンデリア。案内されたテーブルも重厚な造りで、重ねた年月をにおわせる。オレ達みたいなガキが座るのは恐れ多い……もう座っちまったが。
「じきにお見えになります。それまではごゆるりとおくつろぎ下さい。なにかお持ちしましょう、ご要望はございますか?」
馬鹿丁寧に白眼鏡は言う。
「それじゃああたしはリンゴジュース!」
「……紅茶を」
山崎、広瀬はそれぞれ答えた。白眼鏡は小さく頷き、傍にいたメイドに小さく指示を出す。
メイドだ。
頭にはフリルの飾り、黒の肩が膨らんだエプロンドレス。
いつも思うんだが、メイドって家事する人だよな?
あんなに膨らんだスカートは動きやすいのか?
「勇者殿は何になさいますか?」
「……コーヒー」
「畏まりました。それではすぐご用意いたしますので、少々お待ち下さい」
そういうと白眼鏡は扉を閉め、どこかへ行ってしまった。後に残されたのは地味男と黒髪のメイドさん、そしてオレ達三人。
「……ねぇねぇ、さっきの人ちょっと惜しいわね」
広瀬がこそこそと小声で囁く。
山崎はまたぼんやりし始めて反応しないから、仕方なくオレが反応してやる。
「何が?」
「眼鏡じゃなくてモノクルだったら完璧だったのにね」
「ものくる?」
「片眼鏡よ。知らない?」
「知るか」
「片一方だけの眼鏡の事! ともかく、あの人モノクルだったら完璧だったわ! ねえ、そう思わない?」
その疑問系は山崎に向けられたものだった。しかし山崎はぼんやりと宙を眺めるだけで、広瀬になにも答えない。
「……るりってば刺激が強すぎたのね。完璧に心ここにあらずだわ」
広瀬は苦笑いを浮かべながら、冗談めかして言った。しかしやはり山崎はなにも返さない。これはもう、そうは思いたくはないが、無視に近い。白眼鏡には答えてたしな。まあ、山崎もなんだかんだいって異世界に憧れてたんだろう。オレと同じだ。もしかしたらオレよりも渇望していたのかも。
「……何が完璧だって?」
困ったように笑う広瀬がいたたまれないので、心底どうでもいいが聞いてみる。
こんな広瀬は珍しい。なんでもかんでもさっさと決めて即行動、リーダーシップを無駄に発揮するのが広瀬だというのに。
「執事よ」
広瀬はきっぱりと、さも重要な事のように重々しく言い放った。本当、どうでも良い事を。
聞いたオレがバカだった。いや、分かってたけどな。くだらねぇ事なのは。
「……そうか」
「反応薄っ!」
どうしろっつうんだ。返事返しただけありがたいと思えよ!
山崎はぼんやりしたままだし、さて、なんと返そうかと頭をひねっていると、
「ふふっ」
可愛らしい笑い声が響く。見るとメイドさんが小さく笑っていた。
「あ、これは失礼いたしました。笑ってしまい、申し訳ありません」
メイドさんが丁寧に、深々と頭を下げた。そんなに大層に謝られる事じゃない。むしろこちらが申し訳ない。
メイドさんは歳の頃は二十歳前半の、どちらかというと小顔で可愛い系の美人だ。可愛い顔した女性だが、なんというか堂々とした落ち着きがある。頼りになるお姉さんって感じだ。あの胡散臭いクソ女とは大違い。
「や、いいですよ。そんな大した話してませんでしたし。それよりもメイドさんも混ざりませんか? こっちの世界の事色々教えて下さい」
ナイス広瀬。オレもちょうど同じ事を言おうとしていた。
メイドさんは少々困った顔をして、横の地味男をチラ見した。
「……」
地味男は何も反応しない。置物みたく突っ立ったままだ。
「……どうぞ」
なんて誘ったらいいか、分かる訳ない。これまでの人生一度も女子を誘った事など無い。これがオレの精一杯だ。
「それでは、お言葉に甘えまして」
クスリと笑い、優雅に一礼して、メイドさんはオレ達の席に近づいた。席には座らない。一定の距離を保ったまま、女中さんは微笑む。
「何でも聞いて下さい。わたくしに答えられる範囲でしたら、なんでもお答えいたします」
答えられる範囲。奇妙な言い回しだ。知ってる事はなんでも、じゃないのか。
「それじゃあ……あなたの名前は?」
「お答えできません」
柔らかな笑顔のまま、メイドさんは即答した。
「名前ですよ?」
広瀬は驚いている。オレも同感。別にスリーサイズや歳の事、好きな人はいますか、なんて聞いてるじゃない。まず知らない人間と会ったらまず初めに聞く事だろう、名前って。
「順番があるんです、それぞれの。わたくしの順番はまだまだ先ですから」
物事には順序があるというが、それにしてもなぁ……。
「そういう、ものなんですか?」
「ここでは、そういうものです」
戸惑う広瀬に、メイドさんは悪戯っぽく微笑みながら答えた。
「んー、じゃあ、ここの名物を教えてください!」
流石広瀬だ。
怯むことなく、広瀬は次の質問を飛ばしていく。
「めいぶつ、ですか?」
「はい、名物です。私たちここは初めてだし、何が有名なんですか?」
「有名、ですか……」
メイドさんは困っている。
そんなに変な質問だろうか、さっきのあの神殿はすげーと思う。きっと観光地で、ツアーとかありそうだ。
「すみません、わたくしにはそのめいぶつ、というものが分かりませんけれど、有名なものはものはいくつか存じております。『雲の神殿』や『地の神殿』が有名ですね」
神殿ばっかじゃねぇか。
「特に『雲の神殿』は滅多な事では入れない聖地です、わたくしも初等科の特別授業でしか入ったことがありませんが、今思い出してもあの美しさには溜息しか出ません」
ほう、と、メイドさんはまさしくため息交じりに言った。
……少し色っぽい。
「あたし達、さっき来た時に雲の上にあった建物を通って来たんですけど、それのことですか?」
「その建物から、他の島々は見えましたか?」
「ばっちり見えました!」
「では、それが『雲の神殿』です。とても素敵だったでしょう?」
「はい! 島が浮いてるって、すごい幻想的ですよね!」
浮いてる島に住んでる本人達にそう言ってもなあ……当たり前の事ですけど(笑)って馬鹿にされなければいいが。
しかしオレの予想は大きく外れた。
何を当然の事を、と奇異の目で見られるかと思いきや。
「ええ、我らが大いなる世界アガスティアは、穢れた地上から女神のお力によって救われた楽園です。わたくしたちはこの楽園を大切に守って行かねばなりませんわ」
強い誇りをもって、メイドさんは答えた。
……穢れた地上って、もしかしなくても、オレ達の世界ですかね?
何故だかオレは直感でそう思った。
異世界だから、別の世界だろうに。
「へえ、そーなんですかー」
若干引いている広瀬と、目が合った。助けを求められているようだが、オレもなんと言っていいか分からない。
勿論メイドさんに他意がないのは分かっている。が、さっきまで住んでいた場所を『穢れた地上』と言われて、良い気分がするはずがない。
もし違うとしても、自分の世界を『楽園』だと躊躇いなく言い切れるのは、ちょっと引いてしまう。いや、自分が住んでいる街が素晴らしいと自慢するのは良い事なのだが、なんだろう。若干眩し過ぎて居心地が悪い。
不思議な事に、いや、当たり前の事だろうか。
あれだけ異世界には来たかったが、それは『あんなクソみたいな世界とはおさらばだっ!!!』みたいな、そんな逃げたかったのが理由じゃない。
オレは、単純に来たかった。
そして、来たら帰る。
当たり前のことだ。
山崎に目を移すと、山崎はぼんやりとメイドさんを眺めている。
扉が、メイドさんの後ろで静かに開いた。ノックすらされない事に少しだけ驚く。
「失礼、お邪魔しますよ。飲み物をお持ちしました」
白眼鏡の白々しさは勘に障る。
ノックも無しに入ってくるんだ、絶対失礼とか邪魔したとか思ってねぇだろ、こいつ。
「どうぞ」
微笑む白眼鏡の後からメイドがもう三人、それぞれに飲み物をの載せた盆を持って現れ、それぞれがオレ達の前に頼んだ飲み物を置いた。
「今日は突然で、さぞかしお疲れでしょう。詳しいお話はまた後ほど、という事でごゆっくりなさって下さい。お部屋をご用意しますので、もうしばらくこちらでお待ち下さい」
物腰は丁寧、柔らか。だというのにこの有無を言わせぬ迫力というか圧力を感じるのはオレだけか?
しかしまあ、確かに疲れているのは事実だ。ありがたくのんびりさせてもらおう。
オレは呑気に出されたコーヒーをすすった。
うん、まあまあの味だな。
床にはふかふかの絨毯、天井には煌びやかなシャンデリア。案内されたテーブルも重厚な造りで、重ねた年月をにおわせる。オレ達みたいなガキが座るのは恐れ多い……もう座っちまったが。
「じきにお見えになります。それまではごゆるりとおくつろぎ下さい。なにかお持ちしましょう、ご要望はございますか?」
馬鹿丁寧に白眼鏡は言う。
「それじゃああたしはリンゴジュース!」
「……紅茶を」
山崎、広瀬はそれぞれ答えた。白眼鏡は小さく頷き、傍にいたメイドに小さく指示を出す。
メイドだ。
頭にはフリルの飾り、黒の肩が膨らんだエプロンドレス。
いつも思うんだが、メイドって家事する人だよな?
あんなに膨らんだスカートは動きやすいのか?
「勇者殿は何になさいますか?」
「……コーヒー」
「畏まりました。それではすぐご用意いたしますので、少々お待ち下さい」
そういうと白眼鏡は扉を閉め、どこかへ行ってしまった。後に残されたのは地味男と黒髪のメイドさん、そしてオレ達三人。
「……ねぇねぇ、さっきの人ちょっと惜しいわね」
広瀬がこそこそと小声で囁く。
山崎はまたぼんやりし始めて反応しないから、仕方なくオレが反応してやる。
「何が?」
「眼鏡じゃなくてモノクルだったら完璧だったのにね」
「ものくる?」
「片眼鏡よ。知らない?」
「知るか」
「片一方だけの眼鏡の事! ともかく、あの人モノクルだったら完璧だったわ! ねえ、そう思わない?」
その疑問系は山崎に向けられたものだった。しかし山崎はぼんやりと宙を眺めるだけで、広瀬になにも答えない。
「……るりってば刺激が強すぎたのね。完璧に心ここにあらずだわ」
広瀬は苦笑いを浮かべながら、冗談めかして言った。しかしやはり山崎はなにも返さない。これはもう、そうは思いたくはないが、無視に近い。白眼鏡には答えてたしな。まあ、山崎もなんだかんだいって異世界に憧れてたんだろう。オレと同じだ。もしかしたらオレよりも渇望していたのかも。
「……何が完璧だって?」
困ったように笑う広瀬がいたたまれないので、心底どうでもいいが聞いてみる。
こんな広瀬は珍しい。なんでもかんでもさっさと決めて即行動、リーダーシップを無駄に発揮するのが広瀬だというのに。
「執事よ」
広瀬はきっぱりと、さも重要な事のように重々しく言い放った。本当、どうでも良い事を。
聞いたオレがバカだった。いや、分かってたけどな。くだらねぇ事なのは。
「……そうか」
「反応薄っ!」
どうしろっつうんだ。返事返しただけありがたいと思えよ!
山崎はぼんやりしたままだし、さて、なんと返そうかと頭をひねっていると、
「ふふっ」
可愛らしい笑い声が響く。見るとメイドさんが小さく笑っていた。
「あ、これは失礼いたしました。笑ってしまい、申し訳ありません」
メイドさんが丁寧に、深々と頭を下げた。そんなに大層に謝られる事じゃない。むしろこちらが申し訳ない。
メイドさんは歳の頃は二十歳前半の、どちらかというと小顔で可愛い系の美人だ。可愛い顔した女性だが、なんというか堂々とした落ち着きがある。頼りになるお姉さんって感じだ。あの胡散臭いクソ女とは大違い。
「や、いいですよ。そんな大した話してませんでしたし。それよりもメイドさんも混ざりませんか? こっちの世界の事色々教えて下さい」
ナイス広瀬。オレもちょうど同じ事を言おうとしていた。
メイドさんは少々困った顔をして、横の地味男をチラ見した。
「……」
地味男は何も反応しない。置物みたく突っ立ったままだ。
「……どうぞ」
なんて誘ったらいいか、分かる訳ない。これまでの人生一度も女子を誘った事など無い。これがオレの精一杯だ。
「それでは、お言葉に甘えまして」
クスリと笑い、優雅に一礼して、メイドさんはオレ達の席に近づいた。席には座らない。一定の距離を保ったまま、女中さんは微笑む。
「何でも聞いて下さい。わたくしに答えられる範囲でしたら、なんでもお答えいたします」
答えられる範囲。奇妙な言い回しだ。知ってる事はなんでも、じゃないのか。
「それじゃあ……あなたの名前は?」
「お答えできません」
柔らかな笑顔のまま、メイドさんは即答した。
「名前ですよ?」
広瀬は驚いている。オレも同感。別にスリーサイズや歳の事、好きな人はいますか、なんて聞いてるじゃない。まず知らない人間と会ったらまず初めに聞く事だろう、名前って。
「順番があるんです、それぞれの。わたくしの順番はまだまだ先ですから」
物事には順序があるというが、それにしてもなぁ……。
「そういう、ものなんですか?」
「ここでは、そういうものです」
戸惑う広瀬に、メイドさんは悪戯っぽく微笑みながら答えた。
「んー、じゃあ、ここの名物を教えてください!」
流石広瀬だ。
怯むことなく、広瀬は次の質問を飛ばしていく。
「めいぶつ、ですか?」
「はい、名物です。私たちここは初めてだし、何が有名なんですか?」
「有名、ですか……」
メイドさんは困っている。
そんなに変な質問だろうか、さっきのあの神殿はすげーと思う。きっと観光地で、ツアーとかありそうだ。
「すみません、わたくしにはそのめいぶつ、というものが分かりませんけれど、有名なものはものはいくつか存じております。『雲の神殿』や『地の神殿』が有名ですね」
神殿ばっかじゃねぇか。
「特に『雲の神殿』は滅多な事では入れない聖地です、わたくしも初等科の特別授業でしか入ったことがありませんが、今思い出してもあの美しさには溜息しか出ません」
ほう、と、メイドさんはまさしくため息交じりに言った。
……少し色っぽい。
「あたし達、さっき来た時に雲の上にあった建物を通って来たんですけど、それのことですか?」
「その建物から、他の島々は見えましたか?」
「ばっちり見えました!」
「では、それが『雲の神殿』です。とても素敵だったでしょう?」
「はい! 島が浮いてるって、すごい幻想的ですよね!」
浮いてる島に住んでる本人達にそう言ってもなあ……当たり前の事ですけど(笑)って馬鹿にされなければいいが。
しかしオレの予想は大きく外れた。
何を当然の事を、と奇異の目で見られるかと思いきや。
「ええ、我らが大いなる世界アガスティアは、穢れた地上から女神のお力によって救われた楽園です。わたくしたちはこの楽園を大切に守って行かねばなりませんわ」
強い誇りをもって、メイドさんは答えた。
……穢れた地上って、もしかしなくても、オレ達の世界ですかね?
何故だかオレは直感でそう思った。
異世界だから、別の世界だろうに。
「へえ、そーなんですかー」
若干引いている広瀬と、目が合った。助けを求められているようだが、オレもなんと言っていいか分からない。
勿論メイドさんに他意がないのは分かっている。が、さっきまで住んでいた場所を『穢れた地上』と言われて、良い気分がするはずがない。
もし違うとしても、自分の世界を『楽園』だと躊躇いなく言い切れるのは、ちょっと引いてしまう。いや、自分が住んでいる街が素晴らしいと自慢するのは良い事なのだが、なんだろう。若干眩し過ぎて居心地が悪い。
不思議な事に、いや、当たり前の事だろうか。
あれだけ異世界には来たかったが、それは『あんなクソみたいな世界とはおさらばだっ!!!』みたいな、そんな逃げたかったのが理由じゃない。
オレは、単純に来たかった。
そして、来たら帰る。
当たり前のことだ。
山崎に目を移すと、山崎はぼんやりとメイドさんを眺めている。
扉が、メイドさんの後ろで静かに開いた。ノックすらされない事に少しだけ驚く。
「失礼、お邪魔しますよ。飲み物をお持ちしました」
白眼鏡の白々しさは勘に障る。
ノックも無しに入ってくるんだ、絶対失礼とか邪魔したとか思ってねぇだろ、こいつ。
「どうぞ」
微笑む白眼鏡の後からメイドがもう三人、それぞれに飲み物をの載せた盆を持って現れ、それぞれがオレ達の前に頼んだ飲み物を置いた。
「今日は突然で、さぞかしお疲れでしょう。詳しいお話はまた後ほど、という事でごゆっくりなさって下さい。お部屋をご用意しますので、もうしばらくこちらでお待ち下さい」
物腰は丁寧、柔らか。だというのにこの有無を言わせぬ迫力というか圧力を感じるのはオレだけか?
しかしまあ、確かに疲れているのは事実だ。ありがたくのんびりさせてもらおう。
オレは呑気に出されたコーヒーをすすった。
うん、まあまあの味だな。
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