猫と話をさせてくれ

ねぎ(ポン酢)

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第二話

猫と呪いとハンバーグ③

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 「へっぐしゅっ!!」


唐突にくしゃみが出た。

あ~面倒くせ~と、顔を擦る。
ついでだったので、そのまま全身を毛繕う。


「あいつ、ちゃんと家に帰れたのか?」


1日たってみて、少しだけ気になった。
まぁ、どっかでの垂れ死んでいたら、それはそれで仕方がない。

むしろ今回の事は、自分の行動が不思議でならなかった。


人間は嫌いだ。


それはどうすることも出来ない、俺の呪縛だ。

俺を猫又とする、おそらく要だ。


長く生きて、生きるには嫌いなもんも受け入れて、上手く利用しなければならないことを知った。

だから、時には愛想を振り撒いて、生きる糧を得る事もある。

あいつらが、みんながみんな、嫌なヤツでない事も知ってる。


だが、人間は嫌いだ。


だから、あいつの為に妙に一生懸命になっちまった自分が信じられなかった。

そんな自分を良しとする気持ちと、自分自身を許せない気持ちがあった。


「あいつ、なんかあいつを思い出すんだよなぁ~。」


あいつは、まだ俺がただの猫だった時に出会った。

そしてあいつは、おそらく俺の呪縛の根本に関わっている。


物凄い不幸そうなのに(実際、恵まれてなかったけど)、どこか飄々として、変に澄みきっていた。

自分だって不幸なくせに、平気な顔で俺の不幸に首を突っ込んで、持ってっちまった。

そのくせ、特に誰も恨まなかった。


「あ~ムカつく!!ムカつくんだよ!!あいつ!!」


思い出したら、物凄くムカついてきた。

あいつにも、人間にもムカついて、俺の中でグツグツと煮えたぎった。

猫又である俺にとって、それはある種の力だった。


「…呪ってやる!」


特に呪う標的がない俺は、真っ先に思い浮かんだ顔を呪ってやった。
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