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水曜日
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彼が戻ってきて3日目の朝。彼の用意してくれた朝食を食べながら、私は、不満げに言った。
「今日も、私の分だけ? 一緒に食べればいいじゃない」
「…………」
「ねぇ、聞いているの?」
「…………」
返事のない彼に目をやると、洗い物をしている手が止まり、彼は、ぼんやりと宙を見つめていた。席を立って、彼の元へ行き、軽く肩を揺さぶる。すると、彼の焦点があったようだった。
「どうした?」
「徹こそ、どうしたのよ? どこか具合でも悪いの?」
「何で? 僕は大丈夫だよ」
「ほんとに? 今、ボーっとしていたよ」
「大丈夫だって。それより、仕事遅れるよ」
そう彼に急かされて、私はせっかくの朝食を残して、仕事へ出かけた。
「今日も、私の分だけ? 一緒に食べればいいじゃない」
「…………」
「ねぇ、聞いているの?」
「…………」
返事のない彼に目をやると、洗い物をしている手が止まり、彼は、ぼんやりと宙を見つめていた。席を立って、彼の元へ行き、軽く肩を揺さぶる。すると、彼の焦点があったようだった。
「どうした?」
「徹こそ、どうしたのよ? どこか具合でも悪いの?」
「何で? 僕は大丈夫だよ」
「ほんとに? 今、ボーっとしていたよ」
「大丈夫だって。それより、仕事遅れるよ」
そう彼に急かされて、私はせっかくの朝食を残して、仕事へ出かけた。
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