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新人魔女のギルド加入(5)
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「メリットは分かりました。でも、リゼさんがこれほどまでに嫌がっているということは、ギルド加入によるデメリットもあるのではないですか?」
リッカの指摘にジャックスは首を捻り顎を掻く。リゼは相変わらず腕組みをして不機嫌そうだ。ジャックスはそんなリゼの様子をちらりと見たあと、リッカへ視線を向ける。少しの間逡巡した後、にやりと笑った。どうやら、何かあるようだ。ジャックスはリッカの疑問に答える。
「リゼがギルドを煩わしいという理由は、定期的に開催されるギルド主催のオークションへの参加があるからだろう。どうしても人と関わらなくてはならない。というか、ギルドは多くの人の協力で成り立っている場所だから仕方ない。あとは、年会費や倉庫代、仲介料などのギルドへの支払い費用も馬鹿にならない」
「加入にお金がかかるのですね。それで、オークションというのは何ですか?」
「オークションというのは、ギルドが開催する競売会だ。様々な商品が出回るので、新商品をいち早く知ることができる。ギルド主催のオークションは毎月開催されているのだが、ギルドに加入している者は、商品を売るにしろ買うにしろ、年に六回以上のオークションへの参加が義務付けられている」
「年に六回ですか?」
「ああ。単純計算で二ヶ月に一度は何らかの形でオークションへ参加しなければならない」
リッカはなるほどと頷いた。確かにオークションへの参加は煩わしそうだ。しかし、ギルド加入はこの工房を運営するには避けて通れない道のようである。
リッカはもう一度思案する。年会費や倉庫代などの費用面がどのくらいかかるのか分からないが、これほどまでにリッカを心配しているジャックスのことだ。高額費用を要することを勧めるとも思えない。それに、ギルドの恩恵が工房運営において有効であることは間違いなさそうだ。
リッカは決意するとジャックスへ真っ直ぐに視線を向けた。
「わたしが工房主になる条件は、ギルドへの加入だけですか?」
リッカの言葉にリゼは驚いたように目を剥いた。
「おい。そんなところに入る必要はない」
リゼの不機嫌そうな声にリッカは首を横に振る。
「いいえ。今後、工房を運営するとなれば避けて通れない道です。それに、わたしが工房主です。工房運営の方針はわたしが決めます。いくらリゼさんでも、この決定に口出しは無用です」
きりっとした表情でリッカが言うと、リゼは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
リッカの指摘にジャックスは首を捻り顎を掻く。リゼは相変わらず腕組みをして不機嫌そうだ。ジャックスはそんなリゼの様子をちらりと見たあと、リッカへ視線を向ける。少しの間逡巡した後、にやりと笑った。どうやら、何かあるようだ。ジャックスはリッカの疑問に答える。
「リゼがギルドを煩わしいという理由は、定期的に開催されるギルド主催のオークションへの参加があるからだろう。どうしても人と関わらなくてはならない。というか、ギルドは多くの人の協力で成り立っている場所だから仕方ない。あとは、年会費や倉庫代、仲介料などのギルドへの支払い費用も馬鹿にならない」
「加入にお金がかかるのですね。それで、オークションというのは何ですか?」
「オークションというのは、ギルドが開催する競売会だ。様々な商品が出回るので、新商品をいち早く知ることができる。ギルド主催のオークションは毎月開催されているのだが、ギルドに加入している者は、商品を売るにしろ買うにしろ、年に六回以上のオークションへの参加が義務付けられている」
「年に六回ですか?」
「ああ。単純計算で二ヶ月に一度は何らかの形でオークションへ参加しなければならない」
リッカはなるほどと頷いた。確かにオークションへの参加は煩わしそうだ。しかし、ギルド加入はこの工房を運営するには避けて通れない道のようである。
リッカはもう一度思案する。年会費や倉庫代などの費用面がどのくらいかかるのか分からないが、これほどまでにリッカを心配しているジャックスのことだ。高額費用を要することを勧めるとも思えない。それに、ギルドの恩恵が工房運営において有効であることは間違いなさそうだ。
リッカは決意するとジャックスへ真っ直ぐに視線を向けた。
「わたしが工房主になる条件は、ギルドへの加入だけですか?」
リッカの言葉にリゼは驚いたように目を剥いた。
「おい。そんなところに入る必要はない」
リゼの不機嫌そうな声にリッカは首を横に振る。
「いいえ。今後、工房を運営するとなれば避けて通れない道です。それに、わたしが工房主です。工房運営の方針はわたしが決めます。いくらリゼさんでも、この決定に口出しは無用です」
きりっとした表情でリッカが言うと、リゼは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
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