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新人魔女と楽しい貴族教育(5)
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二人の会話を聞いていたリッカが、うんうんと頷いている。そんなリッカをミーナが愛おしそうに見つめた。その視線に気がついたリッカは、自分も何か言わなくてはと慌てる。そして思いついた様に口を開いた。
「あ、あの。ミーナさん。わ、わたしは……前にも話した通り、『魔女様』みたいなすごい魔法使いになりたいんです。『魔女様』みたいに強くなれたら、エルナお姉様のお力にも、民達の力にもなれると思うのです」
リッカの言葉にミーナは優しい笑みを浮かべた。そして、リッカの頭を優しく撫でてやる。リッカは嬉しさに一瞬頬を緩めてから、少し恥ずかしそうに笑った。自分の子供じみた態度が急に恥ずかしくなったのだ。
「リッカちゃんは、本当に魔女様の事が大好きなのね」
「それはもちろんです!」
ミーナの言葉にリッカは元気よく答える。そんな二人の様子にエルナは小首を傾げた。
「魔女様とは、一体どなたのことなのでしょう?」
「あら、エルナ様はリッカちゃんの尊敬する魔女様のことをご存じないのですか?」
ミーナの質問にエルナは首を横に振る。エルナの反応にミーナは少し意外そうな顔をした。ミーナはリッカに視線を向ける。その視線に気がついたリッカは、まだエルナには話したことがなかった事を思い出した。リッカはエルナに魔女様との出会いを話して聞かせる。リッカの話を聞いたエルナは、その魔女にとても興味を持った。
「まぁ、その様にお強くて勇敢な魔女様がいらっしゃるのですか。どちらの方でしょうか? その様にお強い方ならば、皆様が知っていそうなものですが」
エルナの問いにリッカは首を振る。エルナは少し困った顔をした後、ふと何かを思いついたのか明るい表情になった。二人の視線がエルナに注がれる中、エルナは口を開いた。
「でしたら、ネージュ様にお伺いしてみては? 大賢者であるネージュ様なら、魔女様のことを何かご存知なのではありませんか?」
一瞬室内に静寂がおとずれる。リッカとミーナは、互いの顔を見合わせてポカンとした表情を浮かべた。二人の反応にエルナは慌てて顔の前で手を振る。
「もちろん、既に確認されていますよね。失礼しました」
エルナはそう言って頭を下げる。リッカとミーナは慌てて首を横に振った。
「い、いえ。エルナ様の仰る通りです。確かにネージュ様なら、何かご存知かもしれませんね」
「そうですよね。どうして今まで思いつかなかったのでしょう。今度リゼさんに聞いてみます!」
「あ、あの。ミーナさん。わ、わたしは……前にも話した通り、『魔女様』みたいなすごい魔法使いになりたいんです。『魔女様』みたいに強くなれたら、エルナお姉様のお力にも、民達の力にもなれると思うのです」
リッカの言葉にミーナは優しい笑みを浮かべた。そして、リッカの頭を優しく撫でてやる。リッカは嬉しさに一瞬頬を緩めてから、少し恥ずかしそうに笑った。自分の子供じみた態度が急に恥ずかしくなったのだ。
「リッカちゃんは、本当に魔女様の事が大好きなのね」
「それはもちろんです!」
ミーナの言葉にリッカは元気よく答える。そんな二人の様子にエルナは小首を傾げた。
「魔女様とは、一体どなたのことなのでしょう?」
「あら、エルナ様はリッカちゃんの尊敬する魔女様のことをご存じないのですか?」
ミーナの質問にエルナは首を横に振る。エルナの反応にミーナは少し意外そうな顔をした。ミーナはリッカに視線を向ける。その視線に気がついたリッカは、まだエルナには話したことがなかった事を思い出した。リッカはエルナに魔女様との出会いを話して聞かせる。リッカの話を聞いたエルナは、その魔女にとても興味を持った。
「まぁ、その様にお強くて勇敢な魔女様がいらっしゃるのですか。どちらの方でしょうか? その様にお強い方ならば、皆様が知っていそうなものですが」
エルナの問いにリッカは首を振る。エルナは少し困った顔をした後、ふと何かを思いついたのか明るい表情になった。二人の視線がエルナに注がれる中、エルナは口を開いた。
「でしたら、ネージュ様にお伺いしてみては? 大賢者であるネージュ様なら、魔女様のことを何かご存知なのではありませんか?」
一瞬室内に静寂がおとずれる。リッカとミーナは、互いの顔を見合わせてポカンとした表情を浮かべた。二人の反応にエルナは慌てて顔の前で手を振る。
「もちろん、既に確認されていますよね。失礼しました」
エルナはそう言って頭を下げる。リッカとミーナは慌てて首を横に振った。
「い、いえ。エルナ様の仰る通りです。確かにネージュ様なら、何かご存知かもしれませんね」
「そうですよね。どうして今まで思いつかなかったのでしょう。今度リゼさんに聞いてみます!」
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