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新人魔女と妊婦と不思議なアップルパイ(1)
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リッカは自室の机に向かい、頭を悩ませていた。理由はリゼからの仕事の依頼だ。リッカは、昨日のリゼとの話を思い出す。
リゼは、魔道具を二つ作成して欲しいと言った。一つ目は、国王でありリゼの姉であるマリアンヌにリッカが謁見する際に使用する魔道具で、魔力暴発を引き起こすものだった。本来、魔力暴発とは偶発的に起こるものであり、意図的に起こせるようなものではない。しかし、リゼの計画にはリッカの魔力暴発は必要事項のため、リゼはリッカにどんな時でも魔力暴発を意図的に引き起こせる魔道具の作成を依頼した。
そして二つ目の魔道具は、エルナのための魔道具だ。リゼの計画通りに事が運べば、エルナは近い将来宰相家の養女となり、リゼの婚姻相手となる。周囲からすれば、一介の侍女が突然シンデレラストーリーを手にするのだ。当然、妬み嫉みは生まれるだろう。それはエルナにとって良い影響を及ぼさないことは明白だ。そんなエルナを守るための魔道具を作るようにと言われたのだ。
今後の計画に必要な物だと言うのであれば、新人魔女のリッカに魔道具を作成させるよりも、大賢者であるリゼが必要だと思う魔道具を作成すれば良いのではないかと言ってみたが、それについては、即座に却下された。
リゼは魔力量が多すぎるが故に、少量や微量の魔力消費で稼働させる魔道具を扱う事に不向きなんだとか。結局、リゼに強引に押し切られて、今に至る。
(リゼさんでもできない事があるんだな)
リッカは昨日のやりとりを反芻しながら、机に突っ伏した。
リゼに任された仕事なので、リッカに断るという選択肢は無かったが、せめて助言の一つは欲しかったと思う。しかし、リゼからは何のアドバイスもなかったため、結局は自分の知識を頼りに作ることになるのだが。
(魔力暴発を起こすための魔道具って……)
リッカは、机の上に並べた紙を見比べる。そこには、いくつかの魔法陣が描かれていた。魔力暴発を促すための魔法陣だ。
(とりあえず、魔法陣を考えてみたけど、……これを使って本当に良いのかしら?)
リッカは魔法陣を見つめるが、自分で描いたものであっても全く自信が持てない。理論上は問題ないはずだが、果たしてこれが本当に起動するのかどうか、不安は尽きない。リッカはもう一度魔法陣を眺めてから、ため息を吐いた。魔法陣が正しく起動するかどうかは実験するしかない。けれど、魔力暴発を意図的に起こすなど、あまりにも危険すぎる。
リゼは、魔道具を二つ作成して欲しいと言った。一つ目は、国王でありリゼの姉であるマリアンヌにリッカが謁見する際に使用する魔道具で、魔力暴発を引き起こすものだった。本来、魔力暴発とは偶発的に起こるものであり、意図的に起こせるようなものではない。しかし、リゼの計画にはリッカの魔力暴発は必要事項のため、リゼはリッカにどんな時でも魔力暴発を意図的に引き起こせる魔道具の作成を依頼した。
そして二つ目の魔道具は、エルナのための魔道具だ。リゼの計画通りに事が運べば、エルナは近い将来宰相家の養女となり、リゼの婚姻相手となる。周囲からすれば、一介の侍女が突然シンデレラストーリーを手にするのだ。当然、妬み嫉みは生まれるだろう。それはエルナにとって良い影響を及ぼさないことは明白だ。そんなエルナを守るための魔道具を作るようにと言われたのだ。
今後の計画に必要な物だと言うのであれば、新人魔女のリッカに魔道具を作成させるよりも、大賢者であるリゼが必要だと思う魔道具を作成すれば良いのではないかと言ってみたが、それについては、即座に却下された。
リゼは魔力量が多すぎるが故に、少量や微量の魔力消費で稼働させる魔道具を扱う事に不向きなんだとか。結局、リゼに強引に押し切られて、今に至る。
(リゼさんでもできない事があるんだな)
リッカは昨日のやりとりを反芻しながら、机に突っ伏した。
リゼに任された仕事なので、リッカに断るという選択肢は無かったが、せめて助言の一つは欲しかったと思う。しかし、リゼからは何のアドバイスもなかったため、結局は自分の知識を頼りに作ることになるのだが。
(魔力暴発を起こすための魔道具って……)
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(とりあえず、魔法陣を考えてみたけど、……これを使って本当に良いのかしら?)
リッカは魔法陣を見つめるが、自分で描いたものであっても全く自信が持てない。理論上は問題ないはずだが、果たしてこれが本当に起動するのかどうか、不安は尽きない。リッカはもう一度魔法陣を眺めてから、ため息を吐いた。魔法陣が正しく起動するかどうかは実験するしかない。けれど、魔力暴発を意図的に起こすなど、あまりにも危険すぎる。
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