落ちてきた数字

 あの日を境に僕たちの生活は変わってしまった。僕たちはスコアを取ることに必死になった。どうしてあんなものが落ちてくるのか。そんなことはもうどうでも良かった。ただ僕たちは、自身が高スコアとなることを目指して、少しでもスコアを伸ばそうと空を見上げるようになっていた。

 世の中は学歴社会だった。ランクとしては、大学を卒業した者を平均水準として、以下、専門学校で専門的な知識を学んだ者、高校を卒業した者、義務教育課程まで終えた者と人々のランクは下がっていく。さらに、それぞれの学歴においても、偏差値があり、最終学歴に到達するまでにどのような学歴変遷をたどっているかによって、人々はそれぞれを暗黙のうちにランク付けしていた。

 誰もがこんな社会はおかしいと思いつつも、それでもそれを覆すだけの力を持たず、ただただ似非学歴社会に甘んじるしかなかった。

 ある日、そんな学歴社会を覆す出来事が起きる。

 空から数字が落ちてきたのだ。
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