114 / 119
第7章 秋雨の神酒を君にー
半月に、翔ける天馬よー
しおりを挟む
「それで、暗号文はどこにあるの?」
「これよ、この本の最初のページ」
私はカブトにお婆さんから渡された古い本を渡す。
パラッ
ццццццццццццццц
天馬翔ける下弦の月に
吹き抜ける悲しみの谷へ
ハルピュイアの羽根で箒を作れ
さすれば道が開かれん
ццццццццццццццц
「なるほど、確かに難しいね」
「そうなのよね。とりあえず【悲しみの谷】と【ハルピュイア】の事について調べたくて図書室に来たのよ」
「OK、じゃあこの魔道具を使おう」
ポチッ ウィーーン ガタガタガタガタ
ピロリロリン
カブトが本棚の横にあったボタンを押すと、液晶画面が出てきた。
「これでキーワードを検索すると、関連する本や雑誌を紹介してくれるんだ」
「へぇー、これって魔法関係あるの?」
「魔法と科学なんて紙一重なのさ。どちらもベースとなる知識や経験が重要になってくる」
「ふーん、、まあとりあえず調べていきましょう。最初は【悲しみの谷】からね」
ポチポチポチッ
「あ、もしかしてこれかも」
〔検索結果:〖学園案内マップ〗学園の中央第11の塔、【自殺者の森】にあるものと推定。検索履歴2件、1層目14列7番目にあります〕
「学園の中にあるのか。確かに可能性は高いかもね」
「天馬翔ける下弦の月に、そこへ行ったら何かあるのね」
「そういうことになりそう。問題はそれがいつか、、なんだけどね」
「マップを見てみましょう、何か分かるかもしれないわ」
「よし、じゃあ探しに行こう。僕につかまって」
ガシッ スゥゥゥゥーーー
「う、浮いてる…」
「これも魔道具の一つだよ。落ちないようにね」
私はカブトに掴まり本のある場所へとむかった。
「あったわ。これね。えーっと『危険な森なので生徒の皆さんは近寄らないでください』ですって」
「『特にペガサス座が見える下弦の月の日には近づかないように』とも書いてあるね」
「『危険な魔獣、ハルピュイアの興奮時期となります』…なるほど、天馬翔けるというのはペガサス座が見える時ってことなのね」
「ペガサス座は秋の星座。月と星が見えるってことは秋晴れの夜には近づくなってことか。でもこの暗号文は真逆の事を書いてあるね」
「危険な魔獣、ハルピュイアの羽根を持ち出さないといけないのよね。今度はハルビュイアについて調べましょ」
ポチポチポチッ
「恐らくこれかな」
〔検索結果:〖神話書記〗女性の身体と鳥の羽を持つ獰猛な魔獣。学園の中央第11の塔、【自殺者の森】に住む。検索履歴2件、42層目8列19番目にあります〕
「神話上の魔獣なぜ学園に?」
「さあ?でも羽根で箒を作るとなると、結構な量が必要だぞ。戦って倒したりは難しそうだし」
「眠っている間に少しずつとるしかないわね。弱点とか無いのかしら?」
「えーっと『ハルピュイアは彷徨う魂達を弄ぶ。ハルピュイアは魂達を谷へと集め遊び疲れて休んでいることもある』もしかしてこれが悲しみの谷の事かな?」
「きっとそうね!疲れて眠っている所に羽根を少し貰いにいきましょ!次の下弦の月が出るのはいつかしら」
「ちょっと調べてみるよ…」
良い感じに調べることができて良かった。チームメイトもゲットできたし。
私がウキウキしていると
「あー、、どうやら今日の夜らしい。その次が来月になるかな」
カブトが申し訳無さそうに言った。
「え、てことは」
「今晩早速行こう。そして今日しかチャンスがないようだ」
もっと調べて行きたかったが
それは難しそうだ。
いつもいつも行き当たりばったりだな、と思う私であった。
「これよ、この本の最初のページ」
私はカブトにお婆さんから渡された古い本を渡す。
パラッ
ццццццццццццццц
天馬翔ける下弦の月に
吹き抜ける悲しみの谷へ
ハルピュイアの羽根で箒を作れ
さすれば道が開かれん
ццццццццццццццц
「なるほど、確かに難しいね」
「そうなのよね。とりあえず【悲しみの谷】と【ハルピュイア】の事について調べたくて図書室に来たのよ」
「OK、じゃあこの魔道具を使おう」
ポチッ ウィーーン ガタガタガタガタ
ピロリロリン
カブトが本棚の横にあったボタンを押すと、液晶画面が出てきた。
「これでキーワードを検索すると、関連する本や雑誌を紹介してくれるんだ」
「へぇー、これって魔法関係あるの?」
「魔法と科学なんて紙一重なのさ。どちらもベースとなる知識や経験が重要になってくる」
「ふーん、、まあとりあえず調べていきましょう。最初は【悲しみの谷】からね」
ポチポチポチッ
「あ、もしかしてこれかも」
〔検索結果:〖学園案内マップ〗学園の中央第11の塔、【自殺者の森】にあるものと推定。検索履歴2件、1層目14列7番目にあります〕
「学園の中にあるのか。確かに可能性は高いかもね」
「天馬翔ける下弦の月に、そこへ行ったら何かあるのね」
「そういうことになりそう。問題はそれがいつか、、なんだけどね」
「マップを見てみましょう、何か分かるかもしれないわ」
「よし、じゃあ探しに行こう。僕につかまって」
ガシッ スゥゥゥゥーーー
「う、浮いてる…」
「これも魔道具の一つだよ。落ちないようにね」
私はカブトに掴まり本のある場所へとむかった。
「あったわ。これね。えーっと『危険な森なので生徒の皆さんは近寄らないでください』ですって」
「『特にペガサス座が見える下弦の月の日には近づかないように』とも書いてあるね」
「『危険な魔獣、ハルピュイアの興奮時期となります』…なるほど、天馬翔けるというのはペガサス座が見える時ってことなのね」
「ペガサス座は秋の星座。月と星が見えるってことは秋晴れの夜には近づくなってことか。でもこの暗号文は真逆の事を書いてあるね」
「危険な魔獣、ハルピュイアの羽根を持ち出さないといけないのよね。今度はハルビュイアについて調べましょ」
ポチポチポチッ
「恐らくこれかな」
〔検索結果:〖神話書記〗女性の身体と鳥の羽を持つ獰猛な魔獣。学園の中央第11の塔、【自殺者の森】に住む。検索履歴2件、42層目8列19番目にあります〕
「神話上の魔獣なぜ学園に?」
「さあ?でも羽根で箒を作るとなると、結構な量が必要だぞ。戦って倒したりは難しそうだし」
「眠っている間に少しずつとるしかないわね。弱点とか無いのかしら?」
「えーっと『ハルピュイアは彷徨う魂達を弄ぶ。ハルピュイアは魂達を谷へと集め遊び疲れて休んでいることもある』もしかしてこれが悲しみの谷の事かな?」
「きっとそうね!疲れて眠っている所に羽根を少し貰いにいきましょ!次の下弦の月が出るのはいつかしら」
「ちょっと調べてみるよ…」
良い感じに調べることができて良かった。チームメイトもゲットできたし。
私がウキウキしていると
「あー、、どうやら今日の夜らしい。その次が来月になるかな」
カブトが申し訳無さそうに言った。
「え、てことは」
「今晩早速行こう。そして今日しかチャンスがないようだ」
もっと調べて行きたかったが
それは難しそうだ。
いつもいつも行き当たりばったりだな、と思う私であった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる