悪い魔女

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第6章 確率は50%

ルールは1~90%

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「うわぁ、、凄い良い景色」

眼下にはナポリの街並みが広がっていた。

「そうだね。美しい街並みだ」

私達は思わず見とれてしまった。

《感動しているところ悪いが、君たちがゲームを持ちかけてきたんじゃなかったっけ?》

はっ、そうだった

「そ、そうよ!周りの状況把握も戦略の一つなのよ」

《なるほどね。まあそういう事にしておこう。早速、ゲームのルール説明といこうか。でもまずは》

パチン ヒュゥゥゥゥウウウン スッ

空からロボットが降ってくる。

「だ、誰!?」

『お久しぶりデス。ワタシは、コノ美術館ノ案内ロボット、【ランジェ】デス。このゲームの親、そして案内人をさせて頂きマス』

「ああ、そういえばそんなのもいたわね。あなたもそっち側だったのね」

『私はこの美術館の所有物、どちらサイドというのはありません。あくまで公平にやらせて頂きます』

「ふーーん、信用はできないけどね」

《まあまあ、君たちにとってはそうだろうね。でも信じて貰うしかないね。僕の芸術にかけてでも》

「…分かったわ。とりあえずルール説明してちょうだい」

《そうだね、ランジェよろしく》

『分かりマシタ。ではコチラをご覧下サイ』

ギガガガガガ ピーーーーー

ランジェの目から光が出て
それによって映像と文字が出る。

映像には大きくこう書かれていた。


§  トンボラ  §

「と、トンボラ?一体何なの?」

「ナポリで有名なゲームだよ。簡単に言うとビンゴみたいなもの」

「ネコは何でも知ってるのね」

「紳士だからね」

『コホン、詳しい説明をさせて頂きマス』

ランジェは説明を始めた。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

 ~一般的なトンボラゲーム~

1.3行×5列のマスがあるカードを参加者が一枚もらいます。

2.一マスにつき1~90の数字がランダムに割り振れられています。

3.司会者(親)が読み上げた数字がカードにあれば、カードの数字の上に豆やピーナッツの殻などを置きます。

4.横に、2つ連続、3つ連続、4つ連続、5個連続、全部、と豆が揃った人から順番に賞品やお金がもらえます。

途中や揃った時の呼び方は

• 2つ連続 アンボ (Ambo) 

• 3つ連続 テルノ (Terno) 

• 4つ連続 クアテルナ (Quaterna) 

• 5つ連続 チンクイナ (Cinquina) 

• 全部 トンボラ (Tombola)

です。どちらがトンボラになったら勝ち、というゲームです。

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『ここまでが一般的なトンボラのルールですが、今回はエキストラルールも採用させて頂きマス』

「え、エキストラルール…」

ランジェは説明を続ける。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

    ~エキストラルール~

1.マスが揃う事に相手の能力の一部を貰えます。

• 2つ連続 アンボ  聴覚

• 3つ連続 テルノ  視覚

• 4つ連続 クアテルナ  触覚

• 5つ連続 チンクイナ  魔力

• 全部 トンボラ  魂

です。

2.逆に揃う事に失った能力を取り戻すことが出来ます。相手のを奪うか、取り戻すかのどちらかしか行えません。

3.1~90の数字には意味があり、揃う事にそれに対応する妨害を相手にすることが出来ます。

4.ゲーム以外での暴力、また備品の破壊などはルール違反とし、負けと見なします。

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『以上デス。分かりマシタか?』

「えーっと、、だいたい、、ね」

《ふっ、まあやってみれば分かるさ。そんなに難しいルールじゃないってことも、絶対に僕に勝てないってこともね》

「絶対なんてこの世には存在しないのよ。絶対にね」

《ご教授どうもありがとう。では早速始めよう。ミラノの街が暮れる前に》

「ワインのクセに随分せっかちなのね。頭が発酵しているせいかしら?」

《僕はブドウさ、ワインではないよ。勉強が実になってないようだ》

「わざと間違えたのよ。時代遅れの年代物さん」

ゲームが始まる前からバチバチしている。

絶対にマイちゃんを取り戻すんだ。
この世に絶対なんて言葉…
いや、私にだけはあるんだ。

そういう事にしておこう。

都合の良い私であった。
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