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閑話 エドワーズ公爵 14
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優秀な側近達は、すぐに噂の真相を調べて来た。
システィーナ国の大公の令嬢を、ソフィーが治癒魔法で助けたことで知り合ったらしい。まだ小さな令嬢がソフィーに懐いて、それがきっかけで大公とも仲良くなったようだが、大公がソフィーを気に入り、権力で強引に手に入れようとしているらしく、噂話も大公と付き合いのある貴族が流しているようだ。
大公という身分の高い者に言い寄られたら、婚約者を持たぬ令嬢は断ることは難しいだろう。しかもソフィーは、恋愛に慣れてないから、強引に迫られたら上手く交わすことが出来ない。かつて自分がそうしたように…。
自分も強引に手に入れたが、他の男に同じようにされるのは、自分勝手だと思うが許せない。
「クラーク侯爵家と令嬢は、大公殿下との縁談に乗り気ではないようで、まだ返事をしてないようです。」
「そうか…。ならば潰しても問題ないな。
ミラーノ国の大使に急ぎで会いたいと伝えろ!」
「畏まりました。」
ミラーノ国の大使は呼び出すと、すぐに来てくれた。
ミラーノ国にはエドワーズ公爵領の石炭を輸出している。ミラーノ国で採掘される魔石の加工には、エドワーズ公爵領の質のいい石炭が必要不可欠なのだ。その為、ミラーノ国とはそれなりの付き合いがあったのだが、最近はミラーノ国の第三王女とのしつこい縁談話に嫌気が差していた。
評判の悪い第三王女を娶る者が自国にいない為、他国に目を向けているのだろう。王女という身分の者を、爵位の低い家門に嫁がせることも出来ず、なかなか決まらないと聞いたことがある。
呼び出した大使には、第三王女のしつこい縁談話の苦情を伝えた後に、危険な炭鉱で働く人材不足を理由にして、石炭を輸出できる量が減るかもしれないと脅した。
魔石の売上で国が成り立つミラーノ国は、我が領地の石炭が手に入らないと、魔石を加工して売ることが出来ない為に、国の財源が減ることになる。
大使は慌てて縁談話を謝罪し始める。今後はそのような話を持ちかけないよう、自国の国王に伝えるので、石炭は何とか今までと同じ量を輸出して欲しいと言うのだ。
そこで私は、第三王女に相応しい人がいると持ちかけた。システィーナ国の大公殿下が後妻を探しているらしいと。
システィーナ国は大国だが、魔力持ちが少なく、ミラーノ国の魔石が生活に欠かせない。もし魔石を売ってもらえないとなると、生活に不便が生じるだろうなと大使に話してみる。
もし、ミラーノ国の王女とシスティーナ国の大公の縁談がすぐにまとまるのなら、お祝いとして石炭の輸出量を減らさず、更に石炭の価格を下げてあげてもいいと提案してみた。
大使はすぐに動いてくれたようだった。
後日。
「エドワーズ公爵閣下。我が国の第三王女殿下と、システィーナ国の大公殿下の婚約が整いました。
国王陛下からの、エドワーズ公爵閣下へのお礼状を届けに参りました。陛下はこの婚約を非常に喜ばれております。」
だろうな…。嫁の貰い手のない王女など、王家の恥でしかないのだから。
「それは良かった。では、その婚約のお祝いとして、価格を下げさせてもらう。勿論、輸出量も今までと同じ量を確保する。細かいことは関税に関わることだから、我が国の陛下と相談してからになるが、決まったらすぐに知らせる。」
「ありがとうございます。」
「…ところで、このことは第三王女殿下は知っているのか?」
「いえ。国王陛下とごく一部の側近のみが知るだけでございます。」
「ならいい。やっと婚約が決まって幸せな気持ちでいる王女殿下が、この縁談の真実を知っても気分のいいものではないだろうからな。ぜひ、幸せな気持ちのままで嫁いで行って欲しいものだ。」
念のため、口止めをしておこう。
「勿論でございます。」
縁談がまとまったところで、私は国王陛下に面会の要請をするのであった。
システィーナ国の大公の令嬢を、ソフィーが治癒魔法で助けたことで知り合ったらしい。まだ小さな令嬢がソフィーに懐いて、それがきっかけで大公とも仲良くなったようだが、大公がソフィーを気に入り、権力で強引に手に入れようとしているらしく、噂話も大公と付き合いのある貴族が流しているようだ。
大公という身分の高い者に言い寄られたら、婚約者を持たぬ令嬢は断ることは難しいだろう。しかもソフィーは、恋愛に慣れてないから、強引に迫られたら上手く交わすことが出来ない。かつて自分がそうしたように…。
自分も強引に手に入れたが、他の男に同じようにされるのは、自分勝手だと思うが許せない。
「クラーク侯爵家と令嬢は、大公殿下との縁談に乗り気ではないようで、まだ返事をしてないようです。」
「そうか…。ならば潰しても問題ないな。
ミラーノ国の大使に急ぎで会いたいと伝えろ!」
「畏まりました。」
ミラーノ国の大使は呼び出すと、すぐに来てくれた。
ミラーノ国にはエドワーズ公爵領の石炭を輸出している。ミラーノ国で採掘される魔石の加工には、エドワーズ公爵領の質のいい石炭が必要不可欠なのだ。その為、ミラーノ国とはそれなりの付き合いがあったのだが、最近はミラーノ国の第三王女とのしつこい縁談話に嫌気が差していた。
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呼び出した大使には、第三王女のしつこい縁談話の苦情を伝えた後に、危険な炭鉱で働く人材不足を理由にして、石炭を輸出できる量が減るかもしれないと脅した。
魔石の売上で国が成り立つミラーノ国は、我が領地の石炭が手に入らないと、魔石を加工して売ることが出来ない為に、国の財源が減ることになる。
大使は慌てて縁談話を謝罪し始める。今後はそのような話を持ちかけないよう、自国の国王に伝えるので、石炭は何とか今までと同じ量を輸出して欲しいと言うのだ。
そこで私は、第三王女に相応しい人がいると持ちかけた。システィーナ国の大公殿下が後妻を探しているらしいと。
システィーナ国は大国だが、魔力持ちが少なく、ミラーノ国の魔石が生活に欠かせない。もし魔石を売ってもらえないとなると、生活に不便が生じるだろうなと大使に話してみる。
もし、ミラーノ国の王女とシスティーナ国の大公の縁談がすぐにまとまるのなら、お祝いとして石炭の輸出量を減らさず、更に石炭の価格を下げてあげてもいいと提案してみた。
大使はすぐに動いてくれたようだった。
後日。
「エドワーズ公爵閣下。我が国の第三王女殿下と、システィーナ国の大公殿下の婚約が整いました。
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