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結婚したかった
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「ソフィー。お父様は反対だ!無理に結婚なんてする必要はない。」
やはり難しかったか…。
「お父様、結婚せずにこのままいたら、クラーク侯爵家の恥だと思われてしまいますわ。
でも、他国に嫁ぐのは嫌ですし、大公妃にもなりたくありません。そんな私にとって、最高の条件で結婚出来そうなのが将軍閣下なのです。」
「条件だなんて…。
私の進めた結婚で不幸にしてしまったから、次に結婚するなら、愛のある結婚をして欲しいと思っていたのに。
それに、マーティン将軍が騎士として人望が厚いと言っても、私はソフィーにあんな生活をさせていた将軍を信用出来ないのだよ。」
「お父様!お願いします。面倒な縁談を断る為にも、誰かと結婚したいのです。マーティン将軍閣下は、お父様とお母様の要求も聞いてくれそうですし、条件としては最高の人なのです。」
「……分かった。そのかわり、ソフィーに何かあったり、不幸そうにしているのを見たら、すぐに戻って来てもらうから。いいね?」
渋々だが認めてくれたようだ。恐らくだが、裏でお母様がお父様に何か働きかけてくれたのだと思う。
「お父様。ありがとうございます…。」
やったわ!
後は大公様からの求婚を上手く断らないと…。
そう考えていたある日のこと、大公様から手紙が届く。
手紙には、王命で急遽、ミラーノ国の王女と結婚することになったので、私とは結婚出来なくなったと書いてあったのだ。なんてすごいタイミング!
助かったー!!
タイミングが良すぎて、裏で何かあったのかと疑いたくなるが…。
大公様からは、直接謝罪したいのでこちらに訪問させて欲しいと書いてあった。
そして後日、大公様と我が国の王宮で面会することになる。国王陛下にも私との結婚の許可を得る為に手紙を出していたから、陛下にも謝罪する為に来るんだろうな。
王宮に行くと、大公様はすでに国王陛下と話を済ませたようだった。
「クラーク嬢。私達は話を終えたのだが、大公殿下は君と最後に2人きりで話がしたいと言っている。いいか…?」
「2人きりですか…?分かりました。」
「2人きりになっているのを誰かに見られたら困るだろうから、応接室に繋がっている横の小部屋なら目立たなくて誰かに見られる心配はないと思う。そこで待っていてくれるか?」
「分かりました。陛下、ご配慮ありがとうございます。」
陛下に言われた部屋で待っていると、ドアがノックされ、大公様が入ってきた。
「ソフィア。会いたかった…。」
悲壮感漂う表情の大公様。
「大公様…、少し顔色が悪いですわ。お疲れなのでしょうか?」
「大したことはない。」
「少し失礼します。」
忙しい中、わざわざ来てくれたのだから、治癒魔法で疲れを取ってあげよう。
「…治癒魔法だな。ありがとう。」
「大公様に何かあれば、公女様が悲しみますわ。」
「そうだな。アンリが悲しむな…。
ソフィア…。この度のこと、本当に申し訳ない。」
大公様の表情を見る限り、心の底からの謝罪だと分かる。どこか必死そうで、悲しそうにも見える。
「大公様、どうか幸せになって下さいませ。私は、大公様と公女様が幸せでいてくださったら、それで嬉しく思いますわ。」
「…そんな風に言わないでくれ。私はソフィアと幸せになりたかった。欲しいと願ったのはソフィアだけだ。許されるなら、第二夫人として連れて行きたかったが、国王陛下からそれはダメだと言われて来たよ。」
危なかったわ!陛下、ありがとう。
「冗談だ。ソフィアを第二夫人だなんて、肩身の狭い思いをさせたくはない。
ただ…、私はソフィアと結婚したかった。」
「第二夫人がいたら王女殿下は悲しむかと…。」
「ソフィア。私は君を一生忘れない。私の愛は君だけのものだ。だから…、いつまでも元気でいてくれ。」
大公様の目が赤い。
愛してると言い、私をギュッと抱きしめた後、大公様は部屋から出て行った。
大公様は最後にプレゼントのような小箱を私に渡してくれた。
中を見てみると、大きなアクアマリンのネックレスが入っていた。…高そうだな。
あれ?小さなメモも入っている。
〝ソフィアへ
何か困ったことがあれば、すぐに手紙を書くように。
永遠に愛している。〟
「………。」
住所と大公様の偽名らしき名前まで書いてある。
もしかして、妊娠を心配してくれていた?
真剣に考えていてくれたのかな…。
後日、お母様から知らされることになるが、大公様はお詫びとして、すごい金額の慰謝料を払ってくれたらしい。断ることも許されなかとか。
大公様は手切れ金までリッチなお方だったようだ。
大公様と公女様の幸せを願いたいと思う。
やはり難しかったか…。
「お父様、結婚せずにこのままいたら、クラーク侯爵家の恥だと思われてしまいますわ。
でも、他国に嫁ぐのは嫌ですし、大公妃にもなりたくありません。そんな私にとって、最高の条件で結婚出来そうなのが将軍閣下なのです。」
「条件だなんて…。
私の進めた結婚で不幸にしてしまったから、次に結婚するなら、愛のある結婚をして欲しいと思っていたのに。
それに、マーティン将軍が騎士として人望が厚いと言っても、私はソフィーにあんな生活をさせていた将軍を信用出来ないのだよ。」
「お父様!お願いします。面倒な縁談を断る為にも、誰かと結婚したいのです。マーティン将軍閣下は、お父様とお母様の要求も聞いてくれそうですし、条件としては最高の人なのです。」
「……分かった。そのかわり、ソフィーに何かあったり、不幸そうにしているのを見たら、すぐに戻って来てもらうから。いいね?」
渋々だが認めてくれたようだ。恐らくだが、裏でお母様がお父様に何か働きかけてくれたのだと思う。
「お父様。ありがとうございます…。」
やったわ!
後は大公様からの求婚を上手く断らないと…。
そう考えていたある日のこと、大公様から手紙が届く。
手紙には、王命で急遽、ミラーノ国の王女と結婚することになったので、私とは結婚出来なくなったと書いてあったのだ。なんてすごいタイミング!
助かったー!!
タイミングが良すぎて、裏で何かあったのかと疑いたくなるが…。
大公様からは、直接謝罪したいのでこちらに訪問させて欲しいと書いてあった。
そして後日、大公様と我が国の王宮で面会することになる。国王陛下にも私との結婚の許可を得る為に手紙を出していたから、陛下にも謝罪する為に来るんだろうな。
王宮に行くと、大公様はすでに国王陛下と話を済ませたようだった。
「クラーク嬢。私達は話を終えたのだが、大公殿下は君と最後に2人きりで話がしたいと言っている。いいか…?」
「2人きりですか…?分かりました。」
「2人きりになっているのを誰かに見られたら困るだろうから、応接室に繋がっている横の小部屋なら目立たなくて誰かに見られる心配はないと思う。そこで待っていてくれるか?」
「分かりました。陛下、ご配慮ありがとうございます。」
陛下に言われた部屋で待っていると、ドアがノックされ、大公様が入ってきた。
「ソフィア。会いたかった…。」
悲壮感漂う表情の大公様。
「大公様…、少し顔色が悪いですわ。お疲れなのでしょうか?」
「大したことはない。」
「少し失礼します。」
忙しい中、わざわざ来てくれたのだから、治癒魔法で疲れを取ってあげよう。
「…治癒魔法だな。ありがとう。」
「大公様に何かあれば、公女様が悲しみますわ。」
「そうだな。アンリが悲しむな…。
ソフィア…。この度のこと、本当に申し訳ない。」
大公様の表情を見る限り、心の底からの謝罪だと分かる。どこか必死そうで、悲しそうにも見える。
「大公様、どうか幸せになって下さいませ。私は、大公様と公女様が幸せでいてくださったら、それで嬉しく思いますわ。」
「…そんな風に言わないでくれ。私はソフィアと幸せになりたかった。欲しいと願ったのはソフィアだけだ。許されるなら、第二夫人として連れて行きたかったが、国王陛下からそれはダメだと言われて来たよ。」
危なかったわ!陛下、ありがとう。
「冗談だ。ソフィアを第二夫人だなんて、肩身の狭い思いをさせたくはない。
ただ…、私はソフィアと結婚したかった。」
「第二夫人がいたら王女殿下は悲しむかと…。」
「ソフィア。私は君を一生忘れない。私の愛は君だけのものだ。だから…、いつまでも元気でいてくれ。」
大公様の目が赤い。
愛してると言い、私をギュッと抱きしめた後、大公様は部屋から出て行った。
大公様は最後にプレゼントのような小箱を私に渡してくれた。
中を見てみると、大きなアクアマリンのネックレスが入っていた。…高そうだな。
あれ?小さなメモも入っている。
〝ソフィアへ
何か困ったことがあれば、すぐに手紙を書くように。
永遠に愛している。〟
「………。」
住所と大公様の偽名らしき名前まで書いてある。
もしかして、妊娠を心配してくれていた?
真剣に考えていてくれたのかな…。
後日、お母様から知らされることになるが、大公様はお詫びとして、すごい金額の慰謝料を払ってくれたらしい。断ることも許されなかとか。
大公様は手切れ金までリッチなお方だったようだ。
大公様と公女様の幸せを願いたいと思う。
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