111 / 133
グチる私
しおりを挟む
私がキレながら本音を話すと、将軍閣下は目を見開いていた。
そうだよね…。見た目はか弱くて、守ってあげたくなるような、可憐な美少女ソフィアさんだもん。そんなソフィアさんが、元旦那とはいえ、初対面の人の前でブチギレたなんてビックリだよね、
しょうがないじゃん!中身は前世でオトコ女とか呼ばれていた私なんだから!
「君が辛い思いをしていたのは知っているつもりだ。だから、エドワーズ公爵と仲の良い姿を見た時に、黙って祝福しようと思っていた。
だが…、まさか毒で倒れて、婚約が解消になるとは思っていなかった。
その時に思ったんだ…。もし、あの時に私が君を大切にして、婚姻が無効にならなければ、君は毒を飲まずに済んだのではないかと。」
「そんなことを今更言っても無駄なのです。後悔をいくらしても、もう遅いのですから。」
「分かってはいるんだ。でも、君には幸せになってもらいたいと思っている。
君は大公殿下と恋仲ではないのか?さっきの話を聞くと、君は大公殿下との縁談を喜んでいるようには思えない。」
将軍閣下は涙が止まったようだ。
「大公様は素敵な方だと思いますが、恋仲ではありません。しかし、大公様から誘われて2人で出掛けることは何度かありました。
私の立場で、あのような高貴な身分の方からお誘いを受けたら、断れないのは分かりますよね?私は、遠い異国で大公妃としてやっていくのは無理だと思っています。あのような方との婚姻は、私には不相応ですわ。」
「そうだったのか…。社交界で君と大公殿下は恋仲で、もうすぐ婚約すると噂になっていたから、そうなのかと…。」
「まあ、男女のちょっとした(体の)関係はあったことは認めますけど、望んでそうなったのではありません。
噂は誰が立てたのか知りませんけど、迷惑ですわ。私は自由で穏やかな生活を望んでいるだけなのです。」
「………。」
あっ!必要以上にしゃべり過ぎたかな。男女のちょっとした関係とか、余計なことを喋っちゃった。将軍閣下は引いてたりして…。
「申し訳ありません。つい喋り過ぎました。私の話は忘れて下さい。
では、これで私は失礼し……」
「待ってくれ!」
えっ?さっきまで涙を流していた将軍閣下とは思えないくらい、一瞬で雰囲気がピシッと変わった気がする。
「…何か?」
「私を利用してくれ!大公殿下との縁談を断る為の理由が必要だろう?」
真顔で何を言ってるの?この人は。
「何を利用しろと?」
「私を偽装結婚でも契約結婚でもいいから、その相手として利用してくれ。君の縁談除けになるだろう?
結婚したら、君は自由に過ごして構わない。住む場所も君が過ごしやすい場所を考える。君が別に好きな男ができたらすぐに離縁するし、その時は私の有責だということにして、慰謝料も払う。
国王陛下主催の行事以外は、社交は無理にしなくてもいい。
…どうだろうか?」
な、なんて魅力的な……
そうだよね…。見た目はか弱くて、守ってあげたくなるような、可憐な美少女ソフィアさんだもん。そんなソフィアさんが、元旦那とはいえ、初対面の人の前でブチギレたなんてビックリだよね、
しょうがないじゃん!中身は前世でオトコ女とか呼ばれていた私なんだから!
「君が辛い思いをしていたのは知っているつもりだ。だから、エドワーズ公爵と仲の良い姿を見た時に、黙って祝福しようと思っていた。
だが…、まさか毒で倒れて、婚約が解消になるとは思っていなかった。
その時に思ったんだ…。もし、あの時に私が君を大切にして、婚姻が無効にならなければ、君は毒を飲まずに済んだのではないかと。」
「そんなことを今更言っても無駄なのです。後悔をいくらしても、もう遅いのですから。」
「分かってはいるんだ。でも、君には幸せになってもらいたいと思っている。
君は大公殿下と恋仲ではないのか?さっきの話を聞くと、君は大公殿下との縁談を喜んでいるようには思えない。」
将軍閣下は涙が止まったようだ。
「大公様は素敵な方だと思いますが、恋仲ではありません。しかし、大公様から誘われて2人で出掛けることは何度かありました。
私の立場で、あのような高貴な身分の方からお誘いを受けたら、断れないのは分かりますよね?私は、遠い異国で大公妃としてやっていくのは無理だと思っています。あのような方との婚姻は、私には不相応ですわ。」
「そうだったのか…。社交界で君と大公殿下は恋仲で、もうすぐ婚約すると噂になっていたから、そうなのかと…。」
「まあ、男女のちょっとした(体の)関係はあったことは認めますけど、望んでそうなったのではありません。
噂は誰が立てたのか知りませんけど、迷惑ですわ。私は自由で穏やかな生活を望んでいるだけなのです。」
「………。」
あっ!必要以上にしゃべり過ぎたかな。男女のちょっとした関係とか、余計なことを喋っちゃった。将軍閣下は引いてたりして…。
「申し訳ありません。つい喋り過ぎました。私の話は忘れて下さい。
では、これで私は失礼し……」
「待ってくれ!」
えっ?さっきまで涙を流していた将軍閣下とは思えないくらい、一瞬で雰囲気がピシッと変わった気がする。
「…何か?」
「私を利用してくれ!大公殿下との縁談を断る為の理由が必要だろう?」
真顔で何を言ってるの?この人は。
「何を利用しろと?」
「私を偽装結婚でも契約結婚でもいいから、その相手として利用してくれ。君の縁談除けになるだろう?
結婚したら、君は自由に過ごして構わない。住む場所も君が過ごしやすい場所を考える。君が別に好きな男ができたらすぐに離縁するし、その時は私の有責だということにして、慰謝料も払う。
国王陛下主催の行事以外は、社交は無理にしなくてもいい。
…どうだろうか?」
な、なんて魅力的な……
130
お気に入りに追加
5,945
あなたにおすすめの小説
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。

忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。

選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる