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港町

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「お嬢様。お休みを下さったので、その辺を散策して来たのですが、港近くにある商店街はとにかく人が沢山いて、お店も沢山あり過ぎました。海鮮料理が美味しいお店を見つけて来ましたわ。」

 何ですって!

「今日は天気がいいから、皆んなで出掛けて来ましょう!」

「「はい!」」

 ということで、仲良しメイド3人に護衛騎士2人と私で出掛ける事にしたのだ。

 港近くの商店街は、確かに沢山の人がいた。貿易の拠点になっているいるようなので、大きな船が沢山見えるし、色々な国の人が沢山歩いている。

 旅行気分で楽しい!

「お嬢様、こちらの店ですわ。」

「いい店ね。皆んなでランチにするわよ。」

 まだ少し早めの時間なので、そこまで店内は混んでいなかった。護衛の2人も強引に座らせて、6人でテーブルを囲む。
 
 前菜はカルパッチョ風のサラダだった。あー、美味い!そして、ブイヤベースみたいな具沢山スープに、メインの大海老フライ!最高よ!
 みんなで食べる食事は美味しい。

 美味しい物を食べたら、元気になれるよね。

 食事の後は、商店街を散策した。異国の物も沢山売っていて、見て歩くだけでも楽しい。

 その後、船を近くで見たいと言う話になり、港の船着場に行くことになる。
 船着場に来ると、大きな船から積荷を運び出している人が沢山いる。その横には、また違う船が今まさに到着したようだった。

 えっ!近くに来て思うけど、今来た船は、すごい豪華じゃない!貿易船と言うよりは、豪華客船って感じ。あんな船で、船旅なんて憧れる!

 あれっ?何だか騒々しい気がする。今着いたばかりの豪華客船から、人が担架で運び出されているようだった。急病かな?

「アンリ!…すぐに医師に診てもらうからな!」

 よく見ると、小さな女の子だった。えー!ぐったりしているみたい。顔色も悪すぎるし、大丈夫かな?
 女の子に付き添う、身なりのいい美丈夫は、女の子のパパってとこか。
 周りには護衛が沢山いるわ。さすが、豪華客船に乗っている人だけあって、金持ちってことか。
 おっと。あまりジロジロ見るのは良くないよね。

「近くに病院はあるのかしら?」

「船着場には診療所があるとは聞いていますわ。」

「そう。なら、大丈夫ね。」


 しかし。

 さっきの金持ち親子の護衛らしき人達が、焦って何かを探しているようだった。
 気になるわ…。

「ねぇ、あの方達、困っているように見えるから、何があったのか聞いてこれるかしら?」

 私の護衛に声を掛けると、すぐに聞きに行ってくれた。

「お嬢様。先程、病人が診療所に運ばれたそうなのですが、医師で対応するのは難しい状態らしくて、治療師かハイポーションを売っている店を探しているらしいです。」

 医者が匙を投げたってこと?

「治癒魔法が使えますが、試してみましょうかと伝えてみて。」

「お嬢様、その…、体調は大丈夫なのでしょうか?」

 メイド達は私の体調を心配してくれているようだ。

「さっき美味しい物を沢山食べたから、大丈夫よ。」

 そのことを、金持ち親子の護衛に伝えると、すぐに、女の子がいる診療所の部屋に案内された。

 女の子パパらしき美丈夫の話だと、昨夜から急に具合が悪くなり出したらしく、急遽、この港に寄ることになったらしい。しかも、まだ3歳で、どこが悪いのかはっきりと言えないらしく、困ってしまったと言っていた。
 女の子は意識がない。

 どこが悪いのか分からないから、医師も困るよね。前世みたいに医療が発達してないし。
 もう、よく分からないから、全身に治癒魔法かけておこう。強めにかけておくか!

 私は久しぶりの治癒魔法を、気合いを入れてかけてみた。

 
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