58 / 133
閑話 エドワーズ公爵 10
しおりを挟む
ソフィア嬢を別邸に連れて行き、部屋で2人きりになるようにし、弟のことや、私が守れなかったことなどを謝りつつ、自分の彼女への思いを伝えて、婚約して欲しいことを話す。
彼女は少し考え込んでいたようだが、身分を理由に自分のことは忘れて欲しいと言ってきた。
少しショックだが、彼女が断ることは予想していた。身分のことも、今の自由な生活を続けていきたいと考えているであろうことも。だから、彼女は自分の実家にも、私の元にも戻って来なかったのだろう。
でも、そんなことは関係ない。クラーク侯爵令嬢であるソフィア嬢を探す家族や、マーティン将軍から守ると話して、彼女の好きな仕事を続けていくことを認め、彼女が婚約を断れない状況にしたのだから。
ソフィア嬢は婚約が断れないことに、戸惑っているようだった。
そんな彼女は、しばらく言葉を詰まらせた後に、やっと返事をしてくれた。……良かった。これで、何の迷いもなく、彼女の全てを自分の物に出来る!
ソフィア嬢が私に恋愛感情を持っていないことは知っている。特別な存在としても見ていないことも。
しかし婚約することで、私だけのソフィア嬢として、甘やかして距離を縮めていけばいい。貴族の結婚なんて、政略結婚が多く、結婚してから愛が芽生える夫婦も沢山いるのだから。
お酒が好きらしいソフィア嬢には、特別なワインをご馳走しよう。ワインの産地で有名な、隣国から取り寄せた初夜用のワインだ。
何も知らないソフィア嬢は、頬をほんのり赤く染めて美味しいと言って飲んでいる。…本当に可愛いと思う。今夜は彼女を離せないだろうな。
クラーク侯爵家に彼女との婚約を正式に認めさせるためには、さっさと既成事実を作ってしまった方がいいだろう。特に、ソフィア嬢に妹以上の感情を持っているように見える義兄には、既成事実が必要だと思われる。
ワインを飲んで酔ったソフィア嬢は、とにかく可愛くて、その夜は私の人生で1番幸せな時間になった。
次の日、目覚めたソフィア嬢は、お互いが裸でいることに恥ずかしがっているようだった。私はその恥じる姿ですら愛しく、彼女をベッドから出したくなくなってしまった。その後、彼女を深く求めすぎた結果、私は無意識に彼女を抱き潰してしまったようだ。
初めての彼女に、やり過ぎてしまったことを後悔する。この行為がソフィア嬢の負担にならないように、今後は気をつけないといけないな。
彼女が寝ている間に、クラーク侯爵家とマーティン将軍には使者を出して、彼女を見つけて保護したことを知らせておいた。
クラーク侯爵家からは、予想通りにすぐに会いたいと言われる。ソフィア嬢との婚約の為にも、すぐに会ってもらえるようにした方がいいだろう。
目覚めたソフィア嬢に、無理をさせ過ぎたことを謝る。彼女は許してくれたが、避妊薬が欲しいと言う。彼女は今すぐ子ができるのは嫌なようだ。私もソフィア嬢との子を強く望んでいるが、今は彼女を独占したい気持ちが強いので、しばらくは妊娠は望んでいない。だから、私は行為前に男性用の避妊薬を飲んでいた。
でも…、今はその事はソフィア嬢には秘密だ。避妊してないフリをして、いつ子ができてもおかしくないと思わせておこう。そうすることで、婚約・結婚と、早く話を進める理由になるし、彼女は私からは逃げることを諦めるだろう。
早速、次の日にクラーク侯爵家にソフィア嬢と一緒に行き、婚約の話をする。彼女の両親は渋々認めてくれたが、義兄は予想通りの反応だった。だから、ソフィア嬢と情を交わしていることを伝えて黙らせた。やはりあの夜に、ソフィア嬢の純潔を奪っておいて良かったと思う。
しかし、あの義兄のソフィア嬢への執着はすごい。マーティン侯爵と結婚する前に、一体何の約束をしたというのか?
ソフィア嬢に私との子ができても、子を連れて戻って来てもいいだなんて、縁起でもないことを平気で口にするあたりが、非常に気に入らないが、別に気にしていない。今後、ソフィア嬢と離れるつもりは一切ないし、義兄に戻そうとも思わない。彼女はすでに私の物だ。絶対に手放さない。
彼女は少し考え込んでいたようだが、身分を理由に自分のことは忘れて欲しいと言ってきた。
少しショックだが、彼女が断ることは予想していた。身分のことも、今の自由な生活を続けていきたいと考えているであろうことも。だから、彼女は自分の実家にも、私の元にも戻って来なかったのだろう。
でも、そんなことは関係ない。クラーク侯爵令嬢であるソフィア嬢を探す家族や、マーティン将軍から守ると話して、彼女の好きな仕事を続けていくことを認め、彼女が婚約を断れない状況にしたのだから。
ソフィア嬢は婚約が断れないことに、戸惑っているようだった。
そんな彼女は、しばらく言葉を詰まらせた後に、やっと返事をしてくれた。……良かった。これで、何の迷いもなく、彼女の全てを自分の物に出来る!
ソフィア嬢が私に恋愛感情を持っていないことは知っている。特別な存在としても見ていないことも。
しかし婚約することで、私だけのソフィア嬢として、甘やかして距離を縮めていけばいい。貴族の結婚なんて、政略結婚が多く、結婚してから愛が芽生える夫婦も沢山いるのだから。
お酒が好きらしいソフィア嬢には、特別なワインをご馳走しよう。ワインの産地で有名な、隣国から取り寄せた初夜用のワインだ。
何も知らないソフィア嬢は、頬をほんのり赤く染めて美味しいと言って飲んでいる。…本当に可愛いと思う。今夜は彼女を離せないだろうな。
クラーク侯爵家に彼女との婚約を正式に認めさせるためには、さっさと既成事実を作ってしまった方がいいだろう。特に、ソフィア嬢に妹以上の感情を持っているように見える義兄には、既成事実が必要だと思われる。
ワインを飲んで酔ったソフィア嬢は、とにかく可愛くて、その夜は私の人生で1番幸せな時間になった。
次の日、目覚めたソフィア嬢は、お互いが裸でいることに恥ずかしがっているようだった。私はその恥じる姿ですら愛しく、彼女をベッドから出したくなくなってしまった。その後、彼女を深く求めすぎた結果、私は無意識に彼女を抱き潰してしまったようだ。
初めての彼女に、やり過ぎてしまったことを後悔する。この行為がソフィア嬢の負担にならないように、今後は気をつけないといけないな。
彼女が寝ている間に、クラーク侯爵家とマーティン将軍には使者を出して、彼女を見つけて保護したことを知らせておいた。
クラーク侯爵家からは、予想通りにすぐに会いたいと言われる。ソフィア嬢との婚約の為にも、すぐに会ってもらえるようにした方がいいだろう。
目覚めたソフィア嬢に、無理をさせ過ぎたことを謝る。彼女は許してくれたが、避妊薬が欲しいと言う。彼女は今すぐ子ができるのは嫌なようだ。私もソフィア嬢との子を強く望んでいるが、今は彼女を独占したい気持ちが強いので、しばらくは妊娠は望んでいない。だから、私は行為前に男性用の避妊薬を飲んでいた。
でも…、今はその事はソフィア嬢には秘密だ。避妊してないフリをして、いつ子ができてもおかしくないと思わせておこう。そうすることで、婚約・結婚と、早く話を進める理由になるし、彼女は私からは逃げることを諦めるだろう。
早速、次の日にクラーク侯爵家にソフィア嬢と一緒に行き、婚約の話をする。彼女の両親は渋々認めてくれたが、義兄は予想通りの反応だった。だから、ソフィア嬢と情を交わしていることを伝えて黙らせた。やはりあの夜に、ソフィア嬢の純潔を奪っておいて良かったと思う。
しかし、あの義兄のソフィア嬢への執着はすごい。マーティン侯爵と結婚する前に、一体何の約束をしたというのか?
ソフィア嬢に私との子ができても、子を連れて戻って来てもいいだなんて、縁起でもないことを平気で口にするあたりが、非常に気に入らないが、別に気にしていない。今後、ソフィア嬢と離れるつもりは一切ないし、義兄に戻そうとも思わない。彼女はすでに私の物だ。絶対に手放さない。
126
お気に入りに追加
5,948
あなたにおすすめの小説
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中

愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる