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急展開
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公爵様は嬉しそうな表情だ。意味が分からない。
「ダイアナ。君が公爵家を出て行った日、私は陛下に呼び出されていたのだ。陛下の所へ行くと、そこにはマーティン将軍とクラーク卿がいた。2人は行方不明の令嬢を探していると言った。……それはダイアナのことだな?」
はははっ。弟のアーサーさんが将軍と兄が探しているって言っていたけど、そのことだったのね。
「公爵様、その場でどんな話をされたのかは分かりませんが、私は記憶が無いので、2人の顔も知りません。邸も出てしまいましたし、今は平民です。その方達には関わりたくありません。」
「関わりたくない?…ならば、尚更のこと私の婚約者になって欲しい。このままいたら、将軍達に君の居場所がバレて、連れ戻されるかもしれない。私は、命に変えても君を守る。君のやりたいことは極力叶えるようにしたいし、治療師の仕事はとても尊いものだから、公爵家の人間になっても続けて平気だろう。君のその強い治癒魔法と美しい容姿で、平民のままいるのは、誰に身を狙われるか分からないから、とにかく危険なのだ。分かって欲しい。」
そこまで言われてしまうと……
「しかし、身分が…」
「大丈夫だ。君は名門のクラーク侯爵家の令嬢で、誰もが羨ましがる強い魔力と、治癒魔法の使い手だ。家は出ていても、除籍はされてないし、君の家族は早く帰って来て欲しいと言っていた。でも、君は記憶がないから、今更帰りたくはないのだろう?」
「はい。家族の記憶が全くないので、知らない人の家に行くのと変わらないと思いますし、不幸な結婚をさせた家族に、今更会いたいかと聞かれると困ります。」
「分かった。私が君を守る。しかし、このままの関係では守るのにも限界がある。正式に婚約してしまえば、公爵家の婚約者として、堂々と君を守ることができるのだ。……ダイアナ。いや、ソフィア・クラーク侯爵令嬢。私と婚約して頂けますか?」
真っ直ぐな目で私を見つめる公爵様。
私は、逃げ道を全て塞がれたようだ…
「……はい。」
「ありがとう。心から君を愛している。一生大切すると誓おう。」
公爵様はそう言うと、私の手にキスをするのであった。
私が何とも言えない複雑な気持ちでいるのに対して、公爵様はとにかく嬉しそうだ。そんなに愛してくれているってことなのかな?女性は、愛してくれる人と結婚した方が幸せになれると聞いたことはあるけど、どうだろう。でも、ある意味で玉の輿だし。
「ダイアナではなく、これからはソフィーと呼んでもいいだろうか?」
ソフィアさんだってバレたんだもん。しょうがないよね。
「はい。大丈夫ですわ。」
その後、公爵様はオススメのワインなんだと言って、グラスにワインを注いでくれた。2人で乾杯する。
んん!確かに美味しい。さすが金持ち公爵家だわ。
「私はあまり飲めないから、ソフィーは私の分も飲んで構わないよ。」
自分はそんなに飲めないのに、わざわざ美味しいからって用意してくれたの?やっぱり優しい人なんだ…。
公爵様は、空いたグラスにまたワインを注いでくれた。
「ありがとうございます。本当に美味しいワインですわ。」
そのまま、ワインをおかわりして飲んでいたら、酔いが回ってきたのかクラクラしてきたようだ。体も熱いような気がする。……ん?体がおかしいような?お酒を飲んで、こんな風になるのは初めてかも。庶民が飲み慣れてない、高いお酒を沢山飲んだからかな?
あれ?何だか体が疼くような…。何だろう?
「ソフィー?顔が少し赤いな。ワインに酔ってしまったか?今日はもう遅いから、ここに泊まっていくといい。…大丈夫か?部屋まで運ぶぞ。」
公爵様は軽々と私をお姫様抱っこしてくれた。しかし、体がおかしい。抱っこするのに触れられただけでなのに、
「あっ…。」
体が敏感になっていて、恥ずかしい声が!ええー?
「そんな隙だらけの顔は、私以外に見せてはいけないからな。」
ポーっとしてしまう私。気がつくと、ベッドに寝かされていた。
……あれっ?公爵様までベッドにいる。
「ソフィー、今すぐ確実に私の物にしたいのだ。優しくするから、許してくれ。……愛してる。誰にも渡さない。」
酔いが回ってトロンとする私に、公爵様はチュッチュと沢山のキスを落とす。段々とキスが深くなり、服を脱がされる私。
「んんっ。…はあっ。」
「ソフィー、可愛いな…。」
酔っぱらいの私は、何も考えられなくなっていた。
「ダイアナ。君が公爵家を出て行った日、私は陛下に呼び出されていたのだ。陛下の所へ行くと、そこにはマーティン将軍とクラーク卿がいた。2人は行方不明の令嬢を探していると言った。……それはダイアナのことだな?」
はははっ。弟のアーサーさんが将軍と兄が探しているって言っていたけど、そのことだったのね。
「公爵様、その場でどんな話をされたのかは分かりませんが、私は記憶が無いので、2人の顔も知りません。邸も出てしまいましたし、今は平民です。その方達には関わりたくありません。」
「関わりたくない?…ならば、尚更のこと私の婚約者になって欲しい。このままいたら、将軍達に君の居場所がバレて、連れ戻されるかもしれない。私は、命に変えても君を守る。君のやりたいことは極力叶えるようにしたいし、治療師の仕事はとても尊いものだから、公爵家の人間になっても続けて平気だろう。君のその強い治癒魔法と美しい容姿で、平民のままいるのは、誰に身を狙われるか分からないから、とにかく危険なのだ。分かって欲しい。」
そこまで言われてしまうと……
「しかし、身分が…」
「大丈夫だ。君は名門のクラーク侯爵家の令嬢で、誰もが羨ましがる強い魔力と、治癒魔法の使い手だ。家は出ていても、除籍はされてないし、君の家族は早く帰って来て欲しいと言っていた。でも、君は記憶がないから、今更帰りたくはないのだろう?」
「はい。家族の記憶が全くないので、知らない人の家に行くのと変わらないと思いますし、不幸な結婚をさせた家族に、今更会いたいかと聞かれると困ります。」
「分かった。私が君を守る。しかし、このままの関係では守るのにも限界がある。正式に婚約してしまえば、公爵家の婚約者として、堂々と君を守ることができるのだ。……ダイアナ。いや、ソフィア・クラーク侯爵令嬢。私と婚約して頂けますか?」
真っ直ぐな目で私を見つめる公爵様。
私は、逃げ道を全て塞がれたようだ…
「……はい。」
「ありがとう。心から君を愛している。一生大切すると誓おう。」
公爵様はそう言うと、私の手にキスをするのであった。
私が何とも言えない複雑な気持ちでいるのに対して、公爵様はとにかく嬉しそうだ。そんなに愛してくれているってことなのかな?女性は、愛してくれる人と結婚した方が幸せになれると聞いたことはあるけど、どうだろう。でも、ある意味で玉の輿だし。
「ダイアナではなく、これからはソフィーと呼んでもいいだろうか?」
ソフィアさんだってバレたんだもん。しょうがないよね。
「はい。大丈夫ですわ。」
その後、公爵様はオススメのワインなんだと言って、グラスにワインを注いでくれた。2人で乾杯する。
んん!確かに美味しい。さすが金持ち公爵家だわ。
「私はあまり飲めないから、ソフィーは私の分も飲んで構わないよ。」
自分はそんなに飲めないのに、わざわざ美味しいからって用意してくれたの?やっぱり優しい人なんだ…。
公爵様は、空いたグラスにまたワインを注いでくれた。
「ありがとうございます。本当に美味しいワインですわ。」
そのまま、ワインをおかわりして飲んでいたら、酔いが回ってきたのかクラクラしてきたようだ。体も熱いような気がする。……ん?体がおかしいような?お酒を飲んで、こんな風になるのは初めてかも。庶民が飲み慣れてない、高いお酒を沢山飲んだからかな?
あれ?何だか体が疼くような…。何だろう?
「ソフィー?顔が少し赤いな。ワインに酔ってしまったか?今日はもう遅いから、ここに泊まっていくといい。…大丈夫か?部屋まで運ぶぞ。」
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「あっ…。」
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酔いが回ってトロンとする私に、公爵様はチュッチュと沢山のキスを落とす。段々とキスが深くなり、服を脱がされる私。
「んんっ。…はあっ。」
「ソフィー、可愛いな…。」
酔っぱらいの私は、何も考えられなくなっていた。
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