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閑話 エドワーズ公爵 7

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 私達が登城している間に、どうしてソフィア嬢は公爵邸を出て行ったのか、何があったのかを弟から説明させる。更に家令とメイド長が、出て行かないで欲しいと止めたが、命令だから出て行くと言って、すぐに出て行ってしまったという話も。そして、保護していると言いながら、こんなことになってしまったことを、私から謝罪するが…

「エドワーズ公爵閣下。私の大切なソフィアを保護して下さっていたことは、大変感謝しています。しかし、公爵閣下はソフィアをどのように扱っていたのでしょう?公爵閣下の家族が、愛人と勘違いするような扱いをしていたのでしょうか?しかも、弟様がされたことを見ると、ソフィアはあまりエドワーズ公爵家では歓迎されてなかったようですね。」

 クラーク卿からは怒りしか感じられない。可愛い義妹に会えると思っていたのに、その義妹が愛人呼ばわりされて、邸から追い出されたなんて、怒って当然だな。

「そう言われても仕方がないな。本当に申し訳ない。」

 今の私には、謝ることしか出来ないのだ…。

「大切なソフィアをこのような所に嫁がせようとは、私は全く思いません。不安しかありませんから。今後は軽々しくソフィアを愛してるとか、婚約を申し込むとか口にしないで頂きたいと思います。ソフィアはクラーク侯爵家で捜索いたしますので、どうかご心配なく。今までありがとうございました。」

 クラーク卿の言葉一つ一つに棘がある。何も言い返せなかった…。私はソフィア嬢を大切にしているつもりだったが、ただそれだけのこと。結局、彼女を守れなかったのだから。

 彼女に愛を伝えて、婚約を真剣に考えていることを話していればよかったと今更後悔する。
 何も知らない彼女は、愛人だと思われたくないからと、この邸から出て行くことを選んだのだろう。

「クラーク卿!兄は悪くありません。今回のことは全て私が悪いのです。本当に申し訳ありませんでした。」
 
「貴方がした事は、エドワーズ公爵家がしたことに変わりはありませんから。…もう大丈夫です。エドワーズ公爵家には感謝してます。私はソフィアを捜しに行きたいので、これで失礼させて頂きます。」

 クラーク卿はそう言って帰って行った。そしてマーティン将軍は、恐ろしいくらいの無表情のまま、弟や家令、馬車でソフィア嬢を送った御者に細かく状況を聞いた後、捜索をするからと言って帰って行った。

 ソフィア嬢は、クラーク侯爵家やマーティン将軍より先に見つけ出さなければならない。
 クラーク卿やマーティン将軍が先に彼女を見つけたら、私は彼女に今後は会わせてもらえなくなる可能性がある。私はそれだけのことをしてしまったのだから…。


 彼女は誰にも渡したくない。絶対に探し出してやる。



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