記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ

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知り合い?

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 その後は、お酒の力もありみんなで楽しく会話をした。アマリアさんと彼氏は仲良しね。美男美女の素敵なカップルだわ。
 果実酒おいしー!チキンも、サラダも、パスタもおいしー!

「ダイアナ、こっちのステーキも美味しいぞ。ほら、お皿に取ってやる。」

 気づくとオリバーさんは隣にいて、お肉を取ってくれたり、お酒を進めてくれたりと、私の世話を焼いてくれていた。

「ありがとうございます。」

 親切にしてくれている人には、笑顔で接することにしている私。

 そろそろいい時間だ。明日は週末で仕事は休みだから、この後帰ったら、ゆっくりお湯に浸かって、明日はのんびり過ごそう。

「ダイアナ、帰りはオリバーさんに送ってもらいなさい。」

 アマリアさんは優しい姉さんだ。でも人通りが多い道しか歩かないから、1人で平気だよね。

「いえ、寮まで近いので1人で大丈夫ですわ。そこまで酔ってはいませんし。」

「ダメだ!私が送る。ほら、ダイアナ行くぞ。」

 気づくと、オリバーさんに手を引かれて街中を歩いていた。何だか気不味いな…。クールそうに見えて、実は強引なのね。
 あれ?今気付いたけど、街灯の光がとっても綺麗だ。夜の街歩きもたまにはいいかも。何だかテーマパークに来ているみたいだ。

「…ダイアナ?どうした?」

「街灯に照らされた街が綺麗だと思いまして。こんな風に夜に歩くことは今までなかったものですから。」

「そうか…。明日は休みだと言っていたな。少し遠回りして、街を見ながら帰るか?」

 神殿があって栄えているこの街は、夜景も綺麗だからいいかも!

「いいのですか?」

「ああ。そうしよう。」

 オリバーさんは何も言って来ないけど、本当にソフィアさんの古い友人なのかもね。一緒にいて安心出来る気がするし、手を繋がれても嫌な気はしない。

 その後、夜の街歩きをした後に、オリバーさんは私の寮まで送ってくれた。ちなみにオリバーさんも、私の寮のすぐ近くの聖騎士団の寮に住んでいるらしい。近くに住んでいるから、時間のある時は一緒に食事に行こうと言ってくれた。
 私はよく分からない異世界で、イケメンのメシ友をゲットしたらしい。まあ、友人はまだ少ないから、ラッキーだね。

 休日明けの出勤日。

「ダイアナおはよう!ねぇ、あの後、オリバーさんとどうだったの?2人がいい感じだったから、気になっちゃって!」

 アマリアさんがニヤニヤして聞いてくる。いい感じって言われるような雰囲気にはなってないけどなぁ。

「おはようございます。あの後、親切に寮まで送ってくれましたわ。それより、アマリアさんは恋人の彼と仲良しですね!素敵なカップルで羨ましいですわ。」

「もう、ダイアナったら!私達のことはいいのよー!それよりも、あのオリバーさんがダイアナにべったりだったことが、クリスと私で驚いちゃって。ダイアナと友人になりたがっていたのはノアくんだったのにね。偶然暇で同席しただけのオリバーさんが、ダイアナを離さないから、もうビックリよ!このまま付き合えばいいのに。」

「えっと、付き合うって感じの雰囲気にはなってないですよ。ただ面倒見の良い人ですね。」

「オリバーさんはね、あの若さで部隊長を任されるくらい凄い人だし、実家は伯爵家らしいし、あの見た目だからモテるのよ!面倒見の良い人だけで終わらせないで、ちゃんと捕まえておきなさいね。」

 あー、確かにモテそうだわね。しかも伯爵家の人?やっぱりソフィアさんの親戚とか、幼馴染とかの人だったりする?でも、何も言ってこないからなぁ。
 オリバーさんが何も聞いて来ない限りは、ダイアナとして普通にメシ友でいよう。

 アマリアさんは付き合っちゃえばとか言ってるけど、前世からずっとまともな恋愛経験のない私には、ちょっとねー。

 今思い出したけど、恋愛経験の殆どない私にも、苦かった思い出がある。
 私には前世の頃に好きになった先輩がいた。大学のサークルの先輩で、都合のいい時に私のアパートに来て、ご飯を食べて、ヤるだけの関係。男みたいな私を可愛いって言ってくれて、私の作ったご飯も美味しいって食べてくれて、何も知らない私は純粋に嬉しかった。でも、後で本命の可愛い彼女がいるのを知って、あの時は泣いたよね。先輩は私を遊びの浮気相手か、暇つぶしか、セフレくらいにしか思ってなかったんだろうね。だから生まれ変わった今でも、男性に対しては疑い深くなっていると思う。

 しかし。オリバーさんは仕事の合間や、仕事終わりによく私の所に来ては、食事に誘ってくれたり、お菓子を差し入れてくれたりしてくれるようになる。一緒に歩けば普通に手を繋いでくるし、やたら私の世話を焼きたがる。……私って、妹みたいなのかな?

「ダイアナ!みんなオリバーさんとダイアナは付き合っているって思ってるわよ。オリバーさんがあんなにダイアナにベタベタしているから、ダイアナに気がある、他の男の子達が近付けなくなってるみたいだし。本当はもう付き合ってたりしてー!ふふっ。」

 違うし!
 

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