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閑話 エドワーズ公爵 1
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私は名門のエドワーズ公爵家の嫡男として生まれた。
母は元王女で、国王は私の従兄弟になる。家族はみんな仲良く、自分でも恵まれた家庭に生まれて、幸せだと思っていた。
公爵家の跡取りとして、子供の頃から厳しい教育を受け、剣術も誰にも負けないくらいの腕前になった私は、公爵家の騎士団でも活動するようになった。
公爵家の領地はとても広く、領地の中には大きな街や森などが沢山ある。広い領地の治安維持の為に、規模の大きな騎士団を持っており、その騎士団を統括するのも、公爵家の大切な仕事なのだ。
ある日、領内の森に魔物が現れたということで、騎士団で討伐に行くことになった。勿論、私も参加する。
魔物の目撃情報のあった、森の奥深い場所に入って行く。すると目撃情報の通り、上級の魔物が沢山いる。
公爵家の騎士達は、レベルの高い騎士ばかりで、魔物達をどんどん倒していく。
沢山の魔物を討伐し、もう全部倒しただろうと思った時だった。奥から、巨大なバシリスクが出てきたのだ。
気付いて直ぐに斬りつける私。しかし、斬りつけた時に、返り血が左腕にかかってしまう。バシリスクは全身に猛毒を持つ魔物だ。急いで解毒剤を使用し、その場は切り抜ける。
しかし後日、バシリスクの血液がかかったところの皮膚が変色してくる。変色した皮膚は、徐々にバシリスクのような皮膚になってきているのだ。
医師や治療師に診てもらうが、解決策が見つからない。どうやら、これは魔物の呪いらしい。しかも、少しずつであるが患部が年単位で広がってきている。バシリスクのような緑色の、見ていて気分が悪くなる皮膚。今は包帯で隠しているか、この先はどうなるかは分からない。
私は深く絶望した。しかし、公爵家の嫡男としてやるべきことは沢山ある。いつまで出来るかは分からないが、自分を大切にしてくれた両親や弟のためにも、腐るわけにはいかない。そう思って、今後も公爵家の為に働く事に決めた私だった。働くことで、気を紛らわせたかったという思いもある。
両親や弟も、今後も私が跡取りとしていることを強く望んでくれたのも嬉しく感じた。
しかし結婚は諦めた。こんな私を受け入れてくれる女性はいないだろうし、この腕を見せて拒絶されるのが怖かったのもある。バケモノだなんて言われたら、立ち直る自信がない。
幸いなことに、自分に何かあっても優秀な弟がいるし、もし弟が嫌がっても、弟の未来の子供を養子に迎えればいいだろうから、何の問題もない。
特に何の趣味もなく、ただひたすら働いていた私の楽しみは、仕事の合間に気分転換に街を歩くことだった。直接、領民と触れ合えるし、生活の様子が見れる。
領民の店で食事をしたり、お茶をしたり、街の子供達とおしゃべりをしたりするのは、自分にとっては大切な時間だった。その時間だけは、肩の力を抜いていられるのだから。
そんな日々を送っていたある日。行きつけの食堂に行くと、見たことがない美少女が働いている。その少女は、ほとんどは裏方の仕事らしいが、店が混んでくると店先に出てきて、女将の仕事を手伝っているようだった。
見ていて気付くが、どう見ても平民には見えなかった。言葉遣いが綺麗だし、身のこなしが美しく、品がある。没落した貴族の令嬢か?あんな美少女は平民では滅多に見ないし、あの美しい蜂蜜色の髪や、パッチリした緑色の瞳も貴族っぽい。
しかし、元貴族とは思えないほどテキパキ働き、平民がよく来るような店なのに、丁寧に接客している。あんな美少女に、笑顔で接客されている騎士や文官達は、顔を赤くしているし、彼女に見惚れている客もいる。…これは危険だな。彼女は何も気付いてないが、女将が心配そうに見つめているし。
貴族令嬢だったなら、労働なんてしたことは無いだろうし、没落したなら、それなりにつらい思いもしてきただろう。にも関わらず、あんなに楽しそうに、一生懸命に働く彼女に対して、私は無意識に好感を持っていたようだ。
その店に来ると、無意識に彼女の姿を目で追っていたことは、後で気付くのであった。
母は元王女で、国王は私の従兄弟になる。家族はみんな仲良く、自分でも恵まれた家庭に生まれて、幸せだと思っていた。
公爵家の跡取りとして、子供の頃から厳しい教育を受け、剣術も誰にも負けないくらいの腕前になった私は、公爵家の騎士団でも活動するようになった。
公爵家の領地はとても広く、領地の中には大きな街や森などが沢山ある。広い領地の治安維持の為に、規模の大きな騎士団を持っており、その騎士団を統括するのも、公爵家の大切な仕事なのだ。
ある日、領内の森に魔物が現れたということで、騎士団で討伐に行くことになった。勿論、私も参加する。
魔物の目撃情報のあった、森の奥深い場所に入って行く。すると目撃情報の通り、上級の魔物が沢山いる。
公爵家の騎士達は、レベルの高い騎士ばかりで、魔物達をどんどん倒していく。
沢山の魔物を討伐し、もう全部倒しただろうと思った時だった。奥から、巨大なバシリスクが出てきたのだ。
気付いて直ぐに斬りつける私。しかし、斬りつけた時に、返り血が左腕にかかってしまう。バシリスクは全身に猛毒を持つ魔物だ。急いで解毒剤を使用し、その場は切り抜ける。
しかし後日、バシリスクの血液がかかったところの皮膚が変色してくる。変色した皮膚は、徐々にバシリスクのような皮膚になってきているのだ。
医師や治療師に診てもらうが、解決策が見つからない。どうやら、これは魔物の呪いらしい。しかも、少しずつであるが患部が年単位で広がってきている。バシリスクのような緑色の、見ていて気分が悪くなる皮膚。今は包帯で隠しているか、この先はどうなるかは分からない。
私は深く絶望した。しかし、公爵家の嫡男としてやるべきことは沢山ある。いつまで出来るかは分からないが、自分を大切にしてくれた両親や弟のためにも、腐るわけにはいかない。そう思って、今後も公爵家の為に働く事に決めた私だった。働くことで、気を紛らわせたかったという思いもある。
両親や弟も、今後も私が跡取りとしていることを強く望んでくれたのも嬉しく感じた。
しかし結婚は諦めた。こんな私を受け入れてくれる女性はいないだろうし、この腕を見せて拒絶されるのが怖かったのもある。バケモノだなんて言われたら、立ち直る自信がない。
幸いなことに、自分に何かあっても優秀な弟がいるし、もし弟が嫌がっても、弟の未来の子供を養子に迎えればいいだろうから、何の問題もない。
特に何の趣味もなく、ただひたすら働いていた私の楽しみは、仕事の合間に気分転換に街を歩くことだった。直接、領民と触れ合えるし、生活の様子が見れる。
領民の店で食事をしたり、お茶をしたり、街の子供達とおしゃべりをしたりするのは、自分にとっては大切な時間だった。その時間だけは、肩の力を抜いていられるのだから。
そんな日々を送っていたある日。行きつけの食堂に行くと、見たことがない美少女が働いている。その少女は、ほとんどは裏方の仕事らしいが、店が混んでくると店先に出てきて、女将の仕事を手伝っているようだった。
見ていて気付くが、どう見ても平民には見えなかった。言葉遣いが綺麗だし、身のこなしが美しく、品がある。没落した貴族の令嬢か?あんな美少女は平民では滅多に見ないし、あの美しい蜂蜜色の髪や、パッチリした緑色の瞳も貴族っぽい。
しかし、元貴族とは思えないほどテキパキ働き、平民がよく来るような店なのに、丁寧に接客している。あんな美少女に、笑顔で接客されている騎士や文官達は、顔を赤くしているし、彼女に見惚れている客もいる。…これは危険だな。彼女は何も気付いてないが、女将が心配そうに見つめているし。
貴族令嬢だったなら、労働なんてしたことは無いだろうし、没落したなら、それなりにつらい思いもしてきただろう。にも関わらず、あんなに楽しそうに、一生懸命に働く彼女に対して、私は無意識に好感を持っていたようだ。
その店に来ると、無意識に彼女の姿を目で追っていたことは、後で気付くのであった。
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