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ドレスとアクセサリー
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王子殿下から手紙が届いた数日後、王妃殿下のデザイナーが採寸をしにやって来た。
「ベネット伯爵令嬢。ドレスのデザインは私どもに任せて頂けますでしょうか?」
そこまでドレスにこだわりはない私。
それに、王族御用達の凄いデザイナーさんに物申すほど、私は身の程知らずではないからね。
「勿論ですわ。すべてお任せ致します。」
「ありがとうございます。
ところで、参考までにお聞きしておきたいのですが、ベネット伯爵令嬢は、嫌いな宝石や色はありますでしょうか?
好みではない色のドレスや宝石は避けるようにはしたいと考えておりますので。」
「ご配慮ありがとうございます。
特に嫌いな色や宝石はありませんが、派手な色味は避けて頂けましたら有り難いですわ」
今の私は、白い結婚で出戻ったばかりの、噂の渦中の人物だからね。派手にして目立ちたくはないのよ。
「畏まりました。
ベネット伯爵令嬢は華やかでお美しい方ですから、派手な装飾や色味のドレスは私も必要ないと思っております。
問題はあの方……。」
「あの方とは…?」
「い、いえ。失礼致しました。
デザイナーの私としては、派手になり過ぎず、清楚な感じのデザインを目指したいと思っておりますわ。」
「目指す…?」
「え…、ええ。夜会の一週間前くらいにはお届け出来るように頑張りますわ。」
「頑張る…?」
「失礼致しました。素敵なベネット伯爵令嬢のドレスをデザインすることは、デザイナーにとって腕の鳴る仕事でございますので、今日は急ぎで戻りまして、デザインを考えたいと思っております。」
その言葉を残して、デザイナーさんは帰って行った。
会話の最後の方に、デザイナーさんの笑顔が若干引き攣っていたような気がする…。
もしかして、王室御用達の凄いデザイナーさんだから、戴冠式やパーティーなどに着るドレスの注文が殺到して忙しいのかもしれないわね。王子殿下の依頼は断れないだろうし。
ドレスを届けてくれた時に、デザイナーさんに何かお礼の品でも用意しておこうか。
結局、王子殿下がプレゼントしてくれたドレスとアクセサリーは、パーティーの5日前に届けられた。
さすが王妃殿下のデザイナーさんのドレスだけあって、とても素敵なドレスだ。
薄い菫色の上品なドレスには、小さなダイヤモンドが沢山散りばめられて、キラキラと輝いている。これはおいくら万円ですか?…と聞きたいくらい高そうなドレスだ。キラキラしてるから、派手ではないけれど目立ってしまいそう。
そしてドレスと一緒に贈られたアメジストのネックレスがヤバい。婚約者じゃあるまいし、こんな首が凝りそうな大きなアメジストのネックレスなんて贈るの?
殿下って前世で見慣れた黒髪に、目は紫色だったよね。このネックレスは周りから勘違いされるのでは?
エイベル伯爵令嬢に見つかったら、階段から突き落とされるレベルじゃない?
私は、疲れ切った顔でドレスの微調整をしてくれているデザイナーさんに聞いてみることにした。
「このネックレスは私は着けなくてはならないのでしょうか?
とても素敵だと思いますが、友人という立場でこのネックレスを着けたら、周りから勘違いされてしまうのではと不安になりまして。」
私の言葉を聞いたデザイナーさんは、深刻そうな表情でネックレスの説明をしてくれるのであった。
「王子殿下自らアメジストの原石から選ばれまして、我が国の名匠と呼ばれる職人に加工を依頼して作らせた、最高級品のネックレスだとお聞きしておりますわ。
それゆえ、ベネット伯爵令嬢がそのネックレスを着けてくれることを、王子殿下はとても楽しみにしておられると思います。」
我が国の名匠って言った?人間国宝みたいな人のことかな?
王子殿下はこのネックレスに幾らかけたのよ?
白目を剥きそうになるのを何とか堪える私に、デザイナーさんは、また凄い内容の話をするのであった。
「ベネット伯爵令嬢。ドレスのデザインは私どもに任せて頂けますでしょうか?」
そこまでドレスにこだわりはない私。
それに、王族御用達の凄いデザイナーさんに物申すほど、私は身の程知らずではないからね。
「勿論ですわ。すべてお任せ致します。」
「ありがとうございます。
ところで、参考までにお聞きしておきたいのですが、ベネット伯爵令嬢は、嫌いな宝石や色はありますでしょうか?
好みではない色のドレスや宝石は避けるようにはしたいと考えておりますので。」
「ご配慮ありがとうございます。
特に嫌いな色や宝石はありませんが、派手な色味は避けて頂けましたら有り難いですわ」
今の私は、白い結婚で出戻ったばかりの、噂の渦中の人物だからね。派手にして目立ちたくはないのよ。
「畏まりました。
ベネット伯爵令嬢は華やかでお美しい方ですから、派手な装飾や色味のドレスは私も必要ないと思っております。
問題はあの方……。」
「あの方とは…?」
「い、いえ。失礼致しました。
デザイナーの私としては、派手になり過ぎず、清楚な感じのデザインを目指したいと思っておりますわ。」
「目指す…?」
「え…、ええ。夜会の一週間前くらいにはお届け出来るように頑張りますわ。」
「頑張る…?」
「失礼致しました。素敵なベネット伯爵令嬢のドレスをデザインすることは、デザイナーにとって腕の鳴る仕事でございますので、今日は急ぎで戻りまして、デザインを考えたいと思っております。」
その言葉を残して、デザイナーさんは帰って行った。
会話の最後の方に、デザイナーさんの笑顔が若干引き攣っていたような気がする…。
もしかして、王室御用達の凄いデザイナーさんだから、戴冠式やパーティーなどに着るドレスの注文が殺到して忙しいのかもしれないわね。王子殿下の依頼は断れないだろうし。
ドレスを届けてくれた時に、デザイナーさんに何かお礼の品でも用意しておこうか。
結局、王子殿下がプレゼントしてくれたドレスとアクセサリーは、パーティーの5日前に届けられた。
さすが王妃殿下のデザイナーさんのドレスだけあって、とても素敵なドレスだ。
薄い菫色の上品なドレスには、小さなダイヤモンドが沢山散りばめられて、キラキラと輝いている。これはおいくら万円ですか?…と聞きたいくらい高そうなドレスだ。キラキラしてるから、派手ではないけれど目立ってしまいそう。
そしてドレスと一緒に贈られたアメジストのネックレスがヤバい。婚約者じゃあるまいし、こんな首が凝りそうな大きなアメジストのネックレスなんて贈るの?
殿下って前世で見慣れた黒髪に、目は紫色だったよね。このネックレスは周りから勘違いされるのでは?
エイベル伯爵令嬢に見つかったら、階段から突き落とされるレベルじゃない?
私は、疲れ切った顔でドレスの微調整をしてくれているデザイナーさんに聞いてみることにした。
「このネックレスは私は着けなくてはならないのでしょうか?
とても素敵だと思いますが、友人という立場でこのネックレスを着けたら、周りから勘違いされてしまうのではと不安になりまして。」
私の言葉を聞いたデザイナーさんは、深刻そうな表情でネックレスの説明をしてくれるのであった。
「王子殿下自らアメジストの原石から選ばれまして、我が国の名匠と呼ばれる職人に加工を依頼して作らせた、最高級品のネックレスだとお聞きしておりますわ。
それゆえ、ベネット伯爵令嬢がそのネックレスを着けてくれることを、王子殿下はとても楽しみにしておられると思います。」
我が国の名匠って言った?人間国宝みたいな人のことかな?
王子殿下はこのネックレスに幾らかけたのよ?
白目を剥きそうになるのを何とか堪える私に、デザイナーさんは、また凄い内容の話をするのであった。
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