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お茶会 2
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エイベル伯爵令嬢が婚約したと聞いて、アップルパイを食べていた私はむせてしまった。
「エレノア、大丈夫か?ほら、水だ!」
急に大人のような振る舞いが出来るようになった、王子殿下に水をもらう。
アンタの変わりようにもビックリなんだけど。
「ゲホッ…。あ、ありがとうございます。」
「母上、聞きたくもないあの女の話を急にするから、エレノアが驚いてしまったではないですか!」
「あら、そんなに怒らないでちょうだい。
マテオはエレノアのことになると、すぐカッとなるんだから…。
怒りっぽい男は選ばれないわよ。」
「母上!」
私の目の前で親子喧嘩はやめて欲しいわ。
この2人の親子喧嘩を止められるのは、この国では国王陛下と王太子殿下くらいしかいないのだから。
「…分かったわよ。
エレノア、大丈夫?驚かせて悪かったわね。」
「大丈夫ですわ。私の方こそ失礼致しました。
その…、エイベル伯爵令嬢はどなたと婚約されたのでしょうか?」
「キートン子爵よ。」
「え…?」
「キートン子爵はね、辺境伯爵の分家の田舎貴族……じゃなくて、辺境の領地の子爵家よ。」
今、田舎貴族ってさり気なくディスってなかった?
「キートン子爵様ですか?あまり社交ではお会いしたことはないのですが、どのようなお方なのでしょう?」
「キートン子爵は辺境伯と一緒に国境を守っている騎士の家門ね。
見た目はゴリラ……じゃなくて、屈強な男らしい騎士だったと思うわ。」
今、はっきりゴリラって言ったよね…
王妃殿下と王子殿下って、時々口が悪くなるところが似ていると思う。
王妃殿下は、そんなところが親しみやすいから好きなのだけど。
「エイベル伯爵令嬢の好みの殿方ではないような気がしますが…。」
だってエイベル伯爵令嬢の好きな人は、今私の目の前で、なぜかニコニコしてチョコケーキを食べているこの男だからね。
「キートン子爵は忙し過ぎて、30過ぎてもなかなか良い相手に出会えなかったらしくてね…。
エイベル伯爵令嬢が婚約者を探していることを偶然耳にした辺境伯が、2人の仲を取り持ってあげたらしいわよ。」
30過ぎって言ってるけど、実際は何歳なんだろうね?
辺境伯は公爵家くらいの権力があるから、エイベル伯爵家もその縁談を断れなかったのかな。
「そうでしたか…。エイベル伯爵令嬢は、最低でも伯爵家以上の人と結婚するとよく話していましたし、華やかな暮らしを好まれる方だったと思いましたので、辺境のお方と婚約されるなんて意外でしたわ。」
伯爵家以上と口にしつつ、しっかりこの王子殿下を狙っていたからね。
周りの令嬢を常に牽制しまくっていたし、王子殿下に近付く女を見る目はスナイパーのようだった。
「それがね、キートン子爵は早く結婚したいからと、婚約期間は半年までしか待てないと言ってきたらしいわよ。
エイベル伯爵令嬢をそこまで気に入ったのね。」
30過ぎの男から見たら、20歳過ぎたばかりの令嬢は可愛いだろうね。跡継ぎも早く欲しいのかもな…。
「そこまで強く望まれて結婚するなんて、エイベル伯爵令嬢が羨ましいですわ。
容姿なんて関係無いと思うのです。
たとえ見た目がゴリラでも、馬でも、ブタだったとしても…、自分だけを大切に愛してくれるようなお方と結婚した方が、女性は絶対に幸せでしょうから。」
見た目だけの男に騙された、私の正直な考えを話したつもりだったのだが…
「「………。」」
え…?2人とも急に深刻な顔をして黙ってしまったけど何で?
「……エレノア。それよりも、あの娼婦と伯爵は離縁したんだってな。
大変だったと聞いているぞ。縁が切れて良かったじゃないか!
こう見えて私は心配していたんだ。」
あの王子殿下が何故か必死に話題を変えようとしている。学園時代とは違って、優しい口調になったよね。
この王子も20歳過ぎて、性格が丸くなってきたのかな…?
「そうよ!泥棒猫が出て行ってくれて良かったわね。
ロジャース伯爵家も少しは平和になったのではなくて?」
「ええ。色々ありましたが、殺されそうになる前に邸を出て行ってくれたので、本当に助かりましたわ。」
「「殺されそう…?」」
あっ、つい口が滑ってしまったわ…
ヤバいわね。2人とも固まってしまったわ。
「目で殺されるかと思ったということですわ。
おほほ…。失礼いたしました。」
必死に誤魔化す鬼嫁だった。
「エレノア、大丈夫か?ほら、水だ!」
急に大人のような振る舞いが出来るようになった、王子殿下に水をもらう。
アンタの変わりようにもビックリなんだけど。
「ゲホッ…。あ、ありがとうございます。」
「母上、聞きたくもないあの女の話を急にするから、エレノアが驚いてしまったではないですか!」
「あら、そんなに怒らないでちょうだい。
マテオはエレノアのことになると、すぐカッとなるんだから…。
怒りっぽい男は選ばれないわよ。」
「母上!」
私の目の前で親子喧嘩はやめて欲しいわ。
この2人の親子喧嘩を止められるのは、この国では国王陛下と王太子殿下くらいしかいないのだから。
「…分かったわよ。
エレノア、大丈夫?驚かせて悪かったわね。」
「大丈夫ですわ。私の方こそ失礼致しました。
その…、エイベル伯爵令嬢はどなたと婚約されたのでしょうか?」
「キートン子爵よ。」
「え…?」
「キートン子爵はね、辺境伯爵の分家の田舎貴族……じゃなくて、辺境の領地の子爵家よ。」
今、田舎貴族ってさり気なくディスってなかった?
「キートン子爵様ですか?あまり社交ではお会いしたことはないのですが、どのようなお方なのでしょう?」
「キートン子爵は辺境伯と一緒に国境を守っている騎士の家門ね。
見た目はゴリラ……じゃなくて、屈強な男らしい騎士だったと思うわ。」
今、はっきりゴリラって言ったよね…
王妃殿下と王子殿下って、時々口が悪くなるところが似ていると思う。
王妃殿下は、そんなところが親しみやすいから好きなのだけど。
「エイベル伯爵令嬢の好みの殿方ではないような気がしますが…。」
だってエイベル伯爵令嬢の好きな人は、今私の目の前で、なぜかニコニコしてチョコケーキを食べているこの男だからね。
「キートン子爵は忙し過ぎて、30過ぎてもなかなか良い相手に出会えなかったらしくてね…。
エイベル伯爵令嬢が婚約者を探していることを偶然耳にした辺境伯が、2人の仲を取り持ってあげたらしいわよ。」
30過ぎって言ってるけど、実際は何歳なんだろうね?
辺境伯は公爵家くらいの権力があるから、エイベル伯爵家もその縁談を断れなかったのかな。
「そうでしたか…。エイベル伯爵令嬢は、最低でも伯爵家以上の人と結婚するとよく話していましたし、華やかな暮らしを好まれる方だったと思いましたので、辺境のお方と婚約されるなんて意外でしたわ。」
伯爵家以上と口にしつつ、しっかりこの王子殿下を狙っていたからね。
周りの令嬢を常に牽制しまくっていたし、王子殿下に近付く女を見る目はスナイパーのようだった。
「それがね、キートン子爵は早く結婚したいからと、婚約期間は半年までしか待てないと言ってきたらしいわよ。
エイベル伯爵令嬢をそこまで気に入ったのね。」
30過ぎの男から見たら、20歳過ぎたばかりの令嬢は可愛いだろうね。跡継ぎも早く欲しいのかもな…。
「そこまで強く望まれて結婚するなんて、エイベル伯爵令嬢が羨ましいですわ。
容姿なんて関係無いと思うのです。
たとえ見た目がゴリラでも、馬でも、ブタだったとしても…、自分だけを大切に愛してくれるようなお方と結婚した方が、女性は絶対に幸せでしょうから。」
見た目だけの男に騙された、私の正直な考えを話したつもりだったのだが…
「「………。」」
え…?2人とも急に深刻な顔をして黙ってしまったけど何で?
「……エレノア。それよりも、あの娼婦と伯爵は離縁したんだってな。
大変だったと聞いているぞ。縁が切れて良かったじゃないか!
こう見えて私は心配していたんだ。」
あの王子殿下が何故か必死に話題を変えようとしている。学園時代とは違って、優しい口調になったよね。
この王子も20歳過ぎて、性格が丸くなってきたのかな…?
「そうよ!泥棒猫が出て行ってくれて良かったわね。
ロジャース伯爵家も少しは平和になったのではなくて?」
「ええ。色々ありましたが、殺されそうになる前に邸を出て行ってくれたので、本当に助かりましたわ。」
「「殺されそう…?」」
あっ、つい口が滑ってしまったわ…
ヤバいわね。2人とも固まってしまったわ。
「目で殺されるかと思ったということですわ。
おほほ…。失礼いたしました。」
必死に誤魔化す鬼嫁だった。
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