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ワガママ
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鬼嫁業務よりも、自身の事業が忙しいエレノア20歳です。
事業が忙しいので、寝ている時以外は、執務室か出掛けていることが多く、伯爵様やアブスに会うことは殆どない状態。
というか、アブスが嫁いで来てから、一度も顔を合わせてないの…。
メイド長から聞いたのだけど、伯爵様から邸内を勝手に歩き回ることを禁止されているらしい。
それにも関わらず、真夜中にセクシーなナイトドレス姿で邸内をフラフラ歩き回り、旦那様の寝室を探している姿を、偶然、住み込みの使用人が見つけてしまったらしい。
幽霊だと勘違いした使用人が大声で叫んでしまい、駆けつけた他の使用人達にセクシーな姿を見られ、起きて来た伯爵様に厳しく怒られ、大恥をかいたアブスは、しばらくは部屋から出ることを禁止されたようなのだ。
使用人達の中でアブスは痴女だと噂になっているらしい。
伯爵様は身の危険を感じて、頑丈な鍵を自室や執務室に取り付けて、寝る時は必ず施錠していると聞いた。
アブス、結構ヤバくない?
私は眠りが深いタイプで、眠ってしまったら朝まで目覚めないから、寝ている時に刺されたり、首を絞められたりしたら完全アウトだわ!
一応は夜間も護衛騎士をドアの外に立たせてはいるけど、あの女なら護衛騎士に一服盛ることもしそうだから要注意よ!
その話を聞いた私は、急いで私の寝室や執務室、住み込みで働いている私のメイド達や従者、騎士達の部屋に頑丈な鍵を付けさせたのだった。
ていうかさ…、伯爵様。いくら家庭内別居でも、この邸はアンタの邸なんだし、一応は妻でもある私の部屋の配慮もしようよ…。
本当にダメ亭主だわ。
それとメイド長からの報告で、アブスが食事に文句を言って大変だと聞いた。
何で伯爵家の食事がこんなに質素なのかとか、私だけ差別してこんな食事にしているのかとか言うらしい。
あのバカお嬢様…。
伯爵家は財政難なんだから、節約するっていったらまずは食費や人件費でしょう?
何で分からないかなぁ…。
メイド長も毎日のようにアブスから色々と言われ過ぎて疲れた顔をしている。
メイド長がいるから、私はあの女に関わらなくて済んでいるからね。申し訳ないな…。
こんな時は優しい義弟に頼ってしまおうか?
私はギル宛に手紙を書いて騎士に届けてもらう事にした。
〝実家のシェフの中で、若向けのコッテリした料理やスイーツを作るのが得意なシェフがいたら、伯爵家に派遣して欲しい〟と……。
優しいギルはその日のうちにシェフを派遣してくれた。
シェフには、見栄えの良い、派手な料理を大盛りで作って欲しいと頼んでおいた。
食材費は高くなりそうだから、私が出すか…。
可愛いお嬢様が美味しい物をそこまで望んでいるなら、毎日3食+オヤツ2食を優しい鬼嫁がご馳走してあげるわ。
シェフは命令通りに、せっせと料理を作ってくれた。それをアブスにだけ提供させた。
アブスには、私がそうさせたということは内緒だ。
アブスは食事の文句を言わなくなったらしいが、新しいドレスが欲しいと伯爵様に頼んでいるらしい。
エマからの報告だと、ドレスのサイズが変わってしまったらしいのだ…。
しかし節約家の伯爵様は、嫁いで来たばかりで、沢山ドレスを持ってきているはずなのだから、新しいドレスは必要ないと却下したらしい……。
ぷっ!こんな時にまでケチな人なんだね。
でもね…、伯爵様はそれで良くても間にいるメイド長や、直接お世話しているエマは大変なの。アブスに毎日、グチグチ言われる2人は可哀想。
伯爵様、もう少し下の人間を配慮できるようになるといいですわね……
可哀想なお嬢様のために、優しい鬼嫁はドレスをプレゼントしてあげることに決めた。
メイド長にアブスの採寸をしてくるように指示をし、アブス本人にはドレスをプレゼントしたいから、採寸を頼まれてきたと伝えさせた。誰がプレゼントするのかは内緒にさせた。
アブスは最近、ドレスを伯爵様にお願いしたばかりだから、伯爵様がドレスをプレゼントしてくれると思い込んで、かなり嬉しそうにしていたらしい。
甘いよ、アブス!
あの伯爵様は倹約家でドケチだからね。私なんて、結婚してから何も買ってもらってないんだから!
鬼嫁はデザイナーに、胸元が開いていて、高そうに見える派手目なドレスをお願いした。更に採寸より、少しゆとりのあるサイズで作って欲しいことも伝えた。
毎日、ご馳走ばかり食べているから、またサイズが変わってしまうかもしれないからね。
地味な食事に文句を言うくらいだから、ドレスも少し派手な方が好きだよね?
話し合いの時に胸元が開いたドレスを好んで着ていたから、そういうデザインが好きに違いないよね…。
そして注文から2週間後くらいにドレス10着が届いたので、そのままアブスの部屋に届けて貰った。
伯爵様がワタクシの為に選んでくれたのねと言って、アブスは大喜びだったらしい。
ふふ!喜んでもらえて、プレゼントした私まで嬉しくなっちゃうわ!
誰も伯爵様からのプレゼントだとは言ってないのにね。お嬢様の幸せ気分を壊したくないから、秘密にしておこう。
結局、嫁いで来たアブスとはまともに顔を合わせることのないまま、王太子殿下の誕生を祝う夜会の日を迎えるのであった。
事業が忙しいので、寝ている時以外は、執務室か出掛けていることが多く、伯爵様やアブスに会うことは殆どない状態。
というか、アブスが嫁いで来てから、一度も顔を合わせてないの…。
メイド長から聞いたのだけど、伯爵様から邸内を勝手に歩き回ることを禁止されているらしい。
それにも関わらず、真夜中にセクシーなナイトドレス姿で邸内をフラフラ歩き回り、旦那様の寝室を探している姿を、偶然、住み込みの使用人が見つけてしまったらしい。
幽霊だと勘違いした使用人が大声で叫んでしまい、駆けつけた他の使用人達にセクシーな姿を見られ、起きて来た伯爵様に厳しく怒られ、大恥をかいたアブスは、しばらくは部屋から出ることを禁止されたようなのだ。
使用人達の中でアブスは痴女だと噂になっているらしい。
伯爵様は身の危険を感じて、頑丈な鍵を自室や執務室に取り付けて、寝る時は必ず施錠していると聞いた。
アブス、結構ヤバくない?
私は眠りが深いタイプで、眠ってしまったら朝まで目覚めないから、寝ている時に刺されたり、首を絞められたりしたら完全アウトだわ!
一応は夜間も護衛騎士をドアの外に立たせてはいるけど、あの女なら護衛騎士に一服盛ることもしそうだから要注意よ!
その話を聞いた私は、急いで私の寝室や執務室、住み込みで働いている私のメイド達や従者、騎士達の部屋に頑丈な鍵を付けさせたのだった。
ていうかさ…、伯爵様。いくら家庭内別居でも、この邸はアンタの邸なんだし、一応は妻でもある私の部屋の配慮もしようよ…。
本当にダメ亭主だわ。
それとメイド長からの報告で、アブスが食事に文句を言って大変だと聞いた。
何で伯爵家の食事がこんなに質素なのかとか、私だけ差別してこんな食事にしているのかとか言うらしい。
あのバカお嬢様…。
伯爵家は財政難なんだから、節約するっていったらまずは食費や人件費でしょう?
何で分からないかなぁ…。
メイド長も毎日のようにアブスから色々と言われ過ぎて疲れた顔をしている。
メイド長がいるから、私はあの女に関わらなくて済んでいるからね。申し訳ないな…。
こんな時は優しい義弟に頼ってしまおうか?
私はギル宛に手紙を書いて騎士に届けてもらう事にした。
〝実家のシェフの中で、若向けのコッテリした料理やスイーツを作るのが得意なシェフがいたら、伯爵家に派遣して欲しい〟と……。
優しいギルはその日のうちにシェフを派遣してくれた。
シェフには、見栄えの良い、派手な料理を大盛りで作って欲しいと頼んでおいた。
食材費は高くなりそうだから、私が出すか…。
可愛いお嬢様が美味しい物をそこまで望んでいるなら、毎日3食+オヤツ2食を優しい鬼嫁がご馳走してあげるわ。
シェフは命令通りに、せっせと料理を作ってくれた。それをアブスにだけ提供させた。
アブスには、私がそうさせたということは内緒だ。
アブスは食事の文句を言わなくなったらしいが、新しいドレスが欲しいと伯爵様に頼んでいるらしい。
エマからの報告だと、ドレスのサイズが変わってしまったらしいのだ…。
しかし節約家の伯爵様は、嫁いで来たばかりで、沢山ドレスを持ってきているはずなのだから、新しいドレスは必要ないと却下したらしい……。
ぷっ!こんな時にまでケチな人なんだね。
でもね…、伯爵様はそれで良くても間にいるメイド長や、直接お世話しているエマは大変なの。アブスに毎日、グチグチ言われる2人は可哀想。
伯爵様、もう少し下の人間を配慮できるようになるといいですわね……
可哀想なお嬢様のために、優しい鬼嫁はドレスをプレゼントしてあげることに決めた。
メイド長にアブスの採寸をしてくるように指示をし、アブス本人にはドレスをプレゼントしたいから、採寸を頼まれてきたと伝えさせた。誰がプレゼントするのかは内緒にさせた。
アブスは最近、ドレスを伯爵様にお願いしたばかりだから、伯爵様がドレスをプレゼントしてくれると思い込んで、かなり嬉しそうにしていたらしい。
甘いよ、アブス!
あの伯爵様は倹約家でドケチだからね。私なんて、結婚してから何も買ってもらってないんだから!
鬼嫁はデザイナーに、胸元が開いていて、高そうに見える派手目なドレスをお願いした。更に採寸より、少しゆとりのあるサイズで作って欲しいことも伝えた。
毎日、ご馳走ばかり食べているから、またサイズが変わってしまうかもしれないからね。
地味な食事に文句を言うくらいだから、ドレスも少し派手な方が好きだよね?
話し合いの時に胸元が開いたドレスを好んで着ていたから、そういうデザインが好きに違いないよね…。
そして注文から2週間後くらいにドレス10着が届いたので、そのままアブスの部屋に届けて貰った。
伯爵様がワタクシの為に選んでくれたのねと言って、アブスは大喜びだったらしい。
ふふ!喜んでもらえて、プレゼントした私まで嬉しくなっちゃうわ!
誰も伯爵様からのプレゼントだとは言ってないのにね。お嬢様の幸せ気分を壊したくないから、秘密にしておこう。
結局、嫁いで来たアブスとはまともに顔を合わせることのないまま、王太子殿下の誕生を祝う夜会の日を迎えるのであった。
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