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義弟、断罪する 1
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伯爵様とアブス子爵家と話し合いをする日を迎える。
「奥様。応接室に旦那様とアブス子爵家が揃いました。」
「メイド長、旦那様達を少し待たせておいてもいいわよね?」
「奥様なら許されると思います。」
「そうよね!」
ギルがそろそろ来るはずだから、ギルと一緒に応接室に行こうと思う。
今日は若くて優秀で、血気盛んなギルにお任せしようと思っている。鬼嫁でおばちゃんの私は、今日は楽したいの。
自分の執務室で、ビジネスホテルの事業計画を立てていると、ギルが到着したらしい。
よし。行くか!
ギルと2人で応接室に入ると、伯爵様の表情が一瞬こわばったような気がする…が、鬼嫁は気にしません。
そして、引き攣った笑顔で私を見つめるアブス子爵夫人と今日も空気のような子爵に、見た目は地味で大人しそうだけど、本性は腹黒そうな子爵令嬢がいた。
「皆様、お待たせ致しましたわ。
今日は話し合いの前に、私の義弟から皆様にお話したいことがあるようなので、少々お時間を頂きますが、よろしいでしょうか?」
鬼嫁は嫌とは言わせないのだ。
「構わない。」
「ええ。大丈夫ですわ。」
「ありがとうございます。
ギル、よろしく!」
私の声掛けに眩しい笑顔で応じるギル。我が義弟ながら、今日もイケメンだわ。
「皆様、お忙しいところ申し訳ありませんが、少しお時間を頂戴致します。
アブス子爵令嬢、先日はうちの商品を購入頂きましてありがとうございました。
商品はどうでしたか?『野獣の愛』は、なかなか強い媚薬だったと思いますが、今後の商品開発の参考にしたいと思っておりますので、ぜひご感想をお聞かせ頂きたい。」
『野獣の愛』だって?すごいネーミングだわ。そんなの売ってたの?
「な、何を言ってらっしゃるの?うちの娘が媚薬を購入?親から見ても、こんな静かな子が、媚薬なんて買いに行くはずがありませんわ!」
今日も煩いババアだわ。黙らせるか…
「アブス子爵夫人!貴女に聞いてませんのよ!相変わらず、無礼で非常識なお方…。
静かに出来ないのなら、別室でお待ちになりますか?」
「……なっ!」
ふっ!小娘にガツンと言われて悔しそうにしているけど、私が小娘でも、貧乏伯爵家の嫁であっても、アンタより身分は上の鬼嫁なのよ!
「子爵夫人がいなくても話し合いは出来ますのよ。静かに出来ないなら、別室にご案内致しますわ。」
「……っ。静かに致します。」
「よろしいですわ。身の程を弁えた行動を頼みましたわよ。貴女は一応、人の親なのですから。
自分の子供の前で見苦しい態度は取らぬように、気をつけて下さいませ。
そして…、アブス子爵令嬢!義弟の質問にお答え頂けますか?」
母である子爵夫人の横で、顔色を悪くして黙っている令嬢。バレると思っていなかったのね…。
「…何のことでしょうか?媚薬なんて買いに行っておりませんわ。」
令嬢のその一言に、ギルのドSのスイッチが入ってしまったようだ。
「おかしいですね?うちの媚薬を購入されるには、身分証明書の提示と同意書にサインを頂けないと買えないはずなのですが…。
こちらに、貴女のサインが入っていますよね?〝クラーラ・アブス〟と。」
ギルが出した書類には、しっかりと〝クラーラ・アブス〟と書いてあったのであった…。
「奥様。応接室に旦那様とアブス子爵家が揃いました。」
「メイド長、旦那様達を少し待たせておいてもいいわよね?」
「奥様なら許されると思います。」
「そうよね!」
ギルがそろそろ来るはずだから、ギルと一緒に応接室に行こうと思う。
今日は若くて優秀で、血気盛んなギルにお任せしようと思っている。鬼嫁でおばちゃんの私は、今日は楽したいの。
自分の執務室で、ビジネスホテルの事業計画を立てていると、ギルが到着したらしい。
よし。行くか!
ギルと2人で応接室に入ると、伯爵様の表情が一瞬こわばったような気がする…が、鬼嫁は気にしません。
そして、引き攣った笑顔で私を見つめるアブス子爵夫人と今日も空気のような子爵に、見た目は地味で大人しそうだけど、本性は腹黒そうな子爵令嬢がいた。
「皆様、お待たせ致しましたわ。
今日は話し合いの前に、私の義弟から皆様にお話したいことがあるようなので、少々お時間を頂きますが、よろしいでしょうか?」
鬼嫁は嫌とは言わせないのだ。
「構わない。」
「ええ。大丈夫ですわ。」
「ありがとうございます。
ギル、よろしく!」
私の声掛けに眩しい笑顔で応じるギル。我が義弟ながら、今日もイケメンだわ。
「皆様、お忙しいところ申し訳ありませんが、少しお時間を頂戴致します。
アブス子爵令嬢、先日はうちの商品を購入頂きましてありがとうございました。
商品はどうでしたか?『野獣の愛』は、なかなか強い媚薬だったと思いますが、今後の商品開発の参考にしたいと思っておりますので、ぜひご感想をお聞かせ頂きたい。」
『野獣の愛』だって?すごいネーミングだわ。そんなの売ってたの?
「な、何を言ってらっしゃるの?うちの娘が媚薬を購入?親から見ても、こんな静かな子が、媚薬なんて買いに行くはずがありませんわ!」
今日も煩いババアだわ。黙らせるか…
「アブス子爵夫人!貴女に聞いてませんのよ!相変わらず、無礼で非常識なお方…。
静かに出来ないのなら、別室でお待ちになりますか?」
「……なっ!」
ふっ!小娘にガツンと言われて悔しそうにしているけど、私が小娘でも、貧乏伯爵家の嫁であっても、アンタより身分は上の鬼嫁なのよ!
「子爵夫人がいなくても話し合いは出来ますのよ。静かに出来ないなら、別室にご案内致しますわ。」
「……っ。静かに致します。」
「よろしいですわ。身の程を弁えた行動を頼みましたわよ。貴女は一応、人の親なのですから。
自分の子供の前で見苦しい態度は取らぬように、気をつけて下さいませ。
そして…、アブス子爵令嬢!義弟の質問にお答え頂けますか?」
母である子爵夫人の横で、顔色を悪くして黙っている令嬢。バレると思っていなかったのね…。
「…何のことでしょうか?媚薬なんて買いに行っておりませんわ。」
令嬢のその一言に、ギルのドSのスイッチが入ってしまったようだ。
「おかしいですね?うちの媚薬を購入されるには、身分証明書の提示と同意書にサインを頂けないと買えないはずなのですが…。
こちらに、貴女のサインが入っていますよね?〝クラーラ・アブス〟と。」
ギルが出した書類には、しっかりと〝クラーラ・アブス〟と書いてあったのであった…。
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