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離縁はしたくない
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おばちゃん根性を出し切り、自分の言いたいことだけを言い終えた私は、先に応接室を退出することにした。
その時、私は護衛騎士のレイクス卿と秘書官のマテオに目配せをした。
〝ここに残ってコイツらのやり取りを見守れ!記録して後で報告しろ!〟
2人は黙って頷く。…頼んだわよ!!
結局、レイクス卿とマテオが戻って来たのは3時間以上経ってからだった…。
冷静な2人がかなり疲れて戻って来た。
「お嬢!伯爵様と子爵家は、かなり揉めてました。」
「もう、こっちがぐったりですよ!」
「ご苦労!!今、お菓子とお茶を用意させるから、そこに座りなさい。」
「「ありがとうございます。」」
メイドに美味しいお菓子とお茶を用意させる。
「で、どうだったの?」
「あの子爵夫人が騒いでました。
娘は純潔を奪われたのだから、黙って第二夫人にしろみたいなことを、何度も繰り返して伯爵様に訴えていましたよ。」
「でも、伯爵様は第二夫人は要らないって折れなくて、『私の妻はエレノアだけだ!』とか何度も言ってました。子爵令嬢は泣いてました。」
アブス、泣いたのか……
「子爵夫人は、お嬢と伯爵様が離縁はしないで済むように、伯爵様からきちんとお嬢に謝るべきだと話していました。」
あのババア…。お前が言える立場か!
「慰謝料とか持参金の話はしていたの?」
「無理ですよ。離縁しない為にどうするかの話と、第二夫人は要らない・第二夫人になりたいの話が平行線でしたから。話は全然まとまっていません。」
予想通りね。あのバカ伯爵は、上手く話をまとめられるような男ではないからね。
ふふ!ギルが調査をし終わるまで、揉めるだけ揉めさせて、時間稼ぎをしてもらうわよ。
どっちにしても、夜会の日にあんなことをしたら、噂になってしまうだろうから、嫁入り前のアブスは後に引けないだろうし、バカ伯爵も嫌でも責任を取らなきゃいけないだろうけどね。
アブスは、みんなに関係がバレて伯爵様が責任を取らなくてはいけない状況にしたかったのだろうし。
あの地味女…、ああ見えて大胆なことをしてくれたじゃないの。
体を張って頑張ったご褒美に、あのバカ伯爵をアンタにあげるわ。
翌日。
「奥様、旦那様がいらしております。」
「忙しいから、要件を聞いてくれる?」
「畏まりました。」
少しして…
「奥様に謝りたいと言っておられますが…。」
「謝罪は要らないと伝えて。離縁状のサインならすぐにすると伝えてくれる?」
「畏まりました。」
約1分後…
「奥様、旦那様は離縁はしないと言っておられます。」
「仕事の邪魔だから、今日はもう来んなって伝えてくれる?」
「畏まりました。」
その次の日。
「奥様、旦那様が謝りたいと来ていますが。」
「謝罪は不要。仕事の邪魔をしに来るなら、今すぐに実家に帰らせてもらいますと伝えてくれる?」
「畏まりました。」
またまた次の日。
「奥様、旦那様から手紙が届いています。」
「忙しいから、読んでもらってもいい?」
「それは流石に…。」
「ごめん。自分で読みます。」
……謝罪が書いてあるな。
今夜は一緒に夕飯を食べたいだって…?バカが!
「レイクス卿!伯爵様の所に行って、忙しいからしばらくは食事はご一緒出来ないと伝えて来てくれる?」
「御意!」
こんなやり取りをしているうちに、数日が経つのであった。
その時、私は護衛騎士のレイクス卿と秘書官のマテオに目配せをした。
〝ここに残ってコイツらのやり取りを見守れ!記録して後で報告しろ!〟
2人は黙って頷く。…頼んだわよ!!
結局、レイクス卿とマテオが戻って来たのは3時間以上経ってからだった…。
冷静な2人がかなり疲れて戻って来た。
「お嬢!伯爵様と子爵家は、かなり揉めてました。」
「もう、こっちがぐったりですよ!」
「ご苦労!!今、お菓子とお茶を用意させるから、そこに座りなさい。」
「「ありがとうございます。」」
メイドに美味しいお菓子とお茶を用意させる。
「で、どうだったの?」
「あの子爵夫人が騒いでました。
娘は純潔を奪われたのだから、黙って第二夫人にしろみたいなことを、何度も繰り返して伯爵様に訴えていましたよ。」
「でも、伯爵様は第二夫人は要らないって折れなくて、『私の妻はエレノアだけだ!』とか何度も言ってました。子爵令嬢は泣いてました。」
アブス、泣いたのか……
「子爵夫人は、お嬢と伯爵様が離縁はしないで済むように、伯爵様からきちんとお嬢に謝るべきだと話していました。」
あのババア…。お前が言える立場か!
「慰謝料とか持参金の話はしていたの?」
「無理ですよ。離縁しない為にどうするかの話と、第二夫人は要らない・第二夫人になりたいの話が平行線でしたから。話は全然まとまっていません。」
予想通りね。あのバカ伯爵は、上手く話をまとめられるような男ではないからね。
ふふ!ギルが調査をし終わるまで、揉めるだけ揉めさせて、時間稼ぎをしてもらうわよ。
どっちにしても、夜会の日にあんなことをしたら、噂になってしまうだろうから、嫁入り前のアブスは後に引けないだろうし、バカ伯爵も嫌でも責任を取らなきゃいけないだろうけどね。
アブスは、みんなに関係がバレて伯爵様が責任を取らなくてはいけない状況にしたかったのだろうし。
あの地味女…、ああ見えて大胆なことをしてくれたじゃないの。
体を張って頑張ったご褒美に、あのバカ伯爵をアンタにあげるわ。
翌日。
「奥様、旦那様がいらしております。」
「忙しいから、要件を聞いてくれる?」
「畏まりました。」
少しして…
「奥様に謝りたいと言っておられますが…。」
「謝罪は要らないと伝えて。離縁状のサインならすぐにすると伝えてくれる?」
「畏まりました。」
約1分後…
「奥様、旦那様は離縁はしないと言っておられます。」
「仕事の邪魔だから、今日はもう来んなって伝えてくれる?」
「畏まりました。」
その次の日。
「奥様、旦那様が謝りたいと来ていますが。」
「謝罪は不要。仕事の邪魔をしに来るなら、今すぐに実家に帰らせてもらいますと伝えてくれる?」
「畏まりました。」
またまた次の日。
「奥様、旦那様から手紙が届いています。」
「忙しいから、読んでもらってもいい?」
「それは流石に…。」
「ごめん。自分で読みます。」
……謝罪が書いてあるな。
今夜は一緒に夕飯を食べたいだって…?バカが!
「レイクス卿!伯爵様の所に行って、忙しいからしばらくは食事はご一緒出来ないと伝えて来てくれる?」
「御意!」
こんなやり取りをしているうちに、数日が経つのであった。
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