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ボーナス
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毎日忙しく働いている、見た目小娘、中身は鬼嫁でおばちゃんのエレノアです。
今日は久しぶりに、伯爵様の側近を除いた使用人を広間に集めました。
お説教ではない!私の商売がかなり順調でがっぽり稼げているから、優しい奥様である私から、人手不足な上に安い給料でこき使われている使用人達に、ボーナスをあげることにしたのだ。
前世アラフォーおばちゃんだった私は、ボーナスだけを支えに仕事を頑張り生きていた。ボーナスは生きる糧。大事なの!
ということで、一人ひとりに、金貨三枚を渡す太っ腹のおばちゃん。
「マリ、いつも洗濯ありがとう!これからもよろしく頼むわね。…少しだけど、家族の為に何か買ってあげなさい。」
「…お、奥様。ありがとうございます。」
金貨は生きていく上で、みんなのエネルギーになるはずだ。
「レイチェル、いつも邸をキレイにしてくれてありがとう。…何か必要な物を買いなさいね。」
「感謝しています…。ありがとうございます。」
「ボブ、庭のお花がいつも美しいから、私は元気をもらっているわ。これからも頼んだわよ!」
「奥様、これからも精一杯やらせてもらいます。」
…と、使用人達に声を掛けながらボーナスを渡していく。実家と比べると使用人の数は少ないから、使用人の名前はすぐに覚えることが出来た。
そして…、
「チャーリーとエリーもこっちに来なさい。」
「「はい!」」
「2人とも、慣れない仕事も一生懸命覚えようと頑張っているって聞いたわよ。
これからも頑張りなさいね。はい、どうぞ!」
2人は子供だし見習いだから、銀貨2枚あげることにした。
それでも額が多いとメイド達から注意されたけどね。
「「ありがとうございます!」」
「2人は大きくなった時のために、大切にとっておくのよ。」
渡した銀貨を嬉しそうに握りしめる2人が可愛くて、癒されるおばちゃんだ。
メイド長はみんなより先に呼び出して、また金貨5枚を渡しておいた。
最近はカフェ経営だけでなく、若者向けのファストフードの店もオープンさせた。パンも肉も野菜もあるから、ハンバーガーやサンドイッチ、ポテトに飲み物の店にしてみた。
まあ、前世でお世話になった店をパクったような感じだ。テイクアウトも出来るから、平日の昼なんて、色々な人が買いに来るようになって大人気の店になった。
順調にお金儲けをしているから、これなら急に離縁することになっても何とか生きていけるよね。
それから数日後。
「奥様、旦那様がいらしております。」
何だろう…?手紙を書いてくれればいいのに。
「中に入ってもらって。」
顔を合わせて話すのは夜会以来だな。
「エレノア、仕事中にすまない。人払いを頼めるか?」
「……分かりました。ドアは開けておきます。」
秘書官達はすぐに退室してくれて、部屋に2人きりになる。
「…エレノア。君が私を嫌っているのは分かっているつもりだ。私は君を傷つけたし、私の親族は君に迷惑をかけた。
でも、私は君と前のように仲良くしたい。あの時に言った言葉は取り消せないのは分かっているし、酷いことを言ってしまったと後悔しているんだ。
本当に悪かった。夫婦としてやり直す機会が欲しい。」
どうやら謝罪に来たようだ。
今日は久しぶりに、伯爵様の側近を除いた使用人を広間に集めました。
お説教ではない!私の商売がかなり順調でがっぽり稼げているから、優しい奥様である私から、人手不足な上に安い給料でこき使われている使用人達に、ボーナスをあげることにしたのだ。
前世アラフォーおばちゃんだった私は、ボーナスだけを支えに仕事を頑張り生きていた。ボーナスは生きる糧。大事なの!
ということで、一人ひとりに、金貨三枚を渡す太っ腹のおばちゃん。
「マリ、いつも洗濯ありがとう!これからもよろしく頼むわね。…少しだけど、家族の為に何か買ってあげなさい。」
「…お、奥様。ありがとうございます。」
金貨は生きていく上で、みんなのエネルギーになるはずだ。
「レイチェル、いつも邸をキレイにしてくれてありがとう。…何か必要な物を買いなさいね。」
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「ボブ、庭のお花がいつも美しいから、私は元気をもらっているわ。これからも頼んだわよ!」
「奥様、これからも精一杯やらせてもらいます。」
…と、使用人達に声を掛けながらボーナスを渡していく。実家と比べると使用人の数は少ないから、使用人の名前はすぐに覚えることが出来た。
そして…、
「チャーリーとエリーもこっちに来なさい。」
「「はい!」」
「2人とも、慣れない仕事も一生懸命覚えようと頑張っているって聞いたわよ。
これからも頑張りなさいね。はい、どうぞ!」
2人は子供だし見習いだから、銀貨2枚あげることにした。
それでも額が多いとメイド達から注意されたけどね。
「「ありがとうございます!」」
「2人は大きくなった時のために、大切にとっておくのよ。」
渡した銀貨を嬉しそうに握りしめる2人が可愛くて、癒されるおばちゃんだ。
メイド長はみんなより先に呼び出して、また金貨5枚を渡しておいた。
最近はカフェ経営だけでなく、若者向けのファストフードの店もオープンさせた。パンも肉も野菜もあるから、ハンバーガーやサンドイッチ、ポテトに飲み物の店にしてみた。
まあ、前世でお世話になった店をパクったような感じだ。テイクアウトも出来るから、平日の昼なんて、色々な人が買いに来るようになって大人気の店になった。
順調にお金儲けをしているから、これなら急に離縁することになっても何とか生きていけるよね。
それから数日後。
「奥様、旦那様がいらしております。」
何だろう…?手紙を書いてくれればいいのに。
「中に入ってもらって。」
顔を合わせて話すのは夜会以来だな。
「エレノア、仕事中にすまない。人払いを頼めるか?」
「……分かりました。ドアは開けておきます。」
秘書官達はすぐに退室してくれて、部屋に2人きりになる。
「…エレノア。君が私を嫌っているのは分かっているつもりだ。私は君を傷つけたし、私の親族は君に迷惑をかけた。
でも、私は君と前のように仲良くしたい。あの時に言った言葉は取り消せないのは分かっているし、酷いことを言ってしまったと後悔しているんだ。
本当に悪かった。夫婦としてやり直す機会が欲しい。」
どうやら謝罪に来たようだ。
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