5 / 19
怒る両親
しおりを挟む
「父上・母上に大切な話があります。」
アリーに婚約解消の話をした日、そのことを両親に報告することにした。
「私は心から守りたいと思える大切な人を見つけました。彼女と添い遂げたいと思っています。アリーとは婚約解消することにします。」
「……ルイ?そんな事が許されると思っているのか?」
父上の声がいつもより低い。
怒られることは想像していた。
「アリーにはすでに、婚約解消の話をしました。優しいアリーは、私の幸せを願っていると言ってくれました。」
「アリス嬢に、婚約解消の話をしてしまったのだな…。」
父上の表情が怖い。しかし、リリーナとの未来の為に、負ける訳にはいかないのだ。
「はい。他に想う人がありながら、婚約関係を続けるのは、アリーに悪いですから。」
バシーン!……父上から殴り飛ばされたようだ。
「…っ!父上、私は本気なのです。どうかお許し下さい!」
「黙れ!お前が幼少の頃に一目惚れしたと言うから、こちらから婚約を申し込んだのだ。容姿も家柄も、性格までいい子だろう。それなのに、一時の気の迷いで婚約解消を申し出ただと?
お前以外に息子がいたら、私はお前を廃嫡していたな…。」
「廃嫡だなんて。私は真実の愛を見つけたのです。父上も母上も、彼女に会えば分かると思います。」
「ルイがそこまで言う彼女とは、一体どちらの御令嬢なのかしら…?」
冷ややかな表情で傍観していた母上が、初めて口を開いた。
「…リリーナ・ウッディ男爵令嬢です。」
「まあ!最近、婦人のお茶会でよく話題になっているウッディ男爵令嬢ね。」
「母上…?それはどう言うことでしょうか?」
「ふふっ。貴方、学園で何を見ていたのかしら?」
母上の刺すような目が怖い。
「リリーナは貧しい男爵家だから、よく虐められると話していました。可哀想な子なのです。私が守ってあげたいと思っています。」
「貧しい男爵家だと虐められるの?ただそれだけで?」
「母上は何を言いたいのです?」
「何も分からないのね…。
で、ウッディ男爵令嬢は、貴方を慕ってくれているのかしら?」
「はい。大好きだと言われました…。」
「そう。婚約者のいる殿方に大好きだと言ってきたのね。噂通りの御令嬢ね…。」
「…母上?噂ばかり鵜呑みにしないでください!」
「ハァー。分かったわ。その令嬢に会ってみたいから、近いうちにこの邸に連れて来てくれるかしら?」
「母上…。ありがとうございます!!」
母上がリリーナに会いたいと言ってくれるとは。
「おい!そんなことをしていいのか?」
「旦那様、私にいい考えがありますわ…。ルイも、私達がその令嬢に会わなければ納得しないでしょう。
ところで、アリスちゃんと婚約解消していいのね?もう本人に話してしまっているなら、取り消しは出来ないでしょうけど、後悔はしないわね?」
「はい。アリーには申し訳ないと思っていますが、私はリリーナが好きなのです。」
「そう…。アリスちゃんが娘になることを楽しみにしていたのに、残念だわ。ベネット侯爵家との関係も悪くなってしまうのね…。」
母上は心底ガッカリしたような表情をしていた気がする。
両親は次の日、アリーの両親に謝罪に行き、私とアリーの婚約は正式に解消されたのだった。
「リリーナ、私はアリーとの婚約を解消した。これからは君だけを愛したい。私と一緒にいてくれるか?」
「私みたいな貧乏男爵令嬢でもいいのですか?」
目を潤ませて私を見つめるリリーナ。
「リリーナがいいんだ。リリーナは私が嫌か?」
「私はルイス様が大好きです。…嬉しい。」
幸せだと思った。この女の本性を知るまでは…。
アリーに婚約解消の話をした日、そのことを両親に報告することにした。
「私は心から守りたいと思える大切な人を見つけました。彼女と添い遂げたいと思っています。アリーとは婚約解消することにします。」
「……ルイ?そんな事が許されると思っているのか?」
父上の声がいつもより低い。
怒られることは想像していた。
「アリーにはすでに、婚約解消の話をしました。優しいアリーは、私の幸せを願っていると言ってくれました。」
「アリス嬢に、婚約解消の話をしてしまったのだな…。」
父上の表情が怖い。しかし、リリーナとの未来の為に、負ける訳にはいかないのだ。
「はい。他に想う人がありながら、婚約関係を続けるのは、アリーに悪いですから。」
バシーン!……父上から殴り飛ばされたようだ。
「…っ!父上、私は本気なのです。どうかお許し下さい!」
「黙れ!お前が幼少の頃に一目惚れしたと言うから、こちらから婚約を申し込んだのだ。容姿も家柄も、性格までいい子だろう。それなのに、一時の気の迷いで婚約解消を申し出ただと?
お前以外に息子がいたら、私はお前を廃嫡していたな…。」
「廃嫡だなんて。私は真実の愛を見つけたのです。父上も母上も、彼女に会えば分かると思います。」
「ルイがそこまで言う彼女とは、一体どちらの御令嬢なのかしら…?」
冷ややかな表情で傍観していた母上が、初めて口を開いた。
「…リリーナ・ウッディ男爵令嬢です。」
「まあ!最近、婦人のお茶会でよく話題になっているウッディ男爵令嬢ね。」
「母上…?それはどう言うことでしょうか?」
「ふふっ。貴方、学園で何を見ていたのかしら?」
母上の刺すような目が怖い。
「リリーナは貧しい男爵家だから、よく虐められると話していました。可哀想な子なのです。私が守ってあげたいと思っています。」
「貧しい男爵家だと虐められるの?ただそれだけで?」
「母上は何を言いたいのです?」
「何も分からないのね…。
で、ウッディ男爵令嬢は、貴方を慕ってくれているのかしら?」
「はい。大好きだと言われました…。」
「そう。婚約者のいる殿方に大好きだと言ってきたのね。噂通りの御令嬢ね…。」
「…母上?噂ばかり鵜呑みにしないでください!」
「ハァー。分かったわ。その令嬢に会ってみたいから、近いうちにこの邸に連れて来てくれるかしら?」
「母上…。ありがとうございます!!」
母上がリリーナに会いたいと言ってくれるとは。
「おい!そんなことをしていいのか?」
「旦那様、私にいい考えがありますわ…。ルイも、私達がその令嬢に会わなければ納得しないでしょう。
ところで、アリスちゃんと婚約解消していいのね?もう本人に話してしまっているなら、取り消しは出来ないでしょうけど、後悔はしないわね?」
「はい。アリーには申し訳ないと思っていますが、私はリリーナが好きなのです。」
「そう…。アリスちゃんが娘になることを楽しみにしていたのに、残念だわ。ベネット侯爵家との関係も悪くなってしまうのね…。」
母上は心底ガッカリしたような表情をしていた気がする。
両親は次の日、アリーの両親に謝罪に行き、私とアリーの婚約は正式に解消されたのだった。
「リリーナ、私はアリーとの婚約を解消した。これからは君だけを愛したい。私と一緒にいてくれるか?」
「私みたいな貧乏男爵令嬢でもいいのですか?」
目を潤ませて私を見つめるリリーナ。
「リリーナがいいんだ。リリーナは私が嫌か?」
「私はルイス様が大好きです。…嬉しい。」
幸せだと思った。この女の本性を知るまでは…。
690
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
その結婚は、白紙にしましょう
香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。
彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。
念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。
浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」
身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。
けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。
「分かりました。その提案を、受け入れ──」
全然受け入れられませんけど!?
形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。
武骨で不器用な王国騎士団長。
二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。
どうやら婚約者が私と婚約したくなかったようなので婚約解消させて頂きます。後、うちを金蔓にしようとした事はゆるしません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者アルバン様が私の事を悪く言ってる場面に遭遇してしまい、ショックで落ち込んでしまう。
しかもアルバン様が悪口を言っている時に側にいたのは、美しき銀狼、又は冷酷な牙とあだ名が付けられ恐れられている、この国の第三王子ランドール・ウルフイット様だったのだ。
だから、問い詰めようにもきっと関わってくるであろう第三王子が怖くて、私は誰にも相談できずにいたのだがなぜか第三王子が……。
○○sideあり
全20話
婚約破棄をしてきた婚約者と私を嵌めた妹、そして助けてくれなかった人達に断罪を。
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーで私は婚約者の第一王太子殿下に婚約破棄を言い渡される。
全て妹と、私を追い落としたい貴族に嵌められた所為である。
しかも、王妃も父親も助けてはくれない。
だから、私は……。
あなたの仰ってる事は全くわかりません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者と友人が抱擁してキスをしていた。
しかも、私の父親の仕事場から見えるところでだ。
だから、あっという間に婚約解消になったが、婚約者はなぜか私がまだ婚約者を好きだと思い込んでいるらしく迫ってくる……。
全三話
心の中にあなたはいない
ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。
一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。
(完結)婚約破棄から始まる真実の愛
青空一夏
恋愛
私は、幼い頃からの婚約者の公爵様から、『つまらない女性なのは罪だ。妹のアリッサ王女と婚約する』と言われた。私は、そんなにつまらない人間なのだろうか?お父様もお母様も、砂糖菓子のようなかわいい雰囲気のアリッサだけをかわいがる。
女王であったお婆さまのお気に入りだった私は、一年前にお婆さまが亡くなってから虐げられる日々をおくっていた。婚約者を奪われ、妹の代わりに隣国の老王に嫁がされる私はどうなってしまうの?
美しく聡明な王女が、両親や妹に酷い仕打ちを受けながらも、結局は一番幸せになっているという内容になる(予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる