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南国へ国外逃亡できたよ
閑話 サミュエル 1
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ある日、両親が驚くことを私に伝える。
「エル!今度うちに、養女に入る令嬢が来るわ。一緒にこの邸で住むから、仲良くしてちょうだいね。」
「…母上、言っている意味が分かりません。養女ですか?孤児院に頼まれでもしたのですか?」
「姉様に頼まれたのよ。亡くなったマーフィー侯爵様の甥が養子に入るみたいなんだけど、結婚の約束をしている令嬢を一緒に連れて来るんですって。男爵令嬢らしいわ。まだ婚約出来る年齢にならないから、婚約するまではうちに置いて欲しいんですって。」
「…男爵令嬢ですか。ハァー。……正直、私は反対です。もし、うちの伯爵家の名を汚すような令嬢だったらどうするのです?マーフィー侯爵家の頼みだから、断れないのは分かりますが、あまりに酷い令嬢の時は、養子縁組を解消すると、おば上には話しておいて下さい。」
「エルはもう23歳だろう。女嫌いもいい加減にしてくれ!せっかく可愛い妹ができるんだから、少しは歩み寄って仲良くしてくれ。」
父上は、私が女嫌いであることをとにかく心配している。跡取りのことがあるから、一人息子の私が結婚出来なかったらと不安なのだろう。
まあいい。私が女嫌いになったきっかけでもある、バカでしつこくて、ベタベタしてくるような、香水の臭い令嬢だったら、私は騎士団の寮にでも避難しよう。
その時は、そう考えていた。
後日。
その令嬢は、入国してすでにマーフィー侯爵家にいるという。しかし、体調を崩しているらしく、体調が落ち着いたらうちに来ることになったらしい。あのマーフィー侯爵夫人であるおば上が、気に入って可愛がっているようだと、母上が話していた。
侯爵家の嫁に入るのだから、気に入られるように上手く取り入ったのだろうな。男爵令嬢は高位貴族に取り入るのは、当たり前のことだから。
そして、体調が良くなったらしい令嬢がうちの邸に来たらしい。
「エル!マリアが今日からうちの邸で生活するから、よろしくね。マリアは今は部屋で過ごしているから、夕食の時に紹介するわね。愛想良くしてよ!…きっと驚くと思うわ。ふふっ!」
「想像以上のご令嬢だったからな。エル、仲良くしろ!」
煩い両親だ。何で私が令嬢ごときと無理に仲良くしなければならないのか!いくら妹になると言っても、義理だし、婚約したら出て行くのだから。…何が驚くだ?だたの男爵令嬢だろう?
「分かっています。最低限のことは心得ていますから、ご心配なく。」
そして夕食時。その令嬢はメイドに案内されて、ダイニングに入って来た。
一目見て、その容姿に驚いた。美しいプラチナブロンドに、大きな水色の瞳。整った綺麗な顔。でも愛らしくて、何となく守ってあげたくなるような。こんな美少女は初めて見た。
……いや、あの見た目で次期侯爵を落としたのか。したたかで、計算高い女なのだろう。
「マリアです。どうぞよろしくお願い致します。」
鈴の鳴るような声で挨拶し、礼儀正しくカーテシーをする令嬢。その姿に驚いてしまった。王太子殿下の側近兼護衛をしている私は、他国の王族や高位の貴族令嬢には見慣れている。彼女のカーテシーは、今まで見てきたどの令嬢よりも、美しく優雅であった。そして、我が国の言語を完璧に話している。
ここで理解した。母上が驚くと言っていた意味を。
両親と彼女の会話を聞いていると、彼女は相当優秀らしい。5カ国語を勉強するなんて、王妃教育以上だろう。食事をする姿も美しく、所作の一つひとつが綺麗だった。恐らく、侯爵家のおば上はそんなところを気に入ったのかもしれない。
彼女はいつも顔を合わせると、美しく微笑んで、丁寧に挨拶をしてくれる。
しかしそれだけであった。私に遠慮しているのか、無理に話し掛けて来たり、積極的に関わろうとはしない。婚約前提の恋人がいるから、他の男には一歩引いているのだろう。身の程を弁えた令嬢だと思う。
そんな彼女を、無意識に目で追ってしまっていたことを、後日、両親に指摘されるまで気付かない私だった。
彼女はとても真面目らしく、放課後に図書室で勉強をしてから帰ってくるらしい。邸に帰った後も、部屋に籠り勉強していると聞いた。
そして彼女は、その努力が実を結び、編入してすぐのテストで1位になったようだ。とにかく両親が喜んでいた。
真面目で努力家の彼女を、家族として、妹として認めようと思った。彼女に「お兄様」と呼ばれることも、全然悪い気はしない。
そんな義妹を王太子殿下が興味を持ち始める。
「エル!お前の義妹殿はすごいんだって?どんな令嬢なんだ?」
「王太子殿下がわざわざ気にするほどのことではありません。」
「へぇ。女嫌いのエルが文句を言わないということは、珍しくエルが気に入っているってことか!」
「殿下には関係ないですから。」
王太子殿下は学園の卒業パーティーで義妹に話しかけて、ダンスまで踊ったようだ。それを聞いたら、何だか気分が悪く感じた。
王太子殿下が令嬢をダンスに誘うことはなかなかない。婚約者候補だと思われたり、派閥の問題もあるから、特定の令嬢とは親しくしないようにしているのだ。だからマリアとダンスをし、わざわざエスコートしてパーティー会場から出てきた姿を見せられた私は、休み明けに殿下に会った時、我慢出来ずに言ってしまった。マリアをダンスに誘うのはやめてほしい。マリアには殿下を無視していいと伝えてますからと。すると…
「くっ、くっ、くっ。……エルが義妹を気にかけるなんて。…くっ、くっ!笑いが止まらない。」
「殿下は面白がってやっているかも知れませんが、僻まれたり、危害を加えられたり、変な噂で苦労するのはマリアなのです。分かって下さい。」
「本当にエルだよな…?義妹殿があんなに可愛くて、優秀だからって…、シスコンにならないように気を付けろ。しつこい兄貴は嫌われるぞ。」
「殿下には言われたくないですね。妹の王女殿下が大好き過ぎるくせに。」
「ベスと私はかなり年が離れているからな。でも、マリア嬢とエルはそこまでの年の差はないだろう?可愛いからと、変に世話を焼きすぎたり、心配だからと口煩くしていると嫌われるから気をつけろ。エルは口煩いところがあるからな。」
私と殿下のやり取りを、他の護衛騎士や側近が笑いを堪えて聞いている。そんなにおかしいのか?しかし、それよりも
「殿下、義妹をマリア嬢と呼ばないで頂きたい。コリンズ嬢でお願いしますね。殿下がマリアだけを名前で呼ぶなんてあり得ないので!」
「……末期だな。これは完全にシスコンだ。女嫌いのコリンズ卿がシスコン…くっ、くっ、くっ。」
他の騎士と側近達も笑っている。面白くない!義理とは言え、兄妹仲良くしようとしているのに。
しかし、更に面白くないことがあるのであった。
学園の学年末の休暇に入ったマリアは、マーフィー侯爵家に泊まりに行く事になったのだ。まだ正式に婚約していないのに。しかも一泊だと思っていたら、なかなか帰ってこない。気になった私は、夕食時に母上に聞いてみることにした。
「マリアはまだ帰って来ないのですか?」
「帰って来る時に連絡をくれるそうよ。オスカー殿がマリアを離したがらないみたいだし、姉様もマリアが来るのを楽しみにしているようだから。学園に行っている時は、あれだけ勉強しているんだから、息抜きも大切でしょ。」
マリアを離したがらない…?何だかイラつく。まだ学生のマリアに何をしているんだ。
その次の日もマリアは帰って来なかった。またその次の日も。
「マリアはまだ帰らないのですか?」
このセリフは何度目だろう。
「そのうち帰って来るわよ。心配性ね。」
「エルがマリアを可愛がるのはいいが、マリアはオスカー殿と結婚する為にこの国に来たのだから、それだけは忘れないようにな。」
「女嫌いのエルが、やっと女の子に興味を持ってくれたと思ったら、相手のいる義理の妹だなんてね…。はぁー、人生って上手くいかないものね。」
「興味ではなくて、家族として心配しているだけです!」
そしてマリアが帰って来た日。仕事を終え帰宅した私に、家令が笑顔で教えてくれる。『お嬢様がお帰りになりましたよ。』と。家令の笑顔が気になるところだが、それよりもマリアだ。我慢出来なかった私は、そのままマリアの部屋に行ってしまった。
マリアは侯爵家で過ごした時間が楽しかったと言っている。私はこんなに心配していたのに…。
『楽しかったのか!良かったな。…しばらく帰って来なかったから、マリアは家を忘れてしまったかと思っていたが…。ちゃんと覚えていたようで良かった。』
イラついた私は、無意識に嫌味を口にしていた。こんな事を言うつもりでは無かったのに。私はどうしたというのだろう。マリアも驚いているようで、黙っている。
夕食時もマリアは無言で食べている。そして、上手く話せない自分にイライラする私と、空気を読まずに話をする両親。
マリアは先に部屋に戻って行ってしまった。違う!私はただ仲の良い兄妹になりたいだけなのに。慌ててマリアを追いかける。
マリアには食事の後は、私が部屋までエスコートすることを伝えた。驚いていたが、義妹を大切にしたいと思っているのだから、別にいいじゃないか。私は遅くにできた義妹が、可愛くてやっているだけなのだから。
その後、あまり私とは関わろうとしないマリアに、自分からお茶やお菓子を持って行くようにした。いずれこの邸を出て行くなら、今だけは仲良くしたいし、可愛い義妹と、一緒の時間を沢山過ごしたいと思ったから。
その気持ちが恋だと気付くのは、まだ先のことであった。
「エル!今度うちに、養女に入る令嬢が来るわ。一緒にこの邸で住むから、仲良くしてちょうだいね。」
「…母上、言っている意味が分かりません。養女ですか?孤児院に頼まれでもしたのですか?」
「姉様に頼まれたのよ。亡くなったマーフィー侯爵様の甥が養子に入るみたいなんだけど、結婚の約束をしている令嬢を一緒に連れて来るんですって。男爵令嬢らしいわ。まだ婚約出来る年齢にならないから、婚約するまではうちに置いて欲しいんですって。」
「…男爵令嬢ですか。ハァー。……正直、私は反対です。もし、うちの伯爵家の名を汚すような令嬢だったらどうするのです?マーフィー侯爵家の頼みだから、断れないのは分かりますが、あまりに酷い令嬢の時は、養子縁組を解消すると、おば上には話しておいて下さい。」
「エルはもう23歳だろう。女嫌いもいい加減にしてくれ!せっかく可愛い妹ができるんだから、少しは歩み寄って仲良くしてくれ。」
父上は、私が女嫌いであることをとにかく心配している。跡取りのことがあるから、一人息子の私が結婚出来なかったらと不安なのだろう。
まあいい。私が女嫌いになったきっかけでもある、バカでしつこくて、ベタベタしてくるような、香水の臭い令嬢だったら、私は騎士団の寮にでも避難しよう。
その時は、そう考えていた。
後日。
その令嬢は、入国してすでにマーフィー侯爵家にいるという。しかし、体調を崩しているらしく、体調が落ち着いたらうちに来ることになったらしい。あのマーフィー侯爵夫人であるおば上が、気に入って可愛がっているようだと、母上が話していた。
侯爵家の嫁に入るのだから、気に入られるように上手く取り入ったのだろうな。男爵令嬢は高位貴族に取り入るのは、当たり前のことだから。
そして、体調が良くなったらしい令嬢がうちの邸に来たらしい。
「エル!マリアが今日からうちの邸で生活するから、よろしくね。マリアは今は部屋で過ごしているから、夕食の時に紹介するわね。愛想良くしてよ!…きっと驚くと思うわ。ふふっ!」
「想像以上のご令嬢だったからな。エル、仲良くしろ!」
煩い両親だ。何で私が令嬢ごときと無理に仲良くしなければならないのか!いくら妹になると言っても、義理だし、婚約したら出て行くのだから。…何が驚くだ?だたの男爵令嬢だろう?
「分かっています。最低限のことは心得ていますから、ご心配なく。」
そして夕食時。その令嬢はメイドに案内されて、ダイニングに入って来た。
一目見て、その容姿に驚いた。美しいプラチナブロンドに、大きな水色の瞳。整った綺麗な顔。でも愛らしくて、何となく守ってあげたくなるような。こんな美少女は初めて見た。
……いや、あの見た目で次期侯爵を落としたのか。したたかで、計算高い女なのだろう。
「マリアです。どうぞよろしくお願い致します。」
鈴の鳴るような声で挨拶し、礼儀正しくカーテシーをする令嬢。その姿に驚いてしまった。王太子殿下の側近兼護衛をしている私は、他国の王族や高位の貴族令嬢には見慣れている。彼女のカーテシーは、今まで見てきたどの令嬢よりも、美しく優雅であった。そして、我が国の言語を完璧に話している。
ここで理解した。母上が驚くと言っていた意味を。
両親と彼女の会話を聞いていると、彼女は相当優秀らしい。5カ国語を勉強するなんて、王妃教育以上だろう。食事をする姿も美しく、所作の一つひとつが綺麗だった。恐らく、侯爵家のおば上はそんなところを気に入ったのかもしれない。
彼女はいつも顔を合わせると、美しく微笑んで、丁寧に挨拶をしてくれる。
しかしそれだけであった。私に遠慮しているのか、無理に話し掛けて来たり、積極的に関わろうとはしない。婚約前提の恋人がいるから、他の男には一歩引いているのだろう。身の程を弁えた令嬢だと思う。
そんな彼女を、無意識に目で追ってしまっていたことを、後日、両親に指摘されるまで気付かない私だった。
彼女はとても真面目らしく、放課後に図書室で勉強をしてから帰ってくるらしい。邸に帰った後も、部屋に籠り勉強していると聞いた。
そして彼女は、その努力が実を結び、編入してすぐのテストで1位になったようだ。とにかく両親が喜んでいた。
真面目で努力家の彼女を、家族として、妹として認めようと思った。彼女に「お兄様」と呼ばれることも、全然悪い気はしない。
そんな義妹を王太子殿下が興味を持ち始める。
「エル!お前の義妹殿はすごいんだって?どんな令嬢なんだ?」
「王太子殿下がわざわざ気にするほどのことではありません。」
「へぇ。女嫌いのエルが文句を言わないということは、珍しくエルが気に入っているってことか!」
「殿下には関係ないですから。」
王太子殿下は学園の卒業パーティーで義妹に話しかけて、ダンスまで踊ったようだ。それを聞いたら、何だか気分が悪く感じた。
王太子殿下が令嬢をダンスに誘うことはなかなかない。婚約者候補だと思われたり、派閥の問題もあるから、特定の令嬢とは親しくしないようにしているのだ。だからマリアとダンスをし、わざわざエスコートしてパーティー会場から出てきた姿を見せられた私は、休み明けに殿下に会った時、我慢出来ずに言ってしまった。マリアをダンスに誘うのはやめてほしい。マリアには殿下を無視していいと伝えてますからと。すると…
「くっ、くっ、くっ。……エルが義妹を気にかけるなんて。…くっ、くっ!笑いが止まらない。」
「殿下は面白がってやっているかも知れませんが、僻まれたり、危害を加えられたり、変な噂で苦労するのはマリアなのです。分かって下さい。」
「本当にエルだよな…?義妹殿があんなに可愛くて、優秀だからって…、シスコンにならないように気を付けろ。しつこい兄貴は嫌われるぞ。」
「殿下には言われたくないですね。妹の王女殿下が大好き過ぎるくせに。」
「ベスと私はかなり年が離れているからな。でも、マリア嬢とエルはそこまでの年の差はないだろう?可愛いからと、変に世話を焼きすぎたり、心配だからと口煩くしていると嫌われるから気をつけろ。エルは口煩いところがあるからな。」
私と殿下のやり取りを、他の護衛騎士や側近が笑いを堪えて聞いている。そんなにおかしいのか?しかし、それよりも
「殿下、義妹をマリア嬢と呼ばないで頂きたい。コリンズ嬢でお願いしますね。殿下がマリアだけを名前で呼ぶなんてあり得ないので!」
「……末期だな。これは完全にシスコンだ。女嫌いのコリンズ卿がシスコン…くっ、くっ、くっ。」
他の騎士と側近達も笑っている。面白くない!義理とは言え、兄妹仲良くしようとしているのに。
しかし、更に面白くないことがあるのであった。
学園の学年末の休暇に入ったマリアは、マーフィー侯爵家に泊まりに行く事になったのだ。まだ正式に婚約していないのに。しかも一泊だと思っていたら、なかなか帰ってこない。気になった私は、夕食時に母上に聞いてみることにした。
「マリアはまだ帰って来ないのですか?」
「帰って来る時に連絡をくれるそうよ。オスカー殿がマリアを離したがらないみたいだし、姉様もマリアが来るのを楽しみにしているようだから。学園に行っている時は、あれだけ勉強しているんだから、息抜きも大切でしょ。」
マリアを離したがらない…?何だかイラつく。まだ学生のマリアに何をしているんだ。
その次の日もマリアは帰って来なかった。またその次の日も。
「マリアはまだ帰らないのですか?」
このセリフは何度目だろう。
「そのうち帰って来るわよ。心配性ね。」
「エルがマリアを可愛がるのはいいが、マリアはオスカー殿と結婚する為にこの国に来たのだから、それだけは忘れないようにな。」
「女嫌いのエルが、やっと女の子に興味を持ってくれたと思ったら、相手のいる義理の妹だなんてね…。はぁー、人生って上手くいかないものね。」
「興味ではなくて、家族として心配しているだけです!」
そしてマリアが帰って来た日。仕事を終え帰宅した私に、家令が笑顔で教えてくれる。『お嬢様がお帰りになりましたよ。』と。家令の笑顔が気になるところだが、それよりもマリアだ。我慢出来なかった私は、そのままマリアの部屋に行ってしまった。
マリアは侯爵家で過ごした時間が楽しかったと言っている。私はこんなに心配していたのに…。
『楽しかったのか!良かったな。…しばらく帰って来なかったから、マリアは家を忘れてしまったかと思っていたが…。ちゃんと覚えていたようで良かった。』
イラついた私は、無意識に嫌味を口にしていた。こんな事を言うつもりでは無かったのに。私はどうしたというのだろう。マリアも驚いているようで、黙っている。
夕食時もマリアは無言で食べている。そして、上手く話せない自分にイライラする私と、空気を読まずに話をする両親。
マリアは先に部屋に戻って行ってしまった。違う!私はただ仲の良い兄妹になりたいだけなのに。慌ててマリアを追いかける。
マリアには食事の後は、私が部屋までエスコートすることを伝えた。驚いていたが、義妹を大切にしたいと思っているのだから、別にいいじゃないか。私は遅くにできた義妹が、可愛くてやっているだけなのだから。
その後、あまり私とは関わろうとしないマリアに、自分からお茶やお菓子を持って行くようにした。いずれこの邸を出て行くなら、今だけは仲良くしたいし、可愛い義妹と、一緒の時間を沢山過ごしたいと思ったから。
その気持ちが恋だと気付くのは、まだ先のことであった。
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