150 / 161
南国へ国外逃亡できたよ
仕事と人間関係
しおりを挟む
約1ヶ月の研修期間を終えて、正式な配属先が決まった。今までは、同期の宰相子息のカーティス様と一緒だったが、これからは別々の部署になる。
彼にはかなりお世話になった。とにかく、宰相子息で公爵家の嫡男という肩書きと、切れる頭をお持ちの方だから、変な人がよってこないのだ。それが、これから私1人となると、新人の下っ端女子だから、嫌味を言われたり、異世界版セクハラを受けるかもしれない。まあ、中身は前世と今世を合わせると、アラサー過ぎのおばちゃんだから、上手くやるようにしたいけどね。
「マリア嬢、何かあれば私に話してくれ。悪意を持って近付く貴族は多いし、よろしくない家門の派閥も気をつけるんだ。時間が合う時はランチは一緒に行こう。お互い、頑張ろうな!」
第一印象が最悪だったカーティス様は、すっかり面倒見の良い、素敵な令息になってしまったようだ。
「カーティス様、研修期間はお世話になりました。一緒で心強かったですわ。これからも、よろしくお願い致します。ランチもぜひ、ご一緒しましょうね。」
そしてカーティス様は、予想はしていたが、王太子殿下の部署で側近として働くようだ。私の方はなぜか宰相閣下の部署になった。
お兄様が言うには、宰相閣下の部署は、関係のない部署の人は全く来ないし、宰相の部下には迂闊に手を出せないだろうから、殿下と宰相閣下が配慮して配属してくれたのだろうとのこと。
コネと言われないように、しっかりやらないとね。
宰相閣下の部署と言っても、私は直接は関わらず、宰相閣下の側近を補佐したりする仕事らしい。秘書みたいな感じかな。上司になる人は、侯爵家の次男の令息だった。お兄様より、少し上くらいかな?いきなり年齢を聞くのは悪いから年齢は分からないけどね。余計なことは詮索せずに、関わっていこう。宰相閣下の側近でいるくらいだから、貴族の派閥的にも問題はない家門の方だろうね。イケメン眼鏡男子って感じで、真面目そうな方だ。足を引っ張らないように、頑張ろうっと。
「コリンズ嬢、この書類をミスがないかチェックして、仕分けもしてくれるか?」
無駄に笑わないが、仕事は出来るであろう私の上司のエドワーズ卿だ。
「かしこまりました。」
前世のアラサー時代は企業でバリキャリだったから、こういう新人らしい仕事が何となく懐かしいし、結構好きなのだ。しかも、エドワーズ卿は余計な会話もないから、無理に話す必要がなくてラク。変に愛嬌が良くて、軽そうで、根掘り葉掘り聞いてくるようなタイプの方が苦手なんだよね。
「コリンズ嬢、資料室に行って10年分の王国の支出記録を持って来て欲しい。」
「はい。今行ってきます。」
資料室に行くのも気分転換だから、好きなんだよね。
資料室で支出記録を探す私。あっ!見つけた。少し高い場所だ。背伸びして、手を伸ばす。すると、漫画やドラマのシーンのように、誰かがスッと資料をとってくれた。これは、新しい出会いかぁ?
「ありがとうございます。」
出会いに期待して、笑顔で資料を取ってくれた人物を見ると、……うっ。会いたくなかった人物だった。
「…リア。文官になったって本当だったんだね。」
「マーフィー卿、ありがとうございました。急いでますので、失礼致します。」
しかし、腕を掴まれる。しつこいわ!
「…痛いので、離して頂いても?こんな現場を見られて、変な噂が立つのも困りますので。」
「あっ…。ごめん。君が資料室に時々来ていると聞いて、会いたくて…。」
誰が教えたんだよ!
「もう、会わない方がよろしいかと。では失礼します。」
「謝ることも、許されないのか?」
「もう終わったことですわ。お気になさらず。どうかお幸せに。」
上司が待ってるから、早歩きでその場を去る私。しかしマーフィー卿とは、資料室で時々、顔を合わせることになるのであった。
「マリア!王宮でマーフィー卿に、絡まれてるんだって?」
なんで、この煩いお兄様にバレているんだろう。厄介だわ。
「たまたま顔を合わせてしまっただけですわ。」
「偶然会うはずがないだろう!あの男には気をつけろ!」
「気を付けていますが、それでも会ってしまうこともあるのです。」
「お前は甘いんだ。」
「お兄様。私だって正直な気持ちをお話すると、あの方とは会いたくはないですし、話したくもありませんわ。誰に何を見られて、噂されるのか分かりませんからね。しかし、向こうから勝手に来るんです。私は冷たく対応しているのに!こんな時はどうすれば良いのですか?それなのに、ただ甘いとか、気を付けろとか言われるのも辛いのです。」
「……。」
珍しく私が反抗したから、お兄様は驚いたようだ。
「お兄様、申し訳ありませんでした。ただ、いくら避けても、どうしようもないこともあるということは、理解して下さい。」
「…だから反対だったんだ。」
「はい?」
「こんなことがあるから、文官で働くことには反対だったんだ!辞めてしまえ。」
何なのこの人。私がここまで来るのに、どれだけ苦労したと思っているの?
「お兄様には私がどんな思いで文官になったのかは、分からないでしょうね。」
「そんなの、私が分かるわけないだろう!」
もう何も話したくなかった。この人と長い時間いると、とにかく窮屈だと言うことに気付いたから。
「そうですね…。」
その後からはお兄様とは最低限の関わりだけにすることにした。余計な話はせずに、挨拶くらいにした。話しかけるなというオーラを出しまくった。
お兄様は何か言いたそうだったが、この人と距離を詰めすぎると、イライラすることを言われるから、気づかないフリをした。
そんな時だった。
「マリア。明日からしばらく、殿下達と隣国に行って来る。私がいない間も気を付けろよ。」
あー、隣国で新しい国王陛下の即位式があると言ってだわね。王太子殿下が行くから、護衛で付いて行くのか。ラッキーね。ゆっくり行って来て下さいと言いたいくらいだわ。
「…マリア?」
「…申し訳ありません。気を付けて行って来て下さい。あっ、これをお持ちください。治癒魔法と保護魔法の力を込めてありますので。」
煩いお兄様だけど、伯爵家の大切な跡取りだからね。いざという時に守ってくれるように、魔石のブレスレットを渡す。
「これは…、魔石か?こんな貴重なものを貰っていいのか?」
「前に魔物討伐した時に、手に入れた魔石で作ったものなのです。元はタダですから、気になさらず。お兄様を守ってくれると思いますわ。」
「……大切にする。ありがとな。」
ふーん。あのお兄様が、珍しく顔を赤くして嬉しそうにしているわ。口煩いお兄様でも、かわいいところはあるのね。
そんなことより、煩いお兄様がしばらく留守にすることが嬉しい。
次の日の早朝、煩いお兄様と王太子殿下、カーティス様達は隣国へと旅立って行った。
彼にはかなりお世話になった。とにかく、宰相子息で公爵家の嫡男という肩書きと、切れる頭をお持ちの方だから、変な人がよってこないのだ。それが、これから私1人となると、新人の下っ端女子だから、嫌味を言われたり、異世界版セクハラを受けるかもしれない。まあ、中身は前世と今世を合わせると、アラサー過ぎのおばちゃんだから、上手くやるようにしたいけどね。
「マリア嬢、何かあれば私に話してくれ。悪意を持って近付く貴族は多いし、よろしくない家門の派閥も気をつけるんだ。時間が合う時はランチは一緒に行こう。お互い、頑張ろうな!」
第一印象が最悪だったカーティス様は、すっかり面倒見の良い、素敵な令息になってしまったようだ。
「カーティス様、研修期間はお世話になりました。一緒で心強かったですわ。これからも、よろしくお願い致します。ランチもぜひ、ご一緒しましょうね。」
そしてカーティス様は、予想はしていたが、王太子殿下の部署で側近として働くようだ。私の方はなぜか宰相閣下の部署になった。
お兄様が言うには、宰相閣下の部署は、関係のない部署の人は全く来ないし、宰相の部下には迂闊に手を出せないだろうから、殿下と宰相閣下が配慮して配属してくれたのだろうとのこと。
コネと言われないように、しっかりやらないとね。
宰相閣下の部署と言っても、私は直接は関わらず、宰相閣下の側近を補佐したりする仕事らしい。秘書みたいな感じかな。上司になる人は、侯爵家の次男の令息だった。お兄様より、少し上くらいかな?いきなり年齢を聞くのは悪いから年齢は分からないけどね。余計なことは詮索せずに、関わっていこう。宰相閣下の側近でいるくらいだから、貴族の派閥的にも問題はない家門の方だろうね。イケメン眼鏡男子って感じで、真面目そうな方だ。足を引っ張らないように、頑張ろうっと。
「コリンズ嬢、この書類をミスがないかチェックして、仕分けもしてくれるか?」
無駄に笑わないが、仕事は出来るであろう私の上司のエドワーズ卿だ。
「かしこまりました。」
前世のアラサー時代は企業でバリキャリだったから、こういう新人らしい仕事が何となく懐かしいし、結構好きなのだ。しかも、エドワーズ卿は余計な会話もないから、無理に話す必要がなくてラク。変に愛嬌が良くて、軽そうで、根掘り葉掘り聞いてくるようなタイプの方が苦手なんだよね。
「コリンズ嬢、資料室に行って10年分の王国の支出記録を持って来て欲しい。」
「はい。今行ってきます。」
資料室に行くのも気分転換だから、好きなんだよね。
資料室で支出記録を探す私。あっ!見つけた。少し高い場所だ。背伸びして、手を伸ばす。すると、漫画やドラマのシーンのように、誰かがスッと資料をとってくれた。これは、新しい出会いかぁ?
「ありがとうございます。」
出会いに期待して、笑顔で資料を取ってくれた人物を見ると、……うっ。会いたくなかった人物だった。
「…リア。文官になったって本当だったんだね。」
「マーフィー卿、ありがとうございました。急いでますので、失礼致します。」
しかし、腕を掴まれる。しつこいわ!
「…痛いので、離して頂いても?こんな現場を見られて、変な噂が立つのも困りますので。」
「あっ…。ごめん。君が資料室に時々来ていると聞いて、会いたくて…。」
誰が教えたんだよ!
「もう、会わない方がよろしいかと。では失礼します。」
「謝ることも、許されないのか?」
「もう終わったことですわ。お気になさらず。どうかお幸せに。」
上司が待ってるから、早歩きでその場を去る私。しかしマーフィー卿とは、資料室で時々、顔を合わせることになるのであった。
「マリア!王宮でマーフィー卿に、絡まれてるんだって?」
なんで、この煩いお兄様にバレているんだろう。厄介だわ。
「たまたま顔を合わせてしまっただけですわ。」
「偶然会うはずがないだろう!あの男には気をつけろ!」
「気を付けていますが、それでも会ってしまうこともあるのです。」
「お前は甘いんだ。」
「お兄様。私だって正直な気持ちをお話すると、あの方とは会いたくはないですし、話したくもありませんわ。誰に何を見られて、噂されるのか分かりませんからね。しかし、向こうから勝手に来るんです。私は冷たく対応しているのに!こんな時はどうすれば良いのですか?それなのに、ただ甘いとか、気を付けろとか言われるのも辛いのです。」
「……。」
珍しく私が反抗したから、お兄様は驚いたようだ。
「お兄様、申し訳ありませんでした。ただ、いくら避けても、どうしようもないこともあるということは、理解して下さい。」
「…だから反対だったんだ。」
「はい?」
「こんなことがあるから、文官で働くことには反対だったんだ!辞めてしまえ。」
何なのこの人。私がここまで来るのに、どれだけ苦労したと思っているの?
「お兄様には私がどんな思いで文官になったのかは、分からないでしょうね。」
「そんなの、私が分かるわけないだろう!」
もう何も話したくなかった。この人と長い時間いると、とにかく窮屈だと言うことに気付いたから。
「そうですね…。」
その後からはお兄様とは最低限の関わりだけにすることにした。余計な話はせずに、挨拶くらいにした。話しかけるなというオーラを出しまくった。
お兄様は何か言いたそうだったが、この人と距離を詰めすぎると、イライラすることを言われるから、気づかないフリをした。
そんな時だった。
「マリア。明日からしばらく、殿下達と隣国に行って来る。私がいない間も気を付けろよ。」
あー、隣国で新しい国王陛下の即位式があると言ってだわね。王太子殿下が行くから、護衛で付いて行くのか。ラッキーね。ゆっくり行って来て下さいと言いたいくらいだわ。
「…マリア?」
「…申し訳ありません。気を付けて行って来て下さい。あっ、これをお持ちください。治癒魔法と保護魔法の力を込めてありますので。」
煩いお兄様だけど、伯爵家の大切な跡取りだからね。いざという時に守ってくれるように、魔石のブレスレットを渡す。
「これは…、魔石か?こんな貴重なものを貰っていいのか?」
「前に魔物討伐した時に、手に入れた魔石で作ったものなのです。元はタダですから、気になさらず。お兄様を守ってくれると思いますわ。」
「……大切にする。ありがとな。」
ふーん。あのお兄様が、珍しく顔を赤くして嬉しそうにしているわ。口煩いお兄様でも、かわいいところはあるのね。
そんなことより、煩いお兄様がしばらく留守にすることが嬉しい。
次の日の早朝、煩いお兄様と王太子殿下、カーティス様達は隣国へと旅立って行った。
49
お気に入りに追加
1,710
あなたにおすすめの小説
3年前にも召喚された聖女ですが、仕事を終えたので早く帰らせてもらえますか?
せいめ
恋愛
女子大生の莉奈は、高校生だった頃に異世界に聖女として召喚されたことがある。
大量に発生した魔物の討伐と、国に強力な結界を張った後、聖女の仕事を無事に終えた莉奈。
親しくなった仲間達に引き留められて、別れは辛かったが、元の世界でやりたい事があるからと日本に戻ってきた。
「だって私は、受験の為に今まで頑張ってきたの。いい大学に入って、そこそこの企業に就職するのが夢だったんだから。治安が良くて、美味しい物が沢山ある日本の方が最高よ。」
その後、無事に大学生になった莉奈はまた召喚されてしまう。
召喚されたのは、高校生の時に召喚された異世界の国と同じであった。しかし、あの時から3年しか経ってないはずなのに、こっちの世界では150年も経っていた。
「聖女も2回目だから、さっさと仕事を終わらせて、早く帰らないとね!」
今回は無事に帰れるのか…?
ご都合主義です。
誤字脱字お許しください。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
一夜限りの関係だったはずなのに、責任を取れと迫られてます。
甘寧
恋愛
魔女であるシャルロッテは、偉才と呼ばれる魔導師ルイースとひょんなことから身体の関係を持ってしまう。
だがそれはお互いに同意の上で一夜限りという約束だった。
それなのに、ルイースはシャルロッテの元を訪れ「責任を取ってもらう」と言い出した。
後腐れのない関係を好むシャルロッテは、何とかして逃げようと考える。しかし、逃げれば逃げるだけ愛が重くなっていくルイース…
身体から始まる恋愛模様◎
※タイトル一部変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる