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南国へ国外逃亡できたよ
新学期
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今日から新学期。私は今日から2年生に進級する。
腹黒達も進級したかな?ミッシェルは、飛び級で卒業して隣国に留学したのかな?…ふと、友人達を思いだして、寂しくなる私。いや、彼女達の成功を異国の地で黙って祈ろう。
「…マリア、どうした?悲しそうな顔をして?具合でも悪いか?」
うっ!馬車で登校中だが、隣からあの人の声がする。
「いえ、大丈夫ですわ、お兄様。」
今日は仕事が休みらしく、送り迎えをしてくれるらしい。1人で大丈夫だからと断っても、全然聞いてくれない。
「今日から新入生が学園に来ると思うが、年下だからと侮るな。マリアに下心を持って近づく令息には気を付けるように。」
侮るなって言った?刺客でも紛れているのかと思うわ。
「そんな心配はご無用ですわ。私には誰も近付いて来ませんよ。」
「マリアは何も分かってないから、心配なんだ。」
あー、面倒くさいわ!テキトーに返事しておこう。
「分かりました。気をつけますわ。」
朝から口煩いお兄様は、私を正門まで送ると帰って行った。
今日から授業が始まる。また気合いを入れてやらないとね。休み明けで、友人達とは積もる話もあり、お喋りが止まらない。気付くと、あっという間に放課後になる。本当は、図書館でじっくり勉強したかったが、口煩いお兄様が迎えに来るから、さっさと帰らなくてはならない。ホームルームが終わり、急いで正門まで行く。うっ!口煩いお兄様は正門の所で、すでに待っていた。
「お兄様、お待たせ致しました。」
「いや、今来たところだ。」
他の生徒たちにチラチラ見られている。そう、口煩いお兄様は、黙っていれば、かなりイケメンだからね。さっさと馬車に乗って帰ろう。このイケメンは目立つから、一緒にいる所を見られたくないのよ。
馬車が走り出して、少しするといつもと違う道を走っている気がする。
「お兄様、道が違うような気がするのですが?」
「ああ。せっかくだから、マリアが好きなスイーツでも食べに行こうかと思っている。」
えっ?この人と行くの?
「あの、2人で行くのでしょうか?」
「その予定だが。ダメか?」
「いえ。ただ、もしお兄様に恋人や婚約者の方がいらっしゃるなら、申し訳ないと思いまして。」
あれ?何か顔が少し怖いような…。
「……そんなのはいない。」
「そうですか。お兄様は令嬢方にとても人気がありそうなので、意外でした。」
お兄様が連れて行ってくれたカフェは、流行りのお店らしく、混んでいたが予約を入れてくれていたようで、すぐに席に案内してくれた。
美味しいケーキとミルクティーに満足する私。
ふと、自国の義兄を思い出してしまった。義兄も学校帰りにこうやって、カフェに連れて来てくれたよね…。
「マリア、口に合わないか?」
「えっ?すごく美味しいですが。連れて来てくれてありがとうございます。」
「…ならいいのだが、何だか悲しそうな顔に見えたから。」
おっと、よく見てるわね。
「そんな表情をしていましたか?失礼しました。でも、ケーキは美味しいですわ。こんな素敵なお店に来れて嬉しいです。」
微笑んで誤魔化す私。
「そうか、じゃあまた食べに来ようか。」
その時、知らない声が掛かる。
「コリンズ卿?まあ!偶然ですわ!」
どっかの令嬢らしき人が、わざとらしく声を掛けて来た。さすが、イケメンお兄様ね。令嬢を邪魔する気のない私は、空気になりきってケーキを食べている事にした。
このお兄様も、恋人をつくれば、私に口煩く来なくなるかもしれないから、恋人候補がこうやって来るのは大歓迎よ!話を振られたら、挨拶すればいいよね。
私は義兄と令嬢のやり取りは全く気にせずに、ケーキとミルクティーを堪能していた。だけど、気付いてしまった。お兄様は、とにかく令嬢に冷たい。もっと愛想良くしろよ!って、私が親なら注意しているかも。令嬢も、一生懸命に話題を振っているが、お兄様は素っ気ないし、令嬢を見てない気がする。
気まずくなった令嬢は、ついに私に話しかけてくる。
「こちらの学生のご令嬢は、どなたでしょうか?可愛らしい方ね。」
ああ、この令嬢は私より少し年上なのね。さり気なく、マウント取ってきた?小娘ごときが、コリンズ卿とお茶してるからって調子に乗るなよ!みたいな。
でも、マウント取られても、全然戦う気になれないの。早く、この煩いお兄様を誰かに引き取って貰いたいからね。よし!可愛らしい妹大作戦よ!
まずはお兄様の名誉の為に、礼儀正しくね。私は立ち上がって、カーテシーをする。そして、渾身の笑顔で
「マリア・コリンズと申します。義兄がいつもお世話になっております。」
まさか、そこまで丁寧に挨拶をされるとは思っていなかったらしい。令嬢は驚いていた。
「えっ?妹さん?あっ!失礼しました。リナ・ビーツですわ。」
令嬢も慌てて、大したことないカーテシーをする。恐らく、子爵か男爵あたりの令嬢だろう。
「マリア、そこまで気を遣わなくていい。そちらは、子爵家の令嬢で、私達はそこまで仲良くないからな。」
この人、ここまで言うの?
「し、食事中に失礼しましたわ。ご機嫌よう。」
令嬢は居づらくなったのか、去って行ってしまった。
「マリア、次は個室のある店を探しておく。ゆっくり食べれないからな。」
はい?何言ってんの、この人?
「お兄様、お心遣いは嬉しいのですが、私はこんなお店も好きですよ。」
「…ならいいんだが、煩い女が来るのが嫌なんだ。」
ああ、そう。さっきの令嬢みたいに、しつこく話しかけてくる人が苦手なのね。分かりました。
新学期が始まっても、煩いお兄様に振り回されているような気がするわね。
邸に帰ると、おば様が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。いつもより遅かったわね。どこか行って来たの?」
「お母様、遅くなって申し訳ありませんでした。お兄様がカフェに連れて行ってくれたので、ケーキを頂いて来ましたわ。」
「……ええー!!マリア、それは本当なの?エルが?えー!明日は槍が降るかもしれないわね。」
「母上、私に失礼ですよ。槍なんて降りません。」
お母様が驚いている。カフェくらい、誰だって行くじゃない?もしかして、お母様も行きたかったかしら?
「お母様も、次回は一緒に行きませんか?」
「マリア、母上は父上と2人じゃないと行かないから、気を遣わなくていいんだ。」
「でも、みんなで行くのも楽しいと思うのですが。」
「ああ、マリアは可愛いわ!マリア、お母様と今度は出掛けましょう。…エルは行かなくていいわ!」
「はいはい。どうぞ!」
お兄様は部屋に戻って行った。その後、私はお母様に、令嬢がお兄様に話しかけて来たが、冷たく突き放していたことなどを報告しておいた。
最近のお兄様は、何だか厄介になって来ているから、細かいことまでお母様にチクることに決めた私であった。
腹黒達も進級したかな?ミッシェルは、飛び級で卒業して隣国に留学したのかな?…ふと、友人達を思いだして、寂しくなる私。いや、彼女達の成功を異国の地で黙って祈ろう。
「…マリア、どうした?悲しそうな顔をして?具合でも悪いか?」
うっ!馬車で登校中だが、隣からあの人の声がする。
「いえ、大丈夫ですわ、お兄様。」
今日は仕事が休みらしく、送り迎えをしてくれるらしい。1人で大丈夫だからと断っても、全然聞いてくれない。
「今日から新入生が学園に来ると思うが、年下だからと侮るな。マリアに下心を持って近づく令息には気を付けるように。」
侮るなって言った?刺客でも紛れているのかと思うわ。
「そんな心配はご無用ですわ。私には誰も近付いて来ませんよ。」
「マリアは何も分かってないから、心配なんだ。」
あー、面倒くさいわ!テキトーに返事しておこう。
「分かりました。気をつけますわ。」
朝から口煩いお兄様は、私を正門まで送ると帰って行った。
今日から授業が始まる。また気合いを入れてやらないとね。休み明けで、友人達とは積もる話もあり、お喋りが止まらない。気付くと、あっという間に放課後になる。本当は、図書館でじっくり勉強したかったが、口煩いお兄様が迎えに来るから、さっさと帰らなくてはならない。ホームルームが終わり、急いで正門まで行く。うっ!口煩いお兄様は正門の所で、すでに待っていた。
「お兄様、お待たせ致しました。」
「いや、今来たところだ。」
他の生徒たちにチラチラ見られている。そう、口煩いお兄様は、黙っていれば、かなりイケメンだからね。さっさと馬車に乗って帰ろう。このイケメンは目立つから、一緒にいる所を見られたくないのよ。
馬車が走り出して、少しするといつもと違う道を走っている気がする。
「お兄様、道が違うような気がするのですが?」
「ああ。せっかくだから、マリアが好きなスイーツでも食べに行こうかと思っている。」
えっ?この人と行くの?
「あの、2人で行くのでしょうか?」
「その予定だが。ダメか?」
「いえ。ただ、もしお兄様に恋人や婚約者の方がいらっしゃるなら、申し訳ないと思いまして。」
あれ?何か顔が少し怖いような…。
「……そんなのはいない。」
「そうですか。お兄様は令嬢方にとても人気がありそうなので、意外でした。」
お兄様が連れて行ってくれたカフェは、流行りのお店らしく、混んでいたが予約を入れてくれていたようで、すぐに席に案内してくれた。
美味しいケーキとミルクティーに満足する私。
ふと、自国の義兄を思い出してしまった。義兄も学校帰りにこうやって、カフェに連れて来てくれたよね…。
「マリア、口に合わないか?」
「えっ?すごく美味しいですが。連れて来てくれてありがとうございます。」
「…ならいいのだが、何だか悲しそうな顔に見えたから。」
おっと、よく見てるわね。
「そんな表情をしていましたか?失礼しました。でも、ケーキは美味しいですわ。こんな素敵なお店に来れて嬉しいです。」
微笑んで誤魔化す私。
「そうか、じゃあまた食べに来ようか。」
その時、知らない声が掛かる。
「コリンズ卿?まあ!偶然ですわ!」
どっかの令嬢らしき人が、わざとらしく声を掛けて来た。さすが、イケメンお兄様ね。令嬢を邪魔する気のない私は、空気になりきってケーキを食べている事にした。
このお兄様も、恋人をつくれば、私に口煩く来なくなるかもしれないから、恋人候補がこうやって来るのは大歓迎よ!話を振られたら、挨拶すればいいよね。
私は義兄と令嬢のやり取りは全く気にせずに、ケーキとミルクティーを堪能していた。だけど、気付いてしまった。お兄様は、とにかく令嬢に冷たい。もっと愛想良くしろよ!って、私が親なら注意しているかも。令嬢も、一生懸命に話題を振っているが、お兄様は素っ気ないし、令嬢を見てない気がする。
気まずくなった令嬢は、ついに私に話しかけてくる。
「こちらの学生のご令嬢は、どなたでしょうか?可愛らしい方ね。」
ああ、この令嬢は私より少し年上なのね。さり気なく、マウント取ってきた?小娘ごときが、コリンズ卿とお茶してるからって調子に乗るなよ!みたいな。
でも、マウント取られても、全然戦う気になれないの。早く、この煩いお兄様を誰かに引き取って貰いたいからね。よし!可愛らしい妹大作戦よ!
まずはお兄様の名誉の為に、礼儀正しくね。私は立ち上がって、カーテシーをする。そして、渾身の笑顔で
「マリア・コリンズと申します。義兄がいつもお世話になっております。」
まさか、そこまで丁寧に挨拶をされるとは思っていなかったらしい。令嬢は驚いていた。
「えっ?妹さん?あっ!失礼しました。リナ・ビーツですわ。」
令嬢も慌てて、大したことないカーテシーをする。恐らく、子爵か男爵あたりの令嬢だろう。
「マリア、そこまで気を遣わなくていい。そちらは、子爵家の令嬢で、私達はそこまで仲良くないからな。」
この人、ここまで言うの?
「し、食事中に失礼しましたわ。ご機嫌よう。」
令嬢は居づらくなったのか、去って行ってしまった。
「マリア、次は個室のある店を探しておく。ゆっくり食べれないからな。」
はい?何言ってんの、この人?
「お兄様、お心遣いは嬉しいのですが、私はこんなお店も好きですよ。」
「…ならいいんだが、煩い女が来るのが嫌なんだ。」
ああ、そう。さっきの令嬢みたいに、しつこく話しかけてくる人が苦手なのね。分かりました。
新学期が始まっても、煩いお兄様に振り回されているような気がするわね。
邸に帰ると、おば様が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。いつもより遅かったわね。どこか行って来たの?」
「お母様、遅くなって申し訳ありませんでした。お兄様がカフェに連れて行ってくれたので、ケーキを頂いて来ましたわ。」
「……ええー!!マリア、それは本当なの?エルが?えー!明日は槍が降るかもしれないわね。」
「母上、私に失礼ですよ。槍なんて降りません。」
お母様が驚いている。カフェくらい、誰だって行くじゃない?もしかして、お母様も行きたかったかしら?
「お母様も、次回は一緒に行きませんか?」
「マリア、母上は父上と2人じゃないと行かないから、気を遣わなくていいんだ。」
「でも、みんなで行くのも楽しいと思うのですが。」
「ああ、マリアは可愛いわ!マリア、お母様と今度は出掛けましょう。…エルは行かなくていいわ!」
「はいはい。どうぞ!」
お兄様は部屋に戻って行った。その後、私はお母様に、令嬢がお兄様に話しかけて来たが、冷たく突き放していたことなどを報告しておいた。
最近のお兄様は、何だか厄介になって来ているから、細かいことまでお母様にチクることに決めた私であった。
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