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ヒロインがやって来た
いじめのその後と副会長
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あの後、生徒会長が教えてくれたのだが、嫌がらせをさせていた、2年生の令嬢は2週間の謹慎に入ったらしい。子爵令嬢を脅していた、ブレック伯爵令嬢は悪質だと判断され、1人だけ1か月の謹慎だって。しかも、父の伯爵が学校に呼び出されて、学園長からキツく注意をされたそうだ。
そして脅されて、嫌がらせをさせられていた子爵令嬢は、口頭での注意で終わったようだ。あの子、かなり怯えて可哀想だったからね。注意だけで済んで良かったよねと、腹黒達と話している。
なぜ2年生の先輩方が、ピンクに嫌がらせをしたのかと、生徒会長が理由を聞いたらしい。すると、ブレック伯爵令嬢の好きな令息が、ピンクが可愛いと話していたのを聞いて、腹が立ったから嫌がらせをしたらしいのだ。ピンクはヒロインだけあって、黙っていたら可愛いのよ。それはしょうがない、ヒロインは可愛いって決まってるんだから。でも、女の嫉妬は怖いと改めて感じたわ。
結局、ピンクは男爵令嬢だから、伯爵令嬢の先輩に多少の嫌がらせをされても、強く出れない。レストランで水をかけられても、黙って我慢するピンクは、可哀想に見えて、つい助けてしまったもんね。
そして今日の学園でのランチは、なぜか生徒会長と副会長、私とレジーナ、ユーリアで食べている。偶々会って、一緒にどうかと誘われて断る理由が無かったからだ。他の生徒たちは、私達のテーブルをチラチラ見ているようで視線を感じるが、もう気にしてられないわね。
「フォーレス嬢は、近衛騎士団長の父から聞いたが、スペンサー卿と付き合っているんだって?」
ああ、フィル兄様の上司の息子が、副会長だったわね。愛想良くしないと。
「はい。そう言うことになりましたわ。」
「婚約はしたのか?」
「婚約はしてませんわ。今はただのお付き合いです。」
「…そうか。」
「副会長こそ、どなたかステキな方がいらっしゃるのでしょうか?」
少し興味があるわね。この人も明るくて綺麗な金髪にキラキラした美形で、モテそうだ。そして、あの遊び人達の近衛騎士団に仲間入りをするのだろうから。
「そういう人はまだいないな。」
「副会長は、すごくモテそうなので、選びたい放題ですわね。」
「そんなことは無いが、君こそ選びたい放題だろう?」
「そんなことは、ありませんわ。色々と難しいことがあるのです。」
何となく、寂しい気持ちになる私。
レジーナやユーリアみたいに、純粋に熱々なカップルが羨ましい。フィル兄様は攻略対象者だから、まだどこかで、遠慮している部分があるからね。
隣でレジーナとユーリアは、生徒会長と世間話をして盛り上がっている。
「君は、スペンサー卿のことが好きで付き合っているのか?」
えー!変なこと言ったら、お喋りな近衛騎士団員からフィル兄様の耳に入りそうで怖いわね。しかも、まともに話すのは初めての副会長に、そこまで突っ込んで聞かれるのも、ちょっと引っかかるわ。
「ふふっ!副会長、はっきりと聞いてきますわね。好きか嫌いかと言えば、好きだから付き合うことにしました。優しい方ですから。」
「君がそう思って付き合うなら、いいと思うが。もし、スペンサー卿の事で気になることが出来たら、相談してほしい。」
「あの、副会長は何が言いたいのでしょうか?何かあるように感じてしまいますわ。」
「マリーベル嬢!こいつは近衛騎士を志望している割には、真面目すぎると言うか、堅物というか…。だから、あまり気にしなくていいよ。」
生徒会長がフォローしているわ。でも、あの事を心配しているのかしらね。
「もしかして、近衛騎士は遊び人が多い事を心配しているのですか?あの方も、それなりに色々あったようですから、その事でしょうか?」
まったく!フィル兄様は相当、女泣かせだったようね。そのうち、元カノみたいな令嬢に絡まれるかもね。多分、私よりみんな年上だろうから、小娘の私を見くびって来そうだし。面倒だわ。
遊び人だった人と付き合うと、こんな風に言われるのね…。元アラサー婚活女子からすると、少し冷めるわ。
今思い出したけど、婚活中は、カッコいい人よりも、安心・安全・安定した人を求めていたわ。思わず、遠い目になる私。やはりフィル兄様との婚約はまだ考えられないわね。お父様には、心の底から感謝だわ。
「くっ、くっ、くっ。マリーベル嬢、今日も君は面白いな。スペンサー卿が君にベッタリなのも納得だ。イーサン、心配しなくても大丈夫そうだよ。」
「ああ。それならいいのだが。」
副会長は、真面目で優しい方なのかもね。
「ありがとうございます。何かあれば、ぜひ相談させてください。心配事が無いと言えば嘘になりますから。副会長、頼りにしてますわ。」
ふふっ!近い未来の、近衛騎士の味方をゲットだぜ!思わず笑顔になる私。だって、フィル兄様の同僚の近衛騎士達は、口が軽そうだし、自分がカッコいいって自覚を持って、遊び人ぽくて苦手だったからね。副会長は未来の近衛騎士としては珍しく?、真面目なタイプだから好感が持てるわ。
「ああ。何かあったら、何でも相談して欲しい。ところで、フォーレス嬢…、私も君をマリーベル嬢と呼んでもいいだろうか?」
「ええ、勿論ですわ。マリーベルとお呼び下さい。」
「私のことはイーサンと呼んでくれ。」
「分かりました。イーサン様と呼ばせて頂きます。しかし、『副会長』と呼びやすいので、副会長と呼んでしまっても、返事をして下さいね。」
「勿論だ。役職で呼ぶのは、みんな呼びやすいらしいからな。」
あら、この人もキラキラ美形だけあって、笑顔が素晴らしいわね。ん?美形の騎士団長子息で、生徒会副会長って…。この人も攻略対象者だったりして。いい人っぽいけど、気をつけて関わろう。
「イーサンが名前で呼びたいだなんて、初めて聞いたけど。」
「アラン、煩いぞ!偶々だ。」
生徒会長と副会長は仲が良いらしい。
ランチを食べ終えて、レストランを出る私達。廊下を歩いていると、誰かに呼び止められるのであった。
そして脅されて、嫌がらせをさせられていた子爵令嬢は、口頭での注意で終わったようだ。あの子、かなり怯えて可哀想だったからね。注意だけで済んで良かったよねと、腹黒達と話している。
なぜ2年生の先輩方が、ピンクに嫌がらせをしたのかと、生徒会長が理由を聞いたらしい。すると、ブレック伯爵令嬢の好きな令息が、ピンクが可愛いと話していたのを聞いて、腹が立ったから嫌がらせをしたらしいのだ。ピンクはヒロインだけあって、黙っていたら可愛いのよ。それはしょうがない、ヒロインは可愛いって決まってるんだから。でも、女の嫉妬は怖いと改めて感じたわ。
結局、ピンクは男爵令嬢だから、伯爵令嬢の先輩に多少の嫌がらせをされても、強く出れない。レストランで水をかけられても、黙って我慢するピンクは、可哀想に見えて、つい助けてしまったもんね。
そして今日の学園でのランチは、なぜか生徒会長と副会長、私とレジーナ、ユーリアで食べている。偶々会って、一緒にどうかと誘われて断る理由が無かったからだ。他の生徒たちは、私達のテーブルをチラチラ見ているようで視線を感じるが、もう気にしてられないわね。
「フォーレス嬢は、近衛騎士団長の父から聞いたが、スペンサー卿と付き合っているんだって?」
ああ、フィル兄様の上司の息子が、副会長だったわね。愛想良くしないと。
「はい。そう言うことになりましたわ。」
「婚約はしたのか?」
「婚約はしてませんわ。今はただのお付き合いです。」
「…そうか。」
「副会長こそ、どなたかステキな方がいらっしゃるのでしょうか?」
少し興味があるわね。この人も明るくて綺麗な金髪にキラキラした美形で、モテそうだ。そして、あの遊び人達の近衛騎士団に仲間入りをするのだろうから。
「そういう人はまだいないな。」
「副会長は、すごくモテそうなので、選びたい放題ですわね。」
「そんなことは無いが、君こそ選びたい放題だろう?」
「そんなことは、ありませんわ。色々と難しいことがあるのです。」
何となく、寂しい気持ちになる私。
レジーナやユーリアみたいに、純粋に熱々なカップルが羨ましい。フィル兄様は攻略対象者だから、まだどこかで、遠慮している部分があるからね。
隣でレジーナとユーリアは、生徒会長と世間話をして盛り上がっている。
「君は、スペンサー卿のことが好きで付き合っているのか?」
えー!変なこと言ったら、お喋りな近衛騎士団員からフィル兄様の耳に入りそうで怖いわね。しかも、まともに話すのは初めての副会長に、そこまで突っ込んで聞かれるのも、ちょっと引っかかるわ。
「ふふっ!副会長、はっきりと聞いてきますわね。好きか嫌いかと言えば、好きだから付き合うことにしました。優しい方ですから。」
「君がそう思って付き合うなら、いいと思うが。もし、スペンサー卿の事で気になることが出来たら、相談してほしい。」
「あの、副会長は何が言いたいのでしょうか?何かあるように感じてしまいますわ。」
「マリーベル嬢!こいつは近衛騎士を志望している割には、真面目すぎると言うか、堅物というか…。だから、あまり気にしなくていいよ。」
生徒会長がフォローしているわ。でも、あの事を心配しているのかしらね。
「もしかして、近衛騎士は遊び人が多い事を心配しているのですか?あの方も、それなりに色々あったようですから、その事でしょうか?」
まったく!フィル兄様は相当、女泣かせだったようね。そのうち、元カノみたいな令嬢に絡まれるかもね。多分、私よりみんな年上だろうから、小娘の私を見くびって来そうだし。面倒だわ。
遊び人だった人と付き合うと、こんな風に言われるのね…。元アラサー婚活女子からすると、少し冷めるわ。
今思い出したけど、婚活中は、カッコいい人よりも、安心・安全・安定した人を求めていたわ。思わず、遠い目になる私。やはりフィル兄様との婚約はまだ考えられないわね。お父様には、心の底から感謝だわ。
「くっ、くっ、くっ。マリーベル嬢、今日も君は面白いな。スペンサー卿が君にベッタリなのも納得だ。イーサン、心配しなくても大丈夫そうだよ。」
「ああ。それならいいのだが。」
副会長は、真面目で優しい方なのかもね。
「ありがとうございます。何かあれば、ぜひ相談させてください。心配事が無いと言えば嘘になりますから。副会長、頼りにしてますわ。」
ふふっ!近い未来の、近衛騎士の味方をゲットだぜ!思わず笑顔になる私。だって、フィル兄様の同僚の近衛騎士達は、口が軽そうだし、自分がカッコいいって自覚を持って、遊び人ぽくて苦手だったからね。副会長は未来の近衛騎士としては珍しく?、真面目なタイプだから好感が持てるわ。
「ああ。何かあったら、何でも相談して欲しい。ところで、フォーレス嬢…、私も君をマリーベル嬢と呼んでもいいだろうか?」
「ええ、勿論ですわ。マリーベルとお呼び下さい。」
「私のことはイーサンと呼んでくれ。」
「分かりました。イーサン様と呼ばせて頂きます。しかし、『副会長』と呼びやすいので、副会長と呼んでしまっても、返事をして下さいね。」
「勿論だ。役職で呼ぶのは、みんな呼びやすいらしいからな。」
あら、この人もキラキラ美形だけあって、笑顔が素晴らしいわね。ん?美形の騎士団長子息で、生徒会副会長って…。この人も攻略対象者だったりして。いい人っぽいけど、気をつけて関わろう。
「イーサンが名前で呼びたいだなんて、初めて聞いたけど。」
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