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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
打ち明けられました
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色々あった長期休暇もあと1週間で終わる。王都に戻った私は、とりあえずフォーレス侯爵家のタウンハウスに泊まりに来た。一応、両親がいる実家なので。そんな私に、お母様が当然のように、勝手にお茶会の予定を入れていた。もう出席すると返事済みらしい。それは、参加して来いという命令ですね。
正直、辺境伯家の夜会が疲れすぎたので、お茶会や夜会はしばらくお休みにしたかったが、長期休暇中に、王都で開かれたものには、一度も参加してないわよね?と言われて黙るしかなかった。
そして、今日は王太子妃殿下主催のお茶会だ。お母様が気合いの入ったドレスを用意していた。いつも青や水色が多いので、今日は薄い紫のドレスらしい。朝から磨かれ、馬車で王宮に向かう。今日は母も義兄もいなくて、1人だから何となく心細い気もするわね。義兄なんて、いたら煩いけど、いないと静かで寂しいと感じる日が来るなんて、ビックリよ。
気が付くと、王宮に着いたようだ。馬車を降りると、お茶会の場所までは近衛騎士が案内してくれるらしい。
「フォーレス侯爵令嬢、ご機嫌麗しゅうございます。ここからは、私が案内させて頂きます。」
いかにも近衛騎士って感じの、どっかの貴族令息っぽい美形が挨拶してくる。
「ご機嫌よう。今日はどうぞよろしくお願い致します。」
とりあえず、カーテシーしておくか。
近衛騎士は、エスコートして連れて行ってくれるようだ。初対面の近衛騎士と2人で歩くのも気不味いから、何だか嫌だなぁ。国内の騎士団の中で、1番モテるって言ってたよね。無駄にキラキラしている人が多くて、遊んでそうだもんね。フィル兄様の同僚だし。
しかし、王宮は広いわね。あと、どれくらい歩くのかしら。
「もう少し歩きますが、大丈夫でしょうか?」
私の心の声が聞こえているの?和かな表情で聞いてくる近衛騎士。負けずに微笑み返す私。
「ええ、大丈夫ですわ。お気遣い、感謝致します。」
何か話した方が良かった?いや、仕事中の騎士に馴れ馴れしく話しかけるのも良くないわよね。
「こちらの部屋でお待ちください。」
「ありがとうございました。」
部屋には、私だけだった。あれ?1人なの?と、思って待っていると、ドアがノックされる。入って来たのは、
「シリル様?ご機嫌よう。お茶会はシリル様も一緒でしょうか?」
「マリーベル嬢、久しぶりだな。今日は妃殿下と、王太子殿下と私と君で、お茶を飲む予定だったのだが、まだ2人は執務が残っているので、先に私が行くように言われて来たんだ。せっかくだから、王宮の中庭の薔薇でも観に行かないか?」
えっ?行きます!ちょっとした観光気分よ。
「ぜひ、連れて行ってくださいませ。」
シリル様は、いつもの優しい笑顔で手を差し出して来る。エスコートしてくれるのね。手を乗せようとすると、…あれっ?これって恋人繋ぎじゃないの。流石に王宮でこれは大丈夫なのかしら?シリル様は、何事も無いかのように、手を引いてくれる。すれ違う、近衛騎士や文官などにチラチラ見られている。
「あの、シリル様…。」
「どうした?」
「王宮で手を繋いで、大丈夫でしょうか?皆んなに見られているような気がするのですが。」
「大丈夫だ。気にしなくていい。」
えっ!そうなの?大物がそう言っているから、いいのかな。
中庭に着くと、手入れの行き届いた薔薇園がある。凄いわね!ヨーロッパ旅行に来たみたいだわ。奥に進むと、かわいいガゼボがある。
「せっかくだから、少し座ろうか。」
綺麗ね。いい気分転換になるわ。
「マリーベル嬢、辺境伯家の夜会では災難だったな。怪我は無いか?」
公爵閣下からの早馬は到着していたようね。
「大丈夫でしたわ。色々とご心配をおかけしました。」
「もうここまで色々あると、隠すのも良くないから、話をしておきたいのだが。君に危害を加えた、男爵夫人は、私や公爵と同じ学年でね。高位の貴族令息を狙って纏わりついたり、馴れ馴れしくしたり、迷惑な女だったんだ。しかも、貴族令息の婚約者にも嫌がらせで、絡んだりしてね、妃殿下も一時は、目の敵にされていた時期があったんだよ。」
「あのお方は、男爵令嬢でしたわよね?男爵令嬢が公爵令嬢にまで、絡むのですか?」
「普通はそう思うだろうが、あの女はそんなことを気にしないで、殿下にまで纏わりついたりして、王家から、男爵家に苦情を入れたことがあったんだ。でも全く効果がなくて、殿下が卒業していなくなったら、今度はシールド公爵を狙い始めたようで、公爵の婚約者だった令嬢にまで、嫌がらせをし始めた。愛のない結婚は可哀想だから、彼を解放しろだとか令嬢に言い出して、本当に酷い女だった。」
「すごい方ですわね。でも、それを見て公爵閣下は、男爵令嬢に注意をしなかったのですか?自分の婚約者が嫌がらせされていたのですから。」
「それをしなかったから、あの女や周りの女狐共が調子に乗ってしまったんだ。」
「それで、その令嬢はずっと我慢していたのだろうけど、ある時に嫌味を言ってきた、男爵令嬢を言い負かしたことがあってね。その後に、公爵にも見切りをつけたようで、婚約の話も白紙になったようだ。男爵令嬢の方は、反省する様子が無かったから、父の男爵が縁談を進めて、結婚と言う形で学園を去った。その時に、結婚で学園を去るか、修道院へ行くかと男爵に迫ったのが、当時の私と殿下だった。私達は、公爵の婚約者でありながら、不憫な思いをしている令嬢を、助けたいと思って動いたつもりだったが…。まさか、こんなに年数が経って、辺境伯家の夜会で君が被害に遭うなんて。私の手落ちだな。申し訳ない。」
「それで、公爵との婚約を白紙にしたのが、君の従姉妹のアンネマリー嬢。君はアンネマリー嬢にそっくりだから、酔っ払って絡んできたのだろう。」
すごい話だな。この話を聞くと、殿下とシリル様はまともで、あの酔っ払いの元男爵令嬢はヤバい人で、公爵閣下は残念な人に感じてしまうわね。従姉妹のお姉様も、苦労したのね。
「シリル様、教えて下さってありがとうございます。だからあの男爵夫人は、私を見て『死んだんじゃなかったのか』と言って来たのですね。公爵閣下も、酔っていたのかも知れませんが、なぜか私に謝り出して、『私のせいだ』とか言い出して。すべて疑問が解決しましたわ。」
「公爵が君に謝り出したのか?……そうか。」
「酔っていたのかもしれませんわ。公爵閣下の行動も、今考えると、理解が難しいところがありましたから。」
「ああ、怯える君を強引に抱きしめていたと聞いている。」
げっ!そこまで知られているのー?ヤバいわね。これが、義兄やフィル兄様の耳に入ったら、来年は辺境伯領に行けなくなるかもしれないわ。ハァー。
「マリーベル嬢、そんなに悲しそうな顔をするな。君は何も悪くないのは、みんな知っているのだし、私や殿下や妃殿下は、君の味方だからな。」
「色々ありがとうございます。シリル様がいて、心強いですわ。」
「ああ、頼ってくれたら嬉しいな。それに私は…、マリーベル嬢と、もっと深い仲になりたいと思っている。」
えっ?
「深い仲とは?」
シリル様は、椅子に座る私の前にスッと跪く。
「私は君に恋をしているようだ。」
「始めはアンネマリー嬢そっくりの君に、興味を持ったのがきっかけだったが。君はとても活発で、見ていて面白いし、美味しそうに食事をするところや、眩しく笑うところが、愛しいと思ってしまう。君は私のことを、年の離れた友人としか思ってないと思うが、少しずつでいいから、男として見てくれたら嬉しい。」
シリル様は、真っ直ぐに私を見つめる。
「とりあえず、もっと仲良くなりたいってことだ。分かってくれ。」
フッと優しく微笑んで、手にキスをするシリル様。
こんなことされたら、この人を意識しちゃうわよ。落ち着け、私の心臓!
「あの、あまりドキドキさせないで下さいね?」
「もっとドキドキすればいい。」
そろそろ、殿下と妃殿下も来るだろうと、お茶会の部屋に行くと、ニコニコした2人に迎えられる。2人とも、機嫌がいいのね。
楽しい会話と、王宮の美味しいお菓子やお茶に満足して、家路に着く私だった。
正直、辺境伯家の夜会が疲れすぎたので、お茶会や夜会はしばらくお休みにしたかったが、長期休暇中に、王都で開かれたものには、一度も参加してないわよね?と言われて黙るしかなかった。
そして、今日は王太子妃殿下主催のお茶会だ。お母様が気合いの入ったドレスを用意していた。いつも青や水色が多いので、今日は薄い紫のドレスらしい。朝から磨かれ、馬車で王宮に向かう。今日は母も義兄もいなくて、1人だから何となく心細い気もするわね。義兄なんて、いたら煩いけど、いないと静かで寂しいと感じる日が来るなんて、ビックリよ。
気が付くと、王宮に着いたようだ。馬車を降りると、お茶会の場所までは近衛騎士が案内してくれるらしい。
「フォーレス侯爵令嬢、ご機嫌麗しゅうございます。ここからは、私が案内させて頂きます。」
いかにも近衛騎士って感じの、どっかの貴族令息っぽい美形が挨拶してくる。
「ご機嫌よう。今日はどうぞよろしくお願い致します。」
とりあえず、カーテシーしておくか。
近衛騎士は、エスコートして連れて行ってくれるようだ。初対面の近衛騎士と2人で歩くのも気不味いから、何だか嫌だなぁ。国内の騎士団の中で、1番モテるって言ってたよね。無駄にキラキラしている人が多くて、遊んでそうだもんね。フィル兄様の同僚だし。
しかし、王宮は広いわね。あと、どれくらい歩くのかしら。
「もう少し歩きますが、大丈夫でしょうか?」
私の心の声が聞こえているの?和かな表情で聞いてくる近衛騎士。負けずに微笑み返す私。
「ええ、大丈夫ですわ。お気遣い、感謝致します。」
何か話した方が良かった?いや、仕事中の騎士に馴れ馴れしく話しかけるのも良くないわよね。
「こちらの部屋でお待ちください。」
「ありがとうございました。」
部屋には、私だけだった。あれ?1人なの?と、思って待っていると、ドアがノックされる。入って来たのは、
「シリル様?ご機嫌よう。お茶会はシリル様も一緒でしょうか?」
「マリーベル嬢、久しぶりだな。今日は妃殿下と、王太子殿下と私と君で、お茶を飲む予定だったのだが、まだ2人は執務が残っているので、先に私が行くように言われて来たんだ。せっかくだから、王宮の中庭の薔薇でも観に行かないか?」
えっ?行きます!ちょっとした観光気分よ。
「ぜひ、連れて行ってくださいませ。」
シリル様は、いつもの優しい笑顔で手を差し出して来る。エスコートしてくれるのね。手を乗せようとすると、…あれっ?これって恋人繋ぎじゃないの。流石に王宮でこれは大丈夫なのかしら?シリル様は、何事も無いかのように、手を引いてくれる。すれ違う、近衛騎士や文官などにチラチラ見られている。
「あの、シリル様…。」
「どうした?」
「王宮で手を繋いで、大丈夫でしょうか?皆んなに見られているような気がするのですが。」
「大丈夫だ。気にしなくていい。」
えっ!そうなの?大物がそう言っているから、いいのかな。
中庭に着くと、手入れの行き届いた薔薇園がある。凄いわね!ヨーロッパ旅行に来たみたいだわ。奥に進むと、かわいいガゼボがある。
「せっかくだから、少し座ろうか。」
綺麗ね。いい気分転換になるわ。
「マリーベル嬢、辺境伯家の夜会では災難だったな。怪我は無いか?」
公爵閣下からの早馬は到着していたようね。
「大丈夫でしたわ。色々とご心配をおかけしました。」
「もうここまで色々あると、隠すのも良くないから、話をしておきたいのだが。君に危害を加えた、男爵夫人は、私や公爵と同じ学年でね。高位の貴族令息を狙って纏わりついたり、馴れ馴れしくしたり、迷惑な女だったんだ。しかも、貴族令息の婚約者にも嫌がらせで、絡んだりしてね、妃殿下も一時は、目の敵にされていた時期があったんだよ。」
「あのお方は、男爵令嬢でしたわよね?男爵令嬢が公爵令嬢にまで、絡むのですか?」
「普通はそう思うだろうが、あの女はそんなことを気にしないで、殿下にまで纏わりついたりして、王家から、男爵家に苦情を入れたことがあったんだ。でも全く効果がなくて、殿下が卒業していなくなったら、今度はシールド公爵を狙い始めたようで、公爵の婚約者だった令嬢にまで、嫌がらせをし始めた。愛のない結婚は可哀想だから、彼を解放しろだとか令嬢に言い出して、本当に酷い女だった。」
「すごい方ですわね。でも、それを見て公爵閣下は、男爵令嬢に注意をしなかったのですか?自分の婚約者が嫌がらせされていたのですから。」
「それをしなかったから、あの女や周りの女狐共が調子に乗ってしまったんだ。」
「それで、その令嬢はずっと我慢していたのだろうけど、ある時に嫌味を言ってきた、男爵令嬢を言い負かしたことがあってね。その後に、公爵にも見切りをつけたようで、婚約の話も白紙になったようだ。男爵令嬢の方は、反省する様子が無かったから、父の男爵が縁談を進めて、結婚と言う形で学園を去った。その時に、結婚で学園を去るか、修道院へ行くかと男爵に迫ったのが、当時の私と殿下だった。私達は、公爵の婚約者でありながら、不憫な思いをしている令嬢を、助けたいと思って動いたつもりだったが…。まさか、こんなに年数が経って、辺境伯家の夜会で君が被害に遭うなんて。私の手落ちだな。申し訳ない。」
「それで、公爵との婚約を白紙にしたのが、君の従姉妹のアンネマリー嬢。君はアンネマリー嬢にそっくりだから、酔っ払って絡んできたのだろう。」
すごい話だな。この話を聞くと、殿下とシリル様はまともで、あの酔っ払いの元男爵令嬢はヤバい人で、公爵閣下は残念な人に感じてしまうわね。従姉妹のお姉様も、苦労したのね。
「シリル様、教えて下さってありがとうございます。だからあの男爵夫人は、私を見て『死んだんじゃなかったのか』と言って来たのですね。公爵閣下も、酔っていたのかも知れませんが、なぜか私に謝り出して、『私のせいだ』とか言い出して。すべて疑問が解決しましたわ。」
「公爵が君に謝り出したのか?……そうか。」
「酔っていたのかもしれませんわ。公爵閣下の行動も、今考えると、理解が難しいところがありましたから。」
「ああ、怯える君を強引に抱きしめていたと聞いている。」
げっ!そこまで知られているのー?ヤバいわね。これが、義兄やフィル兄様の耳に入ったら、来年は辺境伯領に行けなくなるかもしれないわ。ハァー。
「マリーベル嬢、そんなに悲しそうな顔をするな。君は何も悪くないのは、みんな知っているのだし、私や殿下や妃殿下は、君の味方だからな。」
「色々ありがとうございます。シリル様がいて、心強いですわ。」
「ああ、頼ってくれたら嬉しいな。それに私は…、マリーベル嬢と、もっと深い仲になりたいと思っている。」
えっ?
「深い仲とは?」
シリル様は、椅子に座る私の前にスッと跪く。
「私は君に恋をしているようだ。」
「始めはアンネマリー嬢そっくりの君に、興味を持ったのがきっかけだったが。君はとても活発で、見ていて面白いし、美味しそうに食事をするところや、眩しく笑うところが、愛しいと思ってしまう。君は私のことを、年の離れた友人としか思ってないと思うが、少しずつでいいから、男として見てくれたら嬉しい。」
シリル様は、真っ直ぐに私を見つめる。
「とりあえず、もっと仲良くなりたいってことだ。分かってくれ。」
フッと優しく微笑んで、手にキスをするシリル様。
こんなことされたら、この人を意識しちゃうわよ。落ち着け、私の心臓!
「あの、あまりドキドキさせないで下さいね?」
「もっとドキドキすればいい。」
そろそろ、殿下と妃殿下も来るだろうと、お茶会の部屋に行くと、ニコニコした2人に迎えられる。2人とも、機嫌がいいのね。
楽しい会話と、王宮の美味しいお菓子やお茶に満足して、家路に着く私だった。
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