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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
閑話 従兄妹 3
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フォーレス侯爵家の名が呼ばれ、3人が大広間に入ってくると、一瞬ザワっとする。アルベルトにエスコートされながら歩くマリーは、離れた所から見ていても、とても綺麗であった。広間に来たマリーは友人達を見つけたようで、少しだけ話をしに行くと言う。1人で行きたいようであったが、離れたくない私は、迷子になるからと強引について行った。マリーは辺境伯とも仲良くしているらしい。辺境伯は国内最強と言われる軍隊を持ち、公爵と同じくらい力のある家門だ。そして、マリーは辺境伯の側近と見られる若い騎士と仲良く話をしている。あんな表情は私には見せたことはなかった。何だか不快な気持ちになる。
デビュタントが始まり、国王陛下夫妻と王太子殿下夫妻に混ざって、父である王弟と踊るマリーに沢山の人が見惚れていた。沢山の貴族の前で、デビュタントとは思えない、優雅で完璧なダンスを見せるマリーは凄いと思う。
その後、一緒にマリーと踊るが、周りの令息はマリーをチラチラと見ている。この後、マリーをダンスに誘いたいのだろう。だけどそれは無理だろうな。この後に国王や王太子殿下といった、国家権力者がマリーとダンスを踊るだろうから。
マリー本人は何を考えているのか分からないが、ニコニコと私の顔を見つめている。可愛いからいいのだが、思わず気になっていた、先程の義兄や辺境伯の騎士とのことを聞いてしまった。本当は、更に深く聞きたいところだが、それは時間のある時にまた何気なく聞こうと思う。無理に聞いて、執着していると思われたくないから。
曲が終わり、私とのダンスが終わると、予想通りに国王陛下にダンスを誘われるマリー。しばらくは私の出番は無さそうだな。そんなことを考えていると、同じ近衛騎士の仲間たちから、声を掛けられる。まぁ、マリーとの関係が聞きたいのだろう。壁の方に移動して、仲間達とくだらない話をしている時であった。横から、子爵家の令嬢から話掛けられる。割り切った付き合いをしていた、そこそこの美人の令嬢だ。同じ近衛騎士の仲間たちもそれは知っている。こんな公式な場で、馴れ馴れしく話しかけないで欲しいことは知っているはずだが。
「スペンサー様、お久しぶりでございます。ずっとお会い出来なかったので、今夜はお会い出来て嬉しいですわ。」
「ああ、何か?」
「あの、お伝えしたい事がありまして。2人でお話ししたいのです。」
どうせ私に縋る為に、脅しに来たのだろう。令嬢の背後には父の子爵らしい人物も見えるし。私だけでなく、仲間達も何かを察しているようだ。下位の貴族令嬢にありがちな話だ。
「いや、2人で話す事はないはずだから、話があるならここで聞こうか。」
「それは、スペンサー様が困るかと。」
へぇー、そう来るのか。じゃあ、こっちも遠慮なく対応しよう。
「別に私は困らないが。そういえば、最近はルークと親しくしているようだね。なんでも、子爵から結婚を認めて貰えるようにルークが頑張っているとか。飲み屋で嬉しそうに話していたよ。君が幸せそうで何よりだ。」
仲間の1人も口を開く。
「ああ、この前、飲み屋であった平民か!髪色と目の色がフィリップと同じで、面白いって話をしていた男だよな。」
「私はずっと騎士団の遠征に行っていたから、遠征から帰って来て、友人の君のおめでたい話が聞けて、本当に嬉しいよ。愛には身分は関係ないってことだね。」
背後にいる子爵は、顔を真っ赤にしている。令嬢は顔が真っ白だ。子供が出来たと言って、結婚を迫る令嬢はよくいるから、それだけは厳重に注意して、避妊薬を飲むようにしているし、相手の女にも美味しいワインと言って、必ず飲ませている。だから、子供なんてできるはずはない。しかも、こんな身分だからこそ、ハニートラップにも注意して、相手の女を影に探らせたりもしている。近衛騎士団に所属している高位の貴族令息は、みんなやっていることなのだ。
今回はこの令嬢が、別れる際に約束を破って、しつこく縋って来たので、影に色々と探らせておいたのが正解だったな。
更に別の仲間が攻撃する。
「君さ、銀髪の男が好みなの?銀髪の色んな男と一緒にいるところをみるけど、花屋のルークはいいヤツだから、あまり悲しませないようにしてくれよ。」
そこまで言われたところで、子爵が出てきて、失礼しますと言って、令嬢を連れて出て行ってしまった。もう、夜会で会う事はないだろう。私達を見くびった罰だ。周りの貴族達も聞き耳を立てているだろうし。付き合いのルールを破った、彼女が悪いのだ。
その時に、会場がザワっとする。何だろうと思っていると、友人の子息が知らせに来てくれる。
「フィリップのパートナーの姫君が、シールド公爵と踊っているぞ。」
何だって!慌てて、ホールの中央へ移動すると、マリーが公爵とダンスをしている。あの公爵が令嬢とダンスを踊るなんて、初めて見た気がする。何でマリーと踊るんだ!
周りの貴族達も、驚いているようだ。
「シールド公爵も、あの姫君には落ちたのか?」
「元婚約者に似ているって噂があるよね。」
姉上を大切にしなかったあいつが、マリーに関わることだけは、絶対に許さない。ダンスを途中で止めさせることは出来ないから、曲が終わり次第、すぐにマリーを迎えに行くか。あの女狐を相手にしていたおかげで、こんなことになるとは…。すると、マリーと話をしていた公爵が、ふっと笑顔になるのが見える。それに、微笑み返すマリー。
「あの公爵様が笑顔になりましてよ!」
「まあ、あんな表情が出来るのね。」
2人を見ている貴族達は、滅多に笑わない公爵に驚いているようだ。マリー、あいつに微笑んでは駄目だ。胸が苦しい。自分の心が黒く染まっていくような気がした。
その時、少し離れたところにアルベルトがいる事に気付く。…すごい殺気だ。アルベルトもシールド公爵が気に入らないのか?嫉妬なのだろうか?それを見て、少しだけ冷静になる。
ダンスが終わり、マリーはお礼を言っているようだが、公爵は何故かマリーの手を離さない。あいつ、何を考えてるんだ。マリーを迎えに行こうとした、その時であった。
「マリーベル嬢、王太子殿下がお呼びです。」
マディソン卿がマリーを呼んでいる。
「シリル様?」
「マリーベル嬢、さぁこちらに。」
そう言って、マリーの腰に手を回して強引に連れて行ってしまった。公爵は驚いたまま、2人の後ろ姿を見ている。
何があったんだ?マディソン卿とマリーは名前で呼び合えるくらい、親しいのか?腰に手を回してエスコートするのは、親密さのアピールにも見える。公爵への牽制か?あのマディソン卿がそんなことをするなんて。
周りでも、みんな驚いているようだ。マディソン卿が令嬢をあんな風にエスコートしているのも、初めて見た。
マリーは、そのまま王族のテーブルに座り、殿下達とお茶をしているようだった。その様子から、殿下夫妻は、マリーを可愛がっているのが分かる。
そして、あっという間にラストダンスの時間になったのだが、…見たくないものを見てしまった。あのマディソン卿がマリーに跪いている。マリーは、嬉しそうに手を取り、2人でラストダンスを踊っていた。シールド公爵の時とは違って、楽しそうに踊るマリー。彼女は、マディソン卿とそれなりに仲が良いのだろう。
「何て顔をしているのかしら?今日はせっかくパートナーにしてあげたのに、情けないわね。しっかりやりなさい!」
ここに来てまで、母に気合いをかけられるとは。父は母の背後で苦笑いしていた。
私は気付かなかっただけで、かなりマリーの事が好きになっていたらしい。自覚して気付いたのは、すごく心が苦しいということだ。
これから、どうする?彼女は、私を従兄妹としか見ていない。今まで自分に言い寄ってきた令嬢達のような、ギラギラした目でも、熱の籠った目でもないからだ。まだ、16歳の彼女を強引に自分の物にしてしまうか?いや。それをしたら、マリーは心を閉ざしてしまうかもしれないから嫌だ。それは最終手段だな。
マリーは、今日はこのまま、フォーレス侯爵家に泊まりに行くらしい。アルベルトの嬉しそうな顔が憎らしい。
私はこんなにも嫉妬深い男だったようだ。
デビュタントが始まり、国王陛下夫妻と王太子殿下夫妻に混ざって、父である王弟と踊るマリーに沢山の人が見惚れていた。沢山の貴族の前で、デビュタントとは思えない、優雅で完璧なダンスを見せるマリーは凄いと思う。
その後、一緒にマリーと踊るが、周りの令息はマリーをチラチラと見ている。この後、マリーをダンスに誘いたいのだろう。だけどそれは無理だろうな。この後に国王や王太子殿下といった、国家権力者がマリーとダンスを踊るだろうから。
マリー本人は何を考えているのか分からないが、ニコニコと私の顔を見つめている。可愛いからいいのだが、思わず気になっていた、先程の義兄や辺境伯の騎士とのことを聞いてしまった。本当は、更に深く聞きたいところだが、それは時間のある時にまた何気なく聞こうと思う。無理に聞いて、執着していると思われたくないから。
曲が終わり、私とのダンスが終わると、予想通りに国王陛下にダンスを誘われるマリー。しばらくは私の出番は無さそうだな。そんなことを考えていると、同じ近衛騎士の仲間たちから、声を掛けられる。まぁ、マリーとの関係が聞きたいのだろう。壁の方に移動して、仲間達とくだらない話をしている時であった。横から、子爵家の令嬢から話掛けられる。割り切った付き合いをしていた、そこそこの美人の令嬢だ。同じ近衛騎士の仲間たちもそれは知っている。こんな公式な場で、馴れ馴れしく話しかけないで欲しいことは知っているはずだが。
「スペンサー様、お久しぶりでございます。ずっとお会い出来なかったので、今夜はお会い出来て嬉しいですわ。」
「ああ、何か?」
「あの、お伝えしたい事がありまして。2人でお話ししたいのです。」
どうせ私に縋る為に、脅しに来たのだろう。令嬢の背後には父の子爵らしい人物も見えるし。私だけでなく、仲間達も何かを察しているようだ。下位の貴族令嬢にありがちな話だ。
「いや、2人で話す事はないはずだから、話があるならここで聞こうか。」
「それは、スペンサー様が困るかと。」
へぇー、そう来るのか。じゃあ、こっちも遠慮なく対応しよう。
「別に私は困らないが。そういえば、最近はルークと親しくしているようだね。なんでも、子爵から結婚を認めて貰えるようにルークが頑張っているとか。飲み屋で嬉しそうに話していたよ。君が幸せそうで何よりだ。」
仲間の1人も口を開く。
「ああ、この前、飲み屋であった平民か!髪色と目の色がフィリップと同じで、面白いって話をしていた男だよな。」
「私はずっと騎士団の遠征に行っていたから、遠征から帰って来て、友人の君のおめでたい話が聞けて、本当に嬉しいよ。愛には身分は関係ないってことだね。」
背後にいる子爵は、顔を真っ赤にしている。令嬢は顔が真っ白だ。子供が出来たと言って、結婚を迫る令嬢はよくいるから、それだけは厳重に注意して、避妊薬を飲むようにしているし、相手の女にも美味しいワインと言って、必ず飲ませている。だから、子供なんてできるはずはない。しかも、こんな身分だからこそ、ハニートラップにも注意して、相手の女を影に探らせたりもしている。近衛騎士団に所属している高位の貴族令息は、みんなやっていることなのだ。
今回はこの令嬢が、別れる際に約束を破って、しつこく縋って来たので、影に色々と探らせておいたのが正解だったな。
更に別の仲間が攻撃する。
「君さ、銀髪の男が好みなの?銀髪の色んな男と一緒にいるところをみるけど、花屋のルークはいいヤツだから、あまり悲しませないようにしてくれよ。」
そこまで言われたところで、子爵が出てきて、失礼しますと言って、令嬢を連れて出て行ってしまった。もう、夜会で会う事はないだろう。私達を見くびった罰だ。周りの貴族達も聞き耳を立てているだろうし。付き合いのルールを破った、彼女が悪いのだ。
その時に、会場がザワっとする。何だろうと思っていると、友人の子息が知らせに来てくれる。
「フィリップのパートナーの姫君が、シールド公爵と踊っているぞ。」
何だって!慌てて、ホールの中央へ移動すると、マリーが公爵とダンスをしている。あの公爵が令嬢とダンスを踊るなんて、初めて見た気がする。何でマリーと踊るんだ!
周りの貴族達も、驚いているようだ。
「シールド公爵も、あの姫君には落ちたのか?」
「元婚約者に似ているって噂があるよね。」
姉上を大切にしなかったあいつが、マリーに関わることだけは、絶対に許さない。ダンスを途中で止めさせることは出来ないから、曲が終わり次第、すぐにマリーを迎えに行くか。あの女狐を相手にしていたおかげで、こんなことになるとは…。すると、マリーと話をしていた公爵が、ふっと笑顔になるのが見える。それに、微笑み返すマリー。
「あの公爵様が笑顔になりましてよ!」
「まあ、あんな表情が出来るのね。」
2人を見ている貴族達は、滅多に笑わない公爵に驚いているようだ。マリー、あいつに微笑んでは駄目だ。胸が苦しい。自分の心が黒く染まっていくような気がした。
その時、少し離れたところにアルベルトがいる事に気付く。…すごい殺気だ。アルベルトもシールド公爵が気に入らないのか?嫉妬なのだろうか?それを見て、少しだけ冷静になる。
ダンスが終わり、マリーはお礼を言っているようだが、公爵は何故かマリーの手を離さない。あいつ、何を考えてるんだ。マリーを迎えに行こうとした、その時であった。
「マリーベル嬢、王太子殿下がお呼びです。」
マディソン卿がマリーを呼んでいる。
「シリル様?」
「マリーベル嬢、さぁこちらに。」
そう言って、マリーの腰に手を回して強引に連れて行ってしまった。公爵は驚いたまま、2人の後ろ姿を見ている。
何があったんだ?マディソン卿とマリーは名前で呼び合えるくらい、親しいのか?腰に手を回してエスコートするのは、親密さのアピールにも見える。公爵への牽制か?あのマディソン卿がそんなことをするなんて。
周りでも、みんな驚いているようだ。マディソン卿が令嬢をあんな風にエスコートしているのも、初めて見た。
マリーは、そのまま王族のテーブルに座り、殿下達とお茶をしているようだった。その様子から、殿下夫妻は、マリーを可愛がっているのが分かる。
そして、あっという間にラストダンスの時間になったのだが、…見たくないものを見てしまった。あのマディソン卿がマリーに跪いている。マリーは、嬉しそうに手を取り、2人でラストダンスを踊っていた。シールド公爵の時とは違って、楽しそうに踊るマリー。彼女は、マディソン卿とそれなりに仲が良いのだろう。
「何て顔をしているのかしら?今日はせっかくパートナーにしてあげたのに、情けないわね。しっかりやりなさい!」
ここに来てまで、母に気合いをかけられるとは。父は母の背後で苦笑いしていた。
私は気付かなかっただけで、かなりマリーの事が好きになっていたらしい。自覚して気付いたのは、すごく心が苦しいということだ。
これから、どうする?彼女は、私を従兄妹としか見ていない。今まで自分に言い寄ってきた令嬢達のような、ギラギラした目でも、熱の籠った目でもないからだ。まだ、16歳の彼女を強引に自分の物にしてしまうか?いや。それをしたら、マリーは心を閉ざしてしまうかもしれないから嫌だ。それは最終手段だな。
マリーは、今日はこのまま、フォーレス侯爵家に泊まりに行くらしい。アルベルトの嬉しそうな顔が憎らしい。
私はこんなにも嫉妬深い男だったようだ。
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