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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
閑話 守れなかった大切な人 2
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スペンサー侯爵家の墓地の場所に行くと、沢山の花が手向けられていた。墓碑にはアンネマリー様の名前が…。
やはりあの時に亡くなられてた…
守れなくてごめん…。
忘れないと言いながら、忘れていてごめん。
涙が溢れてくる…。気がつくと、俺は墓に跪いていた。
その時、アンネマリー様の墓碑の隣に、小さな墓碑がある事に気付く。その墓碑には、かつての自分の名前が…。どういう事だ?かつての俺は、実家の子爵家の墓地に埋葬されるはずだが。
気付くと、教会のシスターに話しかけていた。このシスターも見覚えがある。少し老けたかな。気さくで話好きなシスターだから、何か教えてくれそうだ。シスターにスペンサー侯爵家の墓地について聞くと、さすが話好きなシスターだ。アンネマリー様を最後まで守ろうとした、護衛騎士を偲んで、アンネマリー様の両親である侯爵夫妻が建立したもので、護衛騎士が最後に身に付けていた遺品や剣が埋葬されていると教えてくれた。
そうだ、侯爵夫妻は俺の事も家族のように大切にしてくれていた。だから、アンネマリー様が留学している間に、近衛騎士団で結果を出して来いと送りだそうとしてくれたのだった。侯爵家の騎士よりも近衛騎士団の方が箔がつくからと。なのに、俺はアンネマリー様をお守り出来なかった。それにも拘らず、侯爵夫妻はただの護衛騎士の俺に、ここまでしてくれていたのか……。どうしようもない気持ちに襲われる。しかし、無言になった俺に、シスターは驚く事を話すのだった。
「あなたも小説を読んでここに来たの?あの小説、とても人気だったみたいね。公爵子息の真実の愛を貫く姿が素敵だって。」
小説?公爵子息の真実の愛?何だそれは?不思議な顔をしていただろう俺に、シスターはまた教えてくれる。
スペンサー家の御令嬢は馬車事故に見せかけた、暗殺によって亡くなられた。それに気付いた、元婚約者だった公爵子息が隣国まで行き、恋敵であった子息と協力して、暗殺の首謀者の公爵令嬢を断罪してきたという。公爵子息は亡くなった令嬢だけを愛し続け、公爵になった今でも未婚でいるらしい。今でもよくここに花を手向けに来ると言うのだ。そしてその実話を元にした、ロマンス小説がとても人気であったらしい。その小説のファンも時々、花を手向けに来るのだと教えてくれた。
暗殺だったのか。確かにあの時には、冷静さに欠けてそこまで考える余裕がなかったが。
しかし、真実の愛だって?アンネマリー様との婚約者であったのは、今のシールド公爵か。何であいつがそんなに美化されているんだ?アンネマリー様にあんな態度をとっていたくせに。何度、彼女の悲しそうな顔を見たことか。暗殺の首謀者に報復したことは認めてもいいが…しかし、アイツだけは許さない。なんで生きている時に大切にしなかったんだ。
思うところは沢山あるが、ここに来たおかげで、沢山の事が知れてよかった。シスターにお礼を言って、家路に着く事にした。
今後この教会は、俺の遠乗りの定番ルートになるのであった。
その後、侯爵家の跡継ぎとしての教育や、剣術など忙しく日々を過ごしていた俺は、あっという間に貴族学園の初等部に入学する歳になっていた。相変わらず、義妹とは最低限の手紙のやり取りだけだ。時々、義妹の得意の刺繍のハンカチなども送られてくる。その刺繍が、義母が自慢するだけあってすごいのだが。アンネマリー様も、刺繍が得意だったな…。
義妹は貴族学園ではなく、選ばれた才媛だけが入学出来ると言われる、聖女子学園に入学するという。王都で一緒に生活するつもりでいた義両親は、ガッカリしていたが、あの学園に入学すること自体が名誉なので、そこは喜んでいた。
貴族学園では、王弟の侯爵令息として、一目置かれるようになる。侯爵家は上位の貴族なので、その身分に媚びてくる、空っぽな令嬢たちは嫌になったが。その中に、あの大嫌いな従姉妹がいたのは驚いた。伯爵令嬢として、ある程度の教養やマナーは身についていると思っていたが、正直、伯爵令嬢という身分以外に、何の価値もない女のままであった。周りや本人に勘違いされたくないので、こっちが身分が高い事を利用して、徹底的に冷たくあしらい、義両親に話して、伯爵家に関わってこないように、注意してもらう事にした。前に大金を握らせ念書まで書かせていたので、その後は従姉妹から関わってくることはなくなったが、裏で俺に近づこうとする令嬢に、嫌がらせをしているとか、黒い噂を聞く事になる。しかし、表面的には王弟の義息子である私に伯爵令嬢が何か出来る訳でもなく、そのままうやむやに日々は過ぎていき、気がつくと、もうすぐ中等部に進級する時期になっていた。
義妹は、辺境伯の令嬢と仲良くしていて、辺境伯領で魔物討伐に参加して活躍しているとか、得意の治癒魔法で沢山の騎士達を助け、聖女と呼ばれているようだとか聞いた。将来は騎士団に入団希望しているのかと思っていたが、聖女子学園で首席争いをしているとか、ピアノや刺繍など芸術も得意で稀代の天才と言われているとも聞く。義妹は何を目指しているのだろう。そんなに才能溢れているのに、王都に来ることを、何となく避けているようだし。勉強に集中したいから、侯爵家のタウンハウスではなく、学園の寮に入るとも言っていた。
そんな感じで、今まで全く接触して来なかった義妹とは、入学式で初めて顔を見る事になったのだった。
入学式で、新入生代表で挨拶をする人物の名前が呼ばれる。これは、クラス分けのテストで一位だった者が選ばれるのだが…
「新入生の挨拶。マリーベル・フォーレス侯爵令嬢」
うちの家名が呼ばれている。新入生でトップだったのは、義妹だったようだ。本当に優秀なんだな。
立ち上がりステージに向かう義妹を見て、驚いた。後姿がアンネマリー様と全く一緒だったのだ。背格好、髪、優雅な歩き方、全て。そして、ステージ真ん中に立ち、カーテシーをして挨拶文を読む声。読み終えた後、正面を見て微笑んだ顔。子息殺しと言われていた笑みだ。周りの子息たちが顔を赤らめるのが目につく。全てがアンネマリー様だった。驚愕して固まってしまっている自分に、横から友人の令息達が話しかけてきて、我に返る事が出来た。
「あの御令嬢って、義妹?すごい可愛いな。」
「婚約者とかいるのか?」
「紹介しろよ。」
周りが煩い。義父にも言われていた。親バカだけど、マリーは可愛いから、虫除けよろしくと。
その命令、しかと承りましたよ義父上。
そして、ステージ横の来賓席にいた王太子殿下の存在を思い出す。妹のように可愛がっていた、アンネマリー様そっくりの義妹を見た殿下は、……固まっていた。どんな時でも胡散臭い笑顔を崩すことの無かった、腹黒殿下ですら固まってしまったのだ。これは、近いうちに王家で何か接触してくるかもしれないな。義妹は殿下の歳の離れた従姉妹になるわけだし。アンネマリー様生き写しのような義妹に、興味を持つに決まっているのだから。
それより、義妹はアンネマリー様なのだろうか?筆跡やクッキーの味、得意の刺繍、馬車が苦手。そして、所作まで一緒。でもアンネマリー様だったとしても、記憶があるのかが分からない。もし、記憶があるなら、大好きだったスペンサー侯爵家の人達に会いたいだろうし、友人も沢山いたのだから、王都で生活したいはずだ。しかし、義妹は領地を好み、聖女子学園に進学し、長期休暇も領地と辺境伯領に行ってしまい、全く王都に近付こうとしなかった。
解らないな…。とりあえず、今更だが兄弟として、仲良くなれるように接触してみようか。俺が近くにいないと、虫が色々な所から飛んできそうだからな。
何となく過ごして来た学園生活が、義妹が入学した事で、波瀾万丈な日々になろうとしていた。
やはりあの時に亡くなられてた…
守れなくてごめん…。
忘れないと言いながら、忘れていてごめん。
涙が溢れてくる…。気がつくと、俺は墓に跪いていた。
その時、アンネマリー様の墓碑の隣に、小さな墓碑がある事に気付く。その墓碑には、かつての自分の名前が…。どういう事だ?かつての俺は、実家の子爵家の墓地に埋葬されるはずだが。
気付くと、教会のシスターに話しかけていた。このシスターも見覚えがある。少し老けたかな。気さくで話好きなシスターだから、何か教えてくれそうだ。シスターにスペンサー侯爵家の墓地について聞くと、さすが話好きなシスターだ。アンネマリー様を最後まで守ろうとした、護衛騎士を偲んで、アンネマリー様の両親である侯爵夫妻が建立したもので、護衛騎士が最後に身に付けていた遺品や剣が埋葬されていると教えてくれた。
そうだ、侯爵夫妻は俺の事も家族のように大切にしてくれていた。だから、アンネマリー様が留学している間に、近衛騎士団で結果を出して来いと送りだそうとしてくれたのだった。侯爵家の騎士よりも近衛騎士団の方が箔がつくからと。なのに、俺はアンネマリー様をお守り出来なかった。それにも拘らず、侯爵夫妻はただの護衛騎士の俺に、ここまでしてくれていたのか……。どうしようもない気持ちに襲われる。しかし、無言になった俺に、シスターは驚く事を話すのだった。
「あなたも小説を読んでここに来たの?あの小説、とても人気だったみたいね。公爵子息の真実の愛を貫く姿が素敵だって。」
小説?公爵子息の真実の愛?何だそれは?不思議な顔をしていただろう俺に、シスターはまた教えてくれる。
スペンサー家の御令嬢は馬車事故に見せかけた、暗殺によって亡くなられた。それに気付いた、元婚約者だった公爵子息が隣国まで行き、恋敵であった子息と協力して、暗殺の首謀者の公爵令嬢を断罪してきたという。公爵子息は亡くなった令嬢だけを愛し続け、公爵になった今でも未婚でいるらしい。今でもよくここに花を手向けに来ると言うのだ。そしてその実話を元にした、ロマンス小説がとても人気であったらしい。その小説のファンも時々、花を手向けに来るのだと教えてくれた。
暗殺だったのか。確かにあの時には、冷静さに欠けてそこまで考える余裕がなかったが。
しかし、真実の愛だって?アンネマリー様との婚約者であったのは、今のシールド公爵か。何であいつがそんなに美化されているんだ?アンネマリー様にあんな態度をとっていたくせに。何度、彼女の悲しそうな顔を見たことか。暗殺の首謀者に報復したことは認めてもいいが…しかし、アイツだけは許さない。なんで生きている時に大切にしなかったんだ。
思うところは沢山あるが、ここに来たおかげで、沢山の事が知れてよかった。シスターにお礼を言って、家路に着く事にした。
今後この教会は、俺の遠乗りの定番ルートになるのであった。
その後、侯爵家の跡継ぎとしての教育や、剣術など忙しく日々を過ごしていた俺は、あっという間に貴族学園の初等部に入学する歳になっていた。相変わらず、義妹とは最低限の手紙のやり取りだけだ。時々、義妹の得意の刺繍のハンカチなども送られてくる。その刺繍が、義母が自慢するだけあってすごいのだが。アンネマリー様も、刺繍が得意だったな…。
義妹は貴族学園ではなく、選ばれた才媛だけが入学出来ると言われる、聖女子学園に入学するという。王都で一緒に生活するつもりでいた義両親は、ガッカリしていたが、あの学園に入学すること自体が名誉なので、そこは喜んでいた。
貴族学園では、王弟の侯爵令息として、一目置かれるようになる。侯爵家は上位の貴族なので、その身分に媚びてくる、空っぽな令嬢たちは嫌になったが。その中に、あの大嫌いな従姉妹がいたのは驚いた。伯爵令嬢として、ある程度の教養やマナーは身についていると思っていたが、正直、伯爵令嬢という身分以外に、何の価値もない女のままであった。周りや本人に勘違いされたくないので、こっちが身分が高い事を利用して、徹底的に冷たくあしらい、義両親に話して、伯爵家に関わってこないように、注意してもらう事にした。前に大金を握らせ念書まで書かせていたので、その後は従姉妹から関わってくることはなくなったが、裏で俺に近づこうとする令嬢に、嫌がらせをしているとか、黒い噂を聞く事になる。しかし、表面的には王弟の義息子である私に伯爵令嬢が何か出来る訳でもなく、そのままうやむやに日々は過ぎていき、気がつくと、もうすぐ中等部に進級する時期になっていた。
義妹は、辺境伯の令嬢と仲良くしていて、辺境伯領で魔物討伐に参加して活躍しているとか、得意の治癒魔法で沢山の騎士達を助け、聖女と呼ばれているようだとか聞いた。将来は騎士団に入団希望しているのかと思っていたが、聖女子学園で首席争いをしているとか、ピアノや刺繍など芸術も得意で稀代の天才と言われているとも聞く。義妹は何を目指しているのだろう。そんなに才能溢れているのに、王都に来ることを、何となく避けているようだし。勉強に集中したいから、侯爵家のタウンハウスではなく、学園の寮に入るとも言っていた。
そんな感じで、今まで全く接触して来なかった義妹とは、入学式で初めて顔を見る事になったのだった。
入学式で、新入生代表で挨拶をする人物の名前が呼ばれる。これは、クラス分けのテストで一位だった者が選ばれるのだが…
「新入生の挨拶。マリーベル・フォーレス侯爵令嬢」
うちの家名が呼ばれている。新入生でトップだったのは、義妹だったようだ。本当に優秀なんだな。
立ち上がりステージに向かう義妹を見て、驚いた。後姿がアンネマリー様と全く一緒だったのだ。背格好、髪、優雅な歩き方、全て。そして、ステージ真ん中に立ち、カーテシーをして挨拶文を読む声。読み終えた後、正面を見て微笑んだ顔。子息殺しと言われていた笑みだ。周りの子息たちが顔を赤らめるのが目につく。全てがアンネマリー様だった。驚愕して固まってしまっている自分に、横から友人の令息達が話しかけてきて、我に返る事が出来た。
「あの御令嬢って、義妹?すごい可愛いな。」
「婚約者とかいるのか?」
「紹介しろよ。」
周りが煩い。義父にも言われていた。親バカだけど、マリーは可愛いから、虫除けよろしくと。
その命令、しかと承りましたよ義父上。
そして、ステージ横の来賓席にいた王太子殿下の存在を思い出す。妹のように可愛がっていた、アンネマリー様そっくりの義妹を見た殿下は、……固まっていた。どんな時でも胡散臭い笑顔を崩すことの無かった、腹黒殿下ですら固まってしまったのだ。これは、近いうちに王家で何か接触してくるかもしれないな。義妹は殿下の歳の離れた従姉妹になるわけだし。アンネマリー様生き写しのような義妹に、興味を持つに決まっているのだから。
それより、義妹はアンネマリー様なのだろうか?筆跡やクッキーの味、得意の刺繍、馬車が苦手。そして、所作まで一緒。でもアンネマリー様だったとしても、記憶があるのかが分からない。もし、記憶があるなら、大好きだったスペンサー侯爵家の人達に会いたいだろうし、友人も沢山いたのだから、王都で生活したいはずだ。しかし、義妹は領地を好み、聖女子学園に進学し、長期休暇も領地と辺境伯領に行ってしまい、全く王都に近付こうとしなかった。
解らないな…。とりあえず、今更だが兄弟として、仲良くなれるように接触してみようか。俺が近くにいないと、虫が色々な所から飛んできそうだからな。
何となく過ごして来た学園生活が、義妹が入学した事で、波瀾万丈な日々になろうとしていた。
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