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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
閑話 断罪とその後
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私の本来の目的はアンネマリーの復讐だ。正直、公爵の事はどうでも良かったが、両陛下と王太子殿下が一緒にと強く望んだことから、王家を巻き込んだ断罪劇になったのだ。
王太子殿下は今までは、公爵家の筆頭であるエベスト公爵家に気を遣って、令嬢が目に余る行動をしても、そこまで強くは諭したりしなかったらしい。変に注意を促して、他の令嬢に怒りの矛先が行くのを避ける為でもあったようだ。しかし、今回はあの女が私に惹かれるようにする為、悪役殿下になりきって、公爵令嬢のプライドを傷つけるような言葉を掛け続けたのだ。更に他の令嬢が沢山いる前で、あの女を攻撃することによって、殿下とエベスト公爵令嬢は不仲で、エベスト公爵令嬢は婚約者になれないだろうという噂を立ててもらい、エベスト公爵の耳に入るようにした。
王太子殿下に娘が全く相手にされない、お茶会では冷たくあしらわれ、先に返される、そんな噂を聞いたら、婚約者にはなれないと判断するだろうし、筆頭公爵家をバカにしているのかと不快に思うはず。そして娘の婚約が無理なら、昔から考えていた王家の乗っ取りの為に、そろそろ動くだろうと殿下は予想しての行動だった。反逆未遂をさせて、確実に捕まえる為に。その予想通りに公爵は動いたので、王家念願のエベスト公爵家の取り潰しが叶ったのだった。
ここまで私は王家に付き合ったのだ。この後は、あの女の断罪を私にさせてもらう事になっている。
広間の中が静まりかえっている中、父や同じ派閥の貴族達が断罪され、ショックで動けなくなっているエベスト公爵令嬢を皆の前に引きずり出す。暗殺者を使って王妃殿下の姪である、侯爵令嬢の殺人が疑われていることを伝えると、絶句していた。そこで近衛騎士に拘束されて来た、高等学園の薬学博士とアンネマリーに使おうとした毒を見せる。薬学博士はすべて正直に話した。公爵家から、毒殺されたと気付かれにくい毒を作って欲しいと依頼があり、私が作った毒であると。そこで公爵令嬢のメイドが近衛騎士に連れて来られ、自白剤を飲まされる。メイドは公爵令嬢に指示されて、暗殺者を雇ったことを認めた。証拠が沢山あるので、言い逃れが出来ない。
「私をずっと側で守ってくれると、おっしゃっていたではありませんか!どうして…。」
「自分が守ってもらえる価値がある人間だと思うのか?私から、大切な人を奪っておきながら。」
「………?」
「まだ分からないのか?お前が暗殺させた令嬢は私の愛する人だったのだ。私が不甲斐ないばかりに、婚約の話が無くなってしまったが、それでもやり直したいと思っていたし、それが無理でも、彼女の幸せをずっと見届けて行きたいと思っていた。それなのに、お前が私から愛も希望も全てを奪ったのだ。…それと勘違いしているようだが、彼女は実家の侯爵領を発展させる為に、この国に来て学びたかっただけだ。お前の様に、権力にしか興味のない心の醜い女とは違うのだ。」
「…あなたはもしかして、亡くなった令嬢の元婚約者の公爵令息?」
「やっと分かったのか!お前への復讐だけを頼りにここまで来たのだ。楽に死ねると思うなよ!」
あの女が絶望した表情を見せる。そうだ、私はその顔が見たかったのだ。アンネマリーが最期に流した涙の代償にもならないが、もっと苦しめ!絶望しろ!
私はアンネマリーのためになら、悪魔にでも死神にでもなれるのだから。
「どうして…?貴族学園で断罪されたくないから、男爵家に引き取られる前のヒロインを暗殺したのに。何で今更ここで断罪されてるの?好きで悪役令嬢になった訳じゃないのに。悪役令嬢は必ず断罪される運命なの?」
あの女が震えながら意味不明な事を言っている。絶望で気が触れたか?
他にも色々と悪事があるようなので、今後色々と喋らされるだろう。自白剤を使わず、拷問で。その後、王家で責任を持って処分してくれる約束になっている。かわいい姪を失った王妃殿下が怒り狂っているからな。
氷に囲まれて、生け捕りにしてある公爵の兵の事はこの国の騎士団にお願いしていこう。脅されて参加させられた者や、意味も分からず雇われて参加した者もいるはずだから、わざわざ精神を操り王宮近くの広場に集めて、生け捕りにしたのだ。魔導師は、簡単に片付けたいなら燃やしますか?とか物騒なことを聞いてきたが、それは遠慮しておいた。我が国の殿下は、戦闘に特化した魔導師と言っていたが、戦闘狂の魔導師の間違いだと思う。
断罪を終えた私は直ぐに帰る事にした。約2年ぶりの帰国。早くアンネマリーの墓前に行って、全て終わった事を報告したいのだ。
そして、入国した時よりも多い人数で帰国する事になった。
まず、マディソンが一緒に帰国する。高等学園は普通なら4年課程なのに、飛び級で2年での卒業だ。どれだけ頭がキレるやつなんだ。本人は、殿下が早く帰ってこいと煩いからと言うが…。
それに加えて、拘束した薬学博士を国外追放するように見せかけて貰ってきたのだ。
断罪の前に、マディソンと手紙のやり取りをして、我が国は薬学がこの国より遅れているから、この博士が欲しいという話になったのだ。
王家に隠れて危険な毒物を作っていたのだから、処刑される可能性がある。まだ若いのに勿体ない。博士には、エベスト公爵家の事で王家から拘束されるだろうが、やったことを全て正直に話をしたら、命を助けてもらえるように私達が王家に掛け合ってもいい。そして、私達についてくるなら、薬学の研究を我が国でさせてあげる事も出来る。ただ、悪事は出来ないように契約魔法はかける事になるが。ここで処刑されるか、正直に話して、私たちについて来るかどうするのかと、マディソンが直接、博士に交渉してきたのだ。博士は研究バカだから、私達について行きたいと即座に決めたらしい。マディソンは頭だけでなく口まで回るヤツだ。
私の方は、両陛下と王太子殿下にその事を掛け合った。薬学の知識が他国に流出することに若干の抵抗があるようだが、今回は我が国の魔導師が大活躍し、あの数千の公爵軍を魔法で蹴散らして、他の貴族の牽制にもなったので認めてくれた。
この国が薬学などの学問の国と呼ぶならば、我が国は魔法の国だ。この国は強い魔力を持つ者が極端に少なく、魔力に耐性がないので、攻撃魔法に弱い。だから数千の公爵軍にも2人の最強魔導師で対抗出来たのだ。我が国の殿下が魔導師を2人も派遣してくれたのはそこにある。我が国の魔導師のあり得ない力を見せつけて、この国の貴族達が王妃殿下を始めとする王族や、我が国に手出しが出来なくなるように牽制としてだ。エベスト公爵家のようにならないように。
王太子殿下は今までは、公爵家の筆頭であるエベスト公爵家に気を遣って、令嬢が目に余る行動をしても、そこまで強くは諭したりしなかったらしい。変に注意を促して、他の令嬢に怒りの矛先が行くのを避ける為でもあったようだ。しかし、今回はあの女が私に惹かれるようにする為、悪役殿下になりきって、公爵令嬢のプライドを傷つけるような言葉を掛け続けたのだ。更に他の令嬢が沢山いる前で、あの女を攻撃することによって、殿下とエベスト公爵令嬢は不仲で、エベスト公爵令嬢は婚約者になれないだろうという噂を立ててもらい、エベスト公爵の耳に入るようにした。
王太子殿下に娘が全く相手にされない、お茶会では冷たくあしらわれ、先に返される、そんな噂を聞いたら、婚約者にはなれないと判断するだろうし、筆頭公爵家をバカにしているのかと不快に思うはず。そして娘の婚約が無理なら、昔から考えていた王家の乗っ取りの為に、そろそろ動くだろうと殿下は予想しての行動だった。反逆未遂をさせて、確実に捕まえる為に。その予想通りに公爵は動いたので、王家念願のエベスト公爵家の取り潰しが叶ったのだった。
ここまで私は王家に付き合ったのだ。この後は、あの女の断罪を私にさせてもらう事になっている。
広間の中が静まりかえっている中、父や同じ派閥の貴族達が断罪され、ショックで動けなくなっているエベスト公爵令嬢を皆の前に引きずり出す。暗殺者を使って王妃殿下の姪である、侯爵令嬢の殺人が疑われていることを伝えると、絶句していた。そこで近衛騎士に拘束されて来た、高等学園の薬学博士とアンネマリーに使おうとした毒を見せる。薬学博士はすべて正直に話した。公爵家から、毒殺されたと気付かれにくい毒を作って欲しいと依頼があり、私が作った毒であると。そこで公爵令嬢のメイドが近衛騎士に連れて来られ、自白剤を飲まされる。メイドは公爵令嬢に指示されて、暗殺者を雇ったことを認めた。証拠が沢山あるので、言い逃れが出来ない。
「私をずっと側で守ってくれると、おっしゃっていたではありませんか!どうして…。」
「自分が守ってもらえる価値がある人間だと思うのか?私から、大切な人を奪っておきながら。」
「………?」
「まだ分からないのか?お前が暗殺させた令嬢は私の愛する人だったのだ。私が不甲斐ないばかりに、婚約の話が無くなってしまったが、それでもやり直したいと思っていたし、それが無理でも、彼女の幸せをずっと見届けて行きたいと思っていた。それなのに、お前が私から愛も希望も全てを奪ったのだ。…それと勘違いしているようだが、彼女は実家の侯爵領を発展させる為に、この国に来て学びたかっただけだ。お前の様に、権力にしか興味のない心の醜い女とは違うのだ。」
「…あなたはもしかして、亡くなった令嬢の元婚約者の公爵令息?」
「やっと分かったのか!お前への復讐だけを頼りにここまで来たのだ。楽に死ねると思うなよ!」
あの女が絶望した表情を見せる。そうだ、私はその顔が見たかったのだ。アンネマリーが最期に流した涙の代償にもならないが、もっと苦しめ!絶望しろ!
私はアンネマリーのためになら、悪魔にでも死神にでもなれるのだから。
「どうして…?貴族学園で断罪されたくないから、男爵家に引き取られる前のヒロインを暗殺したのに。何で今更ここで断罪されてるの?好きで悪役令嬢になった訳じゃないのに。悪役令嬢は必ず断罪される運命なの?」
あの女が震えながら意味不明な事を言っている。絶望で気が触れたか?
他にも色々と悪事があるようなので、今後色々と喋らされるだろう。自白剤を使わず、拷問で。その後、王家で責任を持って処分してくれる約束になっている。かわいい姪を失った王妃殿下が怒り狂っているからな。
氷に囲まれて、生け捕りにしてある公爵の兵の事はこの国の騎士団にお願いしていこう。脅されて参加させられた者や、意味も分からず雇われて参加した者もいるはずだから、わざわざ精神を操り王宮近くの広場に集めて、生け捕りにしたのだ。魔導師は、簡単に片付けたいなら燃やしますか?とか物騒なことを聞いてきたが、それは遠慮しておいた。我が国の殿下は、戦闘に特化した魔導師と言っていたが、戦闘狂の魔導師の間違いだと思う。
断罪を終えた私は直ぐに帰る事にした。約2年ぶりの帰国。早くアンネマリーの墓前に行って、全て終わった事を報告したいのだ。
そして、入国した時よりも多い人数で帰国する事になった。
まず、マディソンが一緒に帰国する。高等学園は普通なら4年課程なのに、飛び級で2年での卒業だ。どれだけ頭がキレるやつなんだ。本人は、殿下が早く帰ってこいと煩いからと言うが…。
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私の方は、両陛下と王太子殿下にその事を掛け合った。薬学の知識が他国に流出することに若干の抵抗があるようだが、今回は我が国の魔導師が大活躍し、あの数千の公爵軍を魔法で蹴散らして、他の貴族の牽制にもなったので認めてくれた。
この国が薬学などの学問の国と呼ぶならば、我が国は魔法の国だ。この国は強い魔力を持つ者が極端に少なく、魔力に耐性がないので、攻撃魔法に弱い。だから数千の公爵軍にも2人の最強魔導師で対抗出来たのだ。我が国の殿下が魔導師を2人も派遣してくれたのはそこにある。我が国の魔導師のあり得ない力を見せつけて、この国の貴族達が王妃殿下を始めとする王族や、我が国に手出しが出来なくなるように牽制としてだ。エベスト公爵家のようにならないように。
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