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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
領地に残ります
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忙しく過ごしていたある日、お父様が私の専属のメイドと護衛を雇ってくれた。
男爵家出身のアリーと、子爵家出身のレンだ。2人とも10代後半だよね。アリーは騎士の家門らしく、護衛も出来るメイドらしい。黒髪に茶色の瞳の綺麗なお姉さんだ。レンは金髪に青い目を持つ、カッコいいより、かわいい系の騎士様。お兄さんとお姉さんが出来たみたいで嬉しいことを伝えると喜んでくれました。仲良くしないとね!断罪されそうな時に、守ってもらえるように。
2人とも、なかなかの手練れらしいので、空いている時間に剣術の自主練に付き合ってもらったり、馬術も見てもらったりしてくれるのでラッキー!!
ただ、優しそうに見える2人も練習は厳しく、ヘトヘトになるけどね。
雨の日は外に出れないので、淑女の嗜みの刺繍でもやろうかなぁと思い、針と糸とハンカチを出してもらう。多分、記憶が戻る前の病弱だった頃に多少は習っているはずだし、手芸は杏奈の時に好きだったから、何とかなるはず。手芸教室も行ってたしね。よく姉に頼まれて、姪の幼稚園で使うレッスンバックとかハンカチとかに、名入れの刺繍をしたなぁ。そんなの、マジックで書けばいいのにと言ったら、他の子と変化をつけたいとか言って。うさぎとかハートとかも喜んでくれたよね。
久しぶりだし、簡単なうさぎとかクマさんとかの図案を描いてやってみよー。手が小さいから、杏奈の時の様にやるのは難しいだろうけど。
夢中になると、すぐ終わってしまうので、使用人の人達に名前を入れてプレゼントでもしちゃう?まずはセバスチャンから行こうか!
うーん。セバスチャンにうさぎとかクマさんは合わないよねー。花といってもなぁ。あっ、アイビーにしよう。縁起が良さそうだし!
アイビーの葉っぱとセバスチャンのスペルを入れた刺繍をちゃっちゃと仕上げて、セバスチャンにプレゼントする私。ビックリしてたけど、喜んでくれた。そしたら、近くで見ていた両親が何か言いたそうな表情をしている…。あっ!大切な人達を忘れてた!
「お父様とお母様は、もっと上手になるまで待っててくださいね。あっ!お母様、刺繍糸とハンカチをもっと買って欲しいのですが、よろしいでしょうか?」
「まあ!マリーもやる気になったのね。セバスチャン、早速、商会を呼んで貰えるかしら?」
「畏まりました。」
お母様は嬉しそうだ。やっぱり女の子らしい趣味を持って欲しいよね。
私は、刺繍も頑張ろうと思ったのであった。
しかし、両親が考えていたのは、別の事で…。なぜ教えてないのに、完成度の高い刺繍が出来るのか?と思っていたことに本人は気付かない。
月日が過ぎ、社交シーズンに入る。今までは、領地の侯爵邸で過ごしていたが、王都のタウンハウスに両親は戻らなければならない時期だ。
お父様は一応、王弟なので、国王陛下の補佐の仕事もしなくてはならないのに、私の体を気遣って、今まで領地にいてくれたようだ。マリーベルは大切にして貰っているよね。でも、中身アラサーだし、最近はかなり元気だから、いつまでもお父様を領地に縛り付けておくわけには行かない。ので、私はセバスチャンもアリーもレンもいるし、家庭教師の先生方もいるから、心配しないで王都に戻って下さいと話してみた。お父様とお母様は、複雑そうな表情をしながらも、抱きしめてくれた。手紙も書くし、勉強も刺繍も頑張りますと言うと、お母様は泣いてしまった。
そして、寂しそうに両親は王都に戻って行ったのだった。
私は相変わらず、剣術と馬術と魔法と外国語を中心に毎日を過ごす日々だ。合間に刺繍をしつつ、気分転換にお菓子作りをしたいとセバスチャンに言ってみたら、直接焼くのは厨房のコックがやると言う約束付きで許してくれた。
お菓子作りをする令嬢は少ないみたいだが、いつ断罪されて、平民落ちするかわからない世界なので、料理も兼ねて、練習しておきたいと言うのが本心だ。
よし、簡単なクッキーを作ってみよう。小麦粉とバターと砂糖と卵と…。お分かりだろうか?食材の名前が前世の日本と同じであると言うことに。
日本の乙女ゲームの中みたいだよね。怖っ!気を付けないと。実は両親と王都に行かなかったのは、馬車酔いのだけの問題ではなく、攻略対象になってそうな高位の貴族に関わりたくないから、領地に籠っていたいというのが、私の本音なのだ。
いけない!今はクッキー作りを楽しもう。
お菓子作りは杏奈は大好きだった。いつか結婚したら、かわいい我が子に、手作りのお菓子を作りたいと思って、お菓子作り教室にも行ったよねー。
簡単なプレーンクッキーを作ってみた。釜の火加減はプロのコックがやってくれているから、サクサクに出来ました。やっぱり火加減って大事ね。厨房のコック達と、セバスチャンとアリーとレンで食べたけど、割と好評だったので、また作ろう!
そうそう!実は最近ピアノも弾いているのです。さすが侯爵家!立派なグランドピアノがあったので、試しに弾いてみたら、みんなが喜んでくれたので、調子に乗って弾いています。ピアノも楽譜も日本と一緒なのが、気になるけど。特に講師はつけてないけど、楽しく、それなりに弾ければいいよね?
杏奈の時に10年くらいピアノを習っていたから、懐かしい。次にお母様に会う時に弾いてあげよう!
そういえば、この前、杏奈の時に好きだった癒し効果のある曲を弾いていたら、使用人の方達が疲れが取れると言ってくれたので、考えてみた。治癒魔法の応用と考えて、曲に癒しの力を込める事が出来るのかと。みんな元気になってねと願いを込めて弾いてみるが。見た感じは変化は分からないなぁ。みんなニコニコしてくれるけど、身内贔屓かもしれないし。
治癒魔法も色々応用出来ればいいよね。
お父様とお母様は休みが数日取れる時、領地に帰って来てくれるし、手紙も頻繁にやり取りしている。
侯爵家の騎士がタウンハウスに手紙を届けてくれるのだ。騎馬隊の訓練を兼ねて、騎士数人で王都に行って来てくれる。
そんな騎士様達に、差し入れで手作りのクッキーを持たせてみた。クッキーに治癒魔法を掛けているのは内緒である。ミハエル先生に相談したら、面白いからやってみたらと言ってくれたのだ。次いでに、馬にあげる人参にも治癒魔法を掛けて、持たせてみた。結果が気になるから、早く帰ってこないかなぁと思っていたら…、彼らは過去最短で戻ってきました。もしかして、効果あった?騎士様達はクッキーを食べたので頑張れましたよって言ってくれた。お馬さん達も、調子が良かったと言ってた。うーむ、効いているのかどうかは、まだ判断出来ないから、何回かやってみた方がいいわね。
毎日、忙しく過ごしていた私はあっと言う間に10歳になっていた。
男爵家出身のアリーと、子爵家出身のレンだ。2人とも10代後半だよね。アリーは騎士の家門らしく、護衛も出来るメイドらしい。黒髪に茶色の瞳の綺麗なお姉さんだ。レンは金髪に青い目を持つ、カッコいいより、かわいい系の騎士様。お兄さんとお姉さんが出来たみたいで嬉しいことを伝えると喜んでくれました。仲良くしないとね!断罪されそうな時に、守ってもらえるように。
2人とも、なかなかの手練れらしいので、空いている時間に剣術の自主練に付き合ってもらったり、馬術も見てもらったりしてくれるのでラッキー!!
ただ、優しそうに見える2人も練習は厳しく、ヘトヘトになるけどね。
雨の日は外に出れないので、淑女の嗜みの刺繍でもやろうかなぁと思い、針と糸とハンカチを出してもらう。多分、記憶が戻る前の病弱だった頃に多少は習っているはずだし、手芸は杏奈の時に好きだったから、何とかなるはず。手芸教室も行ってたしね。よく姉に頼まれて、姪の幼稚園で使うレッスンバックとかハンカチとかに、名入れの刺繍をしたなぁ。そんなの、マジックで書けばいいのにと言ったら、他の子と変化をつけたいとか言って。うさぎとかハートとかも喜んでくれたよね。
久しぶりだし、簡単なうさぎとかクマさんとかの図案を描いてやってみよー。手が小さいから、杏奈の時の様にやるのは難しいだろうけど。
夢中になると、すぐ終わってしまうので、使用人の人達に名前を入れてプレゼントでもしちゃう?まずはセバスチャンから行こうか!
うーん。セバスチャンにうさぎとかクマさんは合わないよねー。花といってもなぁ。あっ、アイビーにしよう。縁起が良さそうだし!
アイビーの葉っぱとセバスチャンのスペルを入れた刺繍をちゃっちゃと仕上げて、セバスチャンにプレゼントする私。ビックリしてたけど、喜んでくれた。そしたら、近くで見ていた両親が何か言いたそうな表情をしている…。あっ!大切な人達を忘れてた!
「お父様とお母様は、もっと上手になるまで待っててくださいね。あっ!お母様、刺繍糸とハンカチをもっと買って欲しいのですが、よろしいでしょうか?」
「まあ!マリーもやる気になったのね。セバスチャン、早速、商会を呼んで貰えるかしら?」
「畏まりました。」
お母様は嬉しそうだ。やっぱり女の子らしい趣味を持って欲しいよね。
私は、刺繍も頑張ろうと思ったのであった。
しかし、両親が考えていたのは、別の事で…。なぜ教えてないのに、完成度の高い刺繍が出来るのか?と思っていたことに本人は気付かない。
月日が過ぎ、社交シーズンに入る。今までは、領地の侯爵邸で過ごしていたが、王都のタウンハウスに両親は戻らなければならない時期だ。
お父様は一応、王弟なので、国王陛下の補佐の仕事もしなくてはならないのに、私の体を気遣って、今まで領地にいてくれたようだ。マリーベルは大切にして貰っているよね。でも、中身アラサーだし、最近はかなり元気だから、いつまでもお父様を領地に縛り付けておくわけには行かない。ので、私はセバスチャンもアリーもレンもいるし、家庭教師の先生方もいるから、心配しないで王都に戻って下さいと話してみた。お父様とお母様は、複雑そうな表情をしながらも、抱きしめてくれた。手紙も書くし、勉強も刺繍も頑張りますと言うと、お母様は泣いてしまった。
そして、寂しそうに両親は王都に戻って行ったのだった。
私は相変わらず、剣術と馬術と魔法と外国語を中心に毎日を過ごす日々だ。合間に刺繍をしつつ、気分転換にお菓子作りをしたいとセバスチャンに言ってみたら、直接焼くのは厨房のコックがやると言う約束付きで許してくれた。
お菓子作りをする令嬢は少ないみたいだが、いつ断罪されて、平民落ちするかわからない世界なので、料理も兼ねて、練習しておきたいと言うのが本心だ。
よし、簡単なクッキーを作ってみよう。小麦粉とバターと砂糖と卵と…。お分かりだろうか?食材の名前が前世の日本と同じであると言うことに。
日本の乙女ゲームの中みたいだよね。怖っ!気を付けないと。実は両親と王都に行かなかったのは、馬車酔いのだけの問題ではなく、攻略対象になってそうな高位の貴族に関わりたくないから、領地に籠っていたいというのが、私の本音なのだ。
いけない!今はクッキー作りを楽しもう。
お菓子作りは杏奈は大好きだった。いつか結婚したら、かわいい我が子に、手作りのお菓子を作りたいと思って、お菓子作り教室にも行ったよねー。
簡単なプレーンクッキーを作ってみた。釜の火加減はプロのコックがやってくれているから、サクサクに出来ました。やっぱり火加減って大事ね。厨房のコック達と、セバスチャンとアリーとレンで食べたけど、割と好評だったので、また作ろう!
そうそう!実は最近ピアノも弾いているのです。さすが侯爵家!立派なグランドピアノがあったので、試しに弾いてみたら、みんなが喜んでくれたので、調子に乗って弾いています。ピアノも楽譜も日本と一緒なのが、気になるけど。特に講師はつけてないけど、楽しく、それなりに弾ければいいよね?
杏奈の時に10年くらいピアノを習っていたから、懐かしい。次にお母様に会う時に弾いてあげよう!
そういえば、この前、杏奈の時に好きだった癒し効果のある曲を弾いていたら、使用人の方達が疲れが取れると言ってくれたので、考えてみた。治癒魔法の応用と考えて、曲に癒しの力を込める事が出来るのかと。みんな元気になってねと願いを込めて弾いてみるが。見た感じは変化は分からないなぁ。みんなニコニコしてくれるけど、身内贔屓かもしれないし。
治癒魔法も色々応用出来ればいいよね。
お父様とお母様は休みが数日取れる時、領地に帰って来てくれるし、手紙も頻繁にやり取りしている。
侯爵家の騎士がタウンハウスに手紙を届けてくれるのだ。騎馬隊の訓練を兼ねて、騎士数人で王都に行って来てくれる。
そんな騎士様達に、差し入れで手作りのクッキーを持たせてみた。クッキーに治癒魔法を掛けているのは内緒である。ミハエル先生に相談したら、面白いからやってみたらと言ってくれたのだ。次いでに、馬にあげる人参にも治癒魔法を掛けて、持たせてみた。結果が気になるから、早く帰ってこないかなぁと思っていたら…、彼らは過去最短で戻ってきました。もしかして、効果あった?騎士様達はクッキーを食べたので頑張れましたよって言ってくれた。お馬さん達も、調子が良かったと言ってた。うーむ、効いているのかどうかは、まだ判断出来ないから、何回かやってみた方がいいわね。
毎日、忙しく過ごしていた私はあっと言う間に10歳になっていた。
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